eBayに払った消費税が返ってくる?覚えておきたい輸出免税のお話

皆さんがeBayで商品を販売する際に払っている消費税ですが、実は還付が可能だということを知っていましたか?

今回は、主にeBayを利用した輸出ビジネスにおける消費税の考え方や、還付を受けるための方法について細かく解説していきたいと思います。輸出中心のビジネスをしている方にとって還付は絶対に見逃せないポイントですので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

【輸出】eBayとPayPalにおける消費税

輸出ビジネスをしている方なら消費税の仕組みについて知っておくことはとても重要です。そこでまずは、eBayとPayPalにおける消費税の還付の可否について説明していきます。

eBayにおける消費税は還付可能

eBayで商品を販売し出品手数料を払った場合は、自動的に日本の消費税が課税される仕組みになっています。

まず忘れないようにしたいのは、この出品手数料に課税された消費税は還付の対象になることです。

次に覚えておきたいのは、eBayを通して海外に輸出販売した商品を仕入れる際に支払った消費税も還付を受けることができるという点です。

仕組みについては後ほど説明しますが、この2点をまずは覚えておいてください。

PayPalにおける消費税は還付不可能

eBayを利用していると必然的にPayPalを利用する機会も増えます。では、このPayPalの手数料については消費税の還付が受けられるのでしょうか?

結論から言うと、それはできません。PayPalの決済手数料にはもともと消費税が課税されていないからです。この決済手数料については国内の事業者へ払った場合も同様に消費税の課税対象外となっています。

【輸入】関税と輸入消費税

次は商品を輸入する際にかかる2種類の税金、「関税」「輸入消費税」について簡単に説明していきます。

関税

「関税」とは国内産業の保護を目的として輸入商品に対して課される税金です。税率は品目によって異なっており、保護したい産業に属している商品にはより高い税率が設定されています。

例えば、日本が保護したい米は約500%という高い関税が設定されているうえ、他にも革靴は1足当たり30%(もしくは4,300円のいずれか高い方)、毛皮の洋服は20%、皮革製の洋服や小物は10~15%とそれぞれ比較的高い税率が課せられています。

しかし、全ての製品に10%以上の税率がかけられているわけではなく、皮革製以外の衣類や靴については5~10%前後、アクセサリーやメガネ(サングラス)は5%~10%、食器は3.4~4.6%とそれほど関税率が高くない商品もあります。

関税がかからない商品もある

そして、この関税には「無税」、つまり関税が全くかからない品目も存在します。例えば、以下のような品目です。

  • 自動車やバイクの部品
  • 腕時計
  • 音響資材や楽器類
  • おもちゃ、人形、パズルなど
  • CDやレコードなどの音楽媒体や書籍類
  • インテリア関係商品

もっとも、品物によって細かく分類されている関係上、条件によっては無税にならない場合もありますので注意してください。

輸入消費税

「輸入消費税」とは、基本的に日本国内で課税される消費税と同じものと考えて差し支えありません。海外から輸入される商品は購入時に消費税が課税されていないために、輸入通関時に課税されることになります。

eBay輸出の際の消費税課税の考え方

この項目では、eBay輸出の際にかかる消費税がなぜ還付の対象になるのか、その仕組みに注目していきたいと思います。

商品を国内で販売した場合の消費税について

そもそも消費税とはどのような税金なのでしょうか。

消費税とは「消費する」という行為に課税される税金です。商品や製品の販売やサービスの提供に対して課され、消費税課税事業者が納付します。ここでポイントになるのは、「事業者が負担するものではない」ということです。あくまでも事業者は「消費者から預かった消費税を納付する」役目を果たしているに過ぎません。

もう少し分かりやすくするために計算式で表してみましょう。あなたが商品を800万円分仕入れたとしましょう。この場合にかかる消費税は10%の80万円です。この80万円は最終的に消費者が負担することになりますので、この時点であなた(事業者)は代理で負担したことになります。

8,000,000円(仕入) × 0.1 = 800,000円(消費税代理負担)

では次にこれらの商品を1,000万円で販売できたとしましょう。この場合には消費者であるお客様から預かる消費税は10%の100万円です。

10,000,000(売上) × 0.1 = 1,000,000円(消費者より預かり)

では最後にあなたはいくら消費税を納付しなければならないのでしょうか。仕入れの際に80万円をすでに代理で負担していますので、預かった100万円からその分を差し引いた20万円を税務署に納付することになります。

1,000,000(消費者より預かり) - 800,000円(仕入れの際に代理負担) = 200,000円(消費税納付額)

今回は計算を分かりやすくするために諸経費についての計算を省略してありますが、これが商品を国内販売した場合の消費税の計算方法です。

ただし、全ての事業者や個人事業主に消費税の納税義務があるわけではないという点には注意が必要です。小規模の会社や個人事業主は、前々年度の課税売上高が1,000万円以下である場合には納税義務を免除される可能性があります。

もちろん免税事業者であっても仕入の際には消費税を代理負担することになりますから、商品やサービスを販売した際に10%の消費税を購入者から受け取ることは問題ありません。しかし、消費税の差額は納付する必要はありません。

商品を輸出した場合の消費税について

商品を海外で販売した場合はどうなるのでしょうか。先ほどの計算式に当てはめてみましょう。

まずあなたが仕入れる800万円の商品にかかる消費税は10%の80万円です。仕入の段階ではあなたが代理で負担しています。

8,000,000円(仕入) × 0.1 = 800,000円(消費税代理負担)

次に販売ですが、海外で販売する場合は「日本の税金」である消費税をかけることができません。商品を1,000万円で売ったとしても、消費者より預かる消費税は0円です。

10,000,000(売上) × 0 = 0円(消費者より預かり)

その場合の計算は以下のようになります。

0円(消費者より預かり) - 800,000円(仕入れの際に代理負担) = -800,000円(過剰負担)

このままでは消費者ではないあなたが80万円分の消費税を過剰に負担することになってしまいます。これは消費税の仕組みから考えておかしいので、最終的に還付の対象になるのです。

消費税の還付を受ける際の計算方法

では具体的にどのくらいの金額が還付されるのでしょうか。計算方法は以下の通りです。

(仕入金額 + 輸出販売のための経費)× 0.1 = 還付金額

仕入の際に代理負担した金額だけでなく、輸出販売にかかった経費の10%も還付対象になりますので、忘れずに計算に含めるようにしてください。

消費税還付を受けるメリットとデメリットとは?

この項目では、eBayなどで輸出販売を行った際に消費税還付を受けるメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット1:収入の増加

先ほど解説したように、消費税の還付を受ければ、輸出販売した商品の仕入金額にかかった消費税だけでなく、さらに輸出販売にかかった経費の10%を合わせて還付してもらうことができます。仕入額と輸出経費合計の10%というのはかなりの金額です。それらがすべて直接収入に変わるというのは、非常に大きなメリットということができます。

メリット2:還付は適法

消費税の還付を受けると大きな金額が戻ってきますので、もちろん税務署もチェックしています。還付の規模によっては税務調査が入る可能性もあります。しかし、ご安心ください。書類関係をしっかり整えておけば、全く問題ありません。違法行為すれすれの還付金というわけではなく、全く後ろ暗いところのない還付手続きなので安心です。

デメリット:書類関係が非常に複雑になる

もちろん還付請求のためには様々なものが必要になります。仕入関係の書類を全て保管して整理しておく必要がありますし、その他にも専門知識が必要になる手続きもあります。ですからもし数十万円戻ってくるといわれても「面倒くさくて……」と思う人も中にはいるでしょう。この手間がデメリットです。

しかし、このデメリットは解決することができます。それは税理士事務所と顧問契約を結ぶことです。月額1~3万円が報酬相場になりますので、年間12~36万円以上の消費税還付を受けられる見込みがあるのであれば税理士への業務依頼を検討することをお勧めします。

消費税還付の計算期間は短縮できる

消費税の課税期間は、個人事業者の場合、1月1日から12月31日までの1年間、法人については法人の事業年度になっています。この期間が終了した後に消費税を計算して納付や還付を行うことになるのですが、これは輸出をメインにしている事業者にとっては問題となる可能性があります。なぜかというと、長期間にわたって消費税が還付されないことを意味しているからです。このような場合、キャッシュフローを良くするために何か改善策はあるのでしょうか。

実は、特例として消費税の課税期間を3か月ごと、もしくは1か月ごとに短縮できるようになっています。これであれば短いスパンで消費税の還付を受けられ、キャッシュフローが良くなります。これは大きなメリットです。

この項目では、消費税の課税期間を短縮するための申請方法と、期間短縮を取りやめる方法について説明していきたいと思います。

消費税課税期間特例選択・変更届出手続

消費税の課税期間の特例の適用を受ける(または変更する)場合に必要となるのは、「消費税課税期間特例選択・変更届出書」という書類です。この書式に必要事項を記入の上、納税地を所轄する税務署で手続きを行います。この書類は郵送で提出することもできますので、直接提出しにいけない場合でも安心です。

なお、この書類の提出期間は、特例の適用を受けたり変更したりしようとする期間の初日の前日まで(事業を開始した期間に変更する場合にはその期間中)ですので、注意してください。

参考:消費税課税期間特例選択・変更届出手続 – 国税庁

個人事業者が課税期間を短縮する場合

個人事業者が課税期間を3か月に短縮する場合、それぞれの期間は以下の通りになります。

  1. 1月1日~3月31日
  2. 4月1日~6月30日
  3. 7月1日~9月30日
  4. 10月1日~12月31日

また、課税期間を1か月に短縮する場合は、1月1日から1か月ごとに区分した各期間が課税期間になります。

法人が課税期間を短縮する場合

法人が課税期間を短縮する場合、事業年度の初日から3か月(または1か月)毎に区分した各期間が課税期間になります。

消費税課税期間特例選択不適用届出手続

課税期間の特例の適用をやめて、課税期間を元の1年に戻したいときは、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」に必要事項を記入の上、納税地を所轄する税務署に提出する必要があります。提出期限は課税期間の特例の適用をやめようとする機関の初日の前日までとなっています。

ただし注意したいのは、この手続きは「課税期間の短縮の適用を受けた日が属する課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以降」でなければ提出することができないという点です。

少し複雑なので日付に直して説明したいと思います。例えば、あなたが個人事業主で令和3年1月1日に消費税の課税期間を3か月に短縮する特例の適用を受けていた場合、2年を経過する日(令和4年12月31日)が属する課税期間の初日(令和4年10月1日)以降に「消費税課税期間特例選択不適用届出書」を提出することができます。そして、令和4年10月1日~令和4年12月31日までの期間に手続きを行った場合、令和5年1月1日から課税期間の短縮は効力を失うことになります。

参考:消費税課税期間特例選択不適用届出手続 – 国税庁

eBay輸出で消費税の還付を受けるポイント

この項目では、eBay輸出で消費税還付を受ける際のポイントを解説していきたいと思います。

消費税還付を考えるタイミング

輸出ビジネスが順調に進むと、どこかのタイミングで消費税還付を考え始めることになります。一つのタイミングとしては、税理士との顧問契約料以上の還付を受けられるようになった時です。

先ほどもご紹介したように、顧問契約の相場は1~3万円ですから、年間36万円以上の消費税の還付を見込めるようになったら消費税還付を受けることを考え始める時期だといえます。これは毎月の仕入額と輸出にかかる手数料の合計額が30万円を超えているかどうかで判断することができます。

消費税の還付手続きをする方法

消費税の還付を受けるためには消費税の課税事業者になっている必要があります。前々年度の売上高が1,000万円を超えていなければ免税事業者として消費税を納めなくて良いことになっていますが、実は売上が1,000万円を超えていなくても「消費税課税事業者選択届書」を提出することで課税事業者になることができます。この場合にも2年間は免税事業者には戻れませんので十分な注意が必要です。

参考:納税義務の免除|2 課税事業者を選択する旨の届出 – 国税庁

まずは税理士事務所に相談を

消費税の還付を受けるための手続きには税務に関する専門的な知識が必要です。さらに、毎年多額の還付金を受け取るとなると税務署からマークされる可能性もあります。ですので、少しの費用を出し惜しんで自力で手続きするよりも、税理士に一任して輸出ビジネスに集中した方が安心な上、最終的に利益が上がる可能性も高くなります

まとめ

今回はeBayに限らず輸出ビジネスに関わっている方にとって重要な消費税還付について解説してきました。少し細かい内容ですが、ビジネスを成功させるためには必要な知識です。この記事をよく読んで、ぜひあなたの輸出ビジネスに生かしてください。

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この記事を書いた人

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