中国の住所の書き方の基本ルールとは?英語での住所の書き方も教えます

海外へ荷物や手紙を送る時の住所の書き方をご存知ですか?日常的に海外とやりとりしている人であればともかく、多くの人にとってエアメールや国際貨物便はあまり馴染みがないため、「なんとなくこんな感じ?」というイメージがある程度でしょう。もちろん、海外へ荷物等を送る機会の全くない人にとっては、それでも問題ありません。

しかし、現代社会はグローバル化が進み、人・モノ・情報が垣根なく世界中を行き交っています。「知らない」「わからない」を理由にして海外とのやり取りを避けていられる状況ではなくなりつつあります。ビジネスを展開する上でも、大きなマーケットを相手にした方が、より多くのメリットを得られるはずです。

そこでこの記事では、現代の海外取引に必須と言える中国語と英語での正しい住所の書き方を解説していきます。この記事を読めば、もう海外の住所の書き方で悩むことはありません!ぜひ参考にしてくださいね。

目次

中国の住所の書き方の基本

日本では、番地などが詳細に書かれていなかったり、少し間違えていたりしても、大抵の場合は正しく配達してもらうことができます。

しかし、中国の配達事情は日本と同じではありません。配達までに余計な時間がかかったり、最悪の場合は返送されたりする可能性もありますので、荷物や手紙を送る際は送り先の住所と宛名を正確に書くようにしましょう。

現地の配達員が読める言語を使う

日本郵便によると、基本的にどこの国へ宛てた荷物であっても、送った先の国の配送会社が宛先を読み取ることができれば、相手に送り届けられるようです。とは言え、中国宛ての荷物や手紙を実際に配達する配達員のほとんどは中国人なので、確実に伝わる中国語で表記することをおすすめします。

中国語には大きく分けて「簡字体」と「繁字体」という2つの漢字が存在します。繁字体は主に台湾や香港など一部地域で使用されている伝統的な漢字で、現在、中国全土で広く一般的に使用されているのは簡字体です。学校教育などオフィシャルな場面では簡字体が使用されますが、テレビ画面の字幕スーパーなどでは今でも繁字体が使われることが少なくないため、中国人の多くは両者を明確に区別せずに中国語としてひとまとめに認識しています。

中国人であれば、どちらの漢字も問題なく読むことができるため、こちらが意識して使い分ける必要はありません。

書き方のルールと順番

中国に限らず、海外宛ての荷物や手紙の宛先は、封筒やハガキを横長にした状態で、真ん中から右下にかけて大きくはっきりと書きます。また、差出人の住所氏名は、左上に宛先よりも小さめの字で書いてください。

左下に、黒もしくは青のペンで「AIR MAIL」と書き入れるのを忘れないように注意しましょう。

参考:日本郵便

中国の住所は、行政区分の大きなものから小さなものへと上から順に書いていくのがルールです。日本と同じ並び方なので、感覚的に理解することができますね。

1:郵便番号

まず、一番上に郵便番号を書きましょう。中国の郵便番号は6桁です。例えば、最初の数字が「1」なら北京市、「2」なら上海市を意味します。

荷物の仕分けや配達の観点からは郵便番号が記載されているに越したことはありませんが、書いてなくても大丈夫です。もし郵便番号がわからない場合は、未記入のままで発送しても、ほぼ間違いなく配達してもらえます。「知っているなら書いた方が望ましい」という程度にとらえておきましょう。

2:国名

次に国名を書きます。これは、中国の配達員へ向けた情報ではなく、日本国内で配送先を仕分ける際のためのものなので、書き方は「中国」でも「中華人民共和国」でもどちらでも構いません。

どこの国へ送るべき荷物なのかをきちんと識別できるよう、わかりやすく書いておくことが大切です。

3:省・直轄市・自治区名

続いて、省・直轄市・自治区名を書きましょう。これは日本の都道府県のようなもので、22省、4直轄市、5自治区に分かれています。

直轄市には北京市、上海市、重慶市、天津市、自治区にはチベット自治区、新疆ウイグル自治区、広西チワン族自治区、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区があります。これらは、行政区分としては同列の扱いのため、「〇〇省北京市〜」「〇〇省チベット自治区〜」とはなりません。

4:市町村名、番地

その次に、市町村名以下の住所を記入してください。

中国では行政区分が統一されておらず、市町村名以下の構成が省・直轄市・自治区ごとに異なるため、全てを理解するのは困難です。ここは何も考えず、送り先の住所を正確に転記することに集中しましょう。

5:建物番号、部屋番号

送り先がマンションやアパートの場合は、続けて建物番号と部屋番号を記入します。建物番号とは、日本の大規模集合住宅にもよく付けられている「1号棟」や「B棟」などの番号のことです。

中国では建物や部屋の番号を「棟」「楼」「座」「単元」「室」などを使って、次のように表記します。

  • A棟101室
  • 2号楼2単元202室
  • 発展大厦B座303

6:受取人名

最後に、受取人の名前を書きましょう。

中国では、よほどのことでない限り敬称を使わないため、フルネームを書くだけで構いません。相手の立場や役職などに合わせて「様」「御中」「各位」などの敬称を使い分ける日本人にとって、相手を呼び捨てにするのは気が引けたり、違和感があったりするかもしれませんが、そこは文化の違いとして受け入れましょう。

ただし、中国語に敬称が全く存在しないかと言えば、そうでもありません。男性用の「先生」、女性用の「女士」という敬称がありますので、どうしても気になる人は使用してください。

なお、中国人は宛先を書くにあたって、氏名の後に「收」という字をよく使います。中国からの手紙などに書かれているのを見て、日本語の「様」にあたる漢字だと理解する人がいるようですが、それは誤解です。「收」は敬称ではなく、日本語の「〇〇様へ」の「へ」に該当する言葉ですので、別に付ける必要はありません。

英語で表記する方法とは?

続いて、英語での住所の書き方について解説します。中国語で住所を書くよりも簡単ですし、書く機会も多くなるでしょうから、ぜひマスターしておきましょう。

書く順番とルール

宛先を書く位置は、中国宛てでもアメリカやイギリス宛てでも変わりません。もちろん海外から日本へ宛てた荷物や手紙も同様です。

しかし、日本や中国では大きな行政区分から書き始めるのに対し、英語圏では逆に小さな行政区分から書いていく点が異なっています。書き方のルールにも細かな違いがありますので、宛先に記入する順番に見ていきましょう。

1:建物名

日頃よく目にする「〇〇マンション」「〇〇アパート」「〇〇ビル」という建物名。これらを英語で表記すると、

  • 「〇〇 apartment」
  • 「〇〇 building」

となります。

ここで注意すべきは「マンション」の表現です。英語にも「mansion」という単語は存在していますが、「屋敷」や「大邸宅」という意味のため、日本語で言うところの「鉄筋コンクリートで造られた中高層の集合住宅」という意味で使うのは不相当です。英語圏では、日本のように建物の構造によって集合住宅の表現を区別しないため、マンションもアパートも「apartment」と表現すると覚えておきましょう。

ちなみに、イギリス英語では「flat」と表記されます。こちらも合わせて覚えておくと良いですね。

なお、海外から日本に宛てて送る場合は、「mansion」と「apartment」を区別して書いた方が通じやすいでしょう。

2:部屋番号

部屋番号を書く時には、番号の前に「」を付けましょう。順番は部屋番号→建物名でも建物名→部屋番号でも構いません。

例えば、「ABCアパート305号室」と書きたい場合は、

#305 ABC-apartment」または「ABC-apartment #305」と表記します。

3:番地

英語には「丁目」や「番地」「号」などに該当する単語が存在しません。そもそも海外では、このように複数の数字を並べた区分方法にあまり馴染みがないようです。

そのため、例えば「1丁目2番地3号」を英語で表記する場合は「1-2-3」と書きましょう。

4:市町村・都道府県名

「都・道・府・県」や「市・区・町・村」などの行政区分を表す言葉を無理に英訳する必要はありません。「Osaka-fu」や「Yokohama-shi」のように地名の後にハイフンを付け、ローマ字で読み方通りに表記すれば十分通用します。なお、東京都と北海道は「Tokyo」「Hokkaido」と書けばOKです。

行政区分ごとの表記方法について、以下の通りまとめましたので参考にしてください。

都:なし
道:なし
府:-hu/-fu
県:-ken/prefecture
区:-ku/ward
市:-shi/city
町:-chou/-machi/town
村:-mura/village

5:郵便番号

郵便番号は、都道府県名と国名の間に書きましょう。

なお、日本ではおなじみの郵便番号マークですが、実は日本独自のもので海外の人には理解されません。郵便番号を書く際は、数字のみを記入するように気を付けてください。

6:国名

最後に国名を書き入れたら、送付先住所の記入は終わりです。ここまで説明した内容を踏まえ、住所を英語で表記した例を見てみましょう。

例1:国会議事堂
〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目7−1

National Diet Building
1-7-1,Nagata-cho,Chiyoda-ku,Tokyo,100-0014,Japan

例2:首里城
〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1丁目2

Shuri Castle
1-2,Kinjo-cho,Shuri,Naha City,Okinawa-ken,903-0815,Japan

中国語の住所を英語に変換するのに便利なサービス

英語での住所の書き方はわかったものの、中国語の住所を英語に変換したい時はどうすれば良いのでしょう。ルールを一つひとつ確認しながら自分で変換しても良いのですが、それだと結構面倒です。

そんな時に役立つのが「中華郵政全球資訊網」が提供する住所変換サービスです。この記事の最後に、このサービスの概要や使い方をご紹介しておきます。

「中華郵政全球資訊網」の住所変換サービスとは?

「中華郵政全球資訊網」は、中国語の住所を英語の住所へ変換するサービスを提供している台湾の郵便局の公式サイトです。

プルダウンなどを使って中国語の住所を入力すると自動的に英語へ変換してくれ、それを転記するだけで宛先の記入が完了するという優れものです。

参考:中華郵政全球資訊網

サービスの利用方法

住所変換サービスを利用するには、まずトップページ上部にある「查詢專區」をクリックしてください。

次に「郵務業務」から「中文地址英譯」へと進みます。

ここで中国語の住所を入力し、「查詢」ボタンを押します。

すると、英語に変換された住所が表示される仕組みになっています。

変換結果の画面には郵便番号も合わせて表示されるため、検索する手間が省けて助かりますね。

コツさえつかめば大丈夫!

インターネットの普及に伴う通販サイト市場の拡大で、海外とのやり取りは今後ますます拡大することが予想されます。海外の通販サイトから商品を購入することもあれば、逆に海外のお客さまへ商品を発送することもあるでしょう。そんな時、正しい住所の書き方を知っているだけでも心理的なハードルは下がります。

海外と初めて荷物や手紙をやり取りするときには緊張するかもしれませんが、やってみると意外と簡単です。この記事で紹介したポイントを参考にしながら、「習うより慣れろ」の精神で積極的にチャレンジしてみてください。そして、取引先となる世界をどんどん広げていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

目次