eBayは世界最大級のオークションサイトです。
文化の異なる様々な国・地域の人が利用しているため、しばしばトラブルが起きます。
そこで今回は、出品者・落札者双方の視点から、eBay取引におけるトラブルへの対処法をトラブルの種類別に詳しく解説します。
eBay出品者トラブル(1)「落札後に代金を支払ってくれない」
まずはeBayの出品者側に起こるトラブルと対処法を解説します。
1つ目は、「落札後、相手が支払いをしてくれない」トラブルに関してです。
eBayトラブル「落札後に支払いをしてくれない」対処法1:落札者に支払い請求メールを送信
eBayでの基本的な取引の流れを以下に示します。
図で示したとおり、eBayでは一般的に商品代金を支払った後に商品が発送されます。
しかし、落札してからしばらく経っても代金が支払われないケースがたまにあります。
考えられる理由を以下に示します。
- 落札者が忘れている
- 落札者がeBay初心者で操作が分からない
- 落札者が間違って落札してしまった
そのため、落札されたらすぐに支払い請求メッセージを送りましょう。
メッセージ例文を以下に示します。
Thank you for purchasing 「商品名」.
I’m 「自分の名前」.I am the seller of this item. I live in Japan.
I will ship the item within 2 days after payment.
Please use PayPal to pay.
I accept only PayPal for payment.
After shipping it off, I will inform you of the tracking number.
Best regards,
(日本語訳)
この度は◯◯をご落札いただきありがとうございます。
私は出品者の◯◯です。日本に住んでいます。
入金確認後、2日以内に商品を発送いたします。
PayPalにて支払いをお願いいたします。
支払いはPayPalのみとなっております。
発送後は、追跡番号をご連絡いたします。
それでは、よろしくお願いいたします。
eBayトラブル「落札後に支払いをしてくれない」対処法2:キャンセルしたいと返信がきた場合
もし支払い請求メールを送って、「キャンセルしたい」と返信が来た場合は、キャンセルオーダーを行いましょう。キャンセルオーダーの手順は以下のとおりです。
- まずMy eBayを開いて、「Selling」をクリックしてください。
- 次に「Orders」にある「Awaiting paypemt」を選択します。
- すると落札済み商品が一覧表示されますので、キャンセルしたい商品の「Actions」から「Cancel Order」をクリックしてください。
- すると以下のようなキャンセルオーダー画面が表示されます。
- まずは「Select a reason」でキャンセル理由を選びます。
- 下の「The Buyer asked to cancel the order~(落札者がキャンセルしたいと言ってきた)」を選択してください。
- 上の「I’m out of stock~」は在庫切れという意味なので、絶対に選択しないでください。
在庫切れを理由にキャンセルオーダーするとアカウント停止処分になる可能性があります。 - 理由を選択したら、「Submit」をクリックしてください。
キャンセルオーダーは出品者から申請できますが、落札者の同意がないと成立しません。
また、落札から一定期間が過ぎると「Sorry, it’s too late to cancel your order」と表示されてキャンセルオーダーできなくなります。
注意してください。
eBayトラブル「落札後に支払いをしてくれない」対処法3:メールを送っても返信が来ない場合
支払い請求メールを送っても返信がない場合は、「Unpaid Item Case」を行いましょう。
「Unpaid Item Case」をすると、eBayから落札者に「4日以内に支払え」という催促メールが送られます。
そして、4日以内に支払いがなかった場合は強制的に取引が終了し、取引にかかった各種手数料が出品者に返金されます。
さらに、落札者には未払い記録が残り、最悪の場合はアカウントが凍結されることもあります。
ただし、上記のキャンセルオーダーを一度行ってしまうと、「Unpaid Item Case」ができなくなります。
「Unpaid Item Case」を行う際は間違ってキャンセルオーダーしないように注意してください。
それでは「Unpaid Item Case」の手順を説明します。
- まずはMy eBayを開いて、「Selling」をクリックしてください。
- 次に「Orders」にある「Awaiting payment」を選択します。
すると落札済み商品が一覧表示されますので、該当商品の「Actions」から「Open unpaid Item Case」をクリックしてください。 - ページ上の「The buyer has not paid for the item(落札者が商品代金を支払っていない)」にチェックを入れて、「Submit(提出)」をクリックしてください。
これで「Unpaid Item Case」は完了です。
支払い期限の4日後までは何もできません。
ただ待ちましょう。
4日以内に入金されたら、通常通り取引ができます。
もし入金されなかった場合は取引が強制終了しますので、取引にかかった各種手数料の返還手続きをしましょう。
- My eBayから「Account」をクリックして、左にある「Resolution Cencer」を選択してください。
- すると、以下のような画面が表示されます。
「Take action」をクリックして「Receive fee credit」を選択してください。
- 以下のような画面になったら「Have you received peyment from the buyer?」でNoを選択して「Close case」をクリックしてください。
これで各種手数料が返ってきます。
eBay出品者トラブル(2)「商品が届かないと言われた」
eBay出品者トラブルの2つ目は、商品が届かないと連絡が来るケースです。
国際配送では商品が届かないことがしばしばあります。
eBayのクレームで最も多い理由も商品が届かないことです。
出品者に落ち度はありませんが、対応を間違えると悪い評価(Negative Feedback)をつけられてしまいます。
クレームには、冷静に対処しましょう。
追跡番号がある場合|eBay出品者トラブル
書留やEMSで商品を発送した場合は、追跡番号があります。
郵便局の追跡サービスを利用して荷物を追跡しましょう。
参考:郵便局追跡サービス
荷物を追跡できたら、すぐに落札者に荷物の現在位置を教えてあげましょう。
一度落札者宅に配達されたが不在だったため配達員が郵便局に持ち帰っていた場合は、すぐ落札者に現地の郵便局に取りに行ってもらってください。
そうしないと日本に返品されてしまう恐れがあります。
しかし、日本の郵便局が直接追跡できるのは国内までです。
荷物が国外に出た後は、現地の郵便局からの報告を元に追跡しています。
そのため、国外にある荷物は正確な追跡ができません。
追跡できなかった場合は、以下の対処法を試してください。
- 日本の郵便局に追跡調査を依頼する
- 落札者に直接現地の郵便局に問い合わせてもらう
追跡調査をしたにもかかわらず商品の所在が分からなかった場合でも、
- EMSは20,000円まで
- 書留は6,000円まで
なら補償してもらえます。
追跡番号がない場合|eBay出品者トラブル
AirmailやSALなどで発送した場合は、追跡番号がありません。
落札者にもう少し待ってもらうようにお願いしましょう。
落札者がPayPalに訴えた場合
落札者がPayPalに「未着報告」をした場合は、速やかに全額返金しましょう。
特に追跡番号がない場合は、商品を発送していないと見なし、PayPalが勝手にあなたの口座からお金を引き落とします。
商品が届きにくい国|eBay出品者トラブル
以下に示す国は、商品が届きにくいです。
未着トラブルを避けたい場合は、以下の国を発送除外国に設定しておきましょう。
- カナダ
- オーストラリア
- アフリカ全土
- 南米全土
カナダやオーストラリアは荷物の追跡ができません。
また、アフリカと南米はインフラが整備されていないため、配送トラブルが非常に多い地域となっています。
eBay出品者トラブル(3)「商品に不具合があると言われた」
eBay出品者トラブルの3つ目は、商品到着後に「商品が壊れている」などとクレームをつけられるケースです。
海外配送では配送途中に荷物が壊れるケースが多いです。
出品者に落ち度はありませんが、正しく対処しないと悪い評価(Negative Feedback)をつけられてしまいます。
まずは壊れた商品の写真を送ってもらう
荷物が壊れている場合、以下のようなメッセージが届きます。
The item you send was broken.(送られてきた商品が壊れていました。)
I will request a refund.(返金してください)
しかし、すぐに返金対応してはいけません。
なぜなら、本当に商品が壊れているか分からないからです。
中には商品が壊れていないにもかかわらず、言ったもん勝ちで返金要求してくる者もいます。
したがって、以下のように返信して真偽を確かめてください。
Please send some pictures of the broken item.
I will check the condition of it.
If you wish for a refund, please follow the procedure of eBay policy for refund.
Best regards,
(日本語訳)
壊れた商品の写真を送ってください。
商品の状態を確認します。
返金を望むなら、eBayの規則に従って返金手続きしてください。
よろしくお願いいたします。
商品の不具合が確認できた場合の対処法
もし本当に商品が壊れていて、落札者が壊れた商品の写真を送ってきた場合は、すぐ返金対応しましょう。
楽器や精密機械など壊れやすい商品は国際配送に向きません。
eBayに出品するのは軽くて小さく壊れにくい商品にしましょう。
郵便局に損害賠償請求するのは難しい
配送途中に商品が壊れていた場合、郵便局に損害賠償請求することもできます。
ただ、損害賠償請求手続きはかなり面倒です。
手順を以下に示します。
- 落札者に最寄りの郵便局て破損証明書を発行してもらう
- 落札者に承諾書兼料金返還請求の委任状を書いてもらう
- 落札者に破損証明書と承諾書兼料金返還請求の委任状をこちらに郵送してもらう
- 2つの書類を日本の郵便局に提出して損害賠償請求する
このように、損害賠償請求するには落札者の協力が必要です。
しかし、落札者側の手続きが面倒なため、協力してくれることは稀です。
また、手続きしても損害賠償請求が認められるとは限りません。
詳しくは以下のページを参照してください。
参考:国際郵便の損害賠償制度
その他のeBay出品者トラブル
残りの出品者トラブル事例とその対処法をまとめて紹介します。
eBay出品者トラブル(4)「落札後に値引き交渉された」
eBay出品者トラブルの4つ目は、落札後に値引き交渉されたケースです。
値引き交渉は入札前にするのがルールです。
したがって、これは拒否しても問題ありません。
eBay出品者トラブル(5)「落札後にPayPal以外の決済を依頼された」
eBay出品者トラブルの5つ目は、落札後にPayPal以外での決済方法を依頼された場合です。
eBayで利用できる決済方法は、原則としてPayPalのみとなっています。
商品説明欄にもその旨を記載している出品者が多いです。
にもかかわらず、PayPal以外の決済を要求してくる落札者が一定数存在します。
以前はクレジットカードがないとPayPalに口座を作れなかったため、まだ一考の余地がありましたが、現在では銀行口座でもPayPalアカウントを開設できます。
落札者がPayPalアカウント持っていない場合は、アカウントを作成してもらってください。
eBay出品者トラブル(6)「返品したいと言われた」
eBay出品者トラブルの6つ目は、商品は壊れていないのに「返品したい」と言われるケースです。
- 気が変わった
- 間違って落札してしまった
- よく見たら互換性がなかった
などの個人的な理由で返品要求された場合は、基本的に返品・返金の義務はありません。
ただし、出品時にReturn policy(返品ルール)で「~日以内でしたら返品対応可能です。」と記載していた場合は、返品しなければいけません。
返品の際の送料は落札者負担が一般的です。
また、未開封の場合は全額返金するべきですが、開封済み・使用済みの場合は一部返金でも構いません。
eBay出品者トラブル(7)「理不尽なクレーム」
eBay出品者トラブルの7つ目は、理不尽なクレームです。
- 梱包が気に入らない
- 到着が予定日より1日遅れた
- 商品が壊れた(本当は壊れていない)
などの理不尽な理由で返金要求してくるクレーマーは実在します。
そのため、出品前に必ず商品の状態を記録しておき、配送する際も追跡番号がつく書留などを利用しましょう。
また、上記のようなクレーマーは評価が低いことが多いです。
したがって、評価の低い人の入札は削除してしまうのも1つの手です。
eBay出品者トラブル(8)「不当な評価をつけられた」
eBay出品者トラブルの8つ目は、不当に悪い評価をつけられるケースです。
- 落札後の値引き交渉
- PayPal以外での決済要求
- 配送方法の指定
などの理不尽な要求を断った結果、腹いせに悪い評価をつけてくる落札者はいます。
もし不当な評価をされた場合は、eBayに申し立てて評価を消してもらいましょう。
まずは以下のページを開いてください。
商品IDを検索してください。
不当な評価をされた取引にチェックを入れて「Continue」をクリックしてください。
続いて報告内容を選びます。
以下の画像を見てください。
5つの選択肢がありますが、翻訳すると以下のような意味になります。
- 落札者が不合理な要求をした
- 落札者が不適切なフィードバックを残した
- 落札者が落札者保護プログラムを濫用した
- 落札者が誤った返品をした
- その他の問題
いずれかを選択して「Submit」をクリックしてください。
eBay落札者トラブル(1)「入金後、商品が届かない」
ここからは、落札者側のトラブル事例と対処法を解説します。
まず1つ目は、「入金したのに商品が届かない」場合です。
対処の流れを以下に示します。
出品者に連絡
まずは出品者に連絡しましょう。メッセージ例文を以下に示します。
I’m 「自分の名前」.I am the buyer of this item.
The item I bought from you has not arrived yet.
Please let me know the current location of it.
Best regards.
(日本語訳)
落札者の〇〇です。
まだ商品が届いていません。
商品の現在位置を教えてください。
よろしくお願いいたします。
PayPalに異議申し立て
出品者に連絡しても返信がない場合は、PayPalに異議申し立てをしましょう。
PayPalに異議申し立てをするには、まず画面上部の「ヘルプ」から「問題解決センターで問題を解決」をクリックしてください。
続いて「問題を報告」をクリックしてください。
すると、取引一覧が表示されます。
該当取引にチェックを入れて右下の「続行」をクリックしてください。
「eBayと協力されることをおすすめします」と表示されますが、「PayPalへの提出を続行」をクリックします。
次に異議の理由を選択します。
「購入した商品が届いていない」を選択して「続行」をクリックしてください。
届いていない商品にチェックを入れます。
最後に出品者へのメッセージを入力して「送信」をクリックしてください。
これで異議申し立ては完了です。
PayPalから出品者に催促のメールが送信されます。
異議申し立てをすると、My Paypalのトップページに「未解決の問題があります」と表示されます。
クレームにエスカレート
PayPalに異議申し立てをしても出品者側から反応がない場合は、異議をクレームにエスカレートさせてください。
エスカレートの方法は簡単です。
My PayPalに表示された問題解決センターをクリックしてください。
すると以下のようなページが開きます。
エスカレートさせたい異議のアクション項目にある「続行」をクリックしてください。
すると「この異議をPayPalクレームにエスカレートする」と表示されます。
それをクリックしてください。
これでエスカレート手続きは完了です。
PayPalが調査して荷物の未着が確認できれば、強制的に返金処理されます。
注意点
ただし、PayPalに異議申し立てをするのは最終手段です。
まずは出品者に連絡を取ってください。
なお、PayPal異議をクレームにエスカレートできるのは異議申し立てから20日以内です。
また、あまりにも頻繁にPayPalに異議申し立てやクレームエスカレートをしてしまうと、クレーマー認定される危険もあります。
ご注意ください。
eBay落札者トラブル(2)「商品が壊れていた」
eBay落札者トラブルの2つ目は、届いた商品が壊れていたケースです。
証拠写真を撮影する
商品が壊れていた場合は、まず壊れた商品の写真を撮りましょう。
eBayに申し立てる時に証拠として必要になります。
eBayでオープンケース
続いて、オープンケースします。
オープンケースとは、eBay内で出品者との公の話し合いの場を設けることを言います。
eBay運営が監視してくれるため、フェアな話し合いができます。
オープンケースの手順を以下に示します。
まずMy eBayから、「Purchase history」を選択してください。
購入履歴が一覧表示されます。
該当商品を探して「More actions」から「Contact seller」を選択してください。
オープンケースする理由を選択する画面になります。
「I received an item that wasn’t as described」を選択してください。
選択肢の下に以下のような文章が表示されます。
文中の「request a refund」をクリックしてください。
ケースオープンの画面になります。
「Select a reason」で「Arrived damaged」を選択して、「Add details」欄に詳細を英語で入力してください。
そして、カメラマークのボタンをクリックして、先ほど撮影した証拠写真をアップロードしてください。
最後に右下の「Request a return」をクリックすれば、ケースオープン完了です。
出品者とやり取り
オープンケースすると、通常は出品者側から連絡が来ます。
もし返金対応すると言っている場合は、PayPalで返金処理してもらいましょう。
ただし
- 「私は悪くない。配送途中の破損は配送会社の責任です」
- 「配送会社に保証してもらうよう手続きしてほしい」
などと言われた場合は、無視してeBayに介入してもらいましょう。
解決しない場合はeBayが介入
eBayに介入してもらう場合は、オープンケースページにある「Ask us to step in and help」をクリックしてください。
すると、介入要請理由の入力フォームが表示されます。
現在の状況を説明して介入を要請しましょう。
eBayが介入した場合、強制的に返金処理されるケースがほとんどです。
その他のeBay落札者トラブル
残りのeBay落札者トラブル事例と対処法を以下に示します。
eBay落札者トラブル(3)「落札後、請求書が来ない」
eBay落札者トラブルの3つ目は、落札したのに出品者から請求書が届かないケースです。
この場合はこちらから出品者に連絡を取りましょう。
手順を以下に示します。
- My eBayを開く
- 「All Buying」から「Won」を選択
- 該当商品の「Contact Seller」をクリック
- 出品者にメッセージを送る
eBay落札者トラブル(4)「請求書に記載されている金額が違う」
eBay落札者トラブルの4つ目は、出品ページに書かれていた商品価格と請求金額が違う場合です。
これも上記と同様の手順で出品者に連絡を取りましょう。
eBay落札者トラブル(5)「間違って落札してしまった」
eBay落札者トラブル5つ目は、間違って落札してしまった場合です。
原則として落札後のキャンセルはできませんが、出品者の同意があればキャンセル可能です。
ただし、キャンセルすると悪い評価をつけられる可能性が高くなります。
どうしてもキャンセルしたい場合は、出品者に連絡しましょう。
キャンセルを拒否された場合は、勉強代だと割り切って購入してください。
eBayはクレームなどのトラブルが多い
eBayは様々な国・地域の人が利用しています。
国・地域によって文化が違うため、クレームなどのトラブルも多いです。
しかし、今回紹介した対処法を知っていれば、トラブルのほとんどに対処可能です。
クレームなどに困った際に、ぜひご活用ください。