将来への不安はなぜ生まれる?不安の正体と解消するための手段を解説

この記事では、将来への不安が生まれる理由と不安に打ち勝つ方法をお伝えします。ネガティブ思考からポジティブ思考に変わるための習慣についても解説していくので、ぜひ参考にしてください。

目次

「将来が不安」を生み出す4つの事柄

不安という感情はとても不明瞭なものです。漠然とした不安感があるものの、自分が何について悩んでいるのかよくわからない、具体的に解決策が浮かばない、という人もいます。しかし、掴みどころがないことでさらに不安が募ることもあり、不安を抱えたままでは生きづらいでしょう。

ここでは、漠然と言う「将来が不安」という言葉の意味を考え、具体的な4つの不安について解説します。まずは、自分の不安の全体像を掴むことで、解決の糸口を探っていきましょう。

老後に関する不安

少子高齢化が進み、税金は高くなっていく一方の近年において、老後の金銭面を不安に思う人が増えています。とくに年金制度は、1970年代に生まれた人は自分が払った金額よりも受給額のほうが少なくなると言われているため、考えれば考えるほど不安に陥る負のループに入ってしまうのです。

将来もらえない年金なら払わないほうが良いのではないかと考える人も多いですが、年金の取り立ては年々厳しくなっています。適切な手続きを踏まずに未払いが続くと、財産の差し押さえにもつながってしまいますので得策とは言えないでしょう。年金がもらえないなら自分で貯蓄するしかありませんが、消費税の増加などにより生活をするためのお金を稼ぐのが精一杯という人も多く、解決できないからこそ不安が長引いてしまうのです。

病気に関する不安

良い意味でも悪い意味でも、今は情報社会です。テレビをつければ毎日のように健康や病気について取り上げた番組を流していて、ネット上にはあえて不安を煽るように作られた記事があがっています。こうした豊富に与えられる情報が、病気に対する不安につながっているのです。

たしかに、家にいながらにしてさまざまな病気の予防策や、かかってしまった後の対応策が知れるのは便利です。しかし、必要以上に不安を募らせることは、精神衛生上良くありません。情報の取捨選択をし、すべてを鵜呑みにしないよう心がけることが必要になってきます。

仕事に関する不安

高度経済成長期が終わり、大手でも業績悪化で倒産・大量リストラが発生する時代です。経団連の会長が「今後は終身雇用を続けるのは厳しい」と発言するほど、日本の社会情勢・雇用形態は変化しています。

しかし、年齢が上がるほどに転職は難しくなりますし、AI技術の発達で今ある仕事がいつまであるのかもわからない状態です。自分ひとりでも稼げるスキルを身につけようとは言われていても、なにを学べば良いのかわからず更に不安になってしまうこともあります。また、スキルを身につけて自営業をはじめた場合、自分が病気や加齢で働けなくなれば収入はゼロです。お金の不安から健康に関する不安へとシフトし、不安感が収まることはありません。

結婚に関する不安

4つ目の不安は、結婚に関する不安です。結婚したいのにできないという人から、結婚したくないけど周りからの目が気になるなど、内容は人によってさまざまです。結婚ができないことによって、老後の生活や孤独死が不安になる人もいます。

婚活をはじめる、一生独身の場合に必要な費用を計算して貯金に励むなどのアプローチ方法がありますが、うまくいくとは限りません。不安に思う心そのものを改善しない限り、安寧は難しいでしょう。

将来への不安が浮かぶ理由

世界全体で見た時、日本は圧倒的に恵まれている国です。教育制度や衛生面、生活水準など、特別なことをしなくても生きていける環境が整っています。それでも不安が尽きないのは、外部から不安の種を撒かれているから、という可能性があります。

ここでは、健康情報を配信するテレビや不安を煽るばかりのネットニュース、急激に広まったうつ病のウラを見ていきます。また、不安が生まれて消えないサイクルと解決方法についても解説していますので、参考にしてください。

不安を煽る情報のウラ

日本は、先進国です。環境は整備され、戦争もなく、食べ物にも困りません。

医学も発達していて、調子が悪いと思えばすぐに医者に行くことができ、比較的安価で薬を処方してもらうこともできます。死と隣合わせな生活ではありません。つまり、さほど不安を感じる必要性はないのです。

そもそも、「将来が不安」だと、未来に思いを馳せられるのは、今が穏やかだからです。今日死ぬかもしれないという状況下では、将来を不安に思うことなんてできません。

考える時間があるからこそ、不安になります。そして、考える時間があるほどヒマだから、必要ない情報まで仕入れてしまうのです。

ものを売る上で、不安を煽るのは大変効果的な手法です。「40歳以上はみんなやっている、やらない人は早死にする」「この食品を食べると病気になる、ならないためにはこれを飲むべき」などと書けば、不安に思って購入意欲につながります。不安を煽る情報のウラにある思惑を理解した上で、テレビやネットニュースを見るようにしましょう。

うつ病もビジネスに利用されている

うつ病患者は、1999年から急激に増加しました。抗うつ剤SSRIが認可された年です。

たしかに、社会の変化によってストレスが大きくなった、うつ病という病名が広まったことによって今まで認知されていなかった患者が病院に行くきっかけになった、ということもあります。しかし、1996年に43万人前後だった患者数が、2008年には100万人を超えているのです。

実際に投薬が必要なほどのうつ病患者がいる中で、うつ病未満と呼べる人にまで薬を処方している可能性は否定できません。不安な気持ちを利用して、経済を回しているという見方もできるのです。

本能的に持っている不安は2種類

精神科医の和田秀樹さんの著書『仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本』には、人が本能的に持っている不安は2種類だけだと書かれています。「大きな音に対する不安」と「落下する不安」です。

人間は、成長するにつれて知識や経験を積んでいきます。それによって、後天的に不安なことが増えていくのです。

「将来が不安」を別の角度から考える

将来が不安ならば、その不安・予測できる危険を回避する行動を起こすべきです。そして、将来のためにできることをやっていれば、不安は薄れていきます。

理由は、自分は対策をとっているという安心感があるから・今に没頭していて未来を考えるヒマがないからです。不安があるのに行動に移さなければどういった事が起きるのか、というと下の図です。

将来を不安に思う→身動きが取れない→行動に移していないから不安感が募る→さらに将来を不安に思うという負のループに陥っています。しかし、このループを別の角度から考えてみると、また別の問題が浮き彫りになることがあります。きっかけを、将来の不安ではなく、現実逃避したい気持ちにして考えてみましょう。

現実逃避したい→今から目をそらすために未来のことを考える→将来を不安に思う→身動きが取れない→行動に移していないから不安感が募る→さらに現実逃避したくなるという心の動きです。そもそも、今が苦しいのです。この場合もやはり、行動に移すことが解決につながりますが、「現実逃避したくなるのはなぜなのか」という観点で起こすべき行動を決めていく必要があります。

ポジティブな考え方を身につける手段10選

不安というのは、いわば考え方のクセです。あなたが不安に思っていることを他人が不安に思うとは限らず、そこには個人差が生じます。普段からネガティブな考え方をするクセがある人は、不安にも引っ張られやすいという特徴があります。

ネガティブな考え方から、ポジティブな考え方に変えていくことが大切です。ここでは、ポジティブな考え方を身につける手段を10個紹介します。

考えすぎずに行動に移してみる

新しいことにチャレンジする時など、「きっと続かない」「きっと失敗する」「これにはこんなリスクがある」とマイナス面ばかりを見てしまう人は、考えすぎるクセを直しましょう。確かに、リスクを避けるべき事案は存在します。しかし、リスクヘッジの方法を学ぶ、経験者に教えてもらうなど方法はいくらでもあります。

仕事にしろ、プライベートにしろ、自分の成長を感じられれば不安感をやわらげることができます。はじめてみたら意外にうまくいった、なんてことも多いものです。考えるのをやめる、考える時間に制限を設けるなど、すぐ行動に移すクセを身につけてください。

未来を見すぎない

老後・結婚・病気など、不安は未来を指すことが多いです。未来は誰にもわかりません。

だから不安になります。未来に対して不安になっているなと思ったら、今に集中してきましょう。「今したいことはなにか」「今するべきことはなにか」を、不安を払拭する方向で考えてみるのです。

・老後の金銭面や生活が不安
→貯蓄計画をたてる・ライフプランニングをしてみる・老後もできそうな仕事を探してみる
・結婚できるかどうかが不安
→婚活をしてみる・独身でも人生を謳歌している人の話を聞く
・病気になってしまうかもしれない不安
→生活習慣を見直してみる・スポーツなど健康的な趣味をはじめる
・今の仕事がいつまでできるか不安
→仕事に役立つスキルを身につける・資格を取得する・転職サイトを見てみる・自分の適正年収を調べる

いずれも、安心につながる行動を起こすことが大切です。

人の評価にとらわれない

「人からどう思われるか」を基準に行動を選んでいくと、自分の軸がぶれがちです。本来やりたくないこともやらなければいけないため、ストレスを感じやすい・満足感を得にくいという特徴もあります。

他人ありきではなく、自分がどう生きたいか考えましょう。今自分の周りにいる人が全員いなくなったとしても目指し続けられることを、ライフプランに盛り込むことが大切です。

また、収入や肩書き、人脈などを他人と比べる必要もありません。世の中にはいくらでも「自分より上」の人がいます。

他人ばかり気にしていては、いつまで経っても満足感は得られず、せっかくの自分の成長を見逃すことにつながります。不安をやわらげるためには、「自分は自分」と考えることが重要です。

完璧主義を捨てる

理想が高すぎる人は、自分を過小評価し、否定ばかりしてしまいます。自己肯定感を失えば、ネガティブな感情に引っ張られやすくなるのは当然です。向上心は生きていく上で大切な要素の1つですが、「完璧主義が、かえって不安の種になっているな」と思ったら、自分を甘やかす方向にシフトしましょう。

今までの行動を少し見直すだけでも十分効果がでます。一例をあげますので、参考にしてください。

《完璧主義をやわらげる習慣》
・夜寝る前に、今日できたこと・頑張ったことを思い浮かべる
・1日のタスクは、80%達成できたら良しとする
※上記の方法で達成感を感じられないという人は、朝タスクを立てたら20%次の日にまわすのもあり
・結果ではなく過程を見て、自分を褒める
・計画をたてるときは、妥協点も考えておく

「欠点がある自分」を認める

自分の欠点ばかりを見て落ち込んでしまう人は、「欠点のない人なんていない」「他人の欠点を自分の長所が補えることもある」と自分に言い聞かせましょう。それでも欠点をなくしたいと考えてしまうなら、欠点を長所に置き換えてみると良いです。

《短所を長所に置き換える例》
・頑固→芯が通っている、初志貫徹
・冷たい→広い視野を持っている、冷静な判断が下せる
・心配性→慎重、危機回避能力が高い
・神経質→丁寧、よく気がつく
・流されやすい→協調性がある

すべての物事は表裏一体です。自分自身をまるごと受け入れてあげましょう。

今ある幸せに目を向ける

人は、夢や目標、希望があるからこそ生き生きとした人生を送ることができます。しかし、未来の幸せを追い求めるあまり、今を不幸・足りないと感じてしまうならば注意が必要です。1つの事柄に執着することをやめ、視野を広くしてみましょう。

・健康である
・家族がいる
・友だちがいる
・仕事がある
・趣味がある
・住む家がある
・笑って過ごせる

これらはすべて、とても幸福なことです。お金や仕事の成功に執着して、今持っている幸せをないがしろにすることはやめましょう。

ひとり時間を楽しむ

パートナーや家族、友人と過ごさない時間を「孤独」「無駄」と考えるクセがあれば改めましょう。確かに、喜怒哀楽を共有できる時間はかけがえのないものです。喜びは倍に、悲しみは半分になります。しかし、ひとりの時間は決してマイナスなものではありません。

・自分のしたいことだけをできる
・お金も時間も場所も自分のためだけに使える
・人間関係に悩む必要がない

といったメリットがありますし、ひとり時間に楽しんだことを大切な人に話すことで、マンネリ化も防げます。なによりも、自分の時間を楽しめる人は生き生きとしていて、魅力的です。自分磨きのためにも、ひとり時間に楽しめる趣味を見つけておくのがオススメです。

被害者意識を捨てる

挫折や失敗のときに、特定の誰か・何かのせいにしていては、前向きに生きることができません。被害者意識とは厄介なもので、悪い出来事を「防ぎようのなかったこと」「自分は一方的な被害者」と考えてしまうのです。本来見るべきである真実から目を背けているため、成長できません。諦めぐせや自己肯定感の低下にもつながるので、考え方を変えましょう。

・失敗→「仕方ない」と考えることをやめる、次はどうしたら成功するかに目を向ける
・挫折→誰かのせいにすることをやめる、何か別の方法はないかを考える

口癖とは恐ろしいもので、「〇〇だから、仕方ない」「〇〇だから、自分にはできない」と言い続けていると、本当に何もできなくなってしまいます。思考停止の状態です。本当にやろうと思えば、大抵のことはできます。自分には無理、ではなく「自分には無限の可能性がある」と考えていきましょう。

「生きてさえいればなんとかなる」と考える

病気になった、仕事をクビになった、パートナーと別れたなど、不安に思っていたことが現実になっても、即、死につながることはありません。悪い出来事に直面したときは「いっそ死んでしまいたい」と絶望するものですが、命さえあればやり直しがきくことも多いです。

悪い出来事が起こるかもしれないと不安になるのではなく、未来にあるかもしれない幸せの可能性を考えましょう。「生きてさえいればOK」という楽観視も必要です。

規則正しい生活を意識する

生活習慣の乱れは、精神の不安定を招きます。規則正しい生活を心がけ、健康的な生活習慣を身につけましょう。

《身につけるべき生活習慣》
・朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる
・6~8時間の睡眠を確保する
・バランスの良い食事をとる
・適度に散歩や運動をする
・平日と休日で大きく生活リズムが狂わないようにする
・夜寝る前にスマホやテレビを見る習慣をなくす

不安を上手に使う方法

不安な感情はマイナスのように扱われますが、実は失ってはいけない大切な感情です。不安があるからこそ、今を変えようと頑張れて、今置かれている状況が危険なら回避しようと考えられます。不安を上手に使うには、不安に対する考え方を変えていくことが大切です。ここでは、不安な感情と上手に付き合う方法をお伝えします。

ネガティブな感情とうまく付き合うことが大切

不安などのネガティブな感情は、生きていく上で重要なものです。

・夜道を歩くのは不安
→襲われるなどの危険を回避
・大きい犬に近づくのは不安
→噛まれるなどの危険を回避
・高いところに登るのは不安
→落下の危険を回避

不安という感情があることによって、怪我や死を回避できます。赤ちゃんは危険を知らない=不安感が少ないので、親が目を離すとすぐに危ない行動に出ます。大人がこの状態で生きていたら、非常に危険です。

不安が生じるというのは、今までの人生から多くのことを学んできた証でもあります。不安が生まれたことを否定するのではなく、一度受け入れてください。不安に思うのは自然なこと、と理解した上で、必要な不安なのか過剰な不安なのかを見定めていきましょう。

まとめ

将来を不安に思う気持ちというのは、生きていれば必ず遭遇するものです。不安を抱くことで、未来をより良いものにできることもあるでしょう。

しかし、自分の行動を制限し、未来に怯えるような不安は解消していく必要があります。不安が生まれる原因を知ることやポジティブな考えを習慣化することで、不安に打ち勝ってください。

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この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
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