危険物をAmazon(アマゾン)のFBA倉庫へ納品する際の注意点

AmazonのFBA出品を利用している方の中には、自分でも気づかないうちに危険物を販売してしまっている人がいます。

Amazonで危険物を販売するには守らなければならないルールがあります。危険物に対して正しい知識を持っていないと、人に危害を加えてしまう場合もあります。

そこで、この記事では、Amazonにおける危険物商品の確認方法や、危険物を扱う際の注意点を解説します。

目次

Amazonにおける危険物とは

一般に、危険物とは、アルコール類や石油など「火災が発生するリスクの高い物質」や、「火災が発生した時に被害が増大する恐れのある物質」、さらに「消火するのが困難な物質」のことを指します。

例えば、石油ファンヒーターに使われている灯油は引火点が40℃以上なので、気温が引火点以上になると火災のリスクが高まります。灯油は、危険物の中でも第2石油類に分類されています。

では、Amazonは危険物をどのように捉えているのでしょうか。

危険物確認ガイドで危険物を確認する

Amazonが指定している危険物とは、燃えやすい成分を含んでいるものや、飲み込むと口や舌等に火傷を負う危険がある成分を含んでいるものなど、人や生物に危害を生じさせるおそれのある物質のことです。また、商品運送中の揺れや気温などに敏感に反応する物質も危険物に含まれます。

危険物と言うと、先ほど例に挙げた石油や灯油などをイメージされるかもしれませんが、実は私たちの身近にも危険物は多く存在します。例えば、衣類のしみ抜き剤や香水、虫除け剤も危険物に含まれる可能性があります。

しかし、AmazonへFBA出品しようとしている商品が危険物に該当するかどうかは、素人判断では難しいものがあります。

そこで利用できるのが、Amazonが公開している「危険物確認ガイド」です。危険物確認ガイドを読み、危険物に対する理解を深めておくことで、これから仕入れる商品がAmazonでFBA出品できるかどうか、ある程度自分で判断できるようになります。

参考:危険物確認ガイド

危険物であっても出品できる商品

Amazonでは、危険物であっても販売できるものもあります。例えば、普段私たちが利用している携帯電話やモバイルバッテリーに含まれる「リチウムイオン電池」は危険物です。具体的には、リチウムイオン電池に使われている電解液が石油と同じように引火性があるため危険物に分類されています。

しかし、Amazonが指定する一定の条件を満たしていれば、リチウムイオン電池を含むモバイルバッテリー・携帯電話・カメラ・充電器などをFBA出品することができます

また、強い磁気を帯びているマグネット類は磁場を発生させ空輸の際に大変危険なため、一般に危険物扱いされます。

しかし、Amazonでは一定の要件を満たしているものならFBA出品が可能です。とはいえ、航空便で商品を送る際は、磁気を遮断する梱包が必要です。

危険物をFBA出品する際にすべきこと

Amazonで危険物をFBA出品するには、特別な手続きが必要なのでしょうか。

ここからは、Amazonで危険物をFBA出品する際にすべきことを紹介します。

危険物に関するマニュアルを熟読する

Amazon出品大学」というAmazonのサービスをご存知でしょうか?ここでは、Amazonに出品する人なら必ず目を通しておくべきノウハウが詰まった動画や資料が公開されています。まだ利用していないという方は、必ず目を通しておきましょう

参考:Amazon出品大学

Amazon出品大学では、危険物の可能性がある商品をFBA出品する際の方法やルールを記載したマニュアル「危険物におけるFBAのご利用について」も公開しています。香水や虫除けスプレーなどを販売しようと考えている人は、まず読んでおいてください。

参考:危険物におけるFBAのご利用について

Amazonへ申請する

実際にAmazonのFBAへ危険物を出品する際は、Amazonへ申請して許可を得なければなりません。Amazonセラーセントラルで「危険物」と検索します。「FBA危険物納品プログラムへの申請」にチェックを入れます。「次へ」を押せば申請完了です。

※FBA危険物の出品は、大口出品者のみです。

次に、危険物に関するマニュアルを熟読します。理解が不十分な部分に気付いたら、必ずマニュアルを読み返しておきましょう。また、出品者が申請フォームを提出してから許可が下るまで2週間前後かかります

無事に危険物出品の許可が下りればAmazonからメールが届くので、いよいよ商品が出品できるようになります。出品は、一般的な商品を納品する場合と同じように行います。ただ、危険物をFBA倉庫へ送る際は注意点がいくつかあります。

危険物を含む商品は、一般的な商品と一緒の段ボールで納品できません。危険物用に別の段ボールを用意して緩衝材も紙製の物を使用する必要があります。また、段ボールの外側に「危険物在中」と書いた紙を貼り付ける必要があるので注意してください。

商品が危険物かどうかを確認する方法

Amazonが公開している危険物に関するマニュアルを読んでも、実際に取り扱う商品が危険物なのか判断が難しい時はあります。そんな場合でも、自分の取り扱う商品が危険物かどうかを確認する方法があるので、ご紹介します。

アプリを使う

すでにAmazonで商品を販売している方なら「Amazon Seller」というアプリをご存知ですよね。「Amazon Seller」は簡易出品や商品管理ができるアプリで、出先でパソコンがない場合でもアプリからササッと商品について確認できます。

購入希望者から質問が届いた場合でもこのアプリを使えばすぐに回答できるため、出品者としての信頼度も高まるでしょう。

そんな「Amazon Seller」ですが、商品の危険物チェックも行えます。まだ利用していない場合は、手持ちのスマートフォンにアプリをダウンロードしておきましょう。

出品禁止マークを確認する

それでは、「Amazon Seller」アプリを使って出品したい商品が危険物かどうか確認してみましょう。

まずは、アプリを立ち上げて、一般の商品を登録する時と同じ様に販売する商品名を入力してください。手元に商品があれば、バーコードを使った検索も可能です。

商品を検索した結果、その商品が危険物に該当する場合は出品禁止のマークが表示されます。このような商品は、FBA出品できません。

特に「Amazonで危険物として規制される可能性のある商品一例」の中に含まれている商品の場合は、きちんとアプリで確認しておきましょう。

参考:Amazonで危険物として規制される可能性のある商品一例

梱包注意のマークもある

商品によっては、危険物のマークではなく段ボールのようなマークが表示される場合があります。

これは「梱包に注意してください」という意味のマークです。例えば、商品に液体が含まれている場合は、ビニール袋で梱包するなど、Amazonが指定した梱包方法で納品しなければなりません。

参考:液体を含む商品の梱包

パソコンでも危険物を確認できる

また、アプリを利用しなくても、パソコンで危険物かどうかチェックする方法もあります。Amazonのセラーセントラルにログインすれば、「ASINチェックツール」が利用できます。「ASINチェックツール」は、対象の商品が危険物かどうか判別できるツールです。

このツールを利用すると、アマゾン独自の識別番号であるASINを使って商品が危険物かどうかをチェックできます。危険物である場合は「この商品は危険物です」と表示されるので大変分かりやすいです。

スマートフォンのブラウザからも確認できる

家でパソコンを利用してチェックするなら上記の方法でも構いませんが、リサイクルショップなどで商品を仕入れる際に確認したいときもありますよね。実際にお店まで出向いて仕入れる場合でも「ASINチェックツール」が便利です。

スマートフォンでは、Google ChromeやSafari等のインターネットブラウザを使って「ASINチェックツール」を使用します。アクセス方法はパソコン版と同様にセラーセントラルにログインしますが、セラーセントラルの表示バージョンをパソコン版にしてみましょう。するとツールが使用できるようになります。

危険物を仕入れてしまった場合

仕入れた商品が危険物だと後から分かった場合でも慌てる必要はありません。危険物であっても、FBAを介さず自分で発送するように設定すればAmazonでも販売できます

また、ヤフオクやラクマなどの個人間取引サービスに出品するのもおすすめです。その際は、液体が漏れないようにビニール袋で梱包したり、リチウムイオン電池を含む電化製品に衝撃が加わらないように緩衝材を使って梱包したりする等、工夫して発送しましょう。

引火性液体を出品するための申請方法

一部のヘアオイルや虫除けスプレーのような引火性液体をFBA出品するには、事前に申請しておく必要があります。事前申請の方法は、Excelを用いた方法とセラーセントラルから行う方法の2種類があります。

Excelで入力して申請する

引火性液体 事前申請リクエストフォーム」にアクセスして申請するのですが、2023年5月現在、事前申請を停止しています。引火性液体であっても、最大納品数量内であれば事前申請なしで納品できます。

参考:引火性液体 事前申請リクエストフォーム

問い合わせから申請する

セラーセントラルからテクニカルサポートへ問い合わせることで、危険物納品の許可をお願いすることもできます。問い合わせ方法は、Eメール・電話・チャットの3種類がありますが、危険物納品許可申請の場合はEメールが最適です。

Excelの場合と同様に、Eメール内に取り扱いたい商品のASINと商品名、間近30日間の販売個数を入力してください。このEメールを送信すると、1週間前後で返事が届きます。

危険物納品の際に気を付けるべき点

危険物の納品許可が下りれば、いよいよAmazonで危険物を含む商品を販売できるようになります。しかし、危険物のFBA出品には気を付けなければならない点が多くあります。

ここからは、危険物納品の際に気を付けるべき点を解説します。

段ボールに「危険物在中」と貼る

FBA倉庫へ商品を送る時は、商品を詰めた段ボールに「危険物在中」と分かりやすく記載した紙を貼り付ける必要があります。紙のサイズもA5以上と決められています。

納品できるサイズは小型・標準のみ

FBA倉庫へ送ることができる商品のサイズは、小型・標準サイズのみで、大型サイズの商品は納品できません。十分理解した上で取り扱う商品を選定しておきましょう。

一般商品とは別の段ボールに入れる

危険物は危険物でない一般商品と同梱して納品することはできません。必ず、危険物と一般商品は、それぞれ別の段ボールを使用してFBA倉庫へ送りましょう。

梱包材は紙製のみ

危険物の梱包に使用できる梱包材や緩衝材は紙製のものに限ります。インターネット通販でよく利用されるビニール製の緩衝材は使用できません。

商品ラベルの貼り付け

FBA倉庫へ納品する商品には必ず商品ラベルを貼り付けなければなりません。ただし、読み取り可能なバーコードがついている商品であれば、商品ラベルの貼り付け作業をAmazonに代行してもらえる場合があります。

参考:商品ラベル貼付サービス

危険物について正しく理解しよう

危険物というと石油や灯油などをイメージしますが、私たちが普段使っているマニキュアや虫除けスプレーなども危険物に含まれる場合があります。そのため、AmazonのFBA出品を利用する際は、必ずAmazonが公開しているマニュアルを熟読しましょう

Amazonでの危険物の取り扱いをきちんと理解しておけば、危険物の販売はそれほど難しいものではありません。信頼される出品者になるためにも、危険物について正しい知識を身につけた上で商品を販売するようにしましょう。

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この記事を監修した人

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