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せどりを起業した後で法人化する方法&法人化のメリット・デメリット

せどり事業である程度売上が安定してきたら、法人化を視野に入れる必要があります。もっとも、法人化には節税などのメリットがある一方で、お金がかかったりやることが増えるなどのデメリットもあるため注意が必要です。

今回は、法人化する方法と、法人化のメリット・デメリットについて解説します。

起業(法人化)するための基礎知識

まずは法人化する上で考慮しておくべきポイントを紹介します。

法人化費用

法人化にかかる費用は、会社の形態によって異なります。

合同会社の場合は10万円前後、株式会社の場合は20~25万円前後です。

法人化の依頼料

法人化の手続きは自分でもできますが、素人には大変な作業です。

そのため、手続きは司法書士や公認会計士に依頼するのが一般的です。依頼料は大体10万円前後が相場だと思ってください。

法人化手続きの流れ

1.会社名・事業内容・本店所在地・事業年度・資本金・出資者・役員構成の決定
2.発起人・取締役の印鑑証明の取得
3.会社代表社員名簿の作成
4.定款(会社の根本規範)の作成
5.公証人役場で定款認証を取得
6.役員の就任承諾書・設立時代表取締選任決議書の作成
7.出資金の振込
8.法務局で会社設立登記の申請
9.会社設立後に税務署などに法人設立届出

記帳代行を依頼

法人化と同時に、法人化後の経理を誰が担当するか決めましょう。

会計ソフトを使って自分で記帳できる場合は構いませんが、そうでない場合は記帳の代行を依頼しましょう。

法人カードを作る

法人化したら法人カード(法人用のクレジットカード)を作りましょう。法人カードがあれば最大2ヶ月弱支払いを繰り越せるため、商品を仕入れる際に便利です。

法人化の注意点

法人化後はやることがたくさんあります。

事務所の登録

法人化する際は会社の事務所を登録する必要があります。自宅でも問題はありませんが、賃貸マンションやアパートの場合は、大家さんや管理人さんの許可が必要となります。

税理士を雇う

法人化すると今まで以上に事業が複雑になります。節税対策などに時間が割けなくなるため、税理士を雇いましょう

銀行から融資を受けるには、作成しなければならない書類がたくさんあります。素人には難しいため、これも税理士に依頼しましょう。また、融資を依頼しに行く際も税理士に同行してもらった方がスムーズに進みます。

名刺を作る

個人事業主の中には自分の名刺を持っていない人がいますが、法人化した場合は必ず名刺を作りましょう。会社名が入った名刺があると取引がしやすくなります。

法人化後2年間は修行

法人化して最初の2年間は決算書が+になるように頑張りましょう。

そうすると、3年目には1,000万円程度の融資も受けられるようになるため、事業を拡大しやすくなります。

法人化のタイミング

せどりは個人でもできますが、売上が大きくなってくると法人化した方が節税になりますし、取引の幅も広がります。

せどり事業を法人化すべきタイミングを3つ紹介します。

年収が900万円を超えた時

所得が多くなった時は法人化した方が税金が安くなる場合があります。現在(2019年7月時点)、個人事業主の所得税率は以下のように設定されています。

195万円以下 : 5%
195万円超~330万円以下 : 10% (97,500円控除)
330万円超~695万円以下 : 20% (427,500円控除)
695万円超~900万円以下 : 23% (636,000円控除)
900万円超~1,800万円以下 : 33% (1,536,000円控除)
1,800万円超~4,000万円以下 : 40% (2,796,000円控除)
4,000万円超 : 45% (4,796,000円控除)

日本の所得税は累進課税を採用しているため、所得が多くなるほど税率が高くなる仕組みになっています。これに対して、法人税の税率は23.4%に固定されています。そのため、所得が900万円を超えてくると、法人化した方が税金が安くなるケースが多いとされています。

消費税が課税される前年

せどりを行う場合は、所得税の他に消費税のことも考えなければいけません。

消費税は前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えると納付義務が発生します。つまり、最初の2年間は納税する必要はありませんが、3年目以降は消費税の納付義務が発生する可能性があるということです。

しかし、納税義務が発生する前に法人化すると、消費税課税の基準期間がリセットされ、また最初の2年間は消費税が課税されません。そして、法人化して3年目以降、前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超える場合に納付義務が生じます。

つまり、個人でせどりを始め、消費税を課税される前年に法人化することで、消費税納付義務の免除期間を2年間延長できるのです。

事業を拡大したい時

法人化すると社会的信頼を得られます。たとえ社員がいなくても、法人化していると「会社」と認識されるため、個人では取引できなかった業者やお店とも取引できるようになります。また、法人化すれば融資も受けやすくなります。

そのため、融資を受けたり取引の幅を広げたくなったら、法人化することをおすすめします。

法人化のメリット・デメリット

安易な法人化は余計な手間と経費がかかるだけになってしまいかねません。法人化のメリットとデメリットをしっかりと理解した上で慎重に判断して下さい。

法人化のメリット

・節税できる
・消費税免税期間を延長できる
・銀行から融資が受けやすくなる
・取引の幅が広がる

法人化のデメリット

・法人化するだけで10万円以上のお金がかかる
・法人化作業の依頼料だけでも10万円近くかかる
・会計処理が面倒くさくなるため、記帳代行を依頼する必要がある
・税理士を雇う必要がある

法人化の失敗例

法人化する際は、「◯◯社と取引するため」「節税するため」など、目的を明確にしてから法人化しましょう。何となく法人化してしまうと、予期していなかった事態が生じ、結果として本業がおろそかになりかねません。

法人化の失敗例を2つ紹介します。

節税どころか逆効果

今年の所得が900万円を超えたからと言って、翌年以降も売上が維持できるとは限りません。

所得が900万円を超えてすぐに法人化した結果、翌年以降売上がガタ落ちして、余計に税金を徴収されたという話はよく聞きます。

法人化はある程度売上が安定してからにしましょう。

首が回らなくなる

また、会計士や税理士を雇うお金をケチって全て自分でやろうとした結果、首が回らなくなり売上がガタ落ちしたという話もよく聞きます。

自分一人で全部やってしまおうというやる気のある経営者がやりがちな失敗と言えます。

せどり作業の効率化

法人化するとやることが増えます。外注できる作業は外注して、本業に集中しましょう。

ツールを導入する

本業のせどりでも、ツールを導入するなどして効率化を図りましょう。

店頭でバーコードせどりをする際は、Amacodeの導入をおすすめします。Amacodeはバーコードを読み取った商品のAmazonにおける価格や売れ行きを分析できるツールです。店舗でバーコードせどりをする場合は必須のツールと言えます。

参考: Amacode – セラー専用リサーチツール(iOS版)

参考: Amacode – せどり転売支援ツール(Android版)

メルカリやラクマなどのフリマアプリから仕入れる場合は、フリマウォッチを導入しましょう。

参考: フリマウォッチPCツール

フリマウォッチに目当ての商品を登録しておけば、その商品が出品された時にすぐに通知が来るようになります。

法人化はハイリスク・ハイリターン

法人化すると社会的地位が上がるため、周りの見る目が変わります。銀行も融資してくれるようになりますし、法人限定の業者とも取引ができるようになります。

ただし、法人化にはお金がかかりますし、税理士や会計士を雇う必要も出てきます。節税になるなどの明確なメリットがある場合にのみ法人化するのが良いでしょう。