中国輸入ビジネスを始める方にとって、代行業者選びは重要です。現在、中国輸入の代行業者は50社以上あると言われています(2021年現在)。ビジネスモデルにフィットした代行業者を選ぶためには、各代行業者のサービスを比較するのはもちろんのこと、中国輸入に関連する知識も必要です。
そこで、この記事では、代行業者を選ぶポイントと注意点、おすすめの代行業者、そしてアリババを仕入れ先とした中国輸入ビジネスについて解説していきます。
代行業者を選ぶ前に知っておくべきこと
実際に代行業者を選ぶにあたっては、代行業者に関する知識を身につけておく必要があります。そこでまずは、代行業者を利用するメリットとデメリットについての理解を深めておきましょう。併せて代行業者の比較サイトもご紹介しますので、代行業者を検討する際に利用してみてください
代行業者を利用するメリットとデメリット
代行業者の利用には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
・中国語が堪能でなくてもビジネスを始められる
・現地に赴いて直接買い付ける必要がない
・仕入れにクレジットカードが利用できる
・AmazonのFBA倉庫に直送できる場合もある
デメリット
・中国語を日本語に翻訳しなければならない時もある
・検品が2回必要
・国際配送料や手数料が発生する
・中国政府の規制を受ける可能性がある(場合によっては事業停止に追い込まれる)
上記のように中国輸入には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。したがって、メリットを享受しつつそのデメリットをいかに抑えられるかが、中国輸入ビジネスを成功に導くための課題と言えるでしょう。
おすすめの代行業者比較サイト
ここでは、おすすめの代行業者の比較サイトを2つご紹介します。
(1)タオバオ代行の比較ナビ
こちらは、タオバオ代行業者とタオバオについて解説したサイトです。代行業者の比較の他にも、以下のように役立つ内容が掲載されています。
・タオバオでの評価の見方
・タオバオの使い方
・タオバオ代行業者に依頼する際の流れ
・タオバオ代行業者をなぜ利用するのか?
・支付宝(アリペイ)とは?
・淘宝网(タオバオワン)とは?
・淘宝网(タオバオ)で買い物をするにはタオバオ代行が便利
参考:タオバオ代行の比較ナビ
(2)タオバオ比較
このサイトの代表は、書籍「タオバオ&アリババ中国輸入はじめる&儲ける超実践テク114」を出版されています。騙されないために注意すべきポイントをはじめ、以下のような参考になる情報が掲載されています。
・良い中国輸入代行会社を見分けるポイント
・中国輸入代行会社の紹介
・販売ノウハウ
・OEM制作関連
参考:タオバオ比較
代行業者を選ぶポイント
次に、実際に代行業者を選ぶ際のポイントを5つ紹介していきます。
送料の安さ
代行業者を選ぶ際の優先順位が高いのは、送料です。商品価格に上乗せされるコストを下げるために非常に重要です。
送料が安い代行業者の大半は、定額制のしくみを採用しています。ビジネスとして代行御者を使うのであれば定期的な利用が想定されますので、定額制の代行業者をおすすめします。1kg当たり200円台が一つの目安です。試してみたい方は、月額費用セロで代行手数料〇%というサービスが用意されている代行業者を選びましょう。
発送の早さ
国際宅配便にFeDexやDHLなどの大手運送会社を利用していたとしても、発送手配が遅ければ意味がありません。したがって、あなたが代行業者に発注して、代行業者が実際に発送手配を行なってくれるまでの早さにも注目しましょう。早いところだと商品が揃ったと同時に発送してくれるので中1日、遅いところだと1週間近くかかったりします。
なお、代行業者が商品を揃えるために国内宅配便を利用している場合は、その影響で発送が遅れるケースがあります。ただ、宅配業者の利用の有無を含め、国際宅配便の発送手配を行うまでのプロセスは外からは見えません。そこで、こちらからのアクションに対するレスポンスの早さに着目してみましょう。レスポンスが早いところは、発送手配も早い傾向があるからです。
代行手数料
たとえ送料が安くても代行手数料が高ければ意味がありませんので、代行手数料にも注意が必要です。
また、代行手数料無料を売りにしているところは、基本的には利用しないほうが良いでしょう。なぜなら、この手の業者は、為替レートに幾らか上乗せするなどして代行手数料相当額を回収しようとするため、結局代行手数料を払ったのと同じことになりますし、そもそも費用がかからないかのように装っている時点で不誠実と言えるからです。
検品の質
送料が1kg200円台という条件をクリアしているのであれば、時間をかけて1円でも安い代行業者を探すよりも、検品の質を重視しましょう。
例えば、FBA(Amazonの物流倉庫)に直送する場合は、実際の商品を一度も見ないこともありますので、検品が重要になってきます。気づかずに品質が悪い商品を販売してしまうと、すぐに悪いレビューや出品者評価が投稿されます。
こうしたリスクを回避してくれるのが、代行業者の検品力です。輸入してからだと手間も時間もかかりますので、必ず中国国内で検品してくれる会社を選びましょう。できれば、日本人が求めるクオリティを理解している代行業者を選ぶことをおすすめします。
対応の柔軟性
対応の柔軟性も、優先順位が高い条件です。
例えば、ラベルを貼る、包装を変えるといった要望に対応してくれるかどうかは、代行業者を選択する段階で判断できますが、事前に想定していなかった商品を取り扱うことになった場合は話が違ってきます。こうした状況の変化にも柔軟に応じてくれるかどうかは、事業を円滑に進めるためには重要です。
また、将来的にOEM制作を手掛ける予定の場合は、現地の工場との交渉を請け負ってもらうことになるため、柔軟性がより求められることになります。
おすすめの中国輸入代行業者5選
ここからは、おすすめの中国輸入代行業者を5つご紹介しようと思います。
イーウーパスポート
イーウーパスポートは、中国の貿易特区「義烏(イーウー)」で2012年にサービスを開始した貿易会社で、仕入れの代行をはじめとする中国輸入ビジネス全体をサポートするサービスを展開しています。強みは、現地買い付けにあります。代表は現役セラーでもあり、経験に基づくノウハウのセミナーも開催してします。有料会員制となっており、仕入れごとに手数料が発生しないので、輸入商品の量が大きい場合はお得です。ただし、初心者や少量の発注しか行わない方にとっては割高になる場合もあるでしょう。
(1)料金プラン
ゴールド会員 月額29,800円
(2)サービスの特徴
・仕入れごとに手数料が発生しない
・商品調査、価格交渉、買付代行手数料は一律無料
・簡易検品(外観から判断できる数量と色)は無料
・国内物流サポート(FBA納品など)
・「義烏」「広州」「香港」での仕入れアテンド
・会員限定の勉強会を開催している
参考:イーウーパスポート
イーウーマート
イーウーマートは、中国ネット買付代行サービス、オリジナルロゴ商品サービスを提供する、初中級者向けの中国輸入代行業者です。日本にも事務所があり、日本人スタッフがやり取りをサポートしてくれます。イーウーパスポートと同様に有料会員制ですので、初心者や少量の発注しか行わない方にとっては割高になる場合もあります。また、イーウーマートの運営会社は、日本への顧客直送無在庫システムのサービスを提供する「杭州マート」や、広東省にある工場管理のサービスを提供する「深センマート」も運営しています。
(1)料金プラン
月額会費 21,670円
(2)サービスの特徴
・最短5日のスピード配送
・買付けをした商品状況(注文から配送まで)が一目でわかる会員専用ページ
・日本人スタッフのサポート有り
・FBA直送サービス
参考:イーウーマート
THE直行便
THE直行便は、2015年に設立された株式会社SNIFF JAPANが運営する中国輸入代行業者です。会社概要欄にサービス内容として「OEM代行サービス」をトップに掲げているだけあって、工場との直接のやり取りをサポートしてもらえます。また、商品の洗濯タグの取り付けといったアパレル加工作業の代行サービスも用意されています。
(1)料金プラン
プレミアムエコノミー 月額9,800円+代行手数料(商品代金×5%)
ビジネスクラス 月額29,800円
ファーストクラス 月額59,800円
(2)サービスの特徴
・OEM代行
・FBA納品
・商品リサーチ
・商品撮影
・翻訳
・無在庫販売サポート
参考:THE直行便
ヲヲフェニックス
ヲヲフェニックスは、中国輸入代行・仕入れ代行を請け負う代行業者です。多くの代行業者は簡易的な検品は無料でも、作業内容に応じてオプション料金が発生しますが、ヲヲフェニックスでは検品手数料が定率となっています。また、詰め替えOPP袋や段ボール外箱などに対する追加料金が発生しません。
(1)料金体系(月額プランなし)
仕入れ、発送代行手数料:商品代金×7%
検品手数料:商品代金×7%
調査費用(インボイス等書類作成含):1,500円
(2)サービスの特徴
・検品手数料が定率
・詰め替えOPP袋、段ボール外箱が無料
・簡易的な商品画像の撮影
・イーウー市場買い付けアテンド
参考:ヲヲフェニックス
タオバオ新幹線
タオバオ新幹線は、タオバオやアリババの買い付け代行サイトです。運営会社は株式会社BUSHIDOで、2011年に設立されました。BASEとの連携しており、BASE店舗で商品が売れた時に発注し、中国から直接エンドユーザーに届けてもらえるシステムが月額500円で利用できるので、BASEを利用する方の有力な選択肢となるでしょう。
(1)料金プラン
プレミアムライト 月額19,800円
プレミアム個配 月額29,800円
プレミアム 月額50,000円
(2)その他の料金
商品代10,889円未満 980円+税
商品代10,889円以上 商品代金×9%+税
BASE連携サービス 月額500円
(3)サービスの特徴
・BASEとの連携
・専用の個配システム(一部有料会員向け)
・コンサルティング(一部有料会員向け)
・サイト上でタオバオやアリババ商品の買い付け依頼が可能
参考:タオバオ新幹線
アリババを仕入れ先とした中国輸入ビジネス
アリババを仕入れ先としてする中国輸入ビジネスに関する情報をご紹介します。どの情報もアリババを利用するなら知っておくべきことばかりですので、ぜひ目を通しておいてください。
アリババでは価格交渉は当たり前
アリババは、業者と購入希望者をマッチングさせるためのサイトです。そのため、マッチングした後に、両者間でどんな交渉や取引をしようとも関知しません。日本でのネットショッピング、例えばAmazonや楽天といったプラットフォームでの売買とは勝手が異なりますので注意してください。
チャットで価格交渉する
中国で商品を購入する際は、QQなどのチャットツールを用いることがよくあります。QQは日本で言うところのSkypeに当たります。日本でも、Webサイトにアクセスすると「何かお困りですか?」等の自動応答チャットが表示されることもあり、珍しくなくなってきています。チャット経由で仕入先と価格交渉するのが、基本的な中国輸入の流れです。
チャットで交渉するには、あなた自身が中国語を喋れるようになるか、中国語が流暢なパートナーを確保することが必要になります。翻訳ソフトでもある程度のコミュニケーションはとれますが、細かいニュアンスまでは伝えられないため、少額でもよいので投資して言葉の問題を解決しましょう。そうすれば、マッチング後のチャットを使った交渉の際にコミュニケーションが取りやすくなりますし、その分商品を安く仕入れられる可能性もアップします。
参考:QQ
ある程度の規模での値引き交渉
仮に副業であっても、価格交渉はビジネスの原理原則や常識をわきまえるのが基本です。例えば、1個2,500円のものを1個だけ購入するのに、2,400円にしてほしいと交渉したところで、ほとんどの場合は成功しないでしょう。
例えば、香港旅行へ行った人が「600円の商品を4個買うから、2,000円にしてもらえないか?」と値引き交渉したら成功した、という話もあります。もちろん、この程度の規模ではビジネスにおいては通用しない可能性が高いですが、「600円の商品を400個買う」ということになれば、話は変わってきます。取引の量が増えれば相手としてもまとまった現金が入るため、交渉の余地が生まれるのです。
個人でも仕入れが可能
アリババを利用する業者は、「法人相手でないと取引しない」といったことはありません。業者側は、きちんとお金を払って自社の商品を買ってくれる相手であれば、個人であっても構わないのです。
フィギュアは仕入れない方が無難
フィギュアには版元があり、メーカーは版権を買って商品化して販売しています。中国で販売されているフィギュアの多くは、版権を買わずに商品化しているものがほとんどです。こうした商品を仕入れて日本で販売すれば、商標権を侵害したことになり、処罰の対象となります。
商標権を侵害しないためには、版元に直接問い合わせるのが一番です。例えば、ドラえもんのフィギュアを仕入れようと思えば、ドラえもんの版元に電話して確認をとれば、この問題は解決できます。
徐々に仕入れ数を増やす
中国から輸入する商品の中には、品質が悪いものが含まれることが多々あります。汚れていたり、縫製が雑だったりするケースは珍しくありません。特に、Tシャツや下着など、肌に直接触れる商品は衛生面においても注意が必要です。こうした粗悪品を仕入れないためにも、以下のような対応を心掛けましょう。
・必ずサンプル品を取り寄せる
・最初は大量に仕入れない
・たまには現地で買い付ける
中・上級者向けの仕入れ方法
中国輸入ビジネスの中・上級者であれば、以下のような仕入れ方法を検討してみても良いでしょう。
・現地の展示会に足を運ぶ
・より上流(例:卸売り・生産者等)から商品を仕入れる工夫をする
・独自の仕入れルートを作る
代行業者の注意すべき特徴
最後に、利用の可否を慎重に検討すべき代行業者の特徴についてご紹介しておきます。
特定商取引法を遵守していない業者
特定商取引法では、通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。例えば、以下のようなものです。
・氏名等の明示の義務付け
・クーリング オフ
・意思表示の取消し
この点、事業者名や日本の所在地が明示されていない会社は違法な商売をしている可能性がありますので避けたほうが良いでしょう。
入金先が個人口座になっている業者
事業者名は明示されているものの、入金先が個人口座という会社があります。こうした会社は事業者そのものが存在しないか、日本の銀行で口座を開設できないペーパーカンパニーの可能性があります。
個人口座の中でも中国人名義の場合は、中国人留学生の銀行口座が売買されたものである可能性もあります。もちろん、売買された口座で商売をするのは違法です。入金先が個人口座となってい業者の口座は凍結される可能性もあるため、この手の業者との取引は慎重に検討する必要があります。
中国国内の事務所が表記されていない
中国国内の事務所を表記していない業者は、代行業者の代行をしている可能性があります。注文が入ったら、他の代行業者に依頼して仲介料を取るやり方です。注文ごとに依頼する代行業者が変わりますので、中国国内の事務所を表記することができないのです。
こうした業者は、代行会社の料金に仲介料を上乗せするので当然高くつきます。それ以外にも、対応が遅い、トラブル対応してもらえないなど、デメリットだらけです。
消費税が請求される
消費税を商品代金に上乗せして請求してくる代行業者にも注意しましょう。例えば、代行手数料7%であっても、消費税を加算されたら実質の手数料は17%になってしまいます。
ちなみに、外国から商品を輸入する場合の消費税は輸入時に日本国から徴収されるもので代行業者に支払うものではないため、消費税を請求してくる時点で怪しいと言えます。
代行業者は中国輸入ビジネスのパートナー
いかがでしたでしょうか。この記事では、代行業者を選ぶポイントと注意点、おすすめの代行業者、そしてアリババを仕入れ先とした中国輸入ビジネスについて解説してきました。
代行業者は、中国輸入ビジネスを円滑に進めるためのパートナーです。どんな代行業者を選ぶのか、選んだ代行業者とどんなパートナーシップを築くのかが、ビジネスの明暗を分けると言っても過言ではありません。
最初に取り組むべきことは、ざっくりで構わないのでビジネスモデルを描いてみることです。そうすれば、おのずと選ぶべき代行業者が見えてくるでしょう。