このページでは、物撮り用の「撮影ボックスの自作方法」の解説や、自作したくない人にオススメの撮影ボックス・撮影セットを紹介していきます。撮影ボックスを購入しようか、それとも自作してみようか迷っている方へ向けた記事です。
当記事をご覧いただくことで、自分が納得のいく物撮り用の撮影ボックス・撮影セットを手に入れることができます。また、自作の撮影セットでもネットショップやオークションに掲載する商品画像をハイクオリティにすることが可能です。自作した撮影ボックスでも商品を綺麗に撮影することができますので、写真のクオリティを高めたい方は是非最後までご覧ください。
撮影ボックスを自作した場合、撮れる写真のクオリティ
まず、自作した物撮り用撮影ボックスで撮った写真が、どの程度のクオリティになるのかを比較していきます。撮影機材はiPhone XSで、すべて標準のカメラアプリで同一の加工をおこなっています。
1.フローリングの床で撮影した写真
2.本棚の空きスペースで撮影した写真
3.自作の撮影ボックスで撮影した写真
自作撮影ボックスで撮れる被写体
自作した撮影ボックスで撮れる被写体は以下の通りです。
・アクセサリー
・時計
・高級品
このような商品を綺麗に撮影することができるため、少しでも高く売るために効果的です。
逆に、自作した撮影ボックスで撮れない被写体は以下の通りです。
・ガンプラ
・ドール
・ピアス
・ネックレス
・料理
・食品
・ボトルキャップ
・スニーカー
撮影ボックスや撮影ブースを自作する際に準備するもの
次に、撮影ボックスを自作する方法について解説していきます。撮影ボックスを自作するためには、まず必要なものを準備しなければいけません。必要なものは以下の通りです。
・450×840×厚さ5mmのカラーボード×3
・カッター
・透明の5cm幅くらいあるテープ
・白い布
・コンパスやカッター(穴をあける道具)
カラーボードは100均で購入すれば合計330円で済みます。
【撮影ボックス自作方法】カラーボードを切る
準備が整ったら作業に取り掛かります。用意したカラーボードを全て半分に切っていきましょう。床が傷ついてしまわないよう下に粘土板などを敷いて切ることをおすすめします。カラーボードを全て半分に切ると450×420の箱になります。
【撮影ボックス自作方法】半分に切ったボードをつなげていく
次に、半分に切ったボードをテープでつなげていきます。サイコロを作るようなイメージです。テープでつなげていく際は、あとあとの収納のことも考慮して内側に閉じられる状態でテープをするようにしましょう。内側に閉じられる状態でテープをしておかないと、使用後に折りたたんで収納できずスペースを余分に取ってしまうからです。
画像の赤線の箇所は内側に閉じ、青線の箇所は裏側に閉じるようにします。若干隙間ができることもありますが、そこまで撮影に影響が出ることではないので問題ありません。
ボックスの形に組み立てる
続いてボードを組み立てていくと箱の形になりました。前面を開けて使用することがほとんどですが、時々全て閉めた状態で上から撮りたい場合も出てくるでしょう。そういった時のために、その両方で対応できるよう作成する必要があります。
下記の画像は、前面のボードを内側に閉じている状態です。
上からレンズだけ覗ける穴を開ける
そして、上面ボードはレンズの大きさを測って同じ程度のサイズに切り抜きます。上からレンズだけが覗けるようにするためです。100均に売っているコンパスカッターなどがあると楽に作業できます。
背景用に白い布をつける
最後に、綺麗な白バックにするために白い布を用意します。背景面ボードの上部から白い布を貼り付け、下面まで敷けるほどのサイズでカットしましょう。作業としてはこれで終了です。
この撮影ボックスは強度がそれほど強くないので、実際に使用する際はどうしてもグラついてしまいます。撮影中は上部と左右のボードを固定するようにテープでとめておくと安定します。
これで自作撮影ボックスの完成です。
撮影後にテープを取り外し、ボードを閉じればコンパクトに収納することができます。
自作撮影ボックスの主なメリットとは?
続いて、自作撮影ボックスの主なメリットについて紹介していきます。まず、最大のメリットとしては明るさや撮影する範囲をかなり細かく調整できる点です。
上記の画像は、前面が開いている状態で撮影したものです。
悪くはありませんが、前面の文字あたりが暗いのと上部に映り込みがあります。
前面のトレーシングペーパーを降ろし、あらかじめ作っておいた窓から撮影してみます。
すると、前面も明るくなり映り込みが少なくなりました。このように明るさや撮影範囲を手軽に細かく調整できるのが自作の利点です。
撮影ブースを自作することで、自由自在にライティングができる
他にも、自作撮影ボックスでは自由自在にライティングができます。
ボードを上下左右に4枚設置し、背面をトレーシングペーパーにします。後ろからライティングすると、フィギュアがシルエットのように撮影できます!
さらにストロボにカラーフィルターを重ねてみると下記の画像のようになります。
人物撮影のような商品撮影ライティングができる
プラ材2本で支柱を作り、上下と背景、右をプラ板にします。
次に左面をトレーシングペーパーで覆います。
この状態でストロボを使うと人物撮影のような商品撮影ライティングも可能です。
左面と背面の2面をトレペで撮影してみた
プラ材4本で支柱を作り、背面と左面をトレペにします。
ストロボが2灯あれば下記の画像のようなライティングもできる便利な撮影ブースに早変わりです。
自作なので、縦位置で撮影したい時は下記の画像のように囲ってあげることもできます。
さらに、真下に透明のプラ板を重ねることで反射させることもできます。
上記の画像は透明のプラ板なしの状態と、ありの状態で撮影したものです。見比べてみると違いがあるので、化粧品やジュエリーなどの洗練された写真を撮影したい時におすすめです。
カメラが古くても十分
最新のカメラを使用しなくとも、撮影する環境をしっかり整えることで10年以上型落ちした古いカメラでも十分キレイに撮影することができます。
撮影ボックスを活用することで、カメラに使うお金も減るので節約して撮影ができ、更にはまるでプロのような写真を撮ることができる利点もあります。
写真を上手く&興味をひく写真を撮るコツ
写真を綺麗に撮ろうと思ったら、コツが必要となります。どのようなことに気をつければ良いかをこれから解説していきます。
①撮影する時の背景を変える
ダイソーなどに売ってある材料で作った撮影ボックスでも十分綺麗な写真を撮ることができます。しかし、ボックスの背景にこだわると、更にクオリティの高い写真になります。
かべいろ.comや楽天市場など様々な場所で壁紙を購入することができるので、撮影するもののイメージによって色や種類を変更して、より素晴らしい写真を撮ることができるでしょう。
②照明を変える
綺麗に写真を撮ろうと思った時、照明も重要なポイントなので変更してみることをおすすめします。決して安くはない買い物ですが、よい照明を使うことによってプロ並みの写真を撮影することができます。
楽天市場等にも照明単品からレフ板等のセットも販売しています。1万円以下のものから3万円するものもありますが、初期投資として購入しておくことで写真以外にも使えますし、数年は使い続けることができるので検討する価値ありです。
③料理の撮影
料理を撮影する場合、何といっても美しく美味しそうに撮影することが大事です。暖色を意識して、逆光を利用することで被写体に立体感を出すと味のある写真が撮れます。
また、グラスに入った飲み物や円柱型などシンメトリーのものを撮影する場合は逆光だと立体感が生まれ、プレートなどに盛り付けられた料理の場合は半逆光だと適度に明るさや影を演出できます。
④小物やアクセサリーの撮影
アクセサリーや小物など被写体だけを撮影したい場合、まずは撮影環境を整えましょう。自然光を利用し、トレーシングペーパーなどを使用して差し込む光の向きに注意しながら撮影します。
照明を使用して撮影する場合、白色など自然光に近い光色を使用するように気をつけましょう。
⑤衣類などアパレル系の撮影
アパレル製品の場合、最も重要なことは実際に着用した時のイメージです。購買者が実際に着用したイメージをもちやすいように、服にあったモデルや他のアイテムと組み合わせて着用した状態を伝えられるようにしましょう。
照明は商品の斜め上から対角線上に影が落ちるように調整し、商品イメージにそぐわないシワなどは事前にアイロンで整えて撮影することもポイントです。
撮影ボックス以外に必要な小道具
撮影ボックス以外に必要な道具としては、まずは「カメラ」です。
最近はスマートフォンのカメラ機能も上がって綺麗に撮ることはできますが、本格的な写真を撮りたいのならカメラは準備しておきましょう。
コンパクトデジタルカメラやミラーレス一眼カメラ、一眼レフカメラなどがおすすめです。小物を接写で撮りたい場合はマクロ機能があるカメラを準備すると良いでしょう。
アップで撮った写真が綺麗であれば、他の写真と差別化することができます。どうしても写真が暗くなってしまう場合は、ソフトで写真の明るさや彩度などを微調整することが可能です。
撮影台に合わせて高さを調整できる三脚
カメラ以外に必要なものは、高さ調整ができる三脚です。最近はスマホを固定できる三脚やコンパクトな三脚が多数販売されています。被写体や撮影ボックスに合った三脚を選ぶようにしましょう。安さやサイズだけで選んでしまうと、カメラによっては重量に耐えられない可能性があるので注意が必要です。
撮影ボックスで使用するライトはどうするべきか?
では、撮影ボックスで使用するライトはどうすれば良いのでしょうか?
アームライトがあれば便利
自宅で撮影を行う場合は、照明機材としてアームライトがあれば便利です。アームライトは、光源を最適な場所に移動することができます。
ライトにこだわる人は電球型蛍光灯がおすすめ
ライトにこだわる人は電球型蛍光灯がおすすめです。LED電球は演色性に乏しく、写真撮影には向いていないからです。高演色性のLED電球も発売されていますが、まだまだワット数が低すぎるという問題があります。なので、ライトに拘る人は、光量が充分あって使えそうな蛍光灯電球を試してみると良いでしょう。
色温度について
「色温度」という言葉があります。光源が発している光の色を定量的に数値で表現したもので、熱量学的単位であるK(ケルビン)として表されます。
下の画像のように数字が少ないほど赤みが増し、数字が増えるほど青みがかった色になります。
カメラの設定では逆になる
カメラでホワイトバランスを設定する時、色温度を上げると青みが増すはずが赤みが増します。これはホワイトバランスはカメラの設定で被写体を白に補正するため、光源の色とは真逆の色味を足して相殺する働きをしているからです。
ホワイトバランスを調整する時は、赤みがかった色味に合わせるときはホワイトバランスを上げ、青みがかった色に合わせるときは下げることを覚えておきましょう。
自作したくない人におすすめの撮影ボックス3選
ここでは、撮影ボックスを自作したくない人に向けて市販の撮影ボックスを3つ紹介していきます。
1.SAMTIAN 撮影ボックス(40x40x40cm)
低価格帯の撮影ボックスです。
40x40x40cm撮影ブース
6色背景布(黒・白・青・赤・黄色・グレー)
調光器
28個LEDライト
電源アダプタ
電源コード
上記の道具がセットになっていて、すぐにきれいな写真を撮ることができます。折りたたみ式で簡単に組み立てることができ、持ち運びにも便利です。
2.FOSITAN 撮影ボックス(60x60x60cm)
こちらは上記より3辺それぞれが20cm大きいサイズの撮影ボックスです。
60x60x60cm撮影ブース
LEDライトx2
電源x1
背景布×5(白・黒・黄・灰・赤)
ディフューザーx1(白)
収納袋x1
調光器×1
3方向コネクタ
接続チューブ
上記の道具がセットになっています。大きな特徴としては、360°回転可能なLEDライトと16段階の輝度&色温度調節機能がついている点です。最適な色味や光の均一性を確保し、影や商品の反射を残さず高品質な撮影を行うことができます。こちらも折りたたみ式なので収納と携帯に非常に便利です。
参考:【2024二色】撮影ボックス FOSITAN 60x60x60cm 色温度調光可能 6*背景布(黒、白、青、赤、黄色、グレー) 3200K-5500K 調光器付き プロな撮影キット 252PCS 超高輝度ライト付き 明るさを調整可能 CRI ≥95 折り畳み式&携帯型&組立簡単&収納便利
3.Konseen 撮影ボックス 撮影キット 大型 100x100x100cm
こちらは大型の撮影ボックスです。
100×100×100cm撮影ボックスx1
背景布x3(黒、白、青)
4列×96個LEDライト
収納ケースx1
柔光布
電源アダプターx4
固定インターフェーx8
フレームチューブx12
上記の道具がセットになっています。
ボックス内は高品質のアルミニウムフィルム反射材を使用しており、耐熱性と均一な光の拡散により綺麗に撮影することができます。3タイプの撮影窓があるため、様々なアングルから撮影することもできます。
また、こちらも折りたたみ式なので収納と携帯に非常に便利です。大きめの商品写真をよく撮影する人におすすめの商品です。
撮影ボックスの選び方
撮影ボックスと一言で言っても様々な種類があり、選ぶ時に苦労します。そこでここでは選ぶ時に参考にしたい5つのポイントをご紹介致します。
- ボックスのサイズは被写体の大きさに合わせたものに
- 照明は5000ルーメンを基準に
- 背景の種類が多いものを選ぶと変化を楽しめる
- 扱いやすさと持ち運びやすさにも注目
- 三脚を使うと便利
ボックスのサイズは被写体の大きさに合わせたものに
撮影ボックスを選ぶ時は何といっても被写体が余裕をもって収まるサイズのものを選ぶことが基本です。
照明がついているものはボックスの底面に光を照射するように設計されているので、あまりにも大きさがギリギリだったりすると光の当たらない場所が出て上手く撮影ができません。
大きいものを選ぶ際は、折りたたんでも場所をとるので折りたたんだ状態のサイズも確認し、収納するときのことも考えて選びましょう。
照明は5000ルーメンを基準に
多くの撮影ボックスはほとんどが4000~5000ルーメン、小型のものであれば1000~1500ルーメンの照明を搭載しているものです。より綺麗な写真を撮りたい場合はやはり照明が明るいものを選ぶべきでしょう。
合わせてLEDライトの数、チップの数も確認し、多ければ多いほど撮影の難易度は下がっていきます。更には明るさを調整するリモコンが付属しているものがあるので、それもおすすめです。
背景の種類が多いものを選ぶと変化を楽しめる
写真を撮影する時、背景やアングルといった変化も重要です。同じ被写体でもそういった変化を取り入れることで雰囲気が変わり、魅力的なものになります。
・背景のパターン
撮影ボックスによっては複数の背景パターンがセットになっているものもあります。白が基本ですが、白以外に何色かがセットになっています。背景の色が違うだけで違った印象になるでしょう。
その他にも被写体によっては文字ブロックや壁紙などでアレンジを加えると更に雰囲気を変えることができます。
・できればマルチアングルに対応したものを選ぶ
アングルも重要なポイントです。撮影ボックスは基本的に正面が開いたものが多いですが、横からや上からの撮影に対応しているものがあります。
そういったマルチアングルに対応している製品は明記してありますので、商品説明はよく読むようにしましょう。
・【ここも要チェック】ディフューザーを使うことで光を柔らかくできる
照明と被写体との間にディフューザーを挟むことで、光を柔らかくし写真の雰囲気もふんわり柔らかくなったものを撮影することができます。
必須なものではありませんが、光沢感のあるカップやアクセサリーなどはディフューザーを使用するとより綺麗な写真を撮ることができるので、こだわりたい方はぜひ活用しましょう。
扱いやすさと持ち運びやすさにも注目
折りたたみ可能な撮影ボックスは、収納する時に場所をとらない利点があり、どこでも撮影ができることもポイントです。持ち手がついていると尚更持ち運びがしやすくなります。
折りたたむ時も組み上げる時も難しい工程があるものはほとんどありませんので、安心して使用することができるでしょう。
三脚を使うと便利
撮影をする時に三脚を利用すると、手ブレ防止にもなり便利です。一度に大量の商品を作成する場合、一度位置を設定すれば後は商品を次々入れ替えるだけで撮影ができるので、アングルの調整の時間がかかりません。
物取り用の撮影セットを自作する方法やおすすめの撮影ボックスまとめ
今回は、「撮影ボックスの自作方法」の解説や、自作したくない人におすすめの撮影ボックスを紹介してきました。撮影ボックスを自作してみたい人は、当記事で紹介した手順を参考にしてみてください。自作したくない人は、先ほど紹介した商品を検討してみてはいかがでしょうか?