この記事では、ドメインの売買方法をお伝えします。「ドメインがどうして売れるのか」といった基礎的なところから、実際に売買取引をするときの手順までお伝えしていきますので、是非参考にしてください。
ドメインとはなにか
まずは、ドメインの基礎知識についてお伝えします。基礎がわかっていると、ドメイン売買のイメージもつきやすくなります。
ドメインはサイトにアクセスするための「住所」
ドメインとは、簡単に言うとホームページなどにアクセスするときに使う住所のようなものです。
インターネット上には、もともとIPアドレスという識別番号が振られています。ただ、IPアドレスは「191.221.76.13」のような数字の羅列です。人には覚えにくいものになっています。そこで、人が覚えやすいように割り当てられるのが、ドメインです。ドメインとは、URL「https://www.〇〇」のうち、〇〇の部分です。ドメインがあることによって、アクセス先のサイトが明確になります。
多少の制約があるものの、基本的には〇〇の部分は自分で好きな文字列を入れることができます。ドメイン名をつけるときには、サイトのコンセプトや扱う商材などを考えた上で名付けると良いでしょう。
たとえば、宣伝商材がウォーターサーバーで、ウォーターサーバーに関する記事を多数アップしたいと考えているメディアサイトを立ち上げます。そのとき、以下のどちらのドメイン名のほうが、イメージが付きやすいでしょうか。
(A)aaaaaaaaaa1234
(B)waterserver-life
ドメイン名に、「ウォーターサーバー」という単語が入っていると、「これはウォーターサーバーの何かを書いているのだろう」と予測が付きます。そして、覚えやすい文字列になっているため、再度そのサイトに訪れたいと思ったときもスムーズです。ドメインを取得する際には、このようなことも考える必要があります。
【まとめ】
ドメインとは、サイトにアクセスするための住所の役割をするものです。自分でホームページを作る際には、必ずドメイン取得が必要です。そして、ドメイン名は、サイト内容に合わせて文字列を考えることで、サイト訪問者にとって覚えやすくなる=アクセスしてもらいやすくなるのです。
同じドメイン名は存在しない
次に覚えておきたいのは、同じドメインは存在しないということです。
ドメインは住所のようなものだとお話しました。住所が同じサイトが2つ存在したら、どちらを表示して良いかわからなくなってしまいます。すでに家が建っている土地に、新しい家は建てられないことと同じです。
つまり、自分が取得したいドメイン名があったとしても、すでに誰かが取得済みだった場合、そのドメインは使えません。つまり、ドメインの文字列取得は早いもの勝ちであり、一度発行されたドメイン名の新規取得はできません。
ここで起きるのが、買取競争です。どうしても取得したいドメイン名があり、自分には資金がある場合を考えてみましょう。該当ドメインを持っている人に、ドメインの売却を持ちかけて売ってもらえば、ほしいドメインが手に入ります。これを逆手に取って、売るためのドメインを取得するという方法もあります。将来企業名、サービス名として使われそうな文字列のドメインを、前もって取得しておくということです。奇抜なものよりも、単語として検索回数が多いような、メジャーどころが無難でしょう。
使わなくなったドメインの売却について
ここでは、サイト閉鎖などによって不要になった中古ドメインは売却できるのかについて、お伝えします。売却前にドメイン価値を調べる方法についてもお伝えしていきますので、参考にしてください。
ドメインは中古でも売却が可能
ドメインは、中古でも価値があります。そのため、サイト閉鎖に伴ってドメインが不要になった場合、買い手を見つけることで最後に資金調達が可能です。
ドメインの売買は、さまざまなオークションや、ドメイン売買専用サイトでおこなわれています。代表的なところでいうと、ドメイン取得サービスの「お名前.com」や、オークションサイトの「ヤフオク」などが挙げられます。ドメインは資産です。高評価を得ていたサイトのドメインは高額取引に発展しやすいため、日頃からサイト運営に力を入れていきましょう。
買取価格はサイトの価値によって変わる
ドメインがいくらで売れるかは、サイトの価値によって変わります。数百円程度の安価でしか売れない場合もあれば、億単位で取引されることもあります。
買取価格に大きく関係してくるのは、SEOに有利なサイトかどうかです。SEOとは、検索エンジン最適化のことで、サイトへのアクセス数を上げるために大切な施策になります。あるキーワードで検索をした際に上位表示されるのが、SEOに有利なサイトです。
《買取価格が高価な傾向にあるドメイン》
・サイトの運用期間が長い
・情報量が多い
・アクセス数が多い
反対に、運用期間が短く、情報量とアクセス数が少ないサイトが取得していたドメインだと、高額買取とは難しいでしょう。
売却前にドメイン価値を調べるのがおすすめ
売却を考えたら、オークションなどに出品する前に、自身のサイトドメインの価値を調べてみましょう。
Webサイトの価値を調べてくれる、「MuStat」というサイトがあります。
試しに、代表的なドメインを調べてみたところ、以下のように価格が付きました。
Yahoo:$ 21,825,934,649
Amazon:$ 6,565,769,231
楽天市場:$ 7,600,568
売却を考えたら、あらかじめドメイン価値を調べておくことで、その後の価格決めや交渉がスムーズに進みます。購入のオファーメールがあった際にも、適正価格でのオファーかどうか調べるために、一度調べてみることをおすすめします。
参考:MuStat
中古ドメインが高値で売れる理由
ここでは、なぜドメインに価値があるのか、中古でも高値で売買されるのかについて解説していきます。
ドメイン名がサイトのアクセス数に影響を与えるから
ひとつめの理由は、「ドメイン名がサイトのアクセス数に影響を与えるから」です。
たとえば、ある企業のサイトURLを見たときに、企業と全く関係のない文字列で構成されたURLになっていると、不自然です。本当に正規のサイトに繋がるのか、訪問者に不信感を与えてしまいます。反対に、サービス名や企業名がそのままドメインになっていれば、不信感を持つことなくリンクに飛ぶことができます。これが、ドメイン名がアクセス数に関係する理由です。
また、中古ドメインは、もともと持っているドメインパワ-が大きいことも魅力です。
ドメインパワーとは、そのドメインに蓄積されてきた実績です。元のサイトで持っていた、アクセス数、情報量、検索順位などが、ドメインには残っているのです。通常、新規でドメインを取得しても、即検索上位に食い込むことはありません。3ヶ月から半年ほどかけて良質な記事をアップし続け、やっと成果が出るのが通常の流れです。しかし、中古ドメインであれば、もともと持っているドメインパワーがあるため、新規でサイトを立ち上げても、比較的短期間で検索上位を取ることが可能になります。
被リンク数がSEOに関係しているから
ふたつめの理由は、「被リンク数がSEOに関係しているから」です。
被リンクとは、外部サイトに貼られた自社サイトへのリンクです。Googleでは、被リンク数が多いほど、価値のあるサイトだと判断される傾向にあります。新規で立ち上げたサイトには、当然被リンクは貼られていません。しかし、中古ドメインには、前のサイトへのリンクが残っているケースが多いです。そのため、サイト立ち上げ時に、すでに高い評価を得ている状態でスタートできるのです。
しかし、被リンクはすべてが良いものとは限りません。なぜなら、資金があれば購入可能であり、故意に大量設置する事が可能だからです。このような自作自演とも呼べる被リンクは、「ページランクを意図的に操作するような偽装行為」とみなされ、Googleからペナルティを受けることもあります。
その被リンクの質を調べる指標として、以前まではGoogleが提示する「ページランク」という指標がありました。しかし、現在ではページランクの一般公開は終了しており、サイト運営者が被リンク数の品質を確認する術はありません。
中古ドメインの被リンク数は、良くも悪くもSEOに関係してきます。良質な被リンクを多数所持しているドメインは、それだけ価値が高いことを覚えておきましょう。
中古ドメインが売れる代表的なオークション4選
ドメインを売る方法は、オークション出品、直接取引などさまざまな方法があります。初心者でも手を出しやすいのは、オークション出品です。ここでは、ドメイン売却に使える代表的なオークションサービスを、4つ紹介します。
お名前.com
ドメイン取得サービスとしても代表的なお名前.comでは、ドメインの売買サービスもおこなっています。オークション販売、固定価格販売、価格交渉販売の3つの売り方から選択できる自由度の高さが魅力です。会員登録や月額費用、出品手数料は完全無料ですので、もし売却ができなかった場合でも損失はありません。売買取引が成立したときにのみ、手数料がかかります。
また、購入者とのやりとりは一切必要ないので、ユーザー間トラブルを避けたい人にもおすすめです。
参考:お名前.com
GoDaddy
GoDaddyは、ドメイン売買ができるオークションサービスです。もとがアメリカのサービスなので、国内外を売却先として取引をおこなえる点が魅力です。詐欺防止対策も行われており、利用上は安心ですが、その分費用が高めです。サービスを利用するための年会費もかかるので注意しましょう。
参考:GoDaddy
VALUE-DOMAIN
ドメイン売買サービスですが、ユーザー間での直接取引方式のサービスです。VALUE-DOMAINは仲介をおこないません。ただ、その分出品費用や手数料が一切かからないのが魅力です。VALUE-DOMAINで管理されているドメインでのみ、受け渡しができます。
参考:VALUE-DOMAIN
ヤフオク
ヤフオクというと、日用品や家電など、物品をやりとりするイメージが強いですが、実はドメイン出品も可能です。「コンピュータ」のなかに「ドメイン名」カテゴリが存在します。ヤフオク内でドメイン移管をするサービスはありませんので、お名前.comやVALUE-DOMAINといった外部サイトを使っている出品者が多いです。出品者は、落札の際に落札システム手数料を払う必要があります。Yahoo!プレミアム会員になっているかどうかで費用が変わる点に注意しましょう。
参考:ヤフオク!
Sedoを使って海外企業にドメインを売却する手順
サイト運営をしていると、海外企業からドメインを買い取りたいというメールが届くことがあります。直接取引することも可能ですが、欧米ではSedoというドメイン売買仲介サービスが主流になっています。先方が希望した場合Sedoを使用しましょう。ここでは、Sedo経由で海外企業とドメイン売買をする手順を解説します。
海外企業とドメイン売買をする流れ
海外企業とのドメイン売買手順は、以下のとおりです。
- 企業からオファーメールを受け取る
- 企業と直接やりとりをして、価格と受け渡し方法を決める
- Sedoに必要事項を連絡する
- 代金が支払われたら、ドメインを移管する
次項から詳しく説明していきます。
企業と直接やりとりをして、価格と受け渡し方法を決める
まずは、企業から受けたオファーメールに、取引をおこないたい旨連絡しましょう。企業から購入金額を提示されていない場合や、提示金額に納得がいかない場合は、ここで価格交渉をおこないます。受け渡し方法について、向こうから指示がなかった場合も、ここですり合わせていきます。
ドメインの管理会社が同じで、ユーザー間のドメイン移行を認めている場合には、Sedoを使わないことも可能です。ただ、こちらから受け渡し方法を提示する際には、仲介サービスを使う方法も提示しておくと親切でしょう。
Sedoを使って取引をする場合、購入者側のSedo情報が必要になるため、前もって企業に情報を聞いておきます。また、Sedoを利用したドメイン移管には、販売価格の3%分の手数料も必要です。負担者は、売却者と購入者いずれでも可能ですので、どちらが負担するかについても話し合っておきましょう。
Sedoに必要事項を連絡する
ここからは、いよいよSedoを間に挟んでのやりとりになります。まずは、売却者である自分が、Sedoに必要事項を連絡します。
《必要事項》
・ドメイン名
・売買価格
・Sedoに支払う手数料の負担率
・売却者の氏名、メールアドレス、住所、電話番号、SEDOアカウント
・購入者の氏名、メールアドレス、住所、電話番号、SEDOアカウント
Sedoには日本人担当者もいるため、ここからは日本語でのやり取りも可能です。ただし、日本人担当者は不在のこともあり、進捗が滞ることも考えられます。英語が使える人は、わざわざ日本語を使う必要性はないでしょう。
代金が支払われたら、ドメインを移管する
企業がSedoに代金を支払うと、Sedo経由で連絡が入ります。ドメイン移管をするよう指示されますので、指示に従い、ドメインをSedoに引き渡しましょう。その後は、Sedo側で購入企業への移管作業をおこない、移管終了後に購入代金が振り込まれます。
作業量はさほど多くなく、スムーズにいけば2日程度でドメイン売買が完了しますので、海外企業との取引の際にはSedo利用を検討してみてください。
まとめ
ドメインは、一見ただの文字列ですが、そこには今までの実績が詰まっています。また、サービス名や企業名として使用できるようなドメインになっていれば、それだけでも価値が大きいものです。過去に取得したドメインは、資金調達ツールになる可能性を秘めているのです。閉鎖したサイトや記事の更新が滞っているサイトがあれば、ぜひ一度、ドメインの売却について考えてみてください。