Amazonは、仕事道具から日用品まであらゆる商品が購入できる通販サイトなので、多くの人に利用されています。あなたも、何かしらAmazonから購入した経
験があるのではないでしょうか。
しかし、Amazonで商品を販売している出品者の中には、規約違反を犯して利益を得ようとする悪質な人もいます。そんな出品者の商品を購入してしまったらショックですよね。実は、Amazonには悪意ある販売者を見つけたユーザーが通報できるシステムがあります。
今回は、Amazonで規約違反を行っている出品者を利用者が通報する方法と、出品者として通報されてしまう原因について解説いたします。
Amazonにおける規約違反・ポリシー違反とは
Amazonには、Amazon自体が販売している商品もあれば、一般の出品者が販売している商品もあります。Amazon自体が販売・発送している商品は安心して購入しても大丈夫でしょう。しかし、一般の出品者が販売・発送を行っている商品には注意が必要です。出品者の中には国内で販売してはいけない商品や、規約違反の商品を販売する悪質な人もいるからです。
まずは、Amazonにおける規約違反(ポリシー違反)とはどのようなものかを解説します。どのような出品者がいた場合に通報すべきか、また、自分が出品者である場合に通報されてしまったらどうするべきかを紹介しますので、参考になさってください。
Amazonの規約
Amazonには様々な規約が存在します。規約に違反した出品者は、商品の販売停止、またはアカウントの停止という重い処分を科されます。
ここからは、Amazonの規約の一例を紹介します。
「風邪薬が欲しいので、Amazonで注文しよう!」と思ったことのある方は少なくないでしょう。しかし、Amazonでは、薬局で売られているような薬は販売されていません。Amazonには販売できない商品ジャンルがあり、その中に薬も含まれているからです。風邪薬がAmazonで翌日配達されたら助かりますが、それはできません。さらに、ビールやワインなどの酒類も、Amazonでは販売できません。お酒好きな方は、少し残念ですよね。
また、商品説明に虚偽の内容を記載することは規約違反行為です。例えば、ボロボロの中古品なのに、「新品同様にきれいです」なんて記載するのは許されません。
他には、無在庫転売もAmazonの規約に反します。無在庫転売とは、手元に在庫を持たない状態で商品を販売する販売形態のことです。Amazonでは、自分の手元にある商品、あるいはAmazonの倉庫で保管してもらっている商品しか販売できません。
Amazonで通報する方法
もしも、規約違反の商品を見つけた時は、どうすれば良いのでしょうか。悪質な出品者は、電話やチャットで通報することができます。ここでは、電話やチャットで通報する方法を紹介します。まずはこちらのページにアクセスします。
カスタマーサービスへ、商品名やURL、規約違反の内容を添えて通報しましょう。
最終判断はAmazonが行う
以上の方法で悪質な出品者を通報したとしても、どのような処分が下されるかはAmazon次第になります。Amazon側が悪質でないと判断した場合は、何もペナルティが科されない可能性もあります。一方、多くの人から通報を受けた場合などは、すぐにアカウントが停止されることもあります。
自分が出品者である場合
逆に、自分が出品者である場合に、誰かに通報されてしまう可能性もあります。規約違反を犯した覚えはないのにAmazonから警告メールが届くと焦ってしまいますよね。しかし、そんな時でも冷静に対処しましょう。
Amazonからのメールには、きちんと規約違反の内容が記載されています。メールの内容通り、適切な対処を行っていれば、すぐにアカウントが停止されることはありません。
Amazonで商品が通報される原因と無在庫販売がなくならない理由
通報される原因にはいくつかあります。できるだけ通報のリスクを避けるために、通報される原因を把握しておきましょう。また、規約違反の代表例である無在庫販売がなくならない理由も併せて解説します。
グレーゾーンの商品ジャンルがあるから
先ほどご紹介したように、薬や酒類はAmazonでは販売できない商品なので、販売した場合は通報を受けるか、Amazonから先に警告を受けることになるでしょう。このように明確に販売禁止対象物に指定されているものに関してはあまり問題になりません。規約を確認せずに販売してしまった人が悪い、ただそれだけです。
しかし、中には禁止されているのかどうかがわかりにくい、いわゆるグレーゾーンに属している商品もあります。
例えば、Amazonでは武器はもちろん、武器を模した商品の販売も禁止しています。しかし、子供向けのおもちゃの銃はたくさん販売されていますよね。Amazonの規約では、プラスチックまたは木材で作られたおもちゃの銃の販売は許可しているので問題ありません。
一方、アンティークの銃やスポーツ銃は出品禁止商品に含まれています。つまり、どこまでが出品可能で、どこからが出品禁止なのか、非常にわかりづらいのです。そのため、「販売禁止されているはずの銃が売られている!規約違反だ!」と通報される可能性があります。
発送が遅すぎたから
また、販売している商品は問題がないけれど、発送が極端に遅かったり、ユーザーからの問い合わせにきちんと対応しなかったりした場合も、通報される可能性があります。
新品でも中古品扱いになることに注意
Amazonが禁止している無在庫転売ではなくても、メルカリやヤフオクから新品未開封の商品を仕入れてAmazonで販売する転売手法もあります。商品が手元にある場合、何も問題がないように感じますが、出品には注意が必要です。
なぜなら、Amazonの規約によると、個人事業主を除く個人から仕入れた商品(一度、人の手に渡った商品)は新品未開封であっても「中古品」として出品しなければならないからです。
つまり、メルカリやヤフオクから仕入れた商品を「状態が非常に良い中古品」として出品するのは問題ありませんが、「新品」として出品してはいけないということです。
無在庫販売がなくならない原因
なぜ無在庫転売が成立してしまうかというと、「無在庫転売」というビジネスを知らないユーザーがほとんどだからです。今、この記事を読まれているあなたは、無在庫転売について何かしらの知識をお持ちだと思います。だから、Amazonやメルカリ、ヤフオクで販売を禁止している無在庫転売の商品があれば、すぐに気付けるでしょう。
しかし、一般ユーザーは「無在庫転売」という言葉は知っていても、その中身を知らないため、「だから、何?」という人がほとんどです。そのため、無在庫転売をしていても規約違反に気づかれることなく商品を販売できてしまうのです。
無在庫販売だと気づかれない工夫をしている
Amazonにおける無在庫転売はなくなりません。では、無在庫転売を行う出品者はどのように通報を避けているのでしょうか。
Amazonで注文を受けた後に他の通販サイトや実店舗で商品を仕入れている出品者(無在庫出品者)は、店舗側に「金額が記載されている納品書は同梱しないでください。また、私の本名を送り主の欄に記載してください」と伝えています。こうしておくと、例え「ヨドバシドットコム」と大きく記載された段ボールで届いたとしても、販売者の本名が記載されているので「箱を再利用したのかな?」くらいにしか思わなくなるわけです。
あるいは、発送前に購入者に対して「購入したまま保管していたので、購入時の箱のまま発送させていただきます。」とメッセージを送る方法も使われます。こうしておけば、購入者が特に怪しむことなく他社名が記載された段ボールを受け取ってくれるからです。
クレーマーには迅速に対処している
無在庫転売を行っている出品者は、当然クレームをたくさん受けています。それなのに、どうして販売を続けられるのでしょうか。それは、クレームに対して迅速に返金を行い、トラブルになるのを回避しているからです。
通報されたら商品を削除している
Amazonは、「Amazon」とロゴの入ったオリジナル商品も販売しています。そんなAmazonオリジナル商品をメルカリやヤフオクで無在庫転売している出品者もいます。メルカリやヤフオクでも、無在庫転売の出品者へクレームを送ったり、通報したりはできますが、多くの出品者はクレームが来た時だけ商品を削除して、クレームが納まったら再出品しているようです。
Amazonにおけるペナルティとは
出品者が通報を受けた場合、どのようなペナルティが科されるのでしょうか。ここからは、Amazonの規約に違反した場合のペナルティを紹介します。
警告メールが届く
ユーザーから通報があった場合や、Amazon側に規約違反だと判断された場合は、まず出品者に警告メールが届きます。メールには違反内容と改善を行う期限が記載されているので、出品者としてはその内容に従って対処することになります。
アカウントが停止される
警告メールに記載された内容を無視した場合は、アカウント停止処分が科される可能性が高まります。アカウントが停止されると、出品することも売上金を出金することもできなくなってしまいます。
アカウントは再開できる
アカウントを停止されても、規約違反と判断された商品の削除や業務の改善を行った場合は、その旨をAmazonへ報告することでアカウントを復活してもらうことができます。ただし、アカウントを再開できるまでの期間は人によって異なり、数日で再開できた人もいれば、2ヶ月経ってようやく再開できたという人もいます。
アカウントが閉鎖される
最も厳しいペナルティがアカウントの閉鎖です。アカウントが閉鎖されると、永久的に販売活動が行えません。例えば、Amazon側から何度も警告を受けたにもかかわらず偽物のブランド品を売り続けた場合などは、アカウント閉鎖処分が下されるでしょう。
アカウント閉鎖後は再登録できない
Amazonは、出品者アカウントを開設する時に登録された個人情報を保管しています。したがって、アカウント閉鎖後に別の新しいアカウントを作ろうと思っても、同じ個人情報を使っている限りはアカウントの開設は認められません。すなわち、一度アカウントの閉鎖処分を受けてしまうと、Amazonでの販売活動はほぼ不可能になるということです。
Amazonで商品を通報する方法
ここからは、購入者の立場で、無在庫転売や規約違反の商品を発見した時の通報方法について見ていきます。
まずは出品者にコンタクトをとる
購入した商品に問題があった場合は、通報する前に出品者に直接コンタクトをとるのが理想的です。実際に無在庫転売を行っていたのであれば、Amazonへ通報されるのを回避するために、返金に応じるのが一般的です。
返金されても怒りが収まらない、他の購入者が被害に遭わないように対処したい、という場合は、遠慮なくAmazonに通報してください。
Amazonのカスタマーサービスに相談する
先ほどもお話しした通り、通報は、Amazonのカスタマーサービスを利用してチャット、あるいは電話で行うことになります。
その際、ただ単に「この商品は規約違反だ!すぐに販売を停止してくれ!」と怒るのではなく、Amazon利用者として「購入した商品が他のサイトから送られてきたものでした。調べてみるとAmazonの販売価格よりも格安で販売されており、明らかに無在庫転売だと思うんです。」といった風に、悩んでいる感じで伝えると、Amazonは親切に対応してくれます。
出品者とのやり取りは保存しておく
もしもAmazonへ通報する前に、出品者と何らかのやりとりがあった場合は、その内容をスクリーンショット等で保存しておき、Amazonへ送ると良いでしょう。無在庫転売を確認し、かつ、購入者への対応も悪いと判断した場合は、Amazonは何らかの対処を行ってくれます。
Amazonの違反商品は通報するべし
欲しいものは何でも揃うAmazonですが、販売している商品の中には規約違反の商品も含まれています。規約違反の疑いがある商品は購入しないのが一番ですが、万が一購入した商品が無在庫転売された物であったり、偽物のブランド品であったりした場合は、すぐにAmazonへ通報しましょう。
逆に、出品者としては、自分の商品が規約に違反していないかどうか調べるのはもちろん、グレーな場合はAmazonに出品可能かどうか問い合わせてから出品を決めるのが一番です。また、ユーザーからのクレームには誠実に対処し、アカウントの停止や閉鎖処分を科されないよう注意しましょう。