この記事では、AliExpress(アリエクスプレス)で注文した商品をキャンセルする手続や、その際の注意点について解説していきます。
注文ミスによるキャンセルは、先方にも迷惑ですからできるだけ避けるべきですが、必要のない商品が届いても意味がありません。この記事を読んで、正しくキャンセルできるようになってください。
AliExpressについて
まずは、本題に入る前に、AliExpressとはどんなサイトなのか簡単に解説しておきます。
海外向けに運用されているECサイト
AliExpressは、アリババグループが運営するECサイトです。中国のサイトですが、海外向けに運営されているので、英語表記になっています。ただ、各国の言語にも対応しており、日本語サイトもあります。
ただ、日本語サイトの日本語は原サイトを機械翻訳したものなので、やや不自然な箇所もあります。それでも、AliExpressは、中国のECサイトの中では使いやすいサイトです。
品揃えは豊富だが、品質に問題があるケースも
AliExpressは中国のECサイトなので、中国・香港のセラーが多く出店しています。品揃えが豊富で、商品価格が安いことが特徴です。ただ、価格が安い分、質が劣る可能性は否定できません。
最近はかなり減ってきていますが、偽ブランド品や質の悪い品物が売られていることもあります。そのため、AliExpressを利用する際は、セラーの評判などをしっかりチェックした上で商品を購入するようにしてください。
セラーとの交渉は英語で
AliExpressはもともと英語サイトなので、基本的にセラーとの交渉は英語で行う必要があります。注文をキャンセルする場合も、英語でセラーと交渉しなければならない場面が出てきます。
ちなみに、セラーによっては中国語での対応が可能な場合もありますが、多くの日本人にとっては英語の方が便利でしょう。
AliExpressで商品を購入するメリット
AliExpressには以下のようなメリットがあります。
(1)価格が安い
実際にサイトを見ていただければわかりますが、様々な商品が格安で手に入ります。送料無料で販売されている商品も多いので、コストが抑えられます。
(2)品揃えが豊富
品揃えが豊富なため、個人での買い物はもちろん、ショップ経営者が国内販売用の商品を仕入れる場としても使えます。
(3)個性的な商品が手に入る
海外のサイトですから、日本で販売されているのとはテイストが違う個性的な商品が購入できるのもメリットの一つです。
AliExpressで商品を購入するデメリット
AliExpressにもデメリットがないわけではありません。
(1)決済方法が限定される
基本的にクレジットカードで決済することになるため、クレジットカードを持っていない人にとっては使いにくくなります。
決済方法についての詳細は、FAQにある「Which payment methods can I use on AliExpress?」を参照してください。なお、日本語サイトもあるAliExpressですが、このページのように日本語化されていないページもあります。
(2)関税がかかる場合がある
AliExpressで商品を購入するということは、海外の商品を輸入するということになりますから、関税がかかるケースがあります。
しかし、課税価格が1万円までなら関税はかかりません。課税価格が1万円を超えてくると、関税に加えて輸入消費税もかかります。
(3)偽物や不良品が販売されていることがある
偽ブランド品や初期不良品を掴まされる危険は、日本の通販サイトと比べれば高くなります。AliExpressの魅力の一つは商品が安いことですが、安さに釣られて商品を購入すると失敗します。優良なセラーを見極めて購入することが大事です。
注文がキャンセルできるのはいつまで?
キャンセルは期間の制限なしにできるというものではありません。まずは、AliExpressのキャンセル可能期間を確認しておきましょう。
なお、キャンセルできる時期を過ぎてしまった場合は、基本的には、商品の到着を待って返品と返金の手続をすることになります。
商品が発送されたらキャンセルできない
キャンセルができるのは、原則として商品が「Awaiting Shipment(発送待ち)」の間だけです。
そして、AliExpressの場合、注文者が一方的にキャンセルできるのではなく、セラーに対してキャンセルを申し込むことになります。セラーがキャンセルに応じてくれるとは限りませんが、Awaiting Shipmentの状態であれば応じてくれる可能性は高いでしょう。
発送済みであっても交渉次第ではキャンセルできないわけではありませんが、これは例外と考えるべきです。キャンセルできるのは、発送される前までと覚えておきましょう。
具体的なキャンセル方法については後で解説しますが、AliExpressのHelp Centerには以下のようなFAQが掲載されています。
なぜ発送後はキャンセルできないのか
発送後はキャンセルできないと聞くと、「不親切なセラーだ」と思うかもしれません。
しかし、セラーがキャンセルに応じないのには、致し方ない面もあります。商品を発送するには手間もコストもかかっています。それなのに発送後一方的に「キャンセルします」と言われても、セラーの側からすれば迷惑な話なのです。
キャンセルするなとは言いません。しかし、キャンセルする場合でも、できるだけ早く連絡してセラー側に負担が生じないようにするのがマナーです。もちろん、キャンセルしないで済むように、よく注文内容を確認することが第一です。
望ましいキャンセルのタイミングは
Awaiting Shipmentの状態であっても、セラーがすでに発送準備に着手している可能性は十分にあります。
この場合でも、注文履歴画面にある「Cancel Order(注文をキャンセルする)」のボタンは押せます。しかし、キャンセルを申し込むことはできても、「もう発送準備が終わったから」という理由でキャンセルに応じてもらえない可能性もあります。
キャンセルの申し込みは、できるだけ早く、できれば注文から数時間以内にするのが望ましいと言えます。時間が経つほどキャンセルが難しくなるからです。
ここでOpen disputeについてお話しておきます。Open disputeとは、注文者を保護するための仕組みのことです。Open disputeでは、初めにこちらの意見を主張し、次にセラーの意見を聞きます。意見の調整がつかない場合は、AliExpressが裁定を下してくれます。
Open disputeでは返金額の提案もできるので、商品を返送して全額の返金を求めたり、商品自体は受け取って代金の一部の返金を求めたりすることもできます。前者は購入した商品が使えないとき、後者は商品自体は使えるけれど傷があるときをイメージするといいでしょう。
注意点としては、Open disputeができるのは、30日ないし60日の配達期間経過後、もしくは荷物を受け取ってから15日間だけということです。
Open disputeの詳細は、以下のAliExpress Help CenterのFAQで確認してください。
AliExpressでキャンセルを行う際の手続
ここからは、AliExpressでのキャンセル手続について具体的に解説します。
キャンセルを申し込むボタンを押す
セラーがまだ商品を発送していない段階なら、商品ページに「Cancel Order(注文をキャンセルする)」のボタンが表示されているはずです。まずは、これをクリックしてください。
一番近いキャンセル理由を選ぶ
次にキャンセル理由を選択する画面が表示されるので、一番近いものを選びます。理由には注文者側の事情もあれば、セラー側の事情もあります。選択肢に近いものがなければ、「Other reasons(その他の理由)」を選んでおけばOKです。
チャットでセラーへメッセージを送る
手続きを確実に進めるためにも、チャットでセラーにメッセージを送っておくと良いでしょう。例えば、以下のような文面でもってキャンセルしたことを伝えておきましょう。
I have cancelled my order. Please take the necessary steps.
(注文をキャンセルしました。必要な措置を取ってください。)
セラーからの反応がない場合
キャンセルは注文者が申し込んだだけでは成立しません。セラーが同意することでキャンセル・返金となります。
もっとも、キャンセルの申し込みをしたにもかかわらずセラーが反応を返さないまま72時間が経過すると、自動的にキャンセル扱いになります。
セラーがキャンセルを拒否した場合
セラーがキャンセルを拒否する場合もあります。この場合はキャンセルは成立せず、セラーと交渉することになります。
交渉後合意に至ればキャンセルとなりますし、合意のないまま商品の発送期限を徒過しても注文はキャンセルになります。
返金について
セラーがキャンセルに同意したり、自動的にキャンセルになったりすると、返金処理に移ります。返金は、使用したクレジットカードやデビットカードに対して行われます。
返金までにかかる時間は、3日から15日とされています。
返金が確認できないときは
最大15営業日とされていますが、実際には数日程度で返金されるケースが多いようです。返金されないまま15営業日を経過した場合は、AliExpressのカスタマーサービスに問い合わせてください。
キャンセルできないケース
ここからは、キャンセルがスムーズにできない2つのケースとその対処法を解説します。
キャンセルしたいが、キャンセルボタンが消えてしまっている場合
これは、実際には発送が終わっていないのに、セラーが発送したことにしてしまったケースです。おかしな事態のように思えますが、発送作業に取り掛かる前にデータを発送済みにしたけれども、在庫を確認したら在庫切れだったといった場合が考えられます。
原因はセラーの不注意にあるので、このような場合は良心的なセラーなら「キャンセルにして欲しい」と連絡してきます。しかし、この場合、データ上は発送済みとなっているので、キャンセルボタンは画面に表示されなくなっています。
こういった場合はopen disputeで解決しましょう。
ただ、open disputeを嫌がるセラーもいるので、例えば以下のようなコメントでもって「キャンセルできないから、open disputeにしますよ」と一言断っておくと良いでしょう。
I will open a dispute. I can’t cancel because the item has been shipped before you ship it.
キャンセルを申し込んでも承諾せずにセラーが発送をした場合
AliExpressのキャンセルは、セラーの同意があって初めて成立します。したがって、セラー側としては、キャンセルの申し込みを無視して商品を送るという対応をとることも可能です。
この場合も、open disputeで解決を図ることになります。荷物が発送されてしまっているので、荷物の到着を待ってopen disputeをします。商品を返送して返金を求めることになりますが、自己都合のキャンセルの場合は全額の返金は難しいかもしれません。
基本的には商品が到着するまで対処法はありませんが、以下のようなメッセージを送った際のチャット画面の画像を残しておくといいかもしれません。
I’m sorry for canceling my order. Why did you send the item without telling me? I’m waiting for your message.
(注文をキャンセルしてしまって申し訳ありません。なぜ私に連絡せずに商品を送ったのですか?ご連絡をお待ちしています。)
画像を残しておくのは、open disputeの際にAliExpressに送る証拠画像として使うためです。キャンセルの交渉中に商品が発送されたこと、そのことについて迅速に問い合わせをしたことの証拠を残しておけば、有利な裁定をしてもらえる可能性が高まります。
キャンセルは早めにしよう!
AliExpressで注文をキャンセルする際の手続や注意点などについて解説してきました。
繰り返しになりますが、キャンセルできるのは原則として発送前までです。それもできるだけ早い方がセラー側も応じてくれやすくなります。
時間を置くと不利になるので、注文を間違えたことに気付いたときは、躊躇せずにキャンセルの手続をとってください。