これからの働き方はどうなる?環境の変化を徹底解説

私たちを取り巻く働く環境は日々変化しています。

その変化には、働き方改革やIT技術の進歩等、私たちに良い影響を与えるものもあれば、そうでないものもあります。

今回は、これからの社会において企業や雇用のあり方がどう変わるのかを概観し、私たちの今後の働き方について考えてみようと思います。

目次

キーワードから読み解く働き方の変化

まずは、6つのキーワードをもとに、起こりうる働き方の変化について見ていきましょう。

【1】ビジネス環境の変化

現代は急速にインターネットが普及しグローバル化が著しい社会です。

それにもかかわらず新しい技術を取り入れない企業や海外に進出しない企業は、競争に負けて倒産していくことが予想されます。なんとか倒産は免れたとしても、大規模なリストラによる人員削減は避けられないでしょう。

一度就職すれば定年まで安定して給料が入る、身分保障も厚い、退職金も貰える、そんな一生安泰という環境は無くなります。自分のキャリア形成は自分で何とかするしかない時代がすぐそこまで来ているのです。

【2】正社員の減少

現在、日本の雇用は正社員が約6割を占めています。

正社員になれば、月々の給料が保証されます。これは、労働者側から見れば好ましいことですが、企業側からすれば業績にかかわらず毎月一定の給料を支払わなければならないことを意味します。しかも、現在の日本の労働法制の下では、仕事ができない生産性の低い社員であっても簡単に解雇することはできません。

今後は、海外同様、プロジェクト単位で必要な人材を必要な数だけ雇用する雇用形態に変化していくことが予想されます。そうなると、プロジェクトごとに労働者と契約すれば目的を達成できるので、高コストの正社員を雇う必要は無くなります。そうなると、現在、雇用の大部分を占めている正社員はこれから減少していくことでしょう。

【3】定年制度の廃止

人口減少や少子高齢化も問題となっています。

現在、高齢者の寿命が伸びたのに伴い、年金の支給期間も長くなっています。他方、少子化が進んでいることもあって社会保障の財源を支える労働人口は減少の一途をたどっています。そのため、65歳の定年が70歳まで引き上げられ、年金受給の開始時期が遅くなる可能性が今でも囁かれています。

今後は、さらに少子高齢化が進むことが予想されます。そうなると社会保障制度を維持できなくなるため、死ぬまで働かなければならなくなる可能性は十分にあります。

【4】パラレルキャリア

現在、政府が推進している働き方改革の影響を受けて、大企業等で副業を認める会社が増えてきています。

副業が解禁されると自由な働き方が認められるようになったと感じます。しかし、副業解禁を押し進めている背景には、会社の給料だけではやっていけない人が増えているという事情もあります。今後、労働環境が変化すれば、給料は増えるどころか下がる可能性だって十分あります。より多くの収入を得るために副業することが当たり前という社会が到来するかもしれません。

【5】テレワーク

テレワークとは、通信技術を利用して会社外で仕事をする労働スタイルのことです。時間や場所に縛られない働きかたとして現在注目されています。

今後、通信技術が発達すれば、テレワークが一般的になっていくでしょう。

【6】オートメーション化

オートメーション化とは、簡単に言うと自動化のことです。

現在でも工場の生産ラインでは多くのロボットが働いています。自動レジも増えていますし、チェックインからチェックアウトまで全てロボットが行うホテルさえあります。

効率化や人件費削減が叫ばれる昨今、人に代わってロボットが働く現場がさらに増えるでしょう。AIも進歩しており、AIに仕事が取られる時代が来るとも言われています。

これからの企業のあり方

ここからは、グローバル化やIT技術の進歩でビジネス環境がどんどん変化していく中で、組織のあり方がどう変わっていくのかを考えていきます。

成果に対して賃金が決まる

前述のとおり、今後は正社員制度が無くなっていくことが予想されます。そして、給与体系も、給料として定期的に支払うスタイルから仕事の成果に対して支払うスタイルへと変化していくと考えられます。

成果によって報酬が決まるようになる利点は何でしょうか?

今までの企業は、仕事の成果にかかわらず一定の賃金を社員に支払う必要がありました。中には無駄な賃金の支払いもあったことでしょう。しかし、成果報酬式に変更すれば、その無駄な部分を削減できるようになります。

また、労働者からすると、自分の能力を評価されやすくなります。これまで報酬が労働に見合っていないと感じていた人や、社歴が長いだけで自分よりも多く給料をもらっている上司に不満があった人にとっては良い変化と言えるでしょう。

一方、とりあえず定年まで会社に在籍していれば安泰だと考えていた人にとっては、厳しい社会になることでしょう。

役職の廃止

年功序列の考え方が強い会社では、能力の有無にかかわらず社歴が長い人が重要なポジションに就く傾向にあります。このようなシステムの下では、能力に関係なく出世してしまう人も少なからず現れます。一般の社員からすると、何もせずただ座っているだけの人が自分より多くの給料を貰っている状況です。しかも役職者には権限があるので、その人の決裁が下りなければ動けないことも多く、無駄な時間や作業が増えます。

成果主義の社会に移行すると、役職に意味は無くなります。企業も社内での役職を廃止してフラットな状態で成果を評価するように変化していくでしょう。

副業が認められる

副業が増える背景には、企業側にとって複数のキャリアを持つ人材を雇える利点もあります。複数の場所で経験を積んだ人材は、それだけ知識も経験も豊富です。複数の場所で働く人材と仕事をすることは、自社には無いノウハウを吸収するチャンスでもあるのです。そのため、企業側も副業を積極的に取り入れたいと思うようになるでしょう。

将来の4つの働き方

CHREATEという団体をご存知でしょうか?CHREATEとは、人材や企業を再考するために結成された、企業の幹部・リーダー達による協議会です。

このCHREATEが、将来の働き方は仕事の民主化とテクノロジーの強化を軸に以下の4つに分けられるとの考えを打ち出しました。

参考:CHREATE

仕事の民主化とは、正社員制や役職を廃止してフラットな状態で成果に対する評価を行う社会のことです。

テクノロジーの強化とは、AIや通信技術等の科学技術が進歩した社会を指します。

以下では、この4つの働き方を詳しく解説していきます。

従来型

雇用形態もテクノロジーの活用方法も現在と同じものです。つまり、正社員雇用が大半を占め、同一の場所で働く働き方です。業務内容が安定しており、従来の評価制度でも問題がない業種は従来型の働き方で働くことになります。具体的には医療関係の現場や小売業等がこちらに当てはまります。

従来型だが高度化

雇用形態は今まで通りですが、テクノロジーの活用が進んだ形の働き方です。

今までの雇用や仕事上の繋がりをテクノロジーで管理していくようになります。具体的には、正社員として会社へ出勤しますが、部分的に在宅ワークやリモートワークが認められるようになります。遠方にいる取引先とのウェブ会議等も積極的に行われるようになるでしょう。セールス業では、この従来型だが高度化された働き方が当てはまります。

進化型

新しい雇用形態を主とした働き方です。

具体的には、フリーランスとしてプロジェクトベースで働くスタイルです。正社員として常に会社に在籍して業務をこなすのではなく、必要な時に必要な期間だけ働いて報酬を受け取ることになります。

エンジニア等の専門スキルを持った人たちは、この進化型の働き方をするようになるでしょう。

ウーバー的進化型

仕事の民主化とデータベースの強化が最も発展した働き方です。雇用主と労働者がオンデマンドのプラットホーム上で繋がるようになります。

ビジネスにおけるプラットホームとは、商品やサービス等を提供する「場」のことです。Amazonや楽天等のインターネットショッピングサイトがその例です。店舗や出品者に出店する場を提供し、多くの顧客がその場を利用して買い物をしています。

このプラットホームが雇用にも積極的に利用されます。クラウドソーシングサービスがプラットホームを利用した雇用モデルの最たるもので、人材を求める企業と仕事を求める人材がこの「場」を介して繋がることになります。企業側は仕事の情報を、労働者は自身の職歴や能力をプラットホーム上に登録し、その情報からマッチングが行われます。

私たちはどうしていくべきか

私たちは変化していく労働環境に対してどう対応する必要があるのでしょうか?

自分の強みを知る

プロジェクト単位での契約が増える成果主義社会で生き残るためには、周りと勝負できる強みを持つ必要があります。

まずは、自分にはどんな強みがあるのかを知りましょう。ここでいう強みとは、自分自身の能力のことであり、一流企業で働いていたといった経歴のことではありません。一部、企業のブランドを自分のものだと思い込んでいる人がいますが勘違いしてはいけません。

成果主義の世の中では企業のブランドは何の魅力にもなりません。一流企業にただ在籍していただけの人と中小企業でも現場で使えるスキルを身につけた人とでは、後者の方が市場価値は上なのです。

自分が今までの仕事でどんな成果をあげ、どんなスキルを身に付けたのかを振り返ってみましょう。大切なのは、自分のスキルは他社でも通用するものなのか、企業側が採用したくなるほどの価値を持っているものなのかを見極めることです。

自分の市場価値を上げる

自分の強みと言われても特に何も思いつかないという人もあるでしょう。しかし、強みがないのであれば、これから作れば良いのです。今いる職場で自分の能力を上げる努力をするのも良いですし、勉強して新しいスキルを身に付けるのも良いです。ただ、全くのゼロから新しいスキルを身に付けるよりは、今あるスキルをブラッシュアップするほうが良いでしょう。

今まで事務職しか経験が無いという人はどうでしょう。事務職でも一般事務より経理事務ができる方が市場価値は上です。それならば簿記の勉強をして経理もできるようになってしまいましょう。

営業経験はあるという人は、ただ営業ができるだけよりも、英語が話せたりコンサルティング営業ができたりするほうが価値が上がります。

システムエンジニアなら、ただエンジニアとして働けるだけよりも、プログラミングの講義ができれば需要は増えます。

このように、自分の今までの経験と新しいことを掛け合わせて、自分の市場価値を上げましょう。

一つの企業に捉われない

今後は、雇用形態の変化にともなって副業を行う必要性が出てきます。収入のためだけでなく、自身のスキルアップのためにも、一つの企業に捉われることなく副業に挑戦してみましょう。

副業にチャレンジすれば、今いる職場では得られない経験ができるだけでなく、自身の能力を上げることもできます。収入も増えるうえ、自分の市場価値も高まります。仮にフリーランスで働くようになった場合でも、副業で得た経験が役に立つことでしょう。

これからの働き方を知って将来に備えよう

これからの時代は、今まで以上のスピードで労働環境が変わっていくことでしょう。

私たちはその変化に対応していかなくてはなりません。時代に置いて行かれないためにも、世の中の動きを良く理解して、自分が何をするべきかを把握しましょう。

自分のやるべきことを理解して自分自身の価値を高めることができれば、変化する時代の中でも優位に立つことができるでしょう。

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この記事を監修した人

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