ネットを見ていると「中国輸入は稼げない」という声がちらほらあります。確かに、中国輸入で稼げない人もいるでしょう。しかし、それは中国輸入ビジネスに問題があるのではありません。稼げない人には稼げない理由があります。
そこで今回は、中国輸入で稼げない原因と、稼ぐための具体的な対策を解説します。
日本のEC市場
中国輸入ビジネスを個人でやる場合、中国のECサイトで商品を仕入れて日本のEC市場で転売するのが一般的です。
インターネットの普及により、世界中でEC市場が拡大の一途を辿っています。日本でもECの市場規模はそれなりに大きいものの、海外と比べると日本のEC化率は遅れています。以下の表は日本のECの市場規模とEC化率の推移を表したものです。
年 | 市場規模 | EC化率(%) |
---|---|---|
2013 | 11兆1,660億円 | +3.85 |
2014 | 12兆7,970億円 | +4.37 |
2015 | 13兆7,746億円 | +4.75 |
2016 | 15兆1,358億円 | +5.43 |
2017 | 16兆5,054億円 | +5.79 |
2018 | 17兆9,845億円 | +6.22 |
2019 | 19兆3,609億円 | +6.76 |
2020 | 19兆1,779億円 | -0.004 |
市場規模は拡大していますが、EC化率は伸び悩んでいることが分かります。
参考:経済産業省
決済インフラのEC化
日本のEC化が伸びない理由としては、新サービスが誕生しないことと、ITの導入(キャッシュレス化など)が遅れている企業が多いことが挙げられます。現在の日本企業は完全にEC化している企業と、全くEC化していない企業に二極化されています。
しかし、最近は日本でもAmazon Pay、Yahoo!ウォレット、PayPalなどのキャッシュレス決済が浸透しつつあります。そのため、今後はEC市場の拡大が予想されます。
輸入転売市場が飽和することはない
日本のBtoCのEC市場における分野別の市場規模でいうと、1位は物販系です。2020年のEC市場規模は12兆2,333億円、全体の約60%を占めています。市場規模は大きいですが、EC化率は8.08%とまだまだ低く、前年からの伸び率は21.71%とほぼ横這いです。
2位はデジタル系です。2020年のEC市場規模は2兆4,614億円、伸び率は14.90%となっています。
3位はサービス系です。2020年のEC市場規模は45兆5,8329,568億円、全体の約14%を占めています。しかし、コロナの影響もあってか、伸び率は−36.05%まで落ち込んでしまっています。
輸入転売をする上で注目すべきは物販系です。
物販系で最も伸び率が高い分野は「生活家電・AV機器・PC・周辺機器」です。2020年時点でのEC市場規模は1兆8,239億円です。前年からの伸び率は28.79%です。EC化率も30%以上に上ります。伸び率が高い理由としては、雑貨・家具・インテリア業界はITリテラシーの高い企業が多いことが挙げられます。
EC化率が最も高い分野は「映像・音楽ソフト」です。2020年のEC化率は42.79%です。「生活家電・PC関連商品」も37.45%と高いEC化率を誇っています。これから輸入転売を始めるならPC関連商品などが狙い目と言えます。
逆に、EC化が遅れているのは、食品・飲料業界です。こちらは、2020年のEC化率が3.31%と低くなっています。
参考:経済産業省
中国輸入で稼げない理由
中国輸入をしている人はたくさんいますが、稼げている人は少数派です。稼げない人が多い理由と、稼げない人の特徴を紹介します。
Amazon輸入転売は飽和しやすい
中国輸入転売の販売先としてはAmazonが代表的です。理由としては、市場規模が大きいことと、リサーチツールが充実していることが挙げられます。
しかし、Amazonには中国輸入をしているライバルセラーがたくさんいます。そのため、新規参入者が扱っても稼げない商品が結構あります。
稼げるようになるまで時間がかかる
輸入転売を初めて間もない人が稼ぐのはなかなか難しいことです。最初のうちはセラーアカウントの評価が低いからです。すでにライバルがたくさんいる人気商品を輸入しても、なかなか売れません。たとえ同じ価格にしても、先駆者の方がアカウントの評価が高いため、客はそちらに流れてしまいます。
例えば、Amazonで販売する場合、カテゴリランキングに入るような人気商品でカートボックスを獲得するには、平均評価が96%以上で100件以上の評価件数が必要と言われています。もちろん、もっと少ない評価でカートを獲得できるケースもありますが、安定してカートボックスを獲得するにはこれぐらいの評価が必要なのです。
コツコツ販売実績を重ねていけばアカウント評価は上昇します。評価が高くなれば人気商品も扱えるようになります。しかし、その前に挫折してしまう人が多いため、「輸入転売は稼げない」となってしまうのです。
リサーチができていない
転売ビジネスはリサーチが全てです。リサーチせずに稼ぐことができません。
一口に売れ筋商品と言っても、市場ごとに売れる商品は異なります。ECモールごとに、人気の中国製品をリサーチしていきましょう。リサーチする際は、「中国製」「China」「ノーブランド」「並行輸入品」などのキーワードを使って調べてください。ちなみに、Amazonやメルカリで売られているノーブランド品は「中国製」や「輸入品」と言った記述が無くても大体中国製です。
また、時期によって商品の需要は異なります。シーズンに合った商品をリサーチしていきましょう。
計画を立てていない
初心者がやるべきことは事業計画を立てることです。
「個人輸入に事業計画なんて必要ない。とにかく売れる商品を見つけて、コストを削減すればいいんだ。」という人もいますが、行きあたりばったりの事業は大抵失敗します。逆に、事業計画をきちんと立てておけば、想定外の事態が起きても、自分の現在地の確認と計画の修正ができるため、安定して稼ぎ続けることができます。
資金が少ない
商品を輸入するには仕入れのための資金が必要です。これがないと稼ぐ以前の問題と言えます。
1人でやっている
また、中国輸入で稼げないと言っている人の多くが独りで輸入ビジネスに取り組んでいます。中国輸入に限らず、何かビジネスをやる場合はそのビジネスに関する情報が集まる場所に身を置きましょう。
最近は個人輸入のオンラインサロンやスクールがたくさんあります。自分に合ったコミュニティを見つけてください。コミュニティはTwitterやFacebookなどで探すのがおすすめです。
ただ、詐欺まがいのスクールや、会員の親睦を図るだけの無意味なオンラインサロンも一部あります。こういったコミュニティに所属していても、プラスどころかマイナスになるだけなので注意してください。
すでにライバルがいる商品ばかり追いかけている
売れ筋商品のリサーチ方法の一つに、中国製品を扱っているライバルセラーから情報を得る方法があります。例えば、Amazonなら、中国製品の販売者のストアページを開き、「製品」タブをクリックすると、他の商品も見ることができます。中国製品を一つでも扱っているセラーは、他にもたくさんの商品を中国から輸入している可能性があります。また、実績のあるセラーが扱っている商品は総じて利益率も高いため非常に参考になります。
しかし、すでに出品されている商品をそのまま扱ってもなかなか売れません。あくまで参考にするだけです。
売れ筋商品を見つけたら、そのレビューをよく確認しましょう。レビューにはその商品に人気がある理由が隠されています。また、売れ筋商品の関連商品もチェックしましょう。例えば、Amazonなら、商品ページに「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という欄があり、関連商品が表示されているので必ず確認するようにしてください。
自分の感覚に頼っている
「私はこのブランド好きだから、このブランドの商品を仕入れよう」
「この商品だったら私はワインレッドが欲しいって思うから、多分ワインレッドが人気なはず」
というように、自分の感覚に従って仕入れてしまうと大抵失敗します。仮に利益が出たとしても、このやり方だと売れ筋商品を取りこぼしてしまうため、安定して稼ぐことができません。
輸入ビジネスの基本は、購入者の需要を正確に把握して、その需要に合った商品を提供することです。自分の感覚は捨てて、データに基づいた行動を心がけましょう。
そういう意味では、自分の好きなジャンルの商品は自分の意見・感覚が出やすいため、初心者は全く知らないジャンルの商品から扱った方が良いという人もいます。
中国輸入にかかる費用
個人輸入では商品代金以外にも様々な費用がかかります。事前にどれくらい費用がかかるのか把握しておかないと、赤字になる可能性があります。
中国輸入でかかる費用
中国輸入をするとなると以下のような費用・税金がかかります。
・商品代金
・決済手数料
・送料
・保険料
・関税
・輸入消費税
・通関手数料
注意が必要なのは関税と輸入消費税です。関税は商品代金や送料などに対して、輸入消費税は商品代金や送料に関税を足した金額に課税されます。
関税は以下の計算式で算出されます。
関税=CIF価格×一般税率(簡易税率)
CIF価格とは、「商品代金+送料+保険料」の合計価格の1,000円未満を切り捨てたものです。関税は100円未満を切り捨てます。
ただし、これは販売目的で輸入した場合の関税です。個人消費目的で輸入した場合の関税は以下の式を用いて計算されます。
関税=商品代金×0.6×一般税率(簡易税率)
続いて、輸入消費税の計算式を説明します。販売目的で輸入した場合の輸入消費税の課税価格は以下の方法で計算されます。
課税価格=CIF価格+関税+たばこ税・酒税
これに対して、個人消費目的で輸入した場合の課税価格は以下の計算式を使います。
課税価格=(商品代金×0.6)+関税
課税価格に輸入消費税をかけた金額を納付することになります。輸入消費税率は通常の消費税と同じく10%(2021年10月現在)ですが、そのうち6.3%が内国消費税、1.7%が地方消費税となっています。厳密には、地方消費税は内国消費税(100円未満切り捨て)に17/63をかけます。具体的な計算方法は以下のとおりです。
内国消費税=課税価格×6.3%
地方消費税=内国消費税(100円未満切り捨て)×17/63
納付する輸入消費税=内国消費税(100円未満切り捨て)+地方消費税(100円未満切り捨て)
代行手数料
輸入代行業者を利用する場合は、上記の費用に加えて代行手数料がかかります。代表的な中国輸入代行サービスと代行手数料を以下に挙げておきます。
(1)淘太郎
淘太郎は天猫Tmall・タオバオ・アリババ(1688.com)での購入・輸入を代行してくれる業者です。商品のページURLを淘太郎の「代理購入」欄にコピペして代行依頼を出せば、後の手続きは全て淘太郎が代行してくれます。
代行手数料は、普通会員の場合は商品代金の5%、月額会員の場合は月額3万円(固定)となります。
参考:淘太郎
(2)Amacon
Amaconはアリババなどの購入代行業者です。Amaconの月額費・基本サービス・有料オプションは以下のとおりです。
・月額費
ライトプラン:10,000円
ビジネスプラン(OEM交渉):30,000円
コンサルプラン(月1回2時間の電話コンサル):100,000円
・有料オプション
詳細検品(開封して検品):25元/1時間
FBAサービス:25元/1時間
参考:Amacon
(3)タオバオ新幹線
タオバオ新幹線はタオバオだけでなく、アリババ・天猫Tmallでの購入も代行してくれる業者です。購入価格が10,889円未満の場合は980円、購入価格が10,889円以上の場合は代金の9%が代行手数料として徴収されます。
参考:タオバオ新幹線
(4)イーウーパスポート
イーウーパスポートはアリババやタオバオなどネットショップはもちろん、問屋などからも希望の商品を探してきてくれます。
代理購入以外にも参加型の仕入れツアーや仕入れアテンドなどのサービスも行っています。実際に現地で商品を見てリサーチ力を磨けるのでオススメです。
定額仕入れ放題!のゴールド会員なら29,800円でFBA作業やOEM、ODM、パッケージ制作などのサービスが標準付帯しています。
参考:イーウーパスポート
代行業者どこがオススメ?
中国輸入ビジネスで確実に稼ぐためには代行業者を使うのが近道です。
しかし代行業者はたくさんあります。中にはあまり評判が良くない業者もあるので、どこでもいいわけではありません。
中国輸入の代行業者を選ぶポイント
中国輸入をする際に信頼できる代行業者を選ぶポイントを紹介します。
(1)サービスの質に合った手数料なのか
(2)顧客管理がしっかりしているか
(3)レスポンスが早く的確
(4)トラブルの際の対応までフォローしてくれるか
(5)送料は格安か
(6)検品サービスがあるか
(7)中国国内に商品を一時保管する倉庫があるか
(8)AmazonのFBA倉庫へ直送できるか
(9)配送手段の種類は豊富か
これ以外にも色々と基準はありますが、この9つは特にチェックして欲しいポイントです。
オススメはイーウーパスポート
代行業者のオススメはイーウーパスポート【ゴールド会員】です。
上記の9つのポイントをクリアしているのはもちろんなのですが、オススメしたいポイントはもうひとつあります。
それは日本企業であること。日本人スタッフが常駐しており、全て日本語対応が可能であることです。
やはり日本の企業ということは信頼できるポイントのひとつでしょう。日本語で対応しているので、難しい中国語を覚える必要もありません。
中国輸入ビジネスに関するメール講座やセミナーも開かれているので、初心者の人でも情報を入手しやすいところも魅力的です。まずは無料のメール講座を読んでみてください。
中国輸入で稼ぐための対策
初心者が中国輸入で稼ぐためにやるべきことを5つ紹介します。
リサーチツールを使う
すべて手作業でリサーチしていると時間がかかりすぎるため、リサーチツールは積極的に利用していきましょう。Amazonで販売する場合は、ファルコン(Falcon)を使うと簡単に売れ行き・相場・ライバル数の推移が把握できます。
参考:ファルコンでリサーチする
ファルコンの使い方は簡単です。ホームページを開いて、中央の入力フォームにASINを入力して検索してください。そこから、検索結果のページに飛びます。
そして、検索結果から該当商品を探してクリックしてください。
すると、このページから、検索結果に該当する商品と、その商品の最安値・出品者数・人気ランキングの推移グラフを見ることが出来ます。また、表記についてはページ上部分から、中古か新品か、グラフの日数をカスタムすることが出来ます。
事業計画を立てる
前述の通り、行きあたりばったりのビジネスは失敗します。事業計画として最低でも以下の項目は事前に決めておきましょう。
(1)目的・ビジョン
(2)仕入れ先
(3)市場環境(競合他社の存在など)
(4)売上・損益予想
(5)計画実行に必要な資金
資金を用意する
個人輸入ビジネスを始めるにあたっては、最初の仕入れに使う資金として最低でも10万円は用意しましょう。
法人形態でビジネスを運営したい場合は、別途費用が必要です。法人化には、合同会社の場合は10万円前後、株式会社の場合で20~25万円前後かかります。
法人化の手続きは自分でもできますが、素人には大変な作業です。そのため、手続きは司法書士や公認会計士に依頼するのが一般的です。依頼料は大体10万円前後が相場だと思ってください。
法人化したら法人カード(法人用のクレジットカード)を作りましょう。法人カードがあれば最大2ヶ月弱支払いを繰り越せるため、商品を仕入れる際に便利です。
法人化して最初の2年間は決算書がプラスになるように頑張りましょう。そうすると、3年目には1,000万円程度の融資が受けられるようになるため、事業を拡大しやすくなります。
オリジナル商品を開発する
また、これは上級者向けの話になりますが、中国の工場にオリジナル商品の開発・生産を依頼することも可能です。オリジナル商品はライバルが全くいないため、上手くブランディングできれば大きく稼ぐことができます。
実績のある指導者を持つ
中国輸入に限らず、ビジネスでいち早く結果を出すには、やはりメンターの存在が欠かせません。
中国輸入コンサルをやっている人のメルマガやブログを比較して、実力のあるメンターを探し出しましょう。
中国輸入転売は稼げる
中国製品は安く仕入れることができるため、中国輸入転売は非常に利益率の高いビジネスと言えます。
ただ、中国輸入転売で安定して稼ぐには綿密なリサーチが欠かせません。また、稼げるようになるまである程度の時間がかかります。そのため、ほとんどの人は稼げるようになる前に挫折してしまいます。
しかし、実績のあるメンターを見つけて、作業を継続することができれば、基本的に誰でも稼ぐことができます。ぜひ中国輸入にチャレンジしてみてください。