ヤマト便の料金計算方法とは?宅急便との違いも紹介!
配送会社による配送料の大幅な値上げが続く中、わずかな値上げだけで抑えている配送サービスがあります。
それがヤマト運輸の「ヤマト便」です。
これまでヤマト運輸は、宅急便の上限サイズを160サイズとし、それ以上の大きい荷物についてはヤマト便(3辺合計200cmまで、30kgまで)で取り扱いをしていました。
しかし、2021年10月4日より、宅急便に180サイズ・200サイズ(ともに30kgまで)を新たに設定し、大きい荷物も「宅急便」としての利用になりました。
宅急便では従来ヤマト便では対応していなかった、クロネコメンバーズの割引制度や送り状発行サービス、さらに、配達時の時間帯指定や宅急便センターでの受け取りサービスの提供が可能になりました。
せどりなどでこれを上手く利用すれば、効率的に利益を上げることも可能です。また、「ヤマト便って何?宅急便とどう違うの?」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、ヤマト便と宅急便の基礎知識と配送料の計算方法について詳しくご紹介します。「配送料をなんとかしたいな」と思ったことのある方は、ぜひ参考にしてみてください。
宅急便との違いとは?ヤマト便の基礎知識
まずはヤマト便の基礎知識についてご紹介します。
ヤマト便の主な特徴は以下の6つです。
- 大きな荷物を送ることができる
- 30万円以上(税込)の荷物を送れる
- 発送の際にコンビニを利用できない
- 配達時間帯指定ができない
- 1枚の伝票で99個まで発送できる
- 主なクロネコメンバーズ限定オプションが利用できない
宅急便はこのヤマト便と比べ、伝票は1枚につき荷物は1個まで発送となっています。しかし、時間指定ができ、黒猫メンバーズ限定オプションが利用できるなどの利点もあります。
大きな荷物を送ることができる
荷物を梱包したのはいいけれど、通常の宅急便では送れないほどの大きさになってしまったことはありませんか?
普段の生活ではあまりないかもしれませんが、様々な商品を扱う物販ビジネスではよくあることです。そんなときに役立つのがヤマト便でした。ヤマト便は、従来の宅急便よりも大きな荷物を送ることができたのです。
まず、従来の宅急便のサイズを見てみましょう。
- 段ボールの縦・横・高さの合計が160cm以内
- 重さ25kgまで
一方、ヤマト便の上限は以下のようになっており、より大型の荷物を送ることが可能となっていました。
現在はこのサイズが宅急便の新サイズとして取り入れられています。
- 段ボールの縦・横・高さの合計が200cm以内
- 重さ30kgまで
30万円以上(税込)の荷物を送れるか?
現在の宅急便だと、配送側のミスで荷物が破損した場合でも、補償金額は荷物1個につき30万円(税込)までしか対応してもらえません。
しかし、ヤマト便は30万円を超える荷物を送る場合でも任意で保険をかけられるので、トラブルがあっても安心でした。
とは言え、宅急便で高額商品でトラブルが発生した場合、個人間取引以外はヤマト運輸が対応してくれるため、一度サービスセンターへ電話をかけてみるのも1つの手です。
発送の際にコンビニを利用できない
宅急便は、セブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニから発送することができます。
しかし、ヤマト便はコンビニを利用して発送することはできず、「自宅への集荷」または「営業所への持ち込み」のみでした。
配達時間帯指定ができない
宅急便は、以下のように配達時間帯を指定できます。
- 午前中(8時~12時)
- 午後(14時~21時)
一方、ヤマト便は配達時間帯を指定できず、配達日は宅急便の最短日+1日に固定されていました。しかし宅急便は配達時間帯だけでなく、配達日も最短日から最長7日先まで指定可能で、これは宅急便の利点と言えるでしょう。
1枚の伝票で99個まで発送できる
宅急便は基本的には荷物1つにつき、伝票は1枚必要です。
しかし、同一の依頼主で、同一のお届け先に2個以上のお荷物を同時に送る場合、複数口減額制度専用の送り状(伝票)を利用すると、2個で1枚、5個までで2枚の起票で済ませることができます。
ただし、複数口減額制度には条件があります。
この制度を使うと荷物1個につき100円引きされますが、宅急便またはパソコン宅急便の発送時に、運賃を支払いした場合に適用となります。
ヤマト便では、宛先が同じであれば、1枚の伝票で99個まで発送できました。そのため、20個の荷物全てを一度に発送し、引っ越し先にも20個まとめて届けるということも可能でしたが、宅急便に統合されて変更されていますので注意してください。
主なクロネコメンバーズ限定オプションが利用できない
ヤマト便は、主なクロネコメンバーズ限定オプションを利用できませんでしたが、宅急便になってからは利用できるようになりました。
たとえば、以下のサービスはヤマト便では利用できませんでしたが、宅急便では利用可能です。
- 「クロネコメンバー割」:配送料が最大10%引き(BIGだと15%引き)
- 「クロネコメンバーズの持込割」:荷物発送の際ヤマト運輸営業所から送ると210円割引、PUDOやコンビニから送ると160円割引
- 「らくらく送り状発行サービス」:送り状を「ヤマト運輸公式アプリ」などで入力・発行予約できる
他にも、お届け予定通知やお届け完了通知、宅配ロッカーなどがあるマンションでもロッカーから送ることができます。
ヤマト便の利用がおすすめの状況とは?
ヤマト便と宅急便の違いをご紹介してきました。メリット・デメリットの両方あることがわかっていただけたかと思います。
では、ヤマト便の利用がおすすめなのはどのような場合なのでしょうか。
大きめかつ高額な荷物を送るときにおすすめ
ヤマト便は、段ボールの3辺が160cm以上、重さ30kgまでの荷物を発送できます。また、30万円以上の高価品にも任意で保険を掛けられるところも魅力でした。
そのためヤマト便は、配達日数に余裕がある状態で、大きめかつ高額な荷物を送るときに利用するのがおすすめです。
現在はヤマト便とは少し変わりましたが、宅急便も大きめな荷物を送れるようになりました。また、宅急便になったことで、時間指定も出来るようになり、より便利になったと言えるでしょう。
宅急便送料の計算方法
この項目では、送料の計算方法についてご紹介していきます。また、送料に関するサービスや支払い方法などもあわせて解説します。
送料の計算方法
ヤマト運輸料金は、「実際の重量」と「容積換算重量」を比較し、重い方を基準に送料を計算します。
容積換算重量(kg)の計算方法は、「縦(m)×横(m)×高さ(m)×280」です。
ただし、ほとんどの場合、容量換算重量の方が重くなる傾向にあります。
併用できる割引サービス
ヤマト運輸の宅急便は荷物1個に対する持ち込みの割引サービスが受けられます。他にもキャッシュレスサービスでの割引などもありますので、キャッシュレスで普段お支払いする方からすれば得をすることになります。
割引サービスの内容は以下の通りです。
-
- 持ち込み割:1個につき100円引き、クロネコメンバーズなら150円引き
- にゃんpay:送料12%引き
- デジタル割:1個につき60円引き
- 複数口減額:1個につき100円引き
- 往復宅急便(複数口減額とは併用不可):1個につき200円引き
- 営業所受け取りサービス:1個につき60円引き
その他、クロネコメンバーズ割りなどが利用できます。
ヤマト便の運送保険料
ヤマト便では、配送中に荷物が破損した場合、その破損につきヤマト運輸側に過失が認められれば補償を受けられます。
ただし、ヤマト運輸側に過失がない場合は不可です。そのような場合、任意で荷物に運送保険を掛けることができます。
高価な荷物を送る場合は、この運送保険に加入しておくと安心です。 なお、補償金額は1万円につき10円で、1伝票あたり最低50円から加入可能です。
ヤマト便の料金支払い方法
ヤマト便の送料を支払う際には以下の方法が利用可能です。
- 現金
- 電子マネー
- QRコード決済
- クレジットカード
- オンライン決済(スマホ決済の場合)
具体的な種類は以下の通りです。
電子マネー
- 楽天Edy
- nanaco
- WAON
- Kitaca
- Suica
- TOICA
- nimoca
- はやかけん
- manaca
- ICOCA
- SUGOCA
- PASMO
QRコード決済
- au PAY
- d払い
- LINE Pay
- メルペイ
- PayPay
- 楽天ペイ
- にゃんpay
オンライン決済
- クロネコクレカ払い(クレジットカード払い)
- キャリア決済(auかんたん決済・ドコモ払い・UQmobile払い)
- Apple Pay
ただし、運送保険の加入料は現金での支払いになり、電子マネーやQRコード決済などは利用できません。
ヤマト便の伝票の書き方
宅急便とは違い、ヤマト便の伝票は、宅急便の伝票と異なる部分があるので記入には注意が必要でした。
なお、どちらも伝票は最寄りのヤマト運輸直営店でもらうことができます。着払いの場合は着払い専用の伝票を利用してください。
以下はヤマト便の伝票についての紹介です。宅急便との違いを見つつ、参考にしてみてください。
ヤマト便の伝票を記入する際に注意すべき項目は以下の通りです。
- 郵便番号を必ず記入する
- 荷物の中身・個数を具体的に記入する
- 運送保険の「要・不要」を必ず選択する
- 荷物の中身の金額を記入する
特に荷物の具体的な品名がないと内容物の特定ができないため、配送ができなかったり遅れたりする場合があるので気を付けましょう。
運送保険をつける場合
ヤマト便の運送保険は50円から加入可能です。この運送保険を付ける場合は、伝票の「運送保険」の「要」にチェックを入れ、補償金額を記載しましょう。
また、この伝票自体が保険への加入申込書となります。
ただし、運送保険に加入する場合は、ヤマト運輸の担当者による説明を受けなければなりません。また、保険料は着払いの場合でも、荷物を出す人の支払いになるので注意してください。
保険加入料
ヤマト便の保険加入料は、1伝票あたり30万円を超える貨物に適用されます。具体的な加入料は次のようになります。
補償金額1万円につき
- 機械・易損品(電気製品・機械・家具・楽器など):10円
- 特別易損品(ガラス製品・陶磁器・石膏製品など):10円
- 一般貨物(上記以外):10円
- 引っ越し荷物:20円
ヤマト便の保険約款をよく読んで加入料を決定しましょう。
参考:運送保険申込みのご案内・運送保険普通保険約款(PDF)
ヤマト運送を利用する際の注意点
この項目では、宅急便を利用する際の注意点を3つご紹介します。
- ヤマト便と宅急便の違い
- 集荷の時間はドライバーの都合次第
- 事前に段ボールの3辺や重量を測定しておく
それぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ヤマト便と宅急便の違い
ヤマト便は、宅急便に比べて利用できるサービスが少ないのが特徴です。利用不可のサービスには次のようなものがありました。
- コンビニ発送
- お届け時間帯指定
- クール便
- 超速宅急便
- 宅急便タイムサービス
- 空港宅急便
- ゴルフ、スキー宅急便
- 往復宅急便
宅急便になるとこれらの利用はでき、従来の宅急便と同じサービスが受けられます。しかし、条件があるものもありますので、利用の際は十分注意してください。
集荷の時間はドライバーの都合次第
新しい宅急便制度では、段ボールサイズが160cm以上、重量30kgまでの大型荷物を扱うことができますが、そのような大きな荷物を直営店まで持ち込むのはかなりの手間と労力がかかります。複数個送る場合であればなおさら大変です。
そのため、ヤマト便で荷物を発送する場合は自宅への集荷がおすすめです。
ただし集荷の場合は、ドライバー側もトラックの中に荷物を積めるスペースを確保しなければならず、ある程度の準備が必要になります
そのため、集荷の時間はドライバーの都合次第になる場合が多く、なかなか自分が発送したい時間に来てもらえないことは理解しておきましょう。
事前に段ボールの3辺や重量を測定しておく
宅急便の自宅集荷の際は、ドライバーが容積換算重量の細かい計算をしたり、実際の荷物の重量を測ったりしなければならず、どうしても時間がかかりがちです。また、荷物が複数になれば、さらに手間がかかってしまいます。
そのため、ドライバーが集荷に来る前に荷物の3辺と重量を計測しておくことをおすすめします。そうすればドライバーの負担が軽減され、スムーズに荷物を回収してもらえるでしょう。
また、ドライバーによっては料金の計算を間違うこともあるため、自分自身で事前に計算しておくことで誤った料金を支払うことも防げます。
せどりでヤマト運輸を利用すれば、工夫次第で利益を上げることも可能
今回の記事では、ヤマト運輸の宅急便の基礎知識や計算方法などについて詳しくご紹介してきました。
ヤマトでは段ボールの3辺が160cm以上、重量30kgまでの大きな荷物を送れる利点があります。また、30万円以上(税込)の高価な荷物を送る場合でも、任意で保険に入れるため安心です。
また、割引サービスを受けることができるので、せどりで大量の商品がある場合など、工夫次第で利益を出すことも可能です。
しかし、デメリットもあるので注意が必要です。
配送料は、物販ビジネスを行っている方全員に共通する課題です。今回ご紹介した情報を参考に、ビジネスにヤマト運輸をうまく導入してみてください。