社会人として働くにあたり、ビジネススキルの取得は必須です。とはいえ一口に「ビジネススキル」と言っても、どんな種類があるのか、どうやって伸ばしていけば良いのか答えられる人は少ないでしょう。
この記事では、一般社員・管理職それぞれに必要なビジネススキルの種類、スキルアップに有効な手段や思考を解説します。スキルアップとキャリアアップの違いについて、オススメの資格についてもお伝えするので、同僚の一歩先をゆく優秀なビジネスパーソンとして活躍したい人はぜひ参考にしてください。
職場で用いられる「スキル」の意味
まず、スキルという言葉の意味から明確にしておきましょう。
スキルとは、訓練を繰り返すなどして、ある分野の能力を応用しながら自在にアウトプットできるようになったものです。
テクニックに頼らず、型にはまらないイベントが起きても柔軟に対応できる能力がついている状態です。
「知識」と混同されますが、仕事のパフォーマンスを上げるための土台となる考え方や認識が知識であるのに対し、その知識を仕事の場面での実践的な用途に差し替え、より大きな成果を得るために活用するものが”ビジネス”スキルです。
ビジネススキルが役に立つ場面
ビジネススキルを活かすことで、課題やタスクの処理能力が上がります。
よりスムーズな仕事が出来るようになり、自分が求められている以上に周りに貢献する人材に変わります。
知識や能力との明確な違いとは
日本語として意味の近い知識や能力という言葉がありますが、それらとの明確な違いを知っておかないと、現場に活かせるスキルを身に付けるのが難しくなってしまいます。
まず、知識とは、先述のように「使えるレベルの前提にある認識状態」です。噛み砕いて言うと、特定の分野における理論などを頭で理解している状態ということになります。対して、スキルとは、「知識を駆使した実用段階」を表し、頭でなく身体で会得するものです。
また、能力とは、「始めから身についている突出した力」のことで、磨きをかけるものというよりは各々の個人がすでに持ち合わせているものです。仕事の場面で経験を重ねることで能力が開花し、ビジネスに応用できるようになったものがスキルと言えます。
管理職に必要な3つのビジネススキルとは
ハーバード大学の経営学者ロバート・カッツは、管理職に必要なビジネススキルを「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つに分類しました。ここでは、それぞれのスキルの意味、どういった能力を身につけるべきなのかについて解説します。
テクニカルスキル-業務遂行能力
テクニカルスキルとは、仕事をやり遂げるために必要な専門知識や技術のことを指します。
更に細かく分類分けすると、商品知識、市場理解、情報収集力、分析力、文書作成能力、マネジメント能力などです。
それぞれ、「できる」ではなく「より深く、専門的な知識・技術として持っているか」を判断します。商品知識を例に挙げると、自社商品の説明ができる程度ではテクニカルスキルが高いとは言えません。コンセプト、ペルソナ設定、競合他社の類似商品、競合他社と比べた際の自社の強みなど、マーケティング力が備わっていることではじめて、テクニカルスキルを評価できるのです。
ヒューマンスキル-対人関係能力
ヒューマンスキルとは、上司や取引先など仕事で関わる人達と円滑なコミュニケーションをとるためのスキルを指します。マネジメントの範囲や階級に限らず、必ず求められるスキルです。
更に細かく分類分けすると、コミュニケーション能力、ヒアリング力、交渉力、プレゼンテーション力、向上心、リーダーシップ、働きかけ力などが挙げられます。向上心のみ自己完結できる能力ですが、その他においては必ず他者との関わりがあり、お互いに気持ちよく働けるよう導けることが重要です。他者と積極的に関わるだけでなく、相手を尊重し一人ひとりに合った接し方ができる人をヒューマンスキルが高いとして評価できるのです。
コンセプチュアルスキル-概念化能力
コンセプチュアルスキルとは、得た知識や情報を分析して、物事の本質を見極めるスキルです。多角的に物事を見ることで、表面的ではない問題まで理解し、解決に導くことができます。経営者に近い立場になるほど、高いことが求められるスキルです。
更に細かく分類分けすると、論理的思考、水平思考、批判的思考、多角的な視野、柔軟性、受容性、知的好奇心、探究心、応用力、洞察力、直感力、チャレンジ精神、俯瞰力、先見性などが挙げられます。知識や経験よりも、個人の特性やもともと持っている能力に依存する部分が大きく、育成が難しいスキルです。
社会人に必要な7つのビジネススキル
ここでは、新卒を含む一般社会人に必要なビジネススキルを5つ紹介します。
マナースキル
仕事をやり遂げるために、まず必要になるのがマナースキル、つまりビジネスマナーです。
敬語、電話の受け方・かけ方、名刺の渡し方、身だしなみなど、覚える内容は多岐にわたります。ビジネスマナーがなっていないと、社内での評価が落ちるだけでなく、取引先や顧客からの会社全体のイメージダウンにつながってしまうため、就職前に必ず身につけておきましょう。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、社内社外問わずビジネスで関わる人との対人関係を円滑にするスキルです。仕事は、自分ひとりでこなすものではなく、他者と協力し合って行うものです。相手を立てる、空気を読む、相手の立場になって考えるといった行為が必要で、感情をおさえることも大切です。
PCスキル
PCスキルは、その名の通りパソコンを適切に扱う能力です。WordやExcelなどの基本的なパソコン操作に加え、パソコンにエラーや誤作動が起きた時に適切に対処できるか、ビジネス文書が正しく書けるか、会議やプレゼンテーションの資料が作れるか、なども必要になります。
プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションスキルは、適切な情報伝達や、説得力のある説明をする能力のことを指します。プレゼンをする立場になくても、日々の業務内で必要な場面が多いスキルです。
業務報告をする際に、要点を絞れずだらだらと話す社員よりも、必要な情報をわかりやすい順序で伝えられる社員の方が重宝されることは間違いありません。また、直属の上司に自分のアイデアを適切に伝えることができれば、その発言がプロジェクト始動のきっかけになる可能性もあります。
問題解決思考スキル
問題解決思考スキルとは、問題が生じた時に、問題の本質を見て解決に導ける能力を指します。表面的な問題のみを解決するのではなく、根本的な原因を突き止め、再発防止に努めることができることで評価されます。
仕事には失敗がつきものですが、同じような失敗を何度も繰り返すような社員は信用されません。一つの失敗から多くを学び次に生かすよう、意識的に物事の見方を変えていきましょう。
中堅社員に求められる企画提案力とマネジメントスキル
複数年にわたり業務を経験し、ある程度の業務をひとりで遂行できるようになると、中堅社員としてこれまで以上の活躍を期待されます。
例えば、チーム全体を見ながら若手社員の教育を行うなど、これまでよりも広い視野に立って管理する任務が与えられるでしょう。くわえて、自分自身も上司のもとでさらなるスキルを身に付けることになります。
そのために必要なのが、企画提案力やマネジメントスキルです。さまざまなことに意識を向けて問題を把握し、結論を論理的に導き出すことができれば、円滑にチーム全体を動かすことができます。
管理職に求められるコーチングとチームマネジメントスキル
管理職になると個人や組織の能力を引き上げ、業績をあげることで評価されます。そのために必要なのは、コーチングとチームマネジメントスキルです。
コーチングとは、相手の自主性を促し、能力を伸ばしながら、目標達成に向けて意欲を高めるコミュニケーションスキルのことです。答えを与えるのではなく、相手が自主的に気付くまで何度も対話を重ねます。信頼関係の構築がカギとなります。
成果を上げるためには個人の育成だけではなく、チームの育成も必須です。
チームマネジメントとは、チームメンバーが生産性を向上させ目標を達成するように促す手法のことです。チームの士気を高めるために、業務の状況を判断しながら業務フローの改善やタスクの管理を行います。
スキルアップとキャリアアップ-必要性と違いについて
ここでは、スキルアップの必要性と、スキルアップと似た表現「キャリアアップ」との違いについて解説します。
スキルアップはなぜ必要なのか
スキルアップをすることによって、「自分の役に立つ」「チームの役に立つ」「会社の役に立つ」という結果が得られます。それぞれのメリットについて見ていきましょう。
(1)自分の役に立つ
- 今までの仕事が早く片付けられるようになる-残業時間の軽減、精神的余裕
- 仕事内容を理解することで仕事が楽しくなる-モチベーションアップ
- 会社から評価されれば昇進につながる-昇給
(2)チームの役に立つ
- チーム全体の成績が上がる-業績アップ、昇給、インセンティブ
- チーム全体の活気が高まる-更に大きなプロジェクトへの挑戦
(3)会社の役に立つ
- 会社全体の業績アップ-ボーナス、働き方の改善
- 顧客からの満足度アップ-会社の業績アップにつながる
スキルアップとキャリアアップの違い
《スキルアップ》
すでに持っている能力を伸ばすことを指します。
《キャリアアップ》
向上した能力を使って、上位クラスの役職や企業にクラスアップすることを指します。
キャリアアップは、スキルアップの先にある未来です。「伸ばした能力を生かして、マネジメントに関わっていく」「プログラマーからSEになる」などがキャリアアップの例として挙げられます。
スキルアップしたいと思ったら何をすればいい?
社会人としてスキルアップしたいと思っても、具体的にどのように取り組むかがわからなければ伸び悩んでしまいます。ここでは、スキルアップしたいと思った時、どのように勉強をしていけば良いのかを解説します。
資格を取得する
資格取得は、自身のスキルを証明する最も手っ取り早い方法です。特定分野に精通していることを証明できる点も有利ですが、「会社のためのスキルアップに労力を惜しみません」というやる気の証明にもつながります。また、転職を考えている分野の資格を取得しておけば未経験でも転職しやすくなり、将来独立したいと思ったときにも肩書きとして記載することで信用度を上げられるため、取っておいて損はありません。
資格取得の際には、難易度が高すぎないか、特定学校の卒業や実務経験が受験資格になっていないか、履歴書にかける資格か、という点を確認して受講します。民間資格は能力の証明につながらないこともあるので、注意しましょう。
読書をする
ビジネス書や話題の小説を読む習慣を身につけることも、スキルアップに役立ちます。書店に行けば、モチベーションアップや効率的な仕事術が学べる自己啓発本、具体的なノウハウが学べるハウツー本など、レベルや年齢に応じた様々な書籍が揃っています。直面している問題を解決するようなものを選んでも良いですし、興味はあるけどまったく未経験という分野の本を読むのも視野が広がって良いでしょう。
仕事時間外に堅苦しい勉強はしたくない、という人は小説もオススメです。話題の書籍を読んでおけば、取引先での話のネタにもなります。
研修や講習会に参加する
自分ひとりだと勉強が続かないという人は、研修や講習会に参加してみましょう。学べる内容はさまざまで、基本的なビジネスマナーから、営業力アップ、ビジネスに役立つ心理学、副業、起業まで、自身のレベルや興味関心に合わせて選ぶことができます。社外の人たちと交流することで視野が広がりますし、切磋琢磨し合うことで意欲的に勉強に取り組めるのが魅力です。
そして、講習会に参加する最大のメリットは「人脈ができること」です。他の参加者と交流を深めることでビジネスチャンスに繋がるケースは多々あります。ただ名刺交換をするのではなく、お礼メールや定期的な報告をして、交流を持ち続けることを意識しましょう。
自分の欲しいスキルを持つ人を真似する
身の回りにいるスキルの高い人をとにかく観察して同じ事をしてみると、そのスキルを習得するための近道を通ることができます。もし、直属の上司や結果を出している同僚など、近寄りやすい人であればノウハウや習慣を直接聞いてみるのも良いでしょう。社内研修に参加して社内での動き方を改めるのも良い手です。
大半の人にとって「真似る」という行動は謙遜されがちですが、本当に効果のある方法で、自分なりのやり方を無理して見つけ出そうと血眼になるよりも効率よくスキルが身に付けられます。
ビジネススクールで学習する
日本国内にもビジネススキルの習得を目的とした一般向けのスクールが無数にあります。それらはどれも、あなたの確固たる学ぶ姿勢があれば多くの収穫が得られます。
自己流の学習スタイルを模索しながらスキルを磨いていくよりも、組んでもらったカリキュラムの方が効率の良いスキルが身に付きます。スクール内の同じ境遇で切磋琢磨し合える仲間の手に入る可能性を考えると、メリットも多いでしょう。
キャリアデザインを明確にして必要なスキルを習得する
スキルアップを図る前に重要なことがあります。なぜスキルアップをしたいのか、目的を明確にして目標を定めることです。
まずは自己分析を行い、自分ができているスキルと満足できていないスキルを区別します。そのあと、自分が今後進んでいきたいキャリアにはどのようなスキルが必要か把握します。最後に自分にとって必要なスキルに優先順位を付けましょう。
自己のスキルを評価すると、つい主観が入ってしまいます。第三者からの客観的な意見を参考にするのもおすすめです。
早めに苦手なスキルをなくす
誰もがひとつは苦手なビジネススキルを抱えています。今後必要なくなるとわかっているなら話は別ですが、今後も必要なスキルだとわかっているならできるだけ早く苦手なスキルをなくすのが賢明です。
スキルは訓練すれば必ず克服できます。苦手意識が強すぎてどうにもならなくなる前に、早めにスキルを克復しましょう。
スキルアップした自分を想像して努力する
スキルアップした自分が将来どうなっているのかを想像すると、モチベーションを維持することができます。
あなたがスキルアップしたらどのような未来が待っているでしょうか。成績が上がっているかもしれないし、仕事の幅も人間関係も広がっているかもしれません。
想像するとワクワクしませんか?ぜひ将来の自分を想像してスキルアップを進めていってください。
環境ごと変えてさらなるスキルアップを
長期的に同じ環境で能力を発揮している状態では、その界隈でのアウトプット力が上がっていくことは実感できますが、新たなスキルが得られるかどうかという点においては環境を変えることが功を奏するでしょう。
環境を変える手立てには、次のようなものがあります。
転職を決意する
今の企業で自分のスキルを上げていくことに限界を感じたものの、これからも挑戦を続けていきたい場合、転職の良いチャンスと言えます。
自分の興味のある職種を経験するべくコンフォートゾーンを抜け出した瞬間は多少のストレスがかかります。しかし、リスクを取って行動できる人こそ、スキルの必要な場で求められる人材に成長します。
副業に着手してみる
会社員が得られる集団としてのスキルとは異なり、個人を磨いていくためにより有効な手段として「副業」があります。
例えば、普段事務作業をしている人が顧客対応(カスタマーサービス)の副業を始めるとすると、
「会話スキル」
「対人でのビジネスマナー」
「より迅速で正確な処理能力」
などが身に付きます。他の副業にもそれぞれ必要なスキルがあり、確実なスキルアップが見込めます。
転職よりも低リスクで、仕事を辞めることなく片手間で始められることが最大のメリットになります。自己投資のための時間として、日常の一部を活用できる点も特筆すべきでしょう。
スキルアップのために取得したい3つの資格
ここでは、履歴書に書くことで信用度が上がる3つの資格を紹介します。業種によっては必要ないものもありますが、取得しておけば転職の際にも役立ちますので是非参考にしてください。
英語を使う会社での必須資格「TOEIC」
グローバル企業で働く際に必要になるTOEICですが、他業種だとしても転職・昇進に有利になる資格のひとつです。今や小学生から英語の授業が始まる時代で、英語公用語化に乗り出す企業も増えています。これからも需要が高まる分野なので、早めに勉強をはじめるに越したことはありません。
TOEICの試験ですが、厳密には「TOEIC Bridgeテスト」「TOEIC Listening & Reading テスト」「TOEIC Speaking & Writingテスト」「TOECIC Speaking テスト」の4つの種類が存在します。
(1)TOEIC Bridgeテスト
TOEICテストの入門編とも呼べる試験で、4つの中では一番レベルが低くなります。「TOEIC Bridge Listening & Reading テスト」と「TOEIC Bridge Speaking & Writing テスト」の2種類があります。取得してもTOEICスコアを所持しているとは言えないので、実力を測るために利用しましょう。
(2)TOEIC Listening & Reading テスト
一般的にTOEICスコアというと、TOEIC Listening & Reading テストのスコアを指します。就職や転職の際に使える資格ですので、4つの中で最も受講優先度が高いです。試験内容は、リスニングとリーディングに限られます。
(3)TOEIC Speaking & Writingテスト
スピーキングとライティングの能力を測るTOEICテストです。難易度は最も高めで、実践的な英語力を測るために有効な試験ですが、企業側の判断材料としては広まっていません。
(4)TOEIC Speaking テスト
英語で「話す」能力を測定するTOEICテストです。試験は、約20分程でスピーキング能力を測定することが可能です。
すべてのビジネスパーソンにオススメ「日商簿記検定」
簿記の知識があれば、採用担当から即戦力として見てもらうことができます。永久資格として使えるので、転職や結婚退職後の再就職、起業においても、かならず役に立つ資格です。取得をオススメする主な職種としては、総務・経理、営業、税理士、公認会計士などが挙げられます。
日商簿記検定には、3級から1級までの難易度が存在します。それぞれの階級について解説していくので参考にしてください。
(1)簿記3級
基本的な商業簿記、小企業の会計実務、経理書類の適切な処理を行えるレベルの資格です。業種・職種を問わず企業から高く評価される資格のため、資格取得の第一歩として取得しておくのがおすすめです。合格率は5~6割なので、さほど難関ではありません。
(2)簿記2級
経理や会計事務所スタッフの応募条件として、簿記2級所持を挙げている企業は多くあります。将来的に経理の仕事をしたい人、会計事務所や税理士事務所で働きたいと考えている人は、早めに取得しておきましょう。将来起業した際にも、簿記2級の知識があれば、会計処理や確定申告でつまずくことがなくなります。合格率は3~4割です。
(3)簿記1級
簿記1級取得で税理士試験の受験資格が得られるので、税理士として働きたい人は、できるだけ若いうちに取得しておきましょう。また、大企業の経理として働きたいと思ったときにも役立ちます。計算だけでなく、経営管理や経営分析ができるレベルの高度な会計スキルを証明する資格です。合格率1割程度の高難易度資格なので、予備校や公認会計士講座受講なども視野に入れましょう。
事務で働く時に役立つ「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」
WordやExcelを使う仕事に就くならば、とっておいて損はない資格です。企業の大多数はマイクロソフトを導入しているため、「マイクロソフトの操作で迷うことはない」「MOSの知識を生かして、効率的に業務を遂行できる」とアピールすれば、事務系の職場で優遇されます。
ただし、もともとパソコン操作が得意という人には、履歴書の資格欄を埋める要因にはなっても、新しい知識を得られるとは言い難いです。本当に必要な資格か?優先順位はどの程度か?という点について、勉強をはじめる前によく検討してみてください。
MOSの試験は、筆記試験はなく、パソコンを使用した実技試験のみとなります。一般レベルのスペシャリスト、上級レベルのエキスパートがあり、どちらも50%を上回る合格率です。
ビジネスシーンごとに異なる必要スキル
前述してきたように、スキルの種類は豊富なため、ビジネスシーンによってどのスキルが必要なのかを知っておくことが大切です。新たに職に就く際に求められるスキルとして、以下が上げられます。
語学スキル
ビジネス上でのグローバル化に伴い、外国語を使いこなす能力は、今やど業界でも重要視されるようになりました。
就職先が外資系などの場合に重宝されるだけでなく、英語力を身に付けることで幅広い教育やコンサルを受けることも可能になります。また、業種を問わず、企業側からの待遇も良くなり、好条件での就職・転職が期待できます。
語学能力と一口に言っても、使う場面の多いスキルであればあるほど歓迎されます。特に汎用性の高い「スピーキング」「リスニング」の高いスキルを持っておくと、他者に差をつけられるため自己アピールの良い材料になってくれるでしょう。
フィリピンやスリランカ、フィジーなどへの語学留学や英会話オンラインスクールであれば、最低限の自己投資額で最高のリターンを得られやすく、マンツーマンで学べる環境はお勧めです。
IT・情報スキル
言わずと知れた情報社会の中では、どの程度パソコンなどの端末や機械類を操れるかが優秀な人材としてのスキルの判断材料として用いられています。
コーディングなどのプログラミングスキルや映像処理を始めとする専門性の高いもののみならず、資料作成スキルなどの基本スキルの質を高めていくことも求められます。
最新のテクノロジーやITトレンドなどを理解し、使いこなす技術である「ITリテラシー」を高め、実務に活かせるようにしていくことがこれから進化していく情報社会で生き残る手段であり、スキルアップに直結する手段です。
なお、経産省が策定しているIT関連の保有スキルの数値化を目的としたITSSや、組込みエンジニアを対象にしたETSSなど、IT業界全般で人材のスキルを証明する明確な判断指標が存在します。それらを活用してあなたのスキルの実用レベルを測ってみることで、その業界における自分の現在地を把握するのも良いでしょう。
まとめ
ビジネススキルは、企業に就職する人、個人事業主として起業する人、法人を立ち上げる人などすべてのビジネスパーソンに必須の能力です。スキルの証明には資格取得が有効ですが、書籍や講習会での学習によって能力を伸ばす事もできるので、自分に合った方法でスキルアップを目指しましょう。
社内で評価が上がれば昇進にもつながりますし、キャリアアップを目的とした転職も可能になり、活躍の場が広がります。この記事を参考に、ぜひ頑張ってみてください。