Amazonにはアメリカでしか販売しておらず、日本へ輸入できない商品があります。また、アメリカから日本へ輸入できたとしても、送料が予想以上にかかってしまったり、輸送の途中で商品が傷んでしまい不良品になってしまったりすることもあります。
このようなトラブルを避けるには、購入代行や転送サービスを利用するのが一番です。
しかし、利用に際して「言葉が通じなかったらどうしよう」「高額な手数料を請求されてしまったら利益が出ない」といった不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
確かに購入代行業者や転送サービス業者の中にはそのような業者も存在しますが、業者選びを間違えなければ、アメリカから商品を輸入して、日本で販売して利益を出すことができます。また、業者によって特徴はさまざまですが、それぞれの業者の特徴を理解して自分に合ったサービスを選べば失敗することは少なくなるでしょう。
この記事では、これからアメリカのAmazonから商品を輸入して日本で販売したい人や、アメリカでしか販売されていない商品を購入したい人に向けて、購入代行や転送サービスについてご紹介していきます。
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輸入代行業者には2種類ある
輸入代行業者には2種類あります。1つ目が輸入代行で、2つ目が購入・輸入代行です。この2つはアメリカのAmazonで購入して日本に輸送してくれる点では一緒ですが、サービスの内容が異なります。
ここではそれぞれの違いについてご紹介します。
◆ 輸入代行
輸入代行は、個人輸入業者と呼ばれる利用者が多く利用しているサービスです。輸入代行とは、文字通り、輸入のみ代行することです。利用方法はシンプルで、まずは自分自身でアメリカのショップから輸入する商品を購入します。その際、代行業者から伝えられたアメリカの住所、すなわち輸入代行業者の倉庫の住所を記載します。そうすると商品がその代行業者の倉庫に届くので、あとはその輸入代行業者が日本へ輸出するという流れになります。
このサービスを利用する際は、輸入代行業者とやり取りをする必要があるので、少し英語の知識が必要です。
英語の知識が必要と言っても、それほど高いレベルの知識が必要なわけではありません。Google翻訳を使えばやり取りができる程度なので、英語が苦手な人でも大丈夫です。
◆ 購入・輸入代行
購入・輸入代行は先ほどご紹介した輸入代行とは違って、商品を自分で購入する必要がありません。業者に購入したい商品を伝えたら、あとは購入から輸送まで全て行ってくれます。
これは大変便利なサービスですが、業者が購入も行ってくれるのでその分の手数料がかかるというデメリットもあります。しかし、注文や業者とのやり取りの手間がなくなるので便利なことに違いはありません。
転送サービスとは
アメリカのAmazonで商品を購入・輸入する際に利用するのが、転送サービスです。
転送サービスとは、アメリカから日本へ配送できない商品をアメリカ国内の別の場所で受け取り、それから日本へ発送するというサービスです。
実質的には、輸入代行業者と変わりません。
なぜ輸入代行業者を利用するのか
なぜアメリカのAmazonで商品を購入するのに輸入代行業者を利用するのでしょうか。
輸入代行業者を利用するのには、主に以下のような理由があります。
・アメリカのAmazonでは日本に発送できない商品があるため
・アメリカから日本へ輸出する際に、できるるだけ送料を安くしたいため
・輸入手続きが簡単になるため
・不良品を輸入するリスクをできるだけ下げるため
輸入代行業者を利用する際に気をつけたいこと
輸入代行業者を利用する際に気をつけておきたいポイントを2つご紹介します。
(1)商品を輸入する際の送料
代行業者によって送料が異なるので、事前の確認が欠かせません。利益が出るか計算してから依頼するようにしましょう。
また、手数料と送料は違うのであらかじめ確認しておきましょう。送料が安くても手数料が高ければ、結局送料が高い場合と得られる利益が同じになります。
しかし、手数料が安かったり無料だったりする代行業者を選ぶのは要注意です。なぜなら、手数料を無料にしている分、送料を高くしている場合があるからです。
(2)代行業者のサポート体制
海外と取引する場合、サポート体制がとても重要です。日本国内での取引とは違って、何かとトラブルが起こるからです。
輸入代行業者によっては日本語に対応している業者もあります。そのような業者であれば安心ですが、日本語に対応しておらず、サポート体制も曖昧な業者は要注意です。
業者のホームページには日本語対応の有無を含めてさまざまな情報が掲載されているので、業者を探す際は必ず確認しておきましょう。
おすすめの輸入代行業者はどこ?
ここからは、おすすめの輸入代行業者についてご紹介していきます。
MyUS
MyUSはアメリカのフロリダ州にある輸入代行業者です。
20年以上に渡りアメリカから世界各地に輸入代行を行っています。
MyUSの特徴は、何と言っても利用料の安さにあります。
AmericanExpressであれば、商品を購入する際に30%割引がされ、VISAとJCBであっても20%の割引がされるサービスがあります。
また、購入から輸入までスムーズに行ってくれて、余計なやり取りがないためとても楽です。
ビジネスの利用であれば、プレミアムプランとなり、月額7ドル(初月30日間無料)の費用がかかります(また、初期登録の際は、登録料として20ドル支払う必要があります)。
MyUSは、利用料が安く、発送が早いというメリットがある反面、梱包が雑なところがあるのがネックです。ただ、特別梱包と呼ばれる有料オプションを利用すれば、梱包について心配する必要はなくなるでしょう。
また、日本語対応していない点も、難点と言えば難点です。トラブルの際も英語でやり取りしなければならなくなることは、あらかじめ注意しておきましょう。
参考:MyUS
スピアネット
スピアネットはカリフォルニア州にある購入代行サービス業者です。
スピアネットの特徴は、会員登録費と月額費が無料であることです。そのため、個人で買い物をする人や少量の仕入れをする人におすすめです。
スピアネットの倉庫はオレゴン州にあります。オレゴン州は州税がかからないためアメリカのショップで商品を購入する際、消費税がかかりません。また、AmazonのFBA納品代行も行っているため、Amazonで販売を行っている人であれば手間も省けます。
スピアネットを利用する際のデメリットとしては、様々なことにオプション費用がかかることです。例えば、同梱や検品、写真撮影などです。10個以上の注文からはさらに追加料金がかかるため、注文量が多い場合はその分追加料金がかかるためあまりおすすめではありません。
参考:スピアネット
Fedex
Fedexは国際宅急便のことで、日本でいうヤマト運輸の国際バージョンと考えるとイメージしやすいでしょう。
日本で送料が上昇傾向にあるのと同様に国際宅急便も送料が上がりつつあります。下記の表は「FedEx International Economy」の送料の価格表です。毎年改定されているので、現在の価格と違うかもしれませんが、参考にしてみてください。
この表だと1kg当たり1,000円以上になるため、ビジネス用で利用するには少し割高ですが、個人で契約すると割引が適用されるのでこれよりもさらに安くなります。
また、クーリエサービスと呼ばれる、いわゆる「速達」のようなサービスを利用すると、さらに送料が高くなるのでよく確認してから利用するようにしましょう。
テラロジ
テラロジは、アメリカのポートランドにある輸入代行業者です。日本にも国内倉庫があり、国内外への入庫と発送作業を行っています。
テラロジでは様々なオプションが用意されていることが特徴的です。例えば、FBA納品代行やラッピング、写真撮影サービスなどです。アメリカから輸入した商品を日本で販売する場合にはとても魅力的なオプションです。
さらに、豊富な種類の商品を輸入したり取り扱ったりする人であれば、CSVを使って一括で入庫したり出荷したりすることができるので、作業がとてもスムーズに行えます。
梱包をする場合は、商品を全て透明のOPP袋に入れてくれます。さらに、日本語にも対応しているので、英語が苦手な方でも心配することなく利用できます。
デメリットとしては基本料金が高いことです。さらに、オプションを利用する際にも追加料金が細々と発生するため料金が高くなってしまいます。
参考:テラロジ
輸入コム
輸入コムは日系企業で、日本人が対応してくれる輸入代行業者です。輸入コムは日系企業の中でも最安値の業者になります。
ビジネス会員は月額3,035円、エキスパート会員だと月額9,981円です。エキスパート会員の方が手数料が安くなるので、毎月たくさんの商品を輸入する方はこちらを選んでおきましょう。
入出荷や決済などの手続きは、全て輸入コムのページ上で行うことができます。
さらに、オプション料金を払えば、アメリカからの輸出に必要なインボイスの作成を代行してくれるのもおすすめのポイントです。
参考:輸入コム
AshMart
AshMartは、日本に本社を置いている輸入代行業者です。また、アメリカ、イギリス、オーストラリアに支店があります。
AshMartの特徴は、その手数料にあります。通常は商品の重量によって手数料が決定するのですが、AshMartの場合は商品代金によって手数料が決定します。
そのため、大きいサイズの商品や重い商品を輸入する際は、他の輸入代行業者に比べてAshMartの方がお得です。
日本に本社がある日系企業なので、もちろん日本語対応可能です。さらに、FBA納品代行もあるため、初めて輸入代行業者を利用する人でも安心して依頼することができます。
参考:AshMart
Us-BUYER.com
Us-BUYER.comは、スピアネットと同様にオレゴン州にある輸入代行業者です。
オレゴン州にあるため、州税がかからずお得に商品を購入することができます。
輸入代行手数料は、ショップにかかわらず一律5ドルからです。重さが2.25kg以内に収まれば追加費用はかかりませんが、それ以上の重さがある商品の場合、0.45kgごとに1ドルずつ追加料金が発生します。そのため、あまり重いものであれば、かえって損になるかもしれません。
eBayやAmazon、その他のショップでの入札代行、さらにはFBA納品なども行っているので、アメリカのネットショップを利用して輸入する方にはおすすめの業者になります。
参考:Us-BUYER.com
Green Liner
Green Linerは、日本人が経営する輸入代行業者です。
利用料は月額198ドルです。アメリカに住所を持っていない場合は、住所貸しの費用として30ドル追加でかかります。
下記の表は月に2回アメリカから日本へ送ると想定した場合の金額です。
参考:Green Liner
輸入代行業者を利用すれば日本に発送を行っていない商品でも購入できる
輸入代行業者を利用すると、アメリカで販売されている商品を購入することができるのはもちろんですが、日本へ発送を行っていない商品も購入することができます。
アメリカでは日本へ直送できない商品がある
海外のネットショップなどで欲しい商品を見つけても、日本へは直接発送を行っていない場合があります。
そのような場合でも、輸入代行業者を利用すれば日本への発送が可能になります。
輸入代行業者を利用すると
輸入代行業者を利用すると、日本への直送を行っていない商品を購入できるだけでなく、そのほかにも以下のようなメリットがあります。
・海外のショップでは使えない日本のクレジットカードを利用して買い物ができる
・複数のネットショップから日本へ商品を輸入する場合にお得になる
複数のネットショップから日本へ商品を輸入したい場合とは、例えば、同時期にAmazonとeBayでそれぞれ別の商品を購入したような場合です。商品ごとにアメリカから日本に送ってもらっていては送料がかさんでしまいます。
その点、輸入代行業者を利用すれば一度にまとめて商品を送ってもらえるので、送料を安く抑えることができます。
輸入する際の注意点
海外から商品を輸入するのであれば、事前に知っておくべきポイントがいくつかあります。
日本の通販で商品を購入する感覚で海外のネットショップを利用すると必ず失敗します。そうならないためにも、事前に知っておいたほうが良いことをいくつかご紹介します。
食品を輸入する際は船便は使用できない
船便は、送料が1kgあたり約500円と、日本で宅配便を利用するのと同じような料金で利用できますが、その分輸送にかなりの時間がかかります。そうなると食品によっては衛生上の問題が発生してしまうため、食品を輸入する場合の輸送方法として船便を選択することはできません。ご注意ください。
税関で商品を確認されることがある
これはレアなケースですが、たまに海外の輸入品を税関職員が確認することがあります。例えば、1ケースの商品を輸入していた場合だと、そのうちの1つを開封してチェックしたりします。
輸入する商品が少量の場合はこのようなことはあまりありませんが、商品が届いた時にすでに開封されていたことにショックを受けないためにも事前に知っておいたほうが良いでしょう。
販売目的で輸入するのはNG
ここまでのお話は、すべて個人輸入を前提にしています。日本での販売目的で輸入する場合は、別途税金を支払う必要があります。
特に注意が必要な商品がエナジードリンクです。エナジードリンクを海外から輸入して、日本で販売するためには「製造工程書」と呼ばれる製造する際の工程がわかる書類と成分一覧表をメーカーから提出してもらう必要があります。これだけでもかなり手間がかかる作業です。基本的には海外で購入したエナジードリンクは日本で販売することはできないと考えておくのが良いでしょう。
自分にあった輸入代行業者を選びましょう
今回は、アメリカのネットショップから商品を購入して日本へ輸入する方法についてご紹介してきました。
アメリカのネットショップの中には日本への発送に対応していないものがあるため、輸入代行業者を利用する必要があります。
輸入代行業者を利用する際は、送料や手数料、その他オプション料金などを考慮することが必須です。
海外との取引になるので、トラブルに巻き込まれないように事前の対策も大切です。
購入する商品にあった輸入代行業者を選び、お得に商品を輸入しましょう。