輸入ビジネスと聞くと、「難しそう…」という印象を持たれるかもしれません。
言葉の壁、文化の違い、為替の変動などなど、不安や心配になることだらけでしょう。
そこで、この記事では、初心者に向けて輸入ビジネスについてご紹介します。不安や心配ごとを払拭するためにも、輸入ビジネスの方法について詳しく学んでいきましょう。
輸入ビジネスは難しそうな印象がある
個人輸入ビジネスは難しいという印象があるかもしれませんが、実はそうでもありません。やっていることは、外国のサイトから商品を仕入れて国内のサイトで転売する、たったこれだけのことです。
パソコンさえあれば、自宅にいながらウェブ上で簡単に取引できます。シンプルで誰にでも分かりやすい方法です。
言語の違い
英語などの外国語が不得手だと、輸入ビジネスに不安を感じるかもしれません。
たしかに、言葉の違いが壁になることはありますが、今はGoogle翻訳のような翻訳ツールがあります。この手の翻訳ツールを使えば、最低限必要なコミュニケーションは取れるので問題ありません。
参考:Google翻訳
英語だけでなく中国語や韓国語などにも対応しているので安心ですよ。
資金の問題
事業を行うには、ある程度の資金が必要です。輸入ビジネスはネット上でのやり取りのみで完結する事業なので何千万もの高額な資金は不要ですが、100万円くらいはあった方が良いです。
資金の獲得方法にはいろいろありますが、最初のうちは貯金を元手にすることです。これなら借金するよりはリスクが低くて済みます。
個人輸入の注意点
外国から商品を輸入することになるので、国内転売とは違った注意が必要です。
1.日本への配送期間
海外から配送してもらうとなると、配送方法次第では荷物が届くまでに長期間が掛かる点には気をつけなければなりません。通常の配送期間だと、海外のショップから日本の住所まで届くのに早くても3週間はかかります。一方で、お急ぎ便などのサービスを利用すれば、1週間ほどで届きます(ただし、配送料は高くなります)。
2.通関に関する手数料
日本への輸入のたびに発生する手数料です。1度の輸入ではわずかな金額ですが、回数が増えてくると負担になりますので気をつけてください。
3.関税および消費税
どの国から、どのような商品を購入したかにより金額が変わってきます。関税率は項目によっても異なりますが、とりあえずは10%で計算しておけばOKです。
輸入転売は違法?
日本でも多くの企業が行っているように、輸入したモノを転売すること自体は違法ではありません。ビジネスの規模が大きいか小さいかの違いはありますが、企業と個人とで行っていることに違いがあるわけではないのです。
大事なのは、違法にならないように正しくビジネスを行うことです。やり方によっては違法になってしまうこともあるので注意が必要です。
そこで、どのような場合に違法になってしまうのか確認しておきましょう。
輸入禁止品目に注意する
輸入禁止品目を輸入することは、法律で禁止されています。輸入ビジネスを始める前に必ず確認しておきましょう。
参考:輸出入禁止・規制品目
拳銃や爆発物、火薬類など、普通に生活していて危険だと感じるものが禁止品目になっています。このような物は常識的に考えれば違法だと判断できるので、特に問題はないでしょう。
それでも判断に迷ったり、不安になったりした場合は、お近くの税関へ確認してみてください。
参考:税関所在案内
輸入には資格が必要な場合がある
輸入販売を行うにあたって、特に資格は必要ありません。
ただし、輸入する商品によっては資格が必要な場合もあります。化粧品・医薬品・アルコール類は、その対象になるので扱わないほうが良いでしょう。
虚偽の申告はしないこと
輸入は、目的によって2つの種類に分けられます。
1.個人輸入 個人での使用を目的にした輸入
2.小口輸入 販売目的での輸入
両者を分けるのは、個人で使用するか、他人に販売するかです。いずれの輸入に当たるかによって関税額が変わってきます。すなわち、同じ商品を購入した場合でも、個人輸入よりも小口輸入の方が関税が高くなります。
輸入転売は言うまでもなく営利目的なので小口輸入です。それを個人輸入と偽って輸入すると、関税は安くなりますが脱税の罪に問われます。商品を輸入する場合は、個人輸入か小口輸入かを正しく判断しましょう。
しかし、個人輸入か小口輸入かは何か決まりがあるわけでもなく、とても曖昧です。実のところ、個人輸入なのか小口輸入なのかは、日本国内の税関担当者の判断により決められています。なので、小口輸入のつもりが個人輸入として扱われたり、またその逆もしかりです。そのような時は、税関へ連絡し正しく小口輸入だということを申告してください。そして、以後はそうならないように、海外からの荷物は小口輸入扱いにしてもらうように、申し出ることをおすすめします。
また、海外からの荷物が届いたときに、一目で個人輸入か小口輸入かの判断をすることが難しい場合もあります。そのような時も、税関に連絡して、個人輸入か小口輸入か確認しておきましょう。その場合も個人輸入扱いになっていたら、小口輸入であることを正しく申告しましょう。
個人輸入したものを転売したとしても、すぐには問題にならないでしょう。しかし、以後、何らかの理由で脱税の事実が判明した場合、これまでの未納分の関税を一度に請求される可能性があります。
個人輸入と小口輸入の関税の差はほとんどありません。そもそも正直に小口輸入と申告して利益が出なくなるようならば、その商品の取り扱いはやめましょう。薄利な商品の取り扱いでは稼ぐことが出来ません。関税を安くあげるために虚偽申告するような真似はやめて、きちんと関税を支払ってもなお利益の出る商品を取り扱うようにしましょう。
ビジネスにおける基本的な知識について
次は、ビジネスにおける基本的な知識について確認していきます。輸入ビジネスも、一般のビジネスと基本的には同様です。一般のビジネスでの知識を参考に見ていきます。
需要と供給のバランス
1つ目は、需要と供給のバランスです。
その商品を必要としている人に買ってもらうことが大事です。また、商品を仕入れる際は、その商品に需要があるかどうかを考えつつリサーチしていくことがポイントになります。
需要が多いにもかかわらず供給が少ない商品は、利益が出る傾向にあります。
幸福感を提供する
2つ目は、顧客へ幸福感を提供することです。
お客さんは、商品の価値自体に対してはもちろんのこと、その商品を使用して得られる幸福感に対してお金を出してくれるものです。
例えば、アイシャドウを購入する女性のことを考えてみましょう。彼女は、化粧して綺麗になった自分自身を見るという幸福感に価値を見出してそのアイシャドウを買ってくれるのです。
したがって、商品を販売する際は、いかに顧客に幸福感を与えられるかを考えるようにしましょう。
時間の確保
3つ目は、時間の確保です。
副業で稼ぐには、1日1時間~2時間程度の作業時間を確保することが大事です。特に、リサーチが重要なので、リサーチの時間を確保してください。
本業が忙しくて時間がとれない方、時間は取れるのに取ろうとしない方、さまざまな方がいますが、それでも、自身の余分な時間を削り、その時間をサイドビジネスで稼ぐことに充てましょう。そうすれば、3か月後、6か月後には徐々に稼げるようになっていくでしょう。
「eBay」?「ヤフオク」?
輸入ビジネスを行う際におすすめなのが、「eBay」と「ヤフオク」です。
仕入れにはeBay、販売にはヤフオクを利用するとよいでしょう。eBayの良いところは出品数が多いことと、オークションで商品を手に入れられることです。
どのような商品を仕入れるかが大事
eBayでは、どのような物を仕入れていけばよいか紹介します。
一番のおすすめは、アンティーク商品です。新品商品を仕入れてもよいのですが、新品商品はほとんど価格差がないので稼ぎにくくなりがちです。新品商品を扱うなら、限定生産品や生産終了品を狙うと利益を出しやすくなります。
アンティーク商品は利益率が高く、新品商品の約5~9倍にもなります。また、基本的には1点ものなので、他の人は仕入れができません。よって販売時にもライバルはいません。そして、1点ものゆえ希少価値も高まります。少ない商品数で大きな稼ぎを上げられるので、特に初心者におすすめです。
eBayとヤフオクのメリット・デメリットは何か
eBayで仕入れて、ヤフオクで販売するときのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
オークションでの購入なので、定価よりも安価で仕入れができる。
デメリット
AmazonのFBAを利用した場合と比べて、出品・梱包・発送の各作業をすべて自分でやる必要がある。
Amazonでの転売方法とは?
ここではAmazonを利用した転売方法を紹介していきます。
中国輸入時の仕入先
以前は、Amazonで転売するための商品を欧米から輸入するのが主流でしたが、現在は中国輸入が主流となっています。こちらのほうが利益率が高いからです。
そこで、中国輸入におすすめの仕入れ先を見ていきましょう。
大きく2つあるのですが、両方とも中国のアリババグループが運営しているサイトです。1つは「タオバオ」で一般消費者向けECサイトです。もう1つは、卸業者向けのサイト「アリババ」です。卸業者専門でも代行業者を使えば個人でも利用可能です。
中国輸入での転売方法は2種類
中国から輸入したモノをAmazonで転売する方法として最もメジャーなのが相乗り出品です。
相乗り出品とは、リサーチした商品をそのままライバルが販売する商品に相乗りして出品する方法です。これなら商品画像や商品説明文を一から用意する必要がないので、出品作業を大幅に効率化させることができます。
しかし、相乗りされた方はたまったものではありません。もし、あなたが出品した商品に対してライバルたちが相乗りしてきた場合は、必要な対策を取らなければなりません。
ライバルの相乗りを防ぐ方法としては、名入れをしたり、商標登録をとったりするのが有効です。これができれば独占販売期間を長く保てるので、試してみる価値はあります。
Amazon転売時のメリットとデメリット
Amazon転売には利点が多くありますが、欠点もあります。
メリット
・独自の商品を扱うことで長期間利益を上げられる
・FBAを利用して梱包や発送作業を省略できる
デメリット
・相乗り出品の場合、競争相手が参入してくる可能性がある
・価格競争の結果、中国人セラーだらけになる可能性がある
BUYMA(バイマ)での転売
BUYMAは、女性向けファッションに特化したショッピングサイトで、主に20~50代女性をターゲットにしています。
参考:BUYMA
BUYMAは、輸入したモノの転売先としてはマイナーな存在です。数年前までは流行っていたのですが、現在ではBUYMAで輸入品を転売している人は少数派になりました。商品審査が厳しいことも影響していると考えられます。
ただ、それでもBUYMAでの転売が不可能になったわけではありません。
BUYMA転売時のメリットとデメリットについて
BUYMAを利用する場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
・ファッションに詳しくなれる
・在庫が無くても始められるので、元手なし・ノーリスクで取り組める
デメリット
・ブランドの商品審査が厳しい
・ファッションに疎いと稼ぎが上がらない
メルカリで転売する方法
メルカリは、輸入転売以外にも「せどり」の仕入先・販売先として使用されています(輸入したものの転売が輸入転売、国内で仕入れたものの転売がせどり)。
個人での出品がメインになっています。メルカリも輸入転売の販売先として十分使えます。
参考:メルカリ
メルカリの販売先としての可能性
現状では、中国からの輸入品を販売している競合相手は少ないので、販売先として有望です。
とはいえ、ユーザーのほとんどが女性なので、レディースのアパレル商品の売れ行きが中心です。また、若年層が多く利用しているため、高い商品はほとんど売れません。
女性もののアパレル商品の売れ筋は、だいたい2,000~3,000円の商品です。なので、タオバオ等で安い商品を仕入れることができた時は、Amazonだけでなくメルカリも販売先として検討してみましょう。
メルカリ転売のメリットとデメリット
メルカリで転売するときのメリットとデメリットを紹介します。
メリット
・中国からの輸入品を扱うライバルが少ない
・ユーザーの数が多い
デメリット
・女性ユーザー向け以外のカテゴリーが弱い
ネットショップで転売するには?
初心者にとってネットショップを経営して転売を行うのは、とてもハードルが高い方法です。ショップを作るだけでは売れませんし、商品を売るためには別のスキルも必要です。
なかでも難しいのが集客です。Amazonやヤフオクといった有名どころのECサイトであれば、出品者が集客活動を何もしなくてもお客さんは自然と集まってきます。しかし、独自で作ったネットショップだと、無名のうちは誰も訪ねてきてくれません。
この集客を効率よく行うには、「SEO(ネット検索で上位表示させる取り組み)」の勉強と「SNS」の活用が必要になってきます。ただし、これらを使いこなせるようになるには時間も手間もかかります。ですので、初めのうちは有名どころのサイトを利用し、利益を出せるようになってから独自のネットショップへ移行するのがおすすめです。
ネットショップの利点・欠点
ネットショップで販売する場合のメリットとデメリットについてです。
メリット
・プラットフォームを利用しないのでアカウント停止の心配がない
・ネットショップ自体に価値が出るので、資産としてのネットショップ自体の売却が可能
・カテゴリー別で利益が制限されない
デメリット
・集客のためのスキルを要する
・利益を出すまでに時間がかかる
個人輸入販売にチャレンジしよう!
輸入転売について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
海外から商品を仕入れるとなると、輸出入に関する知識が不可欠なので初心者には難しいと思われるかもしれません。
しかし、逆にそのイメージがあるからこそ、輸入転売ではライバルが少ない傾向にあります(したがって、利益を上げるチャンスです)。
Amazonやアリババを利用すれば、輸入はそこまで難しくありません。ぜひ、本記事を参考に個人輸入転売にチャレンジしてみてください。