海外発送が簡単になる!Amazon FBA海外配送プログラムを徹底解説

Amazonの出品者でFBAを利用している人は多数います。2018年7月よりFBA海外配送プログラムが開始され、2019年2月より自動登録される事になりました。しかしその内容を、よく理解していない人は少なくないでしょう。

そんな人のために、この記事ではFBA海外配送プログラムのメリットやデメリット、Amazon FBAの利用手順などを紹介します。

目次

AmazonのFBAを使って販売するための手順

ここではAmazonのFBAを使って販売するための手順を紹介します。

販売商品を決める「商品リサーチ」

AmazonのFBAを使って物販を行うにあたってはじめにしなければならないのは商品リサーチです。商品をリサーチすることによって、その利益率や回転率を見極める事ができるため、売り上げを伸ばすためには不可欠なプロセスです。下記で商品リサーチを行う際の注意点を紹介します。

・利益計算をする。

たくさん売れる商品でも、利益が出ないと意味がありません。きっちり利益がとれるか確認してから商品を扱う事が大切です。リサーチ段階では、ざっくりでもかまわないので利益計算をするようにしましょう。

・商品の回転率もチェックする。

利益がとれる商品を選んだとしても、商品が売れなければ不良在庫になるだけです。売り上げがなければ、資金不足に陥り商品を仕入れる事ができなくなります。したがって、商品の回転率も必ずチェックするようにしましょう。

FBAに商品登録する

次は商品リサーチで選んだ商品を、FBAに商品登録する作業です。Amazon FBA販売では、FBAに必ず商品登録する事が必要です。FBAに商品登録する事で、在庫の管理から売れた商品の発送までの作業を省く事ができます。

この商品登録ですが、登録方法が2通りあります。

・新規商品登録

Amazonに出品されていない商品を新たに登録する方法です。この方法だと、自分で商品ページを一から作成する必要があります。自社商品を販売する時は、この登録方法を使います。また、この登録方法を使う際は、大口出品者になる必要があります。ただ、この方法だと今までAmazonに出品されたことがない商品を扱うことになるので、売れ行きの見込みが立たないのがネックです。

・相乗登録

こちらは、すでにAmazonに出品されている商品を販売する方法です。こちらの方法だと新たに商品ページを作成する必要がないので、新規商品登録より簡単です。また大口出品者になる必要もありません。Amazonですでに販売されている商品を扱うことになるので、販売価格・回転率・利益・売れ行きなどを予想できるのがメリットです。

商品の仕入れ先を確保する

扱う商品を決め、商品登録が完了したら、次は仕入れ先の確保です。仕入れ先となるのは、メーカーや卸問屋、ECサイトや一般販売店など様々です。安く仕入れた方が利益は多く取れるので、安い仕入れ先を見付ける事が重要です。

仕入れの方法には、卸売り仕入れと小売り仕入れがあります。卸売り仕入れとは、メーカーや卸問屋から卸売り値で仕入れる方法です。一般の販売価格より安く、大量に仕入れる事ができます。効率よく稼ぎたい場合は、卸売り仕入れの方が良いでしょう。

小売り仕入れとは、一般の販売店やネットショップから仕入れる方法です。この方法だと、店舗の在庫が少なかったり、商品の販売数に制限がついていたりする場合があり、大量に販売する事は難しいです。

Amazon FBA Shipmentを作成する。

仕入れた商品をAmazon FBA倉庫に納品するには、Amazon FBA Shipmentを作成する必要があります。

Shipmentとは、商品発送単位の事です。Amazon FBA倉庫に納品する際は、送る商品のリストと数量をShipmentとして登録・申請する必要があります。登録、申請すると、受領バーコードが印刷されたラベルが発行されます。Amazon FBA倉庫に商品を送るには、発行されたラベルを商品を梱包した箱に貼り付ける必要があります。

インボイスを作成する

インボイスとは、海外に荷物を発送する時の通関手続きに必要な書類です。国際配送に必要な情報の他に、商品名・数量・金額・取引条件などが記載されています。この書類を元に、関税額が決まります。

関税額が分かった時点で、一度利益計算をしておくと良いでしょう。また為替によるリスクも考慮する必要があります。現在の為替レートで利益が出る商品でも、為替の変動により利益が小さくなる場合もあるからです。

Amazon FBA倉庫への納品時の注意点

次は梱包した商品をAmazo FBA倉庫に納品します。

Amazonでは、商品ごとに異なるFBA倉庫へ納品するよう要求されることがあります。これは、購入者に商品を早く届けるために、商品をカテゴリー別に管理しているからです。しかし発送先が複数になると、送料や関税などの経費が増えるので利益が少なくなります。

解決策としては、「FBA納品集約サービス」を利用すると良いでしょう。手数料はかかりますが、送料や関税に比べると少ない金額です。しかし商品によっては、まとめる事ができないものもあるので注意が必要です。

FBA倉庫に納品した商品には、納品手数料と在庫保管手数料がかかります。こちらの金額も把握して利益計算する事が重要です。また納品した商品は、必ず納品が完了しているかチェックするようにしましょう。

売れ残った商品の扱い

納品後は売れるのを待つだけだと思う人は少なくないでしょう。しかし、いつまで待っても売れない商品もあります。そのような商品を出品し続けていても、管理手数料がかかるだけで何のメリットもありません。売れ残った商品は、仕入れ資金を回収するためになんらかの対処をする必要があります。商品を出品して一定期間が経過したら、商品の売れ具合を確認する事が大切です。

では売れ残った商品はどうすればいいのでしょうか。対処法を2つ紹介します。

・価格を下げて売り切る。

いわゆる「投げ売り」です。赤字になる可能性はありますが、在庫をかかえるよりはましです。少しでも資金を回収するために、長期間売れ残っている在庫は思い切って値下げして売り切ってしまいましょう。

・売れるまで待つ。

こちらは利益率の大きい商品には有効です。利益は小さくなりますが、赤字にならなくて済む場合もあります。ただし管理手数料が利益を圧迫することは避けられません。下手をすると赤字になることもあります。自分で期限を設定し、それを過ぎるようであれば値下げを敢行しましょう。

利益の確認

最後は、損益を確認しましょう。予期せぬ手数料のせいで、当初予定していた利益に届いていない可能性があるからです。

利益の誤差を確認することで、次に出品する商品への課題や対策が見えてきます。

復活したAmazon FBA海外配送プログラムとは?

一時サービスを停止していたFBA海外配送プログラムが2018年7月より復活しました。ここではFBA海外配送プログラムについて解説していきます。

FBA海外配送プログラムの内容

FBA海外配送プログラムとは、Amazon FBAを利用する出品者向けの海外配送サービスです。このサービスのおかげで、FBAを利用して国内向けに出品していた商品が追加料金なしで海外へも発送できるようになりました。関税や海外発送料は、購入者側に追加徴収されます。

2018年7月より開始されたFBA海外配送プログラムは、当初メディア商品のみを対象にしていました。しかし2019年には対象商品が、メディア商品、食品、飲料、酒カテゴリー以外の商品に変更されています。また輸入・輸出規制品以外の商品である事も条件の1つです。

また、2019年2月には、FBA出品者は自動的にFBA海外発送プログラムに登録される事になりました。

FBA海外配送プログラムのメリットとは?

FBA海外配送プログラムにはどんなメリットがあるか気になる人は少なくないでしょう。そんな人のために、ここではFBA海外発送プログラムのメリットを紹介します。

広がる販売経路

FBA海外配送プログラムを利用するメリットは、なんと言っても販売経路が広がる事です(世界67か国以上の人々に商品を販売できます。)。また日本のAmazonでしか販売していないものであれば高値で売れる可能性があります。

追加手数料がかからない

FBA海外配送プログラムは、商品が海外の利用者に購入された場合でも追加で手数料がかかりません。海外発送費用や関税は購入者が払うことになっているからです。つまり、日本で商品を販売する場合と同じ手数料で販売する事ができるのです。また追加の手続きも必要ありません。

オプション機能で商品ごとに配送設定ができる

FBA海外配送プログラムには、商品ごとにプログラムの適用や配送対象国を除外する事ができるオプション機能があります。

ここでは、いくつかのオプション機能の操作手順を紹介していきます。

■特定の国や地域を海外配送の対象から除外するオプション

1 セラーセントラルにログインし、「設定」より「FBAの設定」を選択します。

2 「FBA海外配送の設定」の、「編集」を選択します。

3 「配送制限」の、「編集」を選択した後、除外する国を選択し「更新」をクリックして完了です。

■ASIN単位で特定の国や地域に海外配送されないよう制限するオプション

1 セラーセントラルにログインし、「設定」より「FBAの設定」を選択します。

2 「FBA海外配送の設定」の、「編集」を選択します。

3 「商品の除外」を選択すると、「商品を除外する」のページに移動します。

4 「ダウンロードファイル」を選択し、ファイルをダウンロードします。

5 ダウンロードしたファイルを開き、下のメニューより「FBA出品レポート」のシートをクリックします。出品中の商品リストが出てくるので、配送対象から除外したい商品を選び、「海外配送対象除外リスト」のシートにASINと国名/地域コードを入力します。海外配送したくない場合は、配送対象国・地域の欄に「ALL」と記入すれば、商品が海外配送されなくなります。

6 作成したファイルをアップロードし、送信をクリックします。「ファイルアップロード履歴」にエラーが表示されなければ、設定完了です。

■海外発送対象より除外した商品を配送対象に戻すオプション

1 「ASIN単位で特定の国や地域に海外配送されないよう制限するオプション」と同手順で、ファイルをダウンロードします。

2 特定の国/地域を配送対象に戻したい場合は、戻したい国の国名/地域コードを配送除外対象国・地域の欄より削除してください。海外配送をやめた商品を戻す場合は、配送対象国・地域の欄を「Unrestrict」に書き換えてください。

3 作成したファイルをアップロードし、送信をクリックします。「ファイルアップロード履歴」にエラーが表示されなければ、設定完了です。

FBA海外配送プログラムのデメリットとは?

FBA海外配送プログラムには、メリットばかりでなくデメリットも存在します。このデメリットを理解せずに使用すると、利益が少なくなる可能性があります。

海外からの返品は時間がかかる

FBA海外配送プログラムのデメリットは、返品に時間がかかる事です。返品に時間がかかる事により、返金のタイミングも遅くなります。

返品や返金に時間がかかれば、在庫管理や資金管理の負担となります。たまにならいいのですが、頻繁に発生するとやはりストレスにもなります。返品に関しては、日本の取引と同じという訳にはいかないのです。

返品商品のコンディションが低下する可能性が高い

FBA海外プロ配送グラムのデメリットは、返品された商品のコンディションが下がる可能性が高い事です。返品後のコンディションが悪くなると、売れにくくなったり、利益が下がる可能性があります。

日本人は、商品コンディションの評価が世界の中では厳しい国に分類されます。よって配送時の商品は、慎重かつ丁寧に扱います。しかし外国人は、日本人に比べると配送時などの商品の扱いはかなり雑です。そのため外箱が潰れた状態で返品される事もあります。

例えば車の傷についても、日本では少しの傷でも気になるという人は多いでしょう。しかし海外では、「車は傷ついて当たり前、走ればいい」と傷をそのままにする人が多くいます。その感覚のまま荷物を返品してくるので、外箱が傷ついていても平気なのです。海外配送された商品は、返品時は日本と扱いが違うと認識してFBA海外配送プログラムを利用する必要があります。

悪い評価が削除されにくい

FBA海外配送プログラムのデメリットは、悪い評価を削除してもらえない可能性がある事です。悪い評価は、購入者によくない印象を与えます。削除してもらえない場合は、販売の回転が落ちる可能性もあるでしょう。

日本のAmazonは、コメントの内容を見て評価を削除するかどうかを決めます。外国人相手に商品を販売した場合、コメントが英語で書かれるので詳細が分かりづらく判断が難しくなります。同じ内容のコメントなのに、日本語であれば削除依頼が通るのに、英文だと削除されないこともあるのです。

輸出・輸入規制商品を自分で見極める必要がある

FBA海外配送プログラムのデメリットは、輸出・輸入規制商品に該当しているかどうか自分で見極める必要がある事です。この事を理解せずに利用すると、輸出・輸入規制商品を取引してしまう可能性が出てきます。

FBA配送プログラムの解説には、「輸出・輸入規制商品は自動的に海外配送の対象外となります。」という一文があります。これは自分で判断しなくても、Amazonが確認してくれるという意味に捉えられます。

一方でFBA配送プログラムの自動変更を知らせる通知に、「FBA海外配送プログラムの利用にあたり、FBA海外配送対象とする商品については、許認可や届出等なく合法的に輸出することができること、およびいかなるFBA海外配送対象国にも合法的に輸入することができ、当該国の適用される法令すべてを遵守していることを確認してください。」とも記載されていました。取引する国は多数あり、自分で調べて確認する作業は手間がかかります。

海外の販売価格が消費税を引いた額になる

FBA海外配送プログラムを利用して海外で購入された商品は、販売価格が消費税を引いた金額になっています。これがなぜデメリットなのかは、課税事業者と免税事業者によって変わります。

まずは課税事業者と免税事業者の違いを説明します。簡単に説明すると、消費税を納める必要があるのが課税事業者で、その必要がないのが免税事業者です。どちらの事業者になるかは、基準期間の課税売上により判断されます。基準期間は、その年の前々年の事です。売り上げが1,000万円超だと課税事業者で、1,000万円以下だと免税事業者になります。

それでは両者のデメリットをそれぞれ解説していきます。

・課税事業者

課税事業者のデメリットは、免税の手続きを取る必要が出る事です。輸出販売したものには消費税はかかりません。Amazonの海外向けの販売価格は、消費税を引いた金額です。この金額を免税手続きをしないで申告してしまうと、かからない消費税を納付する必要が出てきます。国内の売り上げと海外の売り上げを、分けて申告する手間が発生するのです。

・免税事業者

免税事業者は、消費税分の稼ぎが少なくなる事がデメリットです。免税事業者でも消費税を上乗せして請求する事ができます。免税事業者は消費税を納める必要はないので、消費税分は利益になります。しかしAmazonの海外販売は、消費税を引いた販売価格です。つまり売り上げが、消費税分少なくなってしまうのです。

以上の事から、海外の販売価格が消費税を引いた金額になる事はデメリットになります。

FBA海外発送プログラムはメリット、デメリットを理解する事が大事

FBA海外配送プログラムは、手続きなく簡単に始める事ができます。追加の手数料もかからず、メリットだらけのサービスに感じがちです。

しかし、デメリットもあります。FBA海外配送プログラムの使用にはデメリットを理解することが大切です。いくら便利なサービスでも、販売するからには利益を出さなくては意味がありません。デメリットにより、利益を損なう可能性も十分にあります。自分の扱う商品が、FBA海外配送プログラムに適しているか、しっかり見極める事が重要です。

もし適していたなら、販売経路を拡大する大きなチャンスです。積極的にサービスを利用しましょう。

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この記事を監修した人

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