インターネット通販は、今や私たちの日常生活に欠かせない存在です。最近では、国内にとどまらず、海外通販サイトでのショッピングを楽しむ人も増加傾向にあります。海外のサイトには、日本とは違う斬新な色使いやデザインの商品がたくさん並び、見ているだけでも楽しいですよね。
しかし、時には日本では考えられないようなトラブルに巻き込まれることもあります。そんな時、日本語が通じる相手なら電話やメールですぐに対応できるようなことも、海外のショップが相手となると、言葉の壁が大きく立ちはだかって、なかなか同じようにはいきません。英語力がなければ、メールを送ろうにも英文が書けなかったり、ショップ側の説明が理解できなかったりして、状況を整理するだけでも一苦労です。とは言え、泣き寝入りなんてしたくありませんよね。
そこでこの記事では、海外通販でトラブルに遭遇した場合の英語での対応方法について解説していきます。コピペして、このままでも送ることができるような実践的な内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
【Lesson1】英語でメールを送る時の6つの注意点
まずは、英語でメールを作成する時に押さえておきたいポイントを6つご紹介します。
1:半角で入力する
英語でメールを書く時は、必ず半角で入力してください。理由は、文字コードの不一致による文字化けを防ぐためです。
文字コードとは、個々の文字・記号に対して割り当てられたコンピュータ上の識別番号のことです。お互いが同じ文字コードを使用していれば、一方が送信した内容は、全角入力でも相手方の端末で正確に表示されます。
しかし、文字コードには様々な種類があり、日本で使用される文字コードと相手国で使用される文字コードが必ずしも一致するとは限りません。そのため、文字コード相違の影響を受けない半角入力でメールを送信する必要があります。
2:簡潔にまとめる
日本には、いきなり本題に入ることを良しとしない文化があります。そのため、対面でもメールや文書でも、まずは時候の挨拶などの前置きをしてから本題を切り出すのが一般的な流れですが、英語圏においては余計な前置きは不要です。最低限の挨拶のあとはすぐに本題に移りましょう。
また、できるだけ簡潔に要件を伝えることも大切です。一文一文を短く区切り、中学英語レベルのシンプルで伝わりやすい表現を心がけてください。
3:意見や要望をはっきり主張する
日本では、直接的ではっきりとした物言いは相手に失礼に当たる場合があるため避けるべきとされていますが、英語圏では事情が全く逆です。自分の意見や要望をきちんと言葉で伝えない限り、相手は動いてくれません。メールを送った意図や目的、相手にしてほしいことなどを端的かつ具体的に明記してください。
海外とのやり取りでは、「皆まで言わなくても、きっと察してくれるだろう」なんて甘い考えは捨てましょう。
4:主語の使い方に注意する
例えば、「商品はもう発送されましたか?」というメールを送る場合、次のどちらの表現でも意味は変わりません。
「Has the item been shipped yet?」
「Have you sent me the product yet?」
しかし、主語が「the item」か「you」かによって、相手が受ける印象は異なります。「you」を主語にした場合、ただの問い合わせのはずが、相手を非難するニュアンスが行間から漂い出すので、クレームとして受け取られかねません。
そのため、やり取りを穏便に済ませたいのであれば、主語に「you」を使用するのはできるだけ控えたほうが無難です。
5:やり取り内容の履歴を残しておく
やり取りが継続している間は、過去のメッセージ履歴を表示させたままでメールを返信するようにしましょう。そうしたほうがお互いにこれまでの経緯を確認しやすくなるので、やり取りがスムーズになります。
6:日付の書き方の違いに気をつける
これはご存知の方も多いでしょうが、英語圏の国々では、日本と日付を書く順番が違います。英語のメールでは「月/日/年」の順番で記入するようにしましょう。
また、月は「January」「February」のようにアルファベットで表記するのが一般的です。
【Lesson2】商品の返品・交換・返金をお願いする時は?
サイズが合わなかったり、間違って注文していたりして、商品の返品や交換・返金を依頼することってありますよね。そんな時に使える英語表現をご紹介します。
ケース1:返品したい
一度購入した商品を返品したい場合は、「I’d like to return 〜」を使います。「〜したい」という英語には「I want to 〜」もあり、もちろん言いたいことは伝わりますが、表現がストレートなため、お願いをする場面にはあまりふさわしくありません。「良かったら〜していただけませんか?」のような丁寧なニュアンスを表現できる「I’d like to 〜」の方がおすすめです。
例えば、Tシャツを返品したい時には
I’d like to return this T-shirt.
(良かったら、Tシャツを返品させていただきたいのですが・・・)
と書きましょう。
ケース2:交換したい
サイズが合わない、違う色のものが欲しいなどの理由で商品の交換を希望する場合は、「I’d like to exchange A for B.」の構文を使いましょう。「I want to exchange 〜」でも伝わりますが、ケース1で説明した通り、少し丁寧さに欠けた表現となります。
例えば、Tシャツのサイズが合わず、Lサイズへ交換して欲しい場合は
I’d like to exchange this T-shirt for a large size.
(このTシャツをLサイズに交換していただきたいのですが・・・)
のように表現してください。
ケース3:返金してほしい
返金を希望する場合は、「I’d like a refund (for 〜), please.」と表現しましょう。「I want a refund.」と書くと、クレームめいた印象を与える可能性があるため、使い方には注意が必要です。
実際のやり取りの場面では、
Can I return this? I’d like a refund, please.
(この商品を返品の上、返金していただきたいのですが・・・)
のように組み合わせて使うこともあります。
【Lesson3】トラブル時の問い合わせに使える英語表現
トラブル時に使える英語表現を、次の5つのシチュエーションを例にご紹介します。
1:商品が届かない
2:商品に不具合がある
3:注文と違う商品が届いた
4:数が違う
5:付属品が足りない
どの場面においても、「現在の状況の説明」と、「どのような対応をして欲しいのか」を端的に伝えることが大切です。また、注文日や注文番号を明記しておくと、ショップ側の対応がスムーズに進みやすくなります。
トラブル例1:商品が届かない
海外通販サイトを利用する上で起こりがちなトラブルの代表格がこれ。最初に覚えましょう。
Subject:Delivery Delay
(件名:配送の遅れについて)
To whom it may concern,
(ご担当者さま)
My name is Taro Yamada.
I am writing you from Japan.
(日本在住の山田太郎と申します。)
I ordered a book (order #55555) on July 15th 2020, but I haven’t received it yet.
Could you tell me when it will be delivered?
I look forward to hearing from you soon.
Yours sincerely,
(2020年7月15日に本を注文しましたが(注文番号:55555)、まだ届いておりません。いつ配送されるのか教えていただけますか?ご返信をお待ちしています。)
Taro Yamada
トラブル例2:商品に不具合がある
届いた商品に傷が付いていたり壊れていたりした場合は、写真を添付するなどして不具合の程度が相手にわかるように伝えてください。また、返品・返金して欲しいのか、交換して欲しいのかはっきりと主張しましょう。
その際、新品を注文していたのに不具合があったのであれば、新品だと強調することもお忘れなく。
Subject: About Defects in Purchased Products
(件名:購入した商品の不具合について)
To whom it may concern,
My name is Taro Yamada.
I am writing you from Japan.
I ordered a brand new PC (order #55555) on July 15th 2020.
I received the product, but when I opened the box, there was a scratch on the screen.
Please check the attached picture.
Since it is under warranty I would like to exchange it or get a refund.
Could you tell me what to do?
I look forward to hearing from you soon.
Yours sincerely,
(2020年7月15日に、新品のパソコンを注文しましたが(注文番号:55555)、到着した商品の箱を開けると、添付写真にあるように画面に傷がついていました。保証期間内なので交換もしくは返金をお願いしたいのですが、どのような手続きをすれば良いでしょうか?ご返信お待ちしています。)
Taro Yamada
トラブル例3:注文と違う商品が届いた
注文したものとは違う商品が届いた場合は、注文した商品と届いた商品が異なることがわかるように、両方の商品の品番などを書き添えるようにしましょう。
Subject: About Mistakes in Delivered Products
(件名:配送商品の間違いについて)
To whom it may concern,
My name is Taro Yamada.
I am writing you from Japan.
I ordered a black PC (order #55555, item #PC-12345B) on July 15th 2020, but I received a silver one(item #PC-12345S).
I would like to request an exchange.
Could you tell me what to do?
I look forward to hearing from you soon.
Yours sincerely,
(2020年7月15日に、黒色のパソコンを注文したのですが(注文番号:55555、品番:#PC-12345B)、届いたのは銀色でした(品番:#PC-12345S)。交換をお願いしたいのですが、どのような手続きをすれば良いでしょうか?ご返信をお待ちしています。)
Taro Yamada
トラブル例4:数が違う
注文した数と送られてきた商品の数が一致しない場合は、それぞれの個数を明記した上で、以後の対応に対するこちらの要望を伝えましょう。
数が不足しており、追加で送って欲しい場合は、次のようなメールを送ります。
Subject: About Shortage of Products
(件名:商品個数の不足について)
To whom it may concern,
My name is Taro Yamada.
I am writing you from Japan.
I ordered three brand new books (order #55555) on July 15th 2020, but I’ve received only one book.
Could you send the others to the registered address?
(2020年7月15日に新品の本を3冊注文したのですが(注文番号:55555)、1冊しか届いていません。残りの2冊を登録済みの住所へ送ってもらえますか?)
I look forward to hearing from you soon.
Yours sincerely,
Taro Yamada
また、不足分を返金して欲しい場合は
Could you refund me the amount for the shortage?
と伝えてください。
トラブル例5:付属品が足りない
時には、セットで送られてくるはずの付属品が入っていなかったなんてことも起こります。そんな場合は、追加での発送を依頼しましょう。
Subject: About Lack of Accessories
(件名:付属品の不足について)
To whom it may concern,
My name is Taro Yamada.
I am writing you from Japan.
I ordered a brand new PC (order #55555) on July 15th 2020.
I received the product, but when I opened the box, the AC adapter was missing.
Could you send one to the registered address?
(2020年7月15日に新品のパソコンを注文しました(注文番号:55555)。商品は届きましたが、付属のACアダプターが入っていませんでしたので、登録済みの住所へ送っていただけますか?)
I look forward to hearing from you soon.
Yours sincerely,
Taro Yamada
【Lesson4】英語で書くビジネスメールの基本ルール
日本と英語圏ではそもそも国民性や文化が異なっており、その違いがメールにおけるマナーの違いにも現れています。日本人にとっての当たり前が、相手にとっては当たり前ではないこともありますので、きちんと基本を押さえておきましょう。
件名の書き方
まずは件名です。メールの本文同様、件名もできるだけ簡潔かつ分かりやすいものにしてください。
また、基本的に前置詞以外の全ての単語の頭文字は、大文字で書きましょう。
例えば、
Inquiry about New Product
(新商品に関する問い合わせ)
About Holding New Product Presentation
(新商品発表会の開催について)
のように表します。
宛名の書き方
宛名には、一般的にdearなどの敬称を付けます。相手の名前がわかっていれば、Dear Mr/Ms Yamadaのように表現するのが一般的です。ただし、家族や友人、パートナーなど親密な間柄の場合は、敬称を付けずに名前だけを書くこともあります。
もし、送信する相手の名前がわからない場合は、
To whom it may concern
(ご担当者さま)
Dear Accounting Department
(経理部御中)
などと書いておきましょう。
用件の書き出し方
用件を書く際は、まずメールを送った理由を書いてから本題に入るのが自然な流れです。簡単な挨拶の後に、
The reason I am writing this e-mail 〜
I am writing this e-mail to 〜
(私がこのメールを書いた理由は〜)
のように書き始めると、スムーズに本題に入ることができます。
【Lesson5】訂正メールの書き方
メールを送った後になって間違いに気付いた場合は、速やかに訂正する必要があります。次のポイントに気をつけて、すぐに訂正メールを送りましょう。
件名の頭に「Correction」を付ける
すでに送ったメールを訂正したい時は、元のメールの件名の頭に訂正を意味する「Correction」を付けます。加えて、本文にも、次のような表現で訂正した旨を明記しておきましょう。
I am sending you a revised version of the previous email because there was an error.
There is a text error in the e-mail that I sent earlier. I will send you an updated version.
(先ほどのメールに一部誤りがありましたので、訂正版を再送致します。)
There was an error in the contents of the email I sent you earlier, which should be corrected as follows:
(先ほどお送りしたメールに一部誤りがありましたので、下記の通り訂正致します。)
さらに、訂正箇所が一目でわかるように、正誤を並記しておくとより親切です。
お詫びの言葉を添える
訂正版のメールの文末に、次のようなお詫びの言葉を書き添えることもお忘れなく。
I apologize for the inconvenience caused by the incorrect information sent. I’m very sorry.
(お送りした内容に誤りがあり、ご迷惑をおかけ致しました。大変申し訳ございませんでした。)
I apologize for the inconvenience. From now on, I will pay close attention to prevent this from happening.
(ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございません。以後このようなことがないよう、重々注意して参ります。)
【Lesson6】返信を催促するメールの書き方
メールを送ったものの、いつまでも相手からの返信が来ないこともありますよね。そんな時は、次のような表現で催促してみましょう。
件名の頭に「Reminder」を付ける
催促メールを送る際は、「備忘」や「念押し」を意味する「Reminder」を使いましょう。元のメールの件名の頭に付けたり、
Reminder of my e-mail of July 15
(7月15日のメールについて)
のように件名の一部として使ったりします。
なお、催促の仕方次第では相手の気分を害する可能性もあるため、本文の最初に
I’m resending my previous email just in case you missed it.
(万が一見落とされているといけませんので、前回のメールを再送しております。)
I have not received a response from you, so I am sending this email just in case.
(お返事をいただいておりませんので、念のため本メールを送っています。)
などと書き添えておきましょう。
丁寧な表現を使う
いつまでも返信が来ないからといって、ぶしつけな表現を使うのは好ましくありません。顔の見えない相手とのメールでのやりとりだからこそ、いつも以上に丁寧な表現を心がけてください。
相手への配慮が伝わる表現として、
I would appreciate it if ~
I would be grateful if ~
(〜していただけると幸いです)
I am sorry to trouble you, but ~
(お手数をおかけして申し訳ありませんが〜)
I am terribly sorry to bother you, but ~
(お忙しいところ恐れ入りますが〜)
などを覚えておくと、非常に便利です。
英語でのメール対応は怖くない!
基本的に、海外通販で起こるトラブルの事例は限られています。そのため、英語でのメールのやり取りに使用される表現のバリエーションも、そう多くはありません。ここでご紹介した表現をベースにしつつ、翻訳アプリなどを併用して不十分な箇所を補えば、十分に対応可能です。
これまで英語でのやり取りがネックとなって海外通販の利用をためらっていた人も、ぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。