急速に経済発展している中国から商品を仕入れてみたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
しかしながら、国内で買い物をするのと比べると、海外から商品を輸入するのはハードルが高く、不安でなかなか手が出せないと感じている方もいらっしゃることと思います。
そこで今回の記事では、中国から商品を輸入するための方法、ノウハウをご紹介します。
中国輸入の3つの方法
初めに、中国から輸入する具体的な方法を3つお伝えします。自分にはどの方法が合っているかをイメージしながら読み進めてみてください。
1. 個人で輸入
まずは、個人で輸入する方法で、これが一番オーソドックスなやり方です。
中国から輸入するということで難しいイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近では現地サイトの設計やサービスの質が向上してきて誰でも気軽に利用できるようになっています。
例えば、「AliExpress(アリエクスプレス)」などは、日常のショッピング用として利用している方も多いサイトです。
「不安だったけれど実際にやってみると簡単だった」ということもありますので、興味がある方は個人輸入から気軽に始めてみてください。
2. 現地のパートナーと契約
次にご紹介する方法は、中国にいる人とパートナー契約を結び、その人に購入手続きをお願いするというやり方です。個人輸入が難しいサイトを利用したい場合に有効な方法です。
ただ、パートナーが見つかれば良いですが、何のツテもないゼロの状態からパートナーを見つけるのは多くの困難を伴います。運良く見つかったとしても、お互いの間に信頼関係を築くまでに時間がかかることも十分にありえます。
そのため、個人輸入が難しい場合は、基本的には次に紹介する輸入代行業者の利用を検討したほうがよいでしょう。
3. 輸入代行業者の利用
個人輸入が難しい場合や、輸入に関わる煩雑な作業・手続きなどをなるべくやりたくないという場合は、輸入代行業者を利用するのがオススメです。
代行してもらうための手数料はかかることになりますが、確実かつ安全に輸入できるというメリットがあります。
輸入をするのが初めてでいろいろ不安があるという方も、代行業者を利用すれば比較的安心して買い物ができるでしょう。
中国個人輸入のメリット・デメリット
ここでは、個人輸入のメリットとデメリットをご紹介していきます。メリットとデメリット、どちらかのみにフォーカスするのではなく、両方を把握した上で自分に合った輸入方法を検討していきましょう。
個人輸入のメリット
個人輸入のメリットは、何といっても、他者の手を借りず全て自分でやるので費用がかからないという点にあります。
また、続けているうちに自力で輸入するための知識と経験が身につくので、将来的にそのスキルを他人に教えて稼げるようにもなります。
個人輸入のデメリット
デメリットは、言葉の問題です。言葉が分からなくても型通りの手続きくらいであれば何とかなるかもしれませんが、何かトラブルが起きたときは色々と困ったことになるでしょう。
また、検品や返品などを行う場合、それらの手続きも全て自分でやらなければならないのもデメリットです。
さらに、決済にあたって中国の銀行口座が必要になる場合があり、口座開設のために現地に赴かなければならないのもネックです。
代行業者を利用する場合の2つの注意点
輸入にかかる様々な手続きや作業を任せられるという点で非常に便利な代行業者ですが、利用にあたってはいくつか注意点があります。
注意点をしっかり押さえておかないと、代行業者を利用する恩恵を享受できないばかりか、結果的に損する可能性もありますので、ここでしっかりと学んでおきましょう。
1. 業者による違いが大きい
代行業者は数多く存在しますが、各業者の個性の違いには注意が必要です。
そのため、業者を選ぶ際は、慎重に検討するだけでなく、疑問点がある場合は必ず問い合わせておく必要もあります。その段階で何か不手際があったり自分には合わないと感じたりした場合は、その業者は利用しない方がベターです。
業者によって、レスポンスの早さ、利用価格、細かい検品の有無などは違います。自分に合わない業者を利用すると、結果的に損失を被ることになりますので、業者を見極める際は妥協しないようにしましょう。
2. 大量輸入には向かない
実は、代行業者は大量輸入には向いていません。その理由は、大量に輸入すると代行手数料が高くなってしまうからです。
業者にもよりますが、多くの代行業者では仕入れ額の約20%が手数料として設定されています。そのため、多くの商品を輸入すればするほど手数料も高くなってしまうのです。
代行業者を利用するメリットとコストが見合っているか、よく見極めて業者を利用・選定することが重要です。
個人輸入と商業輸入の関税の違い
中国から商品を輸入する場合、その目的の違いに応じて輸入の類型は2つに分けられます。1つは個人利用を目的とした個人輸入、もう1つは輸入した商品の販売を目的とした商業輸入です。
どちらに該当するかによって、輸入時にかかる関税が異なってきます。具体的にどう異なるのかについて、ここで解説していきます。
個人輸入の関税
個人輸入の場合、課税額は以下の計算式に基づいて算出されます。
課税額 = 課税対象額(商品代金+送料) × 60% × 関税率
ただ、個人輸入の場合は、商品代金と送料の合計が10,000円以下なら免税される仕組みとなっています。なので、うまく代金を調整して買い物をすればお得に輸入することができるでしょう。
なお、酒税やたばこ税、たばこ特別消費税などは免税されないので注意してください。
商業輸入の関税
一方、商業輸入の課税額は、以下の計算式でもって算出されます。
課税額 = 課税対象額(商品代金+送料) × 関税率
個人輸入との違いは、課税対象額の全額に対して課税される点と、課税対象額が10,000円以下の場合の免税が無い点です。
また、商業輸入の場合は、配送先として会社名もしくはショップ名(屋号)を記載する必要がある点も頭に入れておきましょう。
関税率は品目によって異なる
関税率は、輸入する品目によって変わります。
各品目の関税率の目安は以下のようになっています。
・衣料品:4.4〜12.8%(毛皮コートを除く)
・革製のハンドバック:8〜16%
・アクセサリー:5.2〜5.4%
・玩具:無税〜3.9%
・釣り具:3.2%
・台所用品及び家庭用品:無税〜3.9%
・寝具類:3.2〜10.9%
・家具:無税
・スポーツ・レジャー用品:無税
・時計:無税
・機械及び電気機器:無税
・美術品:無税
・化粧品:無税
関税についてより詳細に知りたいという方は、以下のサイトをご参照ください。
参考:税関
初心者にオススメの中国輸入サイト 5選
「中国輸入をやってみたいけど、どこから商品を仕入れれば良いのかわからない」という方もいらっしゃると思います。
ここでは、そんな方のためにオススメのショップを5つご紹介します。最初はこの中から利用するショップを選んでおけば良いでしょう。
1. 1688.com(アリババ)
最初にご紹介するのは、中国輸入の大本命、アリババです。利用したことはなくても、名前くらいは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
中国国内にとどまらず、もはや世界のECを代表する企業となったアリババグループが運営しているサイトです。国内向けサイトのため利用するには輸入代行業者が必須となりますが、工場や卸業者が出店している関係で卸価格で購入できるのが魅力です。
2. Alibaba.com
Alibaba.comは、前述した1688.com同様、アリババグループが運営しているサイトです。1688.comとの違いですが、こちらは海外向けとなっているところが異なります。
グローバルに利用されることを前提としているので、中国語のみならず英語でもサイトを閲覧できます。
中国語よりも英語の方が馴染みやすいでしょうから、初めて中国輸入に挑戦する方にとってもオススメのサイトです。
3. 淘宝網(タオバオ)
淘宝網(タオバオ)は、中国国内向けの個人間取引を行うためのサイトです。個人間取引なので、イメージとしてはAmazonや楽天よりもヤフオクやメルカリに近いと言えます。
中国国内向けなので利用するには代行業者が必要となりますが、商品数が膨大なため、他では売られていないような商品が見つかるのが特徴です。ジャンルも多様なので、取り扱う商品の幅を広げたい場合に使えるサイトと言えるでしょう。
4. AliExpress(アリエクスプレス)
アリエクスプレスも、アリババグループが運営するサイトの1つです。Alibaba.comと同じくグローバルな利用を前提としており、英語だけでなく日本語でもサイトを閲覧できるのが特徴です。日本のクレジットカードも使えるので、個人輸入でも気兼ねなく利用することができます。
Alibaba.comとの違いは、商品単価がやや高いことです。ただ、商品1個から発注できるので、予算に余裕があるかぎり初心者でも利用できるサイトと言えます。
5. 天猫(TMALL)
天猫は、中国国内で50%以上のシェアを誇る、中国を代表するECサイトです。日本で言うところの楽天市場に近いイメージですね。
天猫の特徴は、何といっても商品のクオリティが確保されていることです。正規品のみを取り扱っているので、粗悪品に遭遇することはまずないと言えるでしょう。
その分価格は高めとなっていますが、低品質な商品を買って損をしたくない、安心して買い物がしたいという方にはオススメのサイトです。
オススメの代行業者 3選
ここでは、オススメの代行業者を3つご紹介します。数多い代行業者のうちどこを選べばいいか迷ったときは、以下の3つの業者の中から選択してみてください。
1. CHINAMART
CHINAMARTでは、天猫とタオバオの商品全てを日本語で閲覧できるだけでなく、購入まで行うことができます。購入の手順は、買いたい商品をカートに入れて購入手続きをするだけです。つまり、普通のECサイトのように利用することができるという優れものです。購入手続き完了後は、CHINAMART側で出品者と交渉および決済まで行ってくれます。
利用する際は、以下の2つのプランから好きな方を選択します。
・一括直送プラン:荷物を開封せずに直送してもらうプラン
・おまかせプラン:荷物の開封・検品を依頼するプラン
ちなみに、おまかせプランでは、検品した際に不備があった場合は出品者との交換・返品の手続きまで代行してくれます。
代行手数料については、一括直送プランの場合は一律商品価格の1%となっており、おまかせプランの場合は交渉相手となる出品者数に応じて変動します。具体的には以下のようになっています。
・出品者数3人以内:商品価格の5%
・出品者数4~10人:商品価格の10%
・出品者数11人以上:商品価格の出品者数%(例:12人なら12%)
2. 淘太郎
淘太郎は天猫・タオバオ・アリババ(1688.com)で商品を購入する場合に、輸入手続きを代行してくれるサービスです。
代行依頼をする際の手続きが簡易になっているのが特徴です。具体的には、購入したい商品ページのURLを淘太郎サイトの「代理購入」欄にコピペして代行依頼を出すだけです。これさえやっておけば後の手続きは全て淘太郎が代行してくれるので、とても気楽に利用できるというわけです。
代行手数料は、以下の通りです。
・普通会員:商品代金の5%
・月額会員:月額3万円(固定)
3. Amacon
Amaconは、アリババなどでの商品購入を代行してくれるサービスです。
料金体系は次の通りです。
・ライトプラン:10,000円
・ビジネスプラン(OEM交渉):30,000円
・コンサルプラン(月1回2時間の電話コンサル):50,000円
Amaconで提供している基本サービスは、(1)買付、(2)数量と色を確認するのみの簡易検品、そして(3)商品撮影の3つです。
オプションサービスとして、開封して検品してくれる詳細検品もあります。価格はいずれも1時間あたり20元となっています。
中国輸入をマスターすれば日本国内で希少価値の高い存在になれる!
今回の記事では中国輸入のノウハウについてご紹介してきました。
中国は、現在急速に経済発展が進んでいる国です。そのため、数多くの商品やサービスが創り出されており、その中には日本ではほとんどお目にかかれないようなものも存在します。
中国から輸入するノウハウを身につけることができれば、そのように日本では見られない商品を輸入できるようになるので、国内で高い存在感を放つことも可能になります。
ぜひ、本記事をきっかけに中国輸入に気軽に挑戦してみていただければと思います。