「ネットでセレクトショップを始めたい!」と夢を持っている方はいませんか?でも、「開業するには何が必要で、どんなことをすればいいの?」とお悩みの方もいるでしょう。
そこで今回は、ネットでセレクトショップの基礎知識や、開業までのステップなどをくわしく解説します。
Contents
セレクトショップの基礎知識
まずは、セレクトショップの基礎知識について説明します。
セレクトショップとは
セレクトショップとは、さまざまなルートから複数の商品を仕入れて販売する小売店のことです。商品のアイテムは、アパレルから雑貨、食品など多岐にわたります。
セレクトショップの運営で最も重要な業務のひとつは、「仕入れ先の選定・開拓」です。 仕入れ先には、メーカーや商社(問屋)、展示会、インターネット、海外輸入など、様々なルートがあります。 同業他社と差別化を図るには、オーナーやバイヤーに商品選定のセンスが求められます。
セレクトショップの開業に必要な手続きや資格とは?
セレクトショップの開業の際に必要な手続きは、「開業届の提出」です。
セレクトショップを開業してから1カ月以内に、税務署に「開業届」(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出しましょう。この開業届は提出しなくても法的に問題はありません。しかし、未提出だと青色申告控除が受けられなくなります。
また、セレクトショップを開業するのに特別な資格は原則として必要ありませんが、「食品」「酒類」「中古品」「ペット」「医薬品」などの商品を扱う場合は、開業許可や資格、免許などが必要です。
【食品】…「食品衛生責任者」の資格が必要
【酒類】…「一般酒類小売業免許」と「通信販売酒類小売業免許」が必要
【中古品】…「古物商許可」 の申請が必要
【ペット】…「動物取扱業許可」の申請と「動物取扱責任者」の資格が必要
【医薬品】…店舗販売業許可を取得し、実店舗を構えていないとネット販売は不可。その他、「薬剤師」や「登録販売者」などの資格が必要
ネットでセレクトショップを開業するメリット
ネットのセレクトショップは、実店舗のように店舗の建設費や家賃、光熱費、什器・備品代などがかからないため、開業費用やランニングコストを安く抑えることができます。 また、商品を並べるスペースも無限に存在します。 加えて、お客様が直接店舗まで足を運ぶ必要がなく、いつでもどこでも商品を購入できる点も魅力です。
ネットショップ構築サービスの種類
ネットでセレクトショップを開業するには、ネットショップ構築サービスを利用するのがおすすめです。
その種類は大きく分けて4つあります。
「パッケージソフト」
「レンタルショッピングカート(ASPサービス) 」
「ショッピングモール(出店型ASPサービス)」
「専用システム構築」
それぞれのサービスについてくわしく解説します。
パッケージソフト
パッケージソフトは、ネットショップの開業・運営に必要な基本的機能を備えたソフトです。このソフトをパソコンにインストールして、契約したレンタルサーバー上で公開することでネットショップを運営します。実店舗で例えると、「一戸建ての路面店」を開業するイメージです。代表的なパッケージソフトとして、「ホームページ・ビルダー22」が挙げられます。
パッケージソフトに含まれる基本的な機能は以下の通りです。
・ショップページの商品登録機能
・ショッピングカート機能
・受注管理機能
パッケージソフトは比較的安価で、自社の運用に合わせた仕様にカスタマイズすることが可能です。しかし、ソフトによっては必要な機能が足りない場合や、更新によるシステム改修費用がかかる場合もあります。
さらに、ネットショップ構築の専門知識が必要なため、他のサービスに比べ開業までの期間が長くかかる傾向にあります。
レンタルショッピングカート(ASP)
レンタルショッピングカート(ASP)とは、シッピングカート機能(注文決済システム)や受注管理機能など、ネットショップの運営に必要なシステム全般を提供するサービスのことです。実店舗で言えば、パッケージソフト同様、「一戸建ての路面店」のイメージです。
レンタルショッピングカートに含まれる基本的な機能は以下の通りです。
・サーバー
・ショッピングカート
・受注管理機能
・商品ページの自動生成機能
これらがすべてパッケージ化されているので、初めての方でも手軽にネットショップを開業できます。また、初期費用・月額費用が0円の無料版から、高機能を搭載した有料版まで、種類もさまざまです。代表的なサービスに、BASE(無料版)、MakeShop(有料版)、カラーミーショップ(有料版)などがあります。
参考:BASE(ベイス)
参考:カラーミーショップ
ショッピングモール(出店型ASP)
ショッピングモールとは、ネットショッピングモールにネットショップを出店するタイプの構築サービスです。実店舗で言うと、デパートにテナントを出店するようなイメージです。
ネットショップの開業から運営までに必要な機能が揃っているので、専門的な知識も必要なく、初心者の方でも短期間での開業が可能です。
代表的なショッピングモールとして、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonなどがあります。 このような大規模なショッピングモールは非常に知名度が高いので、高い集客率が期待できます。
ただし、出店数が多いため、ライバル店との価格競争に巻き込まれると利益率が下がる、モール独自のルールに従って販売しなければならない、オリジナリティを出しにくいといったデメリットもあります。
参考:楽天市場
参考:Yahoo!ショッピング
参考:Amazon
専用システム構築
専用システム構築とは、ネットショップのシステム構築から保守、更新まで、すべて自分で行う際に利用するサービスです。実店舗に例えると、自社ビルで店舗経営するイメージであり、主に法人向けのサービスとして利用されています。代表的なサービスとしては、「EC-CUBE(ECキューブ)」が挙げられます。
専用システム構築の最大のメリットは、ショップの機能やデザイン、コンセプトなどを自社の運営方針に合わせてゼロからカスタマイズできる「自由度の高さ」です。
しかし、自由に構築できる反面、開業するには数百万~数千万という高額の資金が必要であり、システムを保守・更新するたびに改修費用も発生します。 また、高度な専門知識も必要ですので、初心者の方には難易度が高いサービスと言えるでしょう。
【初心者の方必見】ネットショップを開業するための7つの手順!
ネットショップを開業するために必要な7つの手順をご紹介します。
1.販売したい商品を決める
まずは、「セレクトショップで売りたい商品」を決めます。
そのとき重要なのは、自分の「好きな商品」や「こだわりのある商品」を選ぶことです。
もちろん、売れ筋のトレンド商品を意識することも重要です。しかし、それだけではお客様のニーズを満たすことができません。
セレクトショップを訪れる消費者は、高品質かつセンスの良い商品を求める傾向があります。自分の好きな商品やこだわりのある商品であれば、その商品に対する深い知識やセンスを活かせるので、お客様の求める商品をセレクトできることでしょう。
2. ショップ名とコンセプトを決める
販売する商品が決まったら、ショップ名とコンセプトを決めましょう。
ショップ名は、いわばショップの「顔」です。そのため、消費者にとってわかりやすく、覚えやすい名前を付けることを心がけましょう。
また、コンセプトとはあなたのショップの経営理念にあたります。商品を売ることで「誰に」「どんな価値を」与えたいのかを示すものであり、経営方針の根幹をなすものです。
そのため、抽象的なものではなく、一言で説明できるような具体性のあるコンセプトを考えましょう。
3. 出店形態を決める
商品とショップ名、コンセプトが決まったら、いよいよ開業に向けての準備を始めます。
開業にあたって考えなくてはならないのは、「出店方法」です。どの構築サービスを利用して出店するのかを決めましょう。
構築サービスに関しては、先ほど説明したとおり、
「パッケージソフト」
「レンタルショッピングカート(ASPサービス) 」
「ショッピングモール(出店型ASPサービス)」
「専用システム構築」
の4つのサービスがあります。このうち、個人でネットショップを開業するのにおすすめなのは、
「レンタルショッピングカート(ASPサービス) 」
「ショッピングモール(出店型ASPサービス)」
の2つです。
どちらも開業にかかるコストが比較的安価で、特別な専門知識も必要ないので手軽にスタートできます。
いずれにしろ、自分のショップの商品やコンセプトに合ったサービスを選びましょう。
4. 独自ドメインを取得する
出店方法が決まったら、独自ドメインを取得しましょう。
ドメインとは、インターネット上の住所(URL)のことで、ネットショップを開業する際に取得しなければなりません。
もちろんレンタルサーバーから取得することもできますが、その場合、レンタルサーバーのドメイン名と自分のドメイン名を合わせた形になり、どうしても長く覚えづらいURLになってしまいます。
一方、独自ドメインならわかりやすく個性的なURLにできるので、SEO対策やブランディング対策としても効果的です。
5. 決済方法を決める
決済方法には、以下のようなさまざまな方法があります。
クレジットカード決済
郵便振替
銀行振込
代金引換
コンビニ決済
ポイント決済
この中でも特に重要なのが「クレジットカード決済」です。2018年に総務省が行った調査によると、ネットショップを利用する人の約7割が、決済方法としてクレジットカード決済を選択しています。 そのため、開業後にクレジットカード決済がすぐに利用できるように準備しておきましょう。
6. 商品登録
次に、商品販売へ向けた準備に取り掛かりましょう。
まずは「商品登録」です。ショップの販売ページに、撮影した商品写真を登録していきます。ネットショップは、実際に商品を目で見たり、手に取ったりできないので、商品写真で商品の魅力を最大限に伝えなければなりません。
そのため、商品の細部まで鮮明に映した写真や、実際に使用している場面を映した写真など、消費者が内容を把握しやすいような写真を用意するように心がけましょう。
7. 集客活動
集客は、効果を得るまでに数ヶ月から1年以上かかると言われています。そのため、開業前から集客に向けた準備が欠かせません。
開業前に準備できる集客活動としては、以下のものがあります。
・「SEO検索」…SEO検索のキーワードをタイトルや商品説明に設定
・「リスティング広告」… 検索連動型広告システムの導入
・「SNS」…Instagram、Twitter、Facebook、LineなどのSNSの開設
さらに開業後は、「リピーター対策」として、メルマガ配信だけでなく、クーポンやサンプル品の配付なども積極的に行っていきましょう。
初めての仕入れに関するQ&A
ここからは、初めて仕入れを行う方が抱きやすい疑問や不安について、Q&A形式で解説していきます。
Q: 個人には卸してくれないの?
A: 基本的には卸してもらえます。
初めて仕入れをする場合、「個人には卸してくれるのかな?」という疑問を感じる方も多いでしょう。しかし、基本的には個人相手でも商品を卸してくれます。ただ、中には個人ショップとは取引を行わないメーカーや問屋もありますので、まずは希望の仕入れ先に連絡を入れて確認してみましょう。
Q: 販売実績がないと仕入れができない?
A: 販売実績がなくても仕入れはできます。
たしかに、販売実績があるショップは信用度が高いため、仕入れ交渉でもうまくいく可能性が高くなります。しかし、販売実績がないからと言ってあきらめる必要はありません。
初心者の方に卸してくれるメーカーや問屋もありますし、インターネット上の卸サイトを利用すれば、初心者の方でも簡単に仕入れることができます。
Q: 仕入れ交渉はどうやってするの?
A: まずは電話やメールによる問い合わせから始めましょう
当然ですが、いきなり先方を訪問するのは失礼です。信頼関係を築くという意味でも、まずは電話やメールによる問い合わせや、商品カタログの送付をお願いすることから始めると良いでしょう。
成功しているネットショップが必ずやっていること8選
成功しているネットショップが行っていることを8つまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
1. コンテンツSEOと内部SEOを徹底している
Googleアルゴリズムの進化により、以前のようなSEO目的丸出しの質の低いコンテンツでは、ほとんど評価されなくなってしまいました。
現在最も効果的なSEO対策は「コンテンツの質を上げること」です。
そのため、成功しているネットショップほど、このコンテンツSEOを徹底しています。たとえば、ショップ内にブログを設置し、ユーザーのニーズに合った情報を定期的に更新することで自然検索からの流入を伸ばし、安定した顧客数を獲得しているのです。
また、ホームページの構造を最適化する「内部SEO」も忘れていません。タイトルタグ、メタディスクリプションなどを充実させ、ユーザーにページ内容をわかりやすく伝えながら、Google検索エンジンにページ情報を正しく読み取ってもらう努力も欠かさず行っています。
2. 経費を正確に把握している
無料ショッピングカートASPなどの登場により、資金面で余裕がなくても手軽にネットショップを開設できるようになりました。
しかし、ネットショップの運営は、その他にも商品仕入れ・発送代、梱包材費、広告費、プロモーション代など多くの経費がかかります。そのため、資金に余裕がないまま開業した場合、思わぬ出費で赤字運営や倒産に追い込まれてしまう可能性もあります。
その点、成功しているネットショップは、これらの必要経費を正確に把握し、しっかり準備して開業に臨んでいるので、突然の出費に対しても慌てることがありません。
3. 海外展開も視野に入れて開業している
ネットショップの特徴として、「商圏の広さ」があります。 そのため、配送手段さえ確保すれば、国内だけでなく海外への販路拡大も可能です。
成功しているネットショップほど、開業前から海外展開も視野に入れて計画、準備を始めています。
4. 適切な配送手段を選んでいる
「商品の発送方法」は、ネットショップの運営にとって大きな課題の一つです。 なぜなら、扱う商品のサイズや重さによって、各配送サービスの内容や価格が変化するため、適切に選ばなければ無駄なコストがかかってしまうからです。
その点、成功しているネットショップは、送料が安い「メール便」や、破損や紛失時の補償がしっかりしている「宅配便」などを上手く使い分けることで、コスト削減を図っています。
5. レコメンドエンジンを実装している
レコメンドエンジンとは、ユーザーの購入・閲覧商品を元に、その関連商品を提案するシステムのことです。
関連性の高い商品を提案できれば、購入率がアップする可能性があります。そのため、現在のネットショップにおいてレコメンドエンジンの実装は必要不可欠と言えます。
成功しているネットショップほど、この「レコメンドエンジン」を実装して、多くの顧客をネットショップへ誘導しています。
6. アクセス解析を綿密に行っている
アクセス解析とは、
・どれくらいの人数がショップを訪れているか
・どういう理由で訪れたのか
・どの商品が最も多く閲覧されているか
・どの地域の閲覧数が多いか
といった問いに対する答えを把握するための分析作業のことです。
成功しているネットショップほど、このアクセス解析を綿密に行い、売上アップに還元しているのです。
7. リピーターを増やすための努力をしている
リピーターの獲得は、ネットショップの売上をアップさせるのに欠かせない要素です。
なぜなら、リピート顧客獲得に掛かるコストは、新規顧客獲得に掛かるコストの5分の1と言われているからです。そのため、リピート顧客獲得は、効率的にネットショップの利益を上げるための有効な方法なのです。
成功しているネットショップほど、以下の活動を積極的に実践することでリピーターを獲得しています。
・ステップメールの送付
・サンキューメールの送付
・メールマガジンの配信
・クーポン配付
・サンプル配布
・SNSの活用
・リアルイベントへの招待
8. 有料広告を有効活用している
成功しているネットショップは、たとえ予算がかかっても、集客力が高い有料広告を活用しています。
リスティング広告をはじめ、SNS広告、アフィリエイト広告、ディスプレイ広告などを積極的に利用しながらニーズが固まっていない潜在層に向けてアピールし、ショップへの誘導を図っています。
コンセプトに合った構築サービスや、効率的な運営方法を選択して理想のネットセレクトショップを開業しよう!
今回は、ネットでセレクトショップを開業する基礎知識や手順についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
セレクトショップは、複数のブランドから商品を仕入れ、販売する小売店です。
ネットでセレクトショップを開業すれば、実店舗に比べ、開業費用やランニングコストをかなり削減できます。また、自分のネットショップのコンセプトに合った開業サービスを選択すれば、さらに効率的に運営することも可能です。
今回ご紹介した情報を参考にして、理想のネットセレクトショップを運営してくださいね。