仕入れの仕訳に必要な勘定科目を分かりやすく解説!

仕入れの仕訳に必要な「勘定科目」って何があるの?と思っていませんか。個人事業主は、自分で簿記・会計処理をするのですから、仕訳の基本である勘定科目について知っておかなければなりません。苦手だと避けていた勘定科目や仕入れについて、今一度おさらいしていきましょう。

目次

【本当に理解してる?】仕入れとは何だろう

仕入れ」と言われると、素人でも当たり前に知っているようなことだと思います。実際、皆さんが思っている「仕入れ」の意味で、だいたい間違いはないでしょう。しかし、会計での勘定科目である「仕入れ」を理解しようとするなら、もう少し掘り下げて考えていく必要があります。

【仕入れ】定義と意味

販売・製品化の目的を持って、商品や材料などをメーカーや卸売業者から購入することを「仕入れ」と呼んでいます。簿記・会計処理としては勘定科目の1つとなっていて、商品や材料を仕入れた場合は「仕入れ」という勘定科目で仕訳されます。同時に、反対の勘定科目には「現金」または「買掛金」などの項目が入ります。

【仕入れ】よく似た別の表現がある

時に「仕入高(しいれだか)」とも表現されることがあります。「仕入れ」とは、ニュアンスが少し違い、売上高に対する原価の仕入分だと覚えておきましょう。

【仕入れ】法人と個人事業主で、何かが違うもの?

法人でも、個人事業主でも、仕入れは同じように行うものです。簿記・会計処理でも、仕入れは勘定科目として扱われています。

仕入れの計上基準について

計上基準とは、会計帳簿へ記帳するタイミングのことを指します。仕入れ業務には、出荷基準・入荷基準・検収基準・回収基準の4つの計上基準があり任意に選択できますが、どの基準を適用したとしても一度決めた処理方法は毎期継続しなければなりません。

出荷基準とは

仕入れ先が商品を出荷した日付が計上日になります。商品が納品される前に計上することになるため、予定通りに納品されなかったり注文と異なる商品が届いたりした場合は、修正する必要があります。

入荷基準とは

商品が入荷した日付が計上日になります。引渡基準や受取基準とも呼ばれます。商品入庫後に計上するので、現物と帳簿データが連携しやすいというメリットがあります。

検収基準とは

納品された商品を検品し、問題がないか確認して検収を完了させた日付が計上日になります。計上のタイミングは遅くなりますが、商品の品質重視し正常な受け取りのみを仕入れとして計上することができます。

回収基準とは

商品の代金を支払い、決済が完了した日付が計上日になります。

仕入れ関係の勘定科目について

仕入れ勘定科目は、物品の仕入れをした時、返品をする時、減額をしてもらえた時など、それぞれ細かく分かれています。これから仕入れをして、簿記・会計処理を行う予定であれば、必ず知っておきたいことですので、一緒に確認していきましょう。

仕入れた時の勘定科目

販売・製品化目的の物品を購入した場合、仕入れの仕訳が必要になります。この仕入れに伴う付随費用も計上することを忘れないでください。次の例では、「買掛金で仕入れた場合」を想定しています。

仕入れの一部返品に対する勘定科目

仕入れの一部を返品するとなった場合、一旦、仕入れ処理したものを反対に仕分けして帳尻を合わせる方法と、「仕入返品」という勘定科目を利用する方法の2つのうち、1つを選択します。

反対仕訳

仕入返品仕訳

仕入れの減額に対する勘定科目

仕入れたものを返品するのではなく、破損などの品質不良に対して仕入れ代金を減額してもらう場合は、次のように処理します。これも、返品の時のように、一旦、仕入れ処理したものを反対に仕分けして帳尻を合わせる方法と、「仕入値引」という勘定科目を利用する方法の2つのうち、1つを選択します。

反対仕分

仕入値引仕訳

【これだけは理解しよう】頻繁に使う勘定科目3つとは

勘定科目はたくさんありますが、その中でも、頻繁に使うものを3つピックアップしました。個人事業主は、あまりたくさんの勘定科目を使うことがありません。ここで挙げる3つだけでも理解しておくと役に立つでしょう。

【分類】「収入」にはどんな項目がある?

売上
販売した商品や製品そのものの代金、サービス提供に対する代金が「売上」となります。

雑収入(雑益)
営業外収益のうち、他のいずれの勘定科目にも当てはまらない場合に用いられる項目が「雑収入」です。雑益ともいいます。独立して勘定科目を立てるほど重要だと判断されないものが該当します。仕入割引やリベートなどは、その代表でもあります。

自家消費
個人事業主が、事業用に使用していた資産を家庭用に消費、または使用したもの。その他、贈与した商品の金額のことです。

【分類】「費用」にはどんな項目がある?

仕入
販売目的の商品・製品化のための材料などを購入することを仕入と呼びます。

租税公課
あまり聞きなれない「租税公課(そぜいこうか)」ですが、税金や国や地方自治体からの負担金などが該当します。所得税は含まれません。

租税⇒国税や地方税として納めるもので、例えば、固定資産税・自動車税・不動産取得税・自動車取得税・酒税・印紙税があります。
公課⇒租税以外のものであり、割り当てられて負担する賦課金や、罰金などが該当します。例えば、商工会の会費や納税協会の会費があります。

荷造運賃
商品などを発送する際、包装資材や送料などが発生しますが、自己負担になっている場合、必ずこの項目が必要となります。ちなみに、仕入れで発生した送料などは、仕入勘定に含めて仕入金額となるため、ここの荷造運賃とは別のものと考えて下さい。

水道光熱費
プライベートでもよく使う項目名ですが、「事業のために使用した」水道代・ガス代・電気代などが該当します。

旅費交通費
事業のために使用した交通費や宿泊費は、この項目を使用します。

通信費
事業のために使用したハガキ・切手代、電話料金などが該当します。

広告宣伝費
新聞や雑誌などに掲載してもらった広告料や、折込チラシなどの印刷費や折込料などが該当します。配布用のカレンダーなども広告宣伝費になります。

【分類】「資産」にはどんな項目がある?

現金
事業用の現金ですが、「他人振出の小切手」「郵便為替証書」など、金銭と同じような性質のものも含まれます。

当座預金
事業用に使用している当座預金のことです。

定期預金
事業用に使用している定期預金のことです。

その他の預金
当座預金でも定期預金でもない、事業用に使用している預金であり、普通預金・外貨預金・郵便局の通常預金などが該当します。

受取手形
得意先との取引に基づいて、発生した手形債権(記載されている金額の給付を目的とした手形)のことで、売上代金または売掛金の回収目的で受け入れることが多いです。

売掛金
販売・サービスなど営業取引から発生する未収入金のことです。基本的に、1年以内に回収が見込まれるものであり、企業同士の信用に基づく取引でもあります。

有価証券
事業に関連して取得した、商品券・株券・手形・小切手など、財産権を証明する証書のことです。

棚卸資産
将来、販売目的のある商品や製品はもちろん、原材料や事業活動のために保有している未使用の消耗品なども該当します。決算期末に行う棚卸で、資産へと振り替える必要があります。

前払金
商品や原材料などの購入において、前もって一部、または全額を支払った場合、使用する勘定科目です。その他、サービスの依頼においても使用することがあり、前払保険料や前払い家賃などが該当します。

貸付金
所定の期日に返済してもらう約束で他人に貸した事業用の資金です。

建物
事業用に所有している店舗のほか、工場や倉庫も該当します。

建物附属設備
建物に付属する、電気設備、給排水設備、衛生設備、空調設備、運搬設備、内装設備などの家屋と一体となって家屋の効用を高める設備です。

機械装置
事業用の機械や装置などの、製造設備のことです。

車両運搬具
トラック、フォークリフト、営業用車両など、事業のために、人や物品を運搬する陸上の運搬車両のことです。

工具器具備品
10万円または30万円以上・耐用年数1年以上の工具や器具、備品などを処理するための勘定科目であり、美術品や応接セット、事業用の測定工具などが該当します。

土地
事業のために使用される土地のことであり、店舗はもちろん、来客用駐車場も該当します。

事業主貸
事業主貸(じぎょうぬしかし)とは、もともと事業用の現金であったものから、事業主の生活費や生活関連費として使用されたもので、経費の対象から除外した金額のことです。

仕入れに関係する仕訳の方法を解説

仕入れや売上の仕訳は、基本的に、「仕入」「売上」「繰越商品」の「三分法」で行います。仕入れた時に「借方」へ、売り上げた時に「貸方」に記入していきます。例を参考に、解説しましょう。

仕入れの取引があった場合の仕訳方法

通常、仕入れをした場合、次のような仕訳をすることになります。

【例】500円の商品を仕入れ、現金で支払いを済ませた場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入500現金500

非常にシンプルで簡単ですが、仕入れごとにこのような処理をするのは、仕入れが多いほど非常に大変な作業になります。実際、常に多額の現金を持ち歩いたり店舗に用意しておくことは、防犯の面からしてもリスクがあるので避けるべきですね。仕入れに限らず取引の多くは、掛けとしてまとめ払いにすることがほとんどです。

  • 買掛金⇒仕入代金を期日にまとめて支払う
  • 売掛金⇒売上代金を期日にまとめて受け取る

この買掛金を例にとって、もう一度仕訳をしてみます。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入500買掛金500

貸方科目が、現金から買掛金になっただけですね。この場合、支払う時に、もう一度仕訳が必要になってきます。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
買掛金500現金500

今度は買掛金を支払ったので、借方に買掛金、貸方に現金となります。買掛金とした場合、負債ですので、貸借対照表の右側の負債に記載されることになるのです。

仕入れ代金の値引き、または返品が発生した場合の仕訳方法

仕入れたものが不良品、欠品、品違いなどのトラブルがあった場合、返品対応をしてもらったり、値引きをしてもらったり、何らかの対応をしてもらうことになります。仕入の処理をしているので、これを取り消す作業が必要ですね。

【例】

  • 買掛金で仕入れた商品(@100×10個)のうち、2つが不良品だったので、返品した。
  • 買掛金で仕入れた商品(@1,000×1)に傷があったので、200円の値引きをしてもらった。
借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入1,000買掛金1,000
買掛金200仕入200

とても単純明快です。買掛金を200円減らし、仕入も200円分減らしているのですね。

仕入諸掛(しいれしょがかり)の仕訳方法

商品を仕入れる場合に、商品の移動にかかった費用のことを「仕入諸掛」と呼んでいます。

【例】商品を1,000円で仕入れた場合、送料200円を現金で支払った

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入1,200買掛金1.000
現金200

仕入諸掛は、基本、仕入に含めて処理しますので、左側の「仕入」には合計額1,200円が入ります。仕入れは買掛金で支払うので、買掛金1,000円、現金で支払った送料は「現金」とします。

【例】送料を現金で支払ったが、あくまで仕入先の負担とする

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入1,200買掛金1,000
立替金200現金200

仕入の1,000円は買掛金とし、現金で支払った送料は「立替金」として処理します。仕入れ先の負担ですが、一旦こちらで現金で支払い、のちに回収するのです。

【例】送料を現金で支払ったが、仕入代金から相殺する

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入1,000買掛金800
現金200

仕入の1,000円に対し、仕入れ先負担であるはずの送料200円を相殺して、買掛金を800円で処理します。現金で200円を支払った仕訳も忘れずにします。仕入諸掛が、どちら負担になるのかで処理方法は異なるのです。また後に回収する方法なのか、相殺してその後の処理の必要をなくすか、双方で話し合う必要があります。

振込した場合の仕訳方法

締日を考慮せず小口現金を使って振込した場合、次のような仕訳をすることになります。

【例】手数料を差し引いて振込した場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入20,000預金19,400
振込手数料600

クレジットカード決済した場合の仕訳方法

クレジットカード決済した場合は、次のような仕訳をすることになります。クレジットカード使用日から引落日までの間は買掛金として処理することを忘れないようにしましょう。

【例】

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入れ50,000買掛金(カード)50,000

輸入業界や貿易取引などでは、特殊な会計処理をする場合があります。例えば、船荷証券や貨物引換証などの貨物代表証券を受け取った時点では現物の商品が到着していないので、仕入には計上できません。未着品勘定として処理した後、商品到着と同時に仕入勘定に振替えることになります。参考として覚えておくとよいでしょう。

送料がかかる時の仕訳と勘定科目を解説

送料がかかった時は、「荷造運賃」や「通信費」という勘定科目で仕訳をして経費計上することがあります。しかし送料を他の勘定科目に含めて処理することも可能です。

送料分を単独で処理する場合と、他の項目に含めて処理する場合についてケースごとに解説していきます。

商品仕入れ時の送料について

商品仕入れ時の送料を取引相手が負担する場合、仕訳の方法を気にする必要はありません。しかし自社が送料を負担する場合は、

  1. 仕入に含めるパターン
  2. 仕入諸掛で処理するパターン

の2つに分かれます。詳しく解説していきます。

仕入に含めて処理するパターン

商品の仕入れ額が10万円、送料が5,000円
の場合で考えてみましょう。
※三分法で処理しています。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入105,000円買掛金100,000円
現金5,000円

仕入時に要した費用は送料も含めて原則、取得価額(上記でいう「仕入」)に含めて会計処理を行います。

仕入諸掛で処理するパターン

商品の仕入れ額が10万円、送料3,000円の場合で考えてみましょう。
※三分法で処理しています。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入100,000円買掛金100,000円
仕入諸掛3,000円現金3,000円

送料や販売手数料などの付随費用は、「仕入」ではなく「仕入諸掛」として、会計処理をすることができます。

「仕入諸掛」は期中の付随費用がいくらかあったかを管理する勘定科目です。
しかし「仕入諸掛」のうち売上原価にかかる分を、期末時に「仕入」に算入する処理をする必要があります。結果的に算入後の「仕入」の金額は、送料を「仕入」に含めて処理をしても、「仕入諸掛」に含めて処理をしても同額となります。

商品販売時の送料について

商品販売時の送料については以下の2つのパターンに分かれます。

  1. 自社が送料を負担するパターン
  2. 取引先が負担する送料を、自社が一時的に負担するパターン

詳しく解説していきます。

自社が送料を負担するパターン

20万円の商品を販売して、6,000円の送料を自社が負担した場合で考えてみましょう。※三分法で処理しています。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
売掛金200,000円売上200,000円
荷造運賃6,000円現金6,000円

送料を自社が負担する場合、「売掛金」とは別に「荷造運賃」として計上します。

取引先が負担する送料を、自社が一時的に負担するパターン

20万円の商品を販売して代金は後日受取り、送料6,000円は取引先が負担するが、発送時に現金で支払うことにより、一時的に自社で負担した場合で考えてみましょう。
※三分法で処理しています。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
売掛金200,000円売上200,000円
立替金6,000円現金6,000円

自社が送料を一時負担した場合の仕訳は上記の通りです。現金で支払った送料は後日回収できるため、「立替金」として計上できます。

また今回のパターンのように一時負担した送料は、後日回収することができて売上に関わるため、「立替金」として計上せず「売掛金」に含めて計上することも可能です。

仕訳する際に理解しておきたい3つのこととは

個人事業主など、会計処理に慣れていない人は、仕訳に対して苦手意識を持ってしまいます。ここで、仕訳する際の基本的な流れや考え方について解説していきます。難しいことはありません。基本的なことを理解しておけば、作業はスムーズになりますので、あまり難しく考えないようにしましょう。

仕訳の考え方と、取引発生後の流れ

取引は、基本的に大きく、「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」の5つに分けられます。その中で該当する勘定科目を使用して仕訳作業を行います。仕訳の際、勘定科目を2つ以上使用して、左側に借方・右側に貸方として、相違なく記録していきます。取引が発生したら、次の手順で進めましょう。

  1. 「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」の5つのグループから該当するものを判断する
  2. その中で、どの勘定科目が必要なのか判断する
  3. 正しい勘定科目を使用して、相違なく金額を記入していく

まず、どの勘定科目が正しいのかを判断する作業が必要なのですね。

勘定科目について

税金を計算するためや、経営判断の材料にするために簿記・会計処理をすることはとても重要であり、勘定科目はそのために必要なものです。誰が仕訳しても同じになるよう、取引ごとに名称がついているのです。

1.勘定科目を、借方におくか、貸方におくかで金額の増減が決まりますので、正しい位置に記載される必要があります。
2.「資産」「負債」「純資産」は、貸借対照表に、「費用」「収益」は、損益計算書に対応しています。
3.「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」のそれぞれのグループで、勘定科目があり、グループを越えて重複しません。

それぞれのグループでの、頻繁に使うであろう、主な勘定科目

  • 資産⇒現金、預金、売掛金など
  • 負債⇒買掛金、預り金、借入金、未払金など
  • 純資産⇒資本金
  • 費用⇒仕入高、消耗品費、給料、旅費交通費など
  • 収益⇒売上高、雑収入など

仕訳には重要なルールがある

【現金で商品を仕入れた場合】

1.仕入高が増える(経費が増える)
2.現金が減る(資産が減る)
3.借方に「仕入」・貸方に「現金」を記入する

借方貸方摘要
商品仕入高:10,000円現金:10,000円(株)△△

左側にある「借方」は、「増える」。右側にある「貸方」は、「減る」ものを記入します。取引によって、勘定科目が2つ以上並ぶ時もありますが、重要なルールとしては、「借方の金額の合計と貸方の金額の合計が必ず一致する」という、貸借平均の原則が存在することです。

【仕訳の基礎】三分法を覚えよう

仕訳には、「三分法」と「分記法」の2つが存在します。

  • 三分法⇒「仕入」「売上」「繰越商品」の3つに分割して処理
  • 分記法⇒売上の都度ごとに、勘定科目「商品売買益」を計上

分記法は、商品数が少ない、取引が少ないビジネスには向いていますが、商品数が多い、取引が多いビジネスには向きません。今回は、一般的によく使われる「三分法」について学んでいきましょう。

【三分法】3つの勘定を使い分ける

三分法は、その名の通り、「仕入(費用)」「売上(収益)」「繰越商品(資産)」3つの勘定科目を使い分けて仕訳します。商品売買益などを算出する必要もなく、非常にシンプルで分かりやすいなどのメリットがあります。

商品を仕入れた場合の仕訳方法

500円の商品を仕入れた場合で、勘定科目を考えてみます。

借方貸方
仕入500現金500

借方に「仕入」を記入し、増やします。また、貸方に「現金」を記入し、減らします。ここでも借方・貸方の数字が一致していますね。

商品を売った場合の仕訳方法

500円の商品を売った場合で、勘定科目を考えてみます。

借方貸方
現金500売上500

借方に「現金」を記入し、増やします。また、貸方に「売上」を記入し、減らします。売上げたので、入ってきた収益「現金」を借方に記入するのですね。

三分法は、シンプルに「いくらで仕入れた」、「いくらで売った」を、そのまま記入するので、分かりやすく手間も要りません。

仕入れの面倒な仕分けを効率化!お勧めのクラウド型会計ソフト3選

勘定科目は仕分けに必須なので実際にやるとなるととても面倒です。専用の会計ソフトを使ってこの非常に面倒な作業を効率化しましょう。

クラウド型会計ソフトを選ぶ

クラウド型というのはインターネットを介してソフトを利用しています。反対にインストール型というのは自分のパソコンにソフトをインストールすることで使えます。

クラウド型ソフトをお勧めする理由は

・インターネット環境があれば場所やデバイスを問わず使える

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・バージョンアップ不要

・Windows、Macのどちらにも対応している

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というメリットがあるからです。

初心者に早い!簡単!クラウド会計ソフトfreee(フリー)

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上記の書類作成もできて、個人事業主向けのプラン(freee会計)も3種類あります。

必要最低限の機能を利用し確定申告をする方は、スタータープラン月980円(年払い11,760円)月額払いの場合は1,180円です。

日々の経理の効率化から確定申告までを行う方には、スタンダードプラン月1,980円(年払い23,760円)月額払いの場合は2,380円です。

トータルサポートも受けたい方は、プレミアムプラン月3,316円(年払い39,800円。月額払いはありません)を使うことができます。(すべての料金は税抜き価格です。)

参考:電子申告対応・開業手続きがオンラインで完結する「開業freee」

AIが自動でデータ取得!マネーフォワード クラウド会計

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自営業、個人事業主として利用する方は、パーソナル月980円(年額プラン11,760円)、月額プランの場合は1,280円です。

電話サポートなどを受けたい方は、パーソナルプラス月2,980円(年額プラン35,760円。月額プランはありません)とコストパフォーマンスもかなり良いです。(すべての料金は税抜き価格です。)

参考:マネーフォワード クラウド会計

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勘定科目を正確に判断し、会計処理を間違いなく行おう

「勘定科目」と言われると、何だか難しそうに感じてしまいます。簿記・会計処理は、奥が深いですが、基礎知識さえあれば、そんなに怖がることはありません。基本をおさえて、確定申告や決算を行うようにしましょう。

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この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

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