物販

ネットショップの売上を上げるための基礎知識

現代においては、物販を始めることはそれほど難しい作業ではなくなりました。誰でも簡単にネットショップを開設し、そこでビジネスを展開できるようになったためです。

しかし、これはあくまでも、始めることが容易になったという話に過ぎません。実際にそのビジネスが成功するかどうかはまた別問題です。始めやすくなったということは、それだけ競争相手が多いということでもあるので、生き残るのはやはり難しいことなのだと言わざるを得ないでしょう

この記事では、そんなネットショップを運営していくにあたって、売上をしっかり上げていくために押さえておくべきことを解説していきます。

売れるネットショップになるために大切なこと

他の多くの物事と同じように、ネットショップを運営していくことにも「基礎」があり「コツ」があります。基礎を押さえておかなければそのビジネスは土台から崩れてしまい、コツを掴めなければ、チャンスをものにして伸びていくことはできません

売れるネットショップになるために必要なものとして挙げられる事柄は、主に7つほどあります。開設したばかりの新規のネットショップであっても、年商数億円を売り上げるような人気のネットショップであっても、これらをしっかりと考えていかなくてはならない点はまったく同じです。

これらは掛け算であり、どれか一つでも疎かにしてしまうと、全体がゼロになってしまう性質があることを、肝に銘じておいてください。すべてを押さえなければ失敗する、という危機感をもって取り組むことが必要になります。

コンセプト

ショップを成長させていくうえで欠かせないのが、ブランディングです。自分のショップを「具体的に」どのような場所にしたいのか、そのビジョンを明確に持ち、実現に向けて日々前進していかなければなりません。ブランドになることを目指さずして、ネットショップが大きくなり、安定することはありません。

そのために絶対必要となるのが、コンセプトをしっかり定めておくことです。コンセプトがないショップに、ブランド力がつくことはありません。あなたのショップはあなたの好きなようにできるものですが、一つの「何か」を目指して絞り込まれた行動をとることが大切です。

商品力

商品そのものが持っている魅力――「商品力」も、ショップの繁栄のためには欠かしてはならない要素です。ネットショップには商品力は関係ない、という主張も巷にはありますが、それは短期的な物の見方です。商品力がないのにもかかわらず売っていくには、ひたすら広報に頼ることになります

また、そういった経営は景気の浮き沈みに弱く、たとえ一時的に売れたとしても、いつまで経ってもきちんと安定しないショップになってしまいます。

マーケティング

Amazonや楽天市場、Yahoo! ショッピングなどのモールにネットショップを開設すれば、それだけで一定の集客は見込めるはずだ、と考えてしまう方も少なくありません。しかし、それは安易というものです。

自分のショップが特に魅力的に見えるように、工夫が必要です。その工夫こそがマーケティングと呼ばれるものです。ここをきちんとした専門知識をもって行わない限り、ショップが安定的に伸びていくのは難しいでしょう。

リピーター

あなた自身のインターネットでの買い物を思い返してみればわかるはずですが、ネットショップで商品を買うお客様の多くは、基本的にそのショップに何ら愛着を持っていません。たまたま見つけたから買った、他より少し安かったから買った、そういった理由がほとんどであり、ショップの名前さえ一度も確認しないまま終わることが多々あります。

そのような現実があるからこそ、リピーターを作っていくことは大切な要素になります。「一度買ってくれたお客様はお気に入りに登録してくれるはずだから、また来てくれるだろう。少なくともときどきはアクセスしてくれるだろう」、そのような楽観的な考えをするのではなく、お客様がどうすればショップのことを意識してくれて、もう一度見に来ようと思っていただけるかということを追求するべきです

人(店長=あなた)

ネットショップは実店舗と比べて、お客様との直接的な交流はほとんどありません。しかしそれでも、人の在りようはショップの命運を分けるくらい重要です。

あなたという店長にしっかりとした考えと熱意、行動力があることがまず必要です。そして、そのようなあなたについてくるスタッフも大切ですね。そういうショップだからこそ、お客様の求めるものを正しく理解することができるし、お客様から寄せられる問い合わせなどに対して迅速で的確な対応をすることもできるのです。

広報活動

ネットショップにおける広報活動は、多岐にわたります。Googleや各種メディアサイトに広告を出向するだけではなく、Webサイトを充実させること、適切なSEO対策を施すこと、SNSを駆使してショップの名前を広めることなども含めて、広報活動です

「こうなりたい」という明確なゴールから逆算して、仕掛けを考えるようにしましょう。それぞれの戦略に半年、1年、3年といったスパンを設け、その中で目標を達成する道を模索する姿勢が重要になってきます。

デザインの充実

「ショップの見た目」というと、本質的な話ではないように感じられるかもしれませんが、これはお客様に「このショップならあるかも」というポジティブな第一印象を持ってもらううえで、非常に大切な要素です

デザインに凝り始めるとキリがない面もありますが、少なくとも、明らかに素人の作業とわかるようなものは問題外でしょう。ネットショップのお客様は、一つの買い物をするだけでも数多くのショップを巡るものであり、その結果として非常に目が肥えています。そこを真剣に考えず、安易なデザインのショップで出迎えてしまったら、お客様はそもそも期待を持ってくださることすらしません。

もちろん、外見が本格的なだけでなく、サイト構造としても利用しやすいものになっていることはセットで必要になります。

失敗するネットショップの共通点

毎日のように新しいネットショップが生まれていますが、そのすべてが長生きするわけではありません。むしろ、多くのショップがたいした年月を待つこともなく、限界を迎えて終わってしまうのが現実です。誰もが高い志をもって開業したはずなのに、なぜそのような結果になってしまうのでしょうか?

もちろん細かい事情は一件ごとに異なりますが、ざっくりしたことで言うと、失敗するショップにはいくつかの共通点が見られます。ここではそれを3つほど挙げて解説していきます。ネットショップを開設する際には、以下を他山の石とし、決して同じ轍を踏まないように注意しましょう。

簡単そうだから「とりあえず」始めた

すでに述べたとおり、ネットショップを開設するのはさほど難しいことではありません。というより、単純にシステム的な意味で「ショップを開設する」だけなら、無料のサービスを使ってものの数分で開設することができてしまいます。その簡潔さゆえに、最初に考えておくべき「誰に、何を、どのように売るか」をしっかり練り込むことなく、安易にショップを始めてしまう、というのは、失敗する典型例の一つです

先ほど、売れるショップになるためには「コンセプト」が大切である旨を解説しましたが、それなしで走り出してしまう方がとても多いのです。実際に動き出す前にコンセプトを考えることで、未来のお客様像も明確になり、そのために何を用意すればよいのかもはっきりします。それによって、発信内容にも一貫性が出てきます。

そこから伸びるかたちで、ショップのデザインや商品のラインナップ、それらを総合した全体としてのブランディングが固まっていくのが、本来あるべき流れです。スタートを誤ることで、そのすべてが立ち上がらなくなってしまうということです。

集客の方法論を持っていなかった

あえて自分から集客をする必要があるとは思っていなかった」、「集客については、開設したショップがそれなりのかたちになってから考えようと思っていた」、こういった方々は、とりあえずショップを開設するところまでこぎつければ、後はそれなりに何とか上手く回ってくれるはずだ、と楽観的に考えてしまったのです。しかし現実はそのようにはいかず、ビジネスが成り立つだけの数のお客様を獲得できなかったわけです。

実店舗の場合、お客様の足が向くか否かは、立地によるところが大きいです。人の多いところに出店することができれば、それだけで多数の目に留まりますし、その中には「何となく」ショップを訪れてくれる方もいることでしょう。

しかしネットショップの場合、何もしないで集客なしにショップの売上を伸ばしていくことは不可能と言っても過言ではありません。売上を上げているネットショップはどこも、集客のための施策に多くの力を割き、日々工夫を重ねているのです。

それでも楽天市場などのECモールにショップを開設するならば、まだ良いです。モールそのものが多数のお客様を抱えているので、ある意味でのお膳立てが整っており、あとはその視線をいかに自分のショップに向けさせるか、という勝負になってくるからです。

それに対し、BASEなどのサービスを使ってオリジナルサイトの形式でショップを開設したにもかかわらず、ろくに集客の戦略を考えていなかった、というケースも多くあります。そういったショップが上手くいくはずがないのは火を見るより明らかなのですが、夢に目がくらんでしまうと、そういったことも見えなくなってしまうのでしょう。

リピーター獲得のための対策をまったく行っていない

これも先述したことですが、リピーターを獲得することは、ネットショップを順調に成長させていくためには必要不可欠です。気紛れなお客様が仮に一度買い物をしてくれたとしても、そのお客様が「あなたのショップ」に思い入れてくれたのでなければ、次はありません。それでは売上は伸びないし、安定もしないのです。

最初のうちは、新規のお客様に足を向けていただくことに力を注がなければならず、なかなかリピーター獲得というところまで手が回らないかもしれません。しかし、だからといって最初のうちは考えなくてもよい、とはなりません。できるだけ時間を作って、集客するための施策と同時に、リピーターを作る施策もじっくり練っていくようにしましょう

集客力を上げるためにやるべきこと

ショップにお客様を集める方法はいくつもあります。独自性の高い商品を取り揃える、SEO対策を施す、SNSで積極的に発信してお客様を誘導する、などです。集客というと、多くの人が真っ先に「有料広告を出稿する」という手段を思い浮かべますが、その前に土台がためとして考えておくべきことが二つあります。

明確な目標値を設定する

一つ目は、どのくらい集客するのか、その具体的な目標設定です。

まずはあなたのショップの訪問者数を、Googleアナリティクスなどの解析ツールを使って調べてみましょう。それにより、今のあなたのショップが現実的にどれくらいの人の目に触れているのかがわかります。その数字を把握したうえで、売上目標を達成するためにはどれくらいの集客数が必要になるのかを計算します。

EC業界に浸透している目安として、「購入率はだいたい1%から3%」というのがあります。これはつまり、訪問者数が月に1万人だとしたら、購入件数は100件から300件くらいになる、ということです。

月間の売上目標が60万円で、客単価が3,000円だったとしたら、月間の目標購入件数は200件になります。購入率を1%と見込むなら、訪問者数は月間2万人が必要になるので、毎日約670人のお客様を呼び寄せることが目標となります。

ターゲットを明確化する

集客数の目標が決まったら、次にあなたのショップのお客様像を具体的かつ明確にイメージしてください。来てくださるなら、買ってくださるなら誰でもいい、というスタンスでは、むしろ逆にお客様は集まりません。ターゲットを定めて、そこに刺さる的確な集客方法を実施するからこそ、お客様に訪問していただくことができるのです

たとえば、あなたの扱う商品がアウトドアレジャー用品で、その強みが「小型で本格志向」というものであったとしましょう。その場合、あなたのショップのお客様像としては、ファミリー層よりは個人でキャンプなどを楽しむ層をイメージすることができます。一例としては、独身でそれなりにお金に融通の利く男性、といった想定ができるでしょうか。

そうなりますと、ショップ内のコンテンツとしては、家族で楽しむほんわかとした雰囲気よりは、より本格的に自然と相対するようなものを提供したほうが、お客様の印象はよくなります。SNSでの広告展開においても、初歩的な内容よりは、ある程度「通」好みの内容を扱ったほうが、受けはよくなるでしょう。下手にセールを行って注目を集めようとするよりは、多少価格は高くとも高い信頼を置くことのできる商品を取り揃えることのほうが重要になります。

このように、あなたのショップのターゲットを明確化し、そこに特化した戦略を採ることで、売上を伸ばしていくことができるのです

リピーター対策の重要性

先ほど、リピーターを獲得することが重要である、ということを述べました。この項では、その具体的な理由と、リピーターを獲得することによる効果について、改めて解説をしていきます。

コストを低くでき、利益が上がる

リピーター獲得のメリットの一つ目として、労働面でも金銭面でも、コストを低く抑えられることが挙げられます。リピーター対策には、もちろん時間をかける必要があります。知恵も絞らなくてはなりません。しかし、まったくの新規顧客を獲得するのに必要なコストに比べると、その数分の1のコストで、ほぼ同じような利益に繋げることができるのです

極端な比較ですが、月間1,000人のお客様の全員が新規であった場合と、全員がリピーターであった場合をみてみると、恐らく後者のほうが遥かに大きな利益を上げることができていることでしょう。

売上が上がる

二つ目のメリットとして、新規のお客様に比べて、リピーターのほうが比較的容易に売上を上げることができる、ということが挙げられます。

リピーターはすでに一度商品を購入している方々です。そのため、彼らからはフィードバックを得ることができます。そのフィードバックをもとに、訴求方法を工夫してみるなどをすることで、新規のお客様を獲得するために動くよりも、ずっと高い確率で売上を上げることが可能なのです。

また、追客による売上を期待できる点も見逃せません。追客とは、一度商品を購入してくださった方々に、メールなどを送り、新たな商品購入をうながす行為を指す言葉です。お客様が訪ねてくださるのを待つのではなく、今度はこちらから打って出るのです。

追客のメールを送るなどをしてアピールすることで、あなたのショップを思い出していただくのです。お客様はすでに一度あなたのショップで購入しているわけですから、ある程度の親和性が期待できます。ショップを思い出すことで、再び何かを購入したいと考える可能性は高まります。このような仕組みで、リピーター獲得は売上のアップに繋がっていくわけです。

リピート化の効果はますます大きくなっている

このように、リピーターの獲得は売上にも利益にも繋がる重要な要素なわけですが、その重要性は近年ますます高まっています。というのも、ネットショップの増加などに伴い、新規顧客を獲得する難易度やコストが、以前よりずっと高くなっているからです

単純に「ショップが増えたから見つけてもらいにくくなった」ということもありますが、それ以上に広告が難しくなったことが理由としてあります。ノウハウが確立され、浸透しきったことで、広告展開による差をつけにくくなっており、そこに頼ることが消耗戦に繋がるようになってしまったのです。

そのため、できるだけ早い段階でリピーターを多く獲得し、そこでしっかりと利益を上げていくことがますます大きな意味を持つようになっているわけです。そのようなかたちを形成することができれば、コストを抑えられるだけでなく、状況の変化やリスクに強い経営ができるようになります。

追客による「よいサイクル」

集客により新規のお客様を増やす → お客様に対し追客をする → リピーターが増える → 売上・利益が上がる → 集客のための資金に余裕ができる → (以下繰り返し)

追客なしによる「悪いサイクル」

集客により新規のお客様を増やす → お客様に対し追客をしない → 新規のお客様が離れていく → 売上・利益が下がる → 集客のための資金が逼迫する → (以下繰り返し)

ネットショップで売上を上げ続けるコツ

基本をしっかり押さえて、堅実にビジネスを展開していても、壁にぶつかることはどうしてもあります。売上が上がらなくなってきた、いろいろと商品展開をしているが売れない、次の一手が思い浮かばない、などネットショップ経営にも悩みは尽きません。この項では、そのようなときに助けになるであろう、ちょっとしたコツについて解説していきます。

小さな市場を狙いに行く

ビジネスの目的は利益を上げることです。物販においてそれを行うということは、できるだけ多くの商品を売るということであり、そのためにはできるだけ多くの潜在顧客のいる領域で勝負する必要があります

しかし、ここに一つの罠があります。多くの潜在顧客のいる領域とは、大きな市場ということですが、そういう場にはそのぶんだけ多くのライバルが存在しますし、何より、個人ではどうしたって太刀打ちできない大企業も名を連ねていることが多いです。独自性と工夫で乗り切る、というと聞こえはよいですが、実際問題として、あなたがほぼ個人経営のようなかたちでネットショップを切り盛りしているのであれば、大企業に真正面から挑んで勝てる見込みはまずありません

ではどうするかというと、あえて小さな市場に目をつけます。そしてその小さな市場でのナンバーワンを目指すのです。それが結果的には大きな利益を生む意思決定で、生き残るためのコツの一つとなります。

もちろん小さな市場は、そのぶんだけ売上の天井が早く来るなど、夢のない面もあります。しかし競合が少なく、また大企業はそのようなニッチなところに首を突っ込まない、といった点は、小規模のショップ経営者には計り知れないメリットになるのです。

「商品」「価値」を売る

あなたがショップで販売するのは「モノ」ですが、ビジネスを本質的に考えたとき、あなたが扱っているのは単純な意味での「モノ」ではありません。製品ではなく商品を売っているのであり、べつの言い方をするのであれば、お客様に対して「価値」を売っているのです。この点は重要な意味を持ちます。

ある場面において商品として価値を持っていた物が、べつの場面ではまったくそうではなくなってしまうことも多々あります。たとえば、観光名所で土産物として有名な商品があったとします。部屋に飾っておく調度品のようなものを想像してください。それをネットショップを使って全国に販売したとして、果たして商品としての価値を持つでしょうか?

もともとその商品は、現地に観光に赴き、その記念として買うという文脈ありきで、価値を持っていたものです。それが自宅で、手先の操作一つでいくらでも手に入れることができるようになったとしても、それを欲しがる人はさほど多くはないでしょう。価値を裏づけていた「体験」「ストーリー」がなくなってしまったからです

このように、何かを販売する際には、その商品にどういう価値があるのか、どのようなストーリーを与えることで価値を持つようになるのか、といったことを考える必要があります。意外なところから価値が見出されることもあるので、お客様の反応も常にチェックしておく必要があります。

レビューをチェックする

前項にも関わることですが、商品に対してつけられたレビューをチェックすることはとても重要です。

あなたがAという価値を持たせたつもりで販売した商品が、それなりに売れたとします。そのとき、お客様があなたの目論見どおりにAという価値を認めて購入したかといえば、その保証はまったくありません。あなたが想像もしていなかった使い勝手に目をつけて購入した可能性もあるのです。

そんなとき、お客様のレビューを丹念にチェックすることを怠ってしまうと、ある程度売れた商品であっても、さっぱり次に繋がらないこともあり得ます

もしお客様の多くが、あなたの想定したAという価値以外の理由Bで購入し、あなたがそれに気づいていない場合、あなたが次に販売する商品にはAばかりがあり、Bという要素が皆無かもしれないのです。そうなると、リピーターはほとんど獲得できないことになります。レビューをチェックしていないあなたには、その理由がまったくわからない、という事態になるでしょう。

このような理由で、お客様の声を拾うことは欠かせないものとなります。

需要のとおりに訴求する

お客様のレビューなどで、あなたの扱う商品のどの要素が求められているのかを把握したら、そこを正確に訴求するようにしましょう。

特にオリジナル商品を販売する場合にありがちですが、売る側にとても強いこだわりがあり、そこを強くアピールしたがるということがあります。それ自体が常に悪いというわけではありません。そのこだわりが多くの人にとっても同じく魅力的に映るのであれば、それがそのまま強い訴求として機能するでしょう。

問題は、お客様の目にはまったくべつのところが魅力的に映っている場合もあるということです。あなたがデザインにこだわり抜いて作り上げ、そこを訴求した商品が、実際には軽さで受けていたということも、珍しくありません。

こればかりは、商品を世に送り出してみないとわからない部分もあります。ですから必要なのは、購入してくださったお客様の声を丹念にリサーチし、それをあなたのショップの広告方針として取り入れるという作業です。これを繰り返すことで、需要と訴求をしっかりと一致させ、あなたの商品を「届くべきすべての人に届ける」ようにすることが、売上を上げるための重要な一手となります。

商品の横展開を考える

先ほど、物販はただ「モノ」を売るのではなく「商品」や「価値」を売っているのだと述べました。「モノ」に意味が加わることで「商品」になるのだとしたら、これを逆転の発想で変えてみることもできます。同じモノであっても、違う意味が加わればまったくべつの商品になり得ますし、逆に意味が同じであれば、べつのモノであっても同様の商品として成り立つこともある、ということです。

このような横展開を柔軟に行っていくには、とにかく固定観念を捨てることが重要になります。「これはこういう用途で使うものだ」と決めてかかっていると、それ以外の用途にも使えることになかなか気づくことができません。お客様がヒントを与えてくださっていても、それを汲み取ることができないという事態もあり得ます。

「モノ」はあくまでも「モノ」であり、それが商品として価値を持つ道はいくつもあるかもしれないのだということを、頭の片隅で常に考えておく癖をつけるようにしましょう。

お客様側から見た買うべき理由を考える

商品を売るあなたには、それを売るべき大きな理由があります。その商品に対する思い入れも強いでしょうから、売る側の立場からの商品価値はいくらでも挙げることができるでしょう。しかしそれが、買う側、つまりお客様の側から見ても同じように働くとは限りません。「ショップはAだから素晴らしいと言うけれど、それはBにも言えることなのではないか?」と思われてしまったら、あなたがAをどれだけ力説したかにかかわらず、お客様は悪い意味で分散してしまうでしょう。

先述したいくつかの項目と重複しますが、ここで大切なのは、お客様の目線に立ち、そこから感じ取ることのできる付加価値をあなたの商品に対してつけていくことです。同じ商品であっても、付加価値の方向性を少し変えてみるだけで、途端に魅力的な商品と捉えてもらえる可能性があります。それはほんの少しの「ずらし」なのですが、場合によっては絶大な効果を生み出すこともあるのです。

そういうのが上手くはまったときには、ビジネスの真髄を見たような喜びが得られることでしょう。そのような光明を、常に模索し続ける姿勢が大切です。

まとめ

ネットショップの売上を上げるための基礎知識、そして行き詰まりを感じたときにそれを打破するためのコツなどについて解説しました。ショップを開設したときには、規模の違いはあれど、「このショップを盛り上げていきたい」という夢は同じです。その意味では、スタートにはさほどの違いがあるわけではありません。

しかしいつの間にかショップごとに差がついてしまうもので、短期間で驚くべき伸びを記録するショップもあれば、似たような商品を取り扱っているのにちっとも売上が立たないショップも出てきます。その違いがどういうところにあるのか?この記事を読んだあなたには、それが何となく掴めたのではないでしょうか。

あなたがショップを開設したいのであれば、あるいはもうすでにショップを開設しているのであれば、ぜひここで述べたことの一つ一つをじっくり咀嚼し、自分の糧としてください。成功と失敗を分けるのは、毎日の行動のほんのわずかな違いの積み重ねです。すべきことをし、すべきでないことをせず、着実に成長していきましょう。