この記事では、AliExpressで商品を仕入れてメルカリなどの日本のECサイトで販売する転売ビジネスを行う際のポイントや注意点について解説します。
AliExpressは、中国の大手ECサイトで、多くの商品が格安で販売されています。安く商品を仕入れられるので、AliExpressで仕入れて国内で売るだけでもある程度の利益が見込めます。
AliExpressを使った転売ビジネスに興味がある方は、この記事を是非読んでみてください。
AliExpress転売を行うにあたっての基礎知識!古物商の許可は必要か?
AliExpressで商品を仕入れて転売する場合、古物商の営業許可は必要なのでしょうか?
結論から言えば、一部の例外を除いて、古物商の営業許可は必要ありません。
AliExpressについて
古物商の営業許可の話に入る前に、AliExpressについて簡単な説明をしておきます。
AliExpressは、中国の阿里巴巴集団(アリババグループ)が運営するECサイトの一つです。Alibaba.comやTMALL天猫などもアリババグループが運営しています。
AliExpressの特徴としては、取扱商品が多く、価格も安いことが挙げられます。日本語サイトもあるので、中国のECサイトを使い慣れていない人でも比較的使いやすいサイトです。
古物商の規制は国外からの仕入れには適用されない
AliExpressから仕入れるのに古物商許可が要らない理由は、AliExpressが海外のサイトだからです。
古物商の営業許可について定めた法律は古物営業法で、この法律は日本国内でしか効力がありません。したがって、AliExpressで商品を仕入れるのに古物商許可は必要ないのです(新品でも中古品でも関係ありません)。
古物商の営業を規制する目的
このことは、古物営業法の規制目的からも説明できます。
古物商を許可制にしている目的は、「盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図る(古物営業法1条)」ことにあります。ここで言うところの盗品売買は、日本国内のものが想定されています。つまり、日本国内で盗品の売買が行われないように規制するのが古物営業法の目的なので、海外で盗まれたものが日本に持ち込まれて販売されても規制の範囲外なのです。
AliExpressで購入した商品が古物営業法の規制を受ける場合
逆に、AliExpressの商品を日本で購入したと言える場合は、古物商の許可が必要になる可能性が出てきます。
もっとも、以下のFAQにもあるように、現在のところAliExpressに出品することができるのは、中国本土とロシア、スペイン、イタリア、トルコ、フランスのサプライヤーのみです。
参考:Can I sell on AliExpress?(AliExpress Sevice Center)
したがって、ほとんどの場合は、「AliExpressで購入する」=「海外の商品を日本に輸入する」になります。
しかし、例えばAliExpressにセラーとして登録している中国人が日本に販売拠点を置いている可能性もないとはいえません。AliExpressを利用してこのセラーから購入した場合、日本で商品を購入していることになるので、中古品を買い入れれば古物の売買に当たり得ます。
また、AliExpressから商品を購入する際に輸入代行業者を使った場合も注意が必要です。業者との契約内容として、業者がAliExpressで購入した商品を日本で仕入れる内容となっている場合は、仕入れの段階が日本で行われることになるからです。
上に挙げたようなケースでは、古物商の許可が必要になる可能性があります。
一度小売りされた商品は「古物」扱い
古物商の許可に関して、もう一点注意が必要なのは「古物」の概念です。商品が一度小売りされて消費者の手元に渡ると、古物営業法上は「古物」となります。
メルカリなどをみると「新品未使用」といった表示を見かけますが、一度も箱を開けたことがなくても法律上は古物です。こういった商品を営業目的で仕入れる際は、古物営業の許可が必要になります。
AliExpress転売を行う際の注意点
ここからは、AliExpressで商品を仕入れる方法や、その際の注意点について解説します。一部、メルカリ等で販売する際の注意点も含めて解説していますので、参考にしてください。
AliExpressを利用する際の注意点
AliExpressは中国のECサイトですが、国際取引を想定しているので、基本は英語のサイトとなっています(日本語サイトもありますが、翻訳の質があまり良くありません。日本語の訳が分かりにくいときは、英語サイトの方を参照してください)。
したがって、何かしらのトラブルに遭遇した場合の問い合わせも英語で行うことになります。
また、AliExpressは価格が安いのが特徴ですが、BtoCの小売りサイトなので、BtoBのサイトであるAlibaba.comと比べると価格が高いこともあります。
あくまでも安値で仕入れるのが目的なら、Alibaba.comの方が向いているでしょう。ただし、Alibaba.comは企業間取引のサイトなので、販売されている商品には最小ロットが設定されている場合があります。つまり、10個とか20個、場合によっては100個という単位でなければ、そもそも商品を販売してもらえないということです。この点は、1個から仕入れられるAliExpressの方が便利です。
上のような特徴を踏まえて、上手にAliExpressを使っていきましょう。
【AliExpressの使い方 その1】 アカウント登録をする
AliExpressの使い方を簡単に解説します。AliExpressの使い方は基本的に国内のECサイトと同じで、まずはアカウント登録が必要です。
TOPページの右の方にある「登録」のボタンから新規登録できます。
メールアドレスとパスワードを入力して、「マイアカウントを作成する」をクリックしてください。
これでアカウントが新規登録できます。
作成したアカウントでログインすると、「アカウント」から「私のアリエクスプレス」というページに入れるようになるので、「私の配送先住所」で住所登録を済ませておくと良いでしょう。
【AliExpressの使い方 その2】 欲しい商品を探す
欲しい商品の探し方も、基本的に日本のECサイトと同じです。カテゴリーから絞り込んでいくこともできますし、検索窓にキーワードを入力して検索することもできます。
なお、検索する際には、日本語で入力することもできます。ただし、翻訳の関係で日本語で入力すると思ったものと違う検索結果が表示されることがあります。こういった場合は、英語では何と言うのかを調べた上で英語で検索し直すと望みの結果が得られます。
支払い方法は、基本的にクレジットカード決済となっています。カード情報の流出が心配な場合は、Vプリカのようなプリペイドカードを代わりに使えば、万一の場合でも被害は最小限に留まります。
購入金額によっては関税が発生することも
海外から商品を輸入する際は、原則として関税と輸入消費税がかかります。
ただし、AliExpressでの購入額が少ない場合は、関税及び輸入消費税は免税になります。具体的には、課税価格が1万円に満たなければ、関税等が免除になります。この際の課税価格は、商品価格に運賃や保険料を加算したもの(CIF価格)で計算されます。
ただし、革製品のように、免税対象にならず、課税価格が1万円を超えなくても課税対象となるものもあります。
なお、個人使用目的で商品を輸入する場合は商品価格の6割を課税対象とする制度がありますが、転売目的の場合はこの制度の適用対象外なので注意しましょう。
メルカリ等に出品する場合は、出品禁止物に注意
メルカリは出品禁止の物品を定めています。したがって、メルカリを利用した転売を考えているのであれば、出品禁止に当たる商品を仕入れてしまわないように事前にチェックしておく必要があります。
例えば、偽ブランド品の出品が禁止されるのは当然ですが、「正規品と確証のないもの」の出品も禁止されています。AliExpressに出品されているものの中にも正規品なのか疑わしいものが紛れ込んでいますから、それらを仕入れないようにしてください。
メルカリで禁止されている出品物は、以下のページを参照してください。
出品禁止物について注意しなければならないのは、ヤフオクをはじめとする他のサイトを使う場合も同様です。自分が利用する予定のサイトの出品禁止物をチェックしてから仕入れるようにしましょう。
AliExpressに出品されている高値で転売できる商品を紹介
ここからは、AliExpressで仕入れることができて、なおかつメルカリやヤフオクで高値で売れている商品をご紹介します。商品をリサーチする際の参考にしてください。
流行の柄やモチーフを取り入れたアクセサリー等
AliExpressでは、アクセサリーの類が日本よりもかなり安く手に入ります。その年に流行している柄やモチーフを取り入れたアクセサリーを転売すれば、仕入れ値の2倍~3倍の価格で売れることも珍しくありません。
ただ、AliExpressで購入した商品は到着までに2週間以上かかる場合がある点には注意が必要です。流行りものだと、手元に商品が届くころには流行が下火になっていることもあり得ます。
流行に左右されない定番のアパレル
たしかに、流行りものは高く売れる可能性がありますが、売れ残ってしまうと翌シーズンには売れにくくなってしまいます。その点、定番の商品は、仮に売れ残っても翌シーズンでも売れるので、仕入れが無駄になる可能性が低いと言えます。
したがって、定番の季節もの商品をシーズン終了間近に安く仕入れておいて、翌シーズンに売るという戦略も可能です。ただし、この戦略をとるには、在庫を保管しておくスペースが必要になる点には注意が必要です。
数倍の値段で売れることもあるスマホケース
スマホケースはAliExpressと国内ECサイトとの価格差が大きい商品の一つです。国内では1,000円~2,000円程度の価格で売られている場合が多いですが、AliExpressでは100円~200円の商品も結構あります。また、軽くてかさばらないので、転売するまでの保管場所にも困りません。
メルカリやヤフオクをチェックして、売れ筋のデザイン・カラーのスマホケースを仕入れましょう。iPhone用のケースは売れ筋ですが、その分ライバルも多いので、あえてXperiaなどのAndroidスマホ用のものを狙うのも手です。
アイシャドウパレットが狙い目のコスメ
コスメ関係も売れ行きが良いので、おすすめです。特にアイシャドウパレットは、AliExpressなら数百円で購入できるのに国内では数千円で販売できるので魅力的です。
コスメ関係は高級感のあるデザインが好まれるので、豪華な雰囲気のあるパッケージの商品を選べば売れやすくなります。
AliExpressを仕入れに使うメリットとデメリット
これまでに書いてきたことと多少重複しますが、AliExpressを利用することのメリットとデメリットをまとめておきます。
AliExpressを仕入れに利用するメリット
AliExpressを利用する大きなメリットは、言うまでもなく価格が安いことです。商品によっては国内価格の数分の1の価格で手に入ります。転売ビジネスにおいては仕入れ値をいかに抑えるかが重要ですから、AliExpressは有力な仕入れ先になります。
また、商品の種類が豊富なのもポイントです。
AliExpressを仕入れに利用するデメリット
AliExpressには、以下のようなデメリットもあります。
・配送に時間がかかる
・偽ブランド品が扱われていることがある
・商品や配送にトラブルがあった場合は、英語で交渉する必要がある
決済手段が基本的にクレジットカードに限定されているのも、クレジットカードを持っていない人や、セキュリティ面の不安から海外サイトでカードを使いたくない人にとっては、マイナスポイントでしょう。もっとも、この点については、デビットカードやプリペイドカードを使うことでカバーできます。
バイヤープロテクションについてもチェックしておこう
AliExpressでは、商品が商品説明と違っていた場合や商品が到着しない場合に備えて、「バイヤープロテクション」という返金制度を準備しています。
補償を受けるには事前にセラーに連絡する必要があったりして手間も時間もかかりますが、少なくとも代金は返ってくる安心感はあります。
バイヤープロテクションの詳細は以下のページに記載されています。AliExpressを利用する前に見ておきましょう。
参考:バイヤープロテクション
AliExpressは安心して利用できるサイト?
この記事の最後に、AliExpressをまだ利用したことがない人向けに、「AliExpressは安心して利用できるサイトなのか」考えてみようと思います。
AliExpressで販売されている商品の品質
商品の品質は、基本的には問題ありません。たしかに、日本のECサイトよりは品質にバラツキがあるかもしれません。しかし、商品に関するレビューのうち高い評価を集めているものを買うようにすれば、ハズレを引くことはほとんどありません。
また、下の画像のように、洋服の縫製箇所に関するアップ写真が掲載されていたりするので、サイト上でも品質を見極めることができます。
AliExpressで買った商品の送料
AliExpressでは、多くの商品が送料無料で配送してもらえます。ただ、商品によっては配送方法が選べる場合があり、この場合は有料の配送方法の方が商品が早く届きます。
多少時間がかかっても無料で配送してもらうか、少しでも早く配送してもらうためにコストをかけるかは、あなた次第です。流行の商品で少しでも早く仕入れた方が高値で売れそうな場合は、あえて有料の配送方法を選んだ方が結果として儲けが大きくなる場合もあるでしょう。
偽ブランド品などが売られているケースも
最近は少なくなってきていますが、AliExpressでは偽ブランド品を見かけることもあります。また、いわゆる偽ブランド品以外にも、無許可でプリントしているのではないかと思われるキャラクターTシャツが売られていることもあります。
これらの知的財産権を侵害する物品を輸入しようとして税関で発覚すると、没収になるだけでなく罰金が科される場合もありますから購入するのは止めましょう。
AliExpressのサイトの使いやすさ
AliExpressのサイトは非常にスタンダードな作りになっているので、日本でAmazon等のECサイトを利用したことがある人なら利用方法で戸惑うことはほとんどありません。
すでに書いたように、日本語サイトの日本語の不自然さはありますが許容範囲内です。
AliExpressを上手に利用して利益を上げよう
AliExpressは、利用する際にいくつか注意すべき点はありますが、全体的には使いやすく、安心して仕入れができるサイトです。
この記事を読んでAliExpressに興味を持った人は、試しに何か1つ商品を仕入れることから始めてみてください。