事業資金の新たな調達源として注目されている「クラウドファンディング」。興味はあるものの、具体的な中身が分からないという方も多いはず。
そこで今回は、クラウドファンディングについて説明するとともに、最近注目されている海外のクラウドファンディングプラットフォーム「Indiegogo」(インディーゴーゴー)を日本から利用する方法や、「tip」について解説し、さらにそのメリット・デメリットなどを掘り下げてみました。
何か良い資金調達手段はないかとお悩みの方は、一度こちらの記事に目を通してみてください。
クラウドファンディングって何?
最近「クラウドファンディング」という言葉をよく耳にしないでしょうか?これは「Crowd=群衆」と「Funding=資金調達」という言葉を組み合わせたもので、名前の通り群衆(不特定多数の人)から資金を集める方法を意味しています。
主にインターネットを通して不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、立案者の趣旨に賛同する人が資金を提供するという仕組みで成り立っています。企業が新規事業を立ち上げる時や、新たな製品を開発するための支援金が欲しい時などに用いられます。
また、クラウドファンディングで支援金を募って、お世話になった人に車をプレゼントしたという人もいます。これもクラウドファンディングの利用例の一つです。
Indiegogoなど日本から海外のクラウドファンディングを利用することが注目されている
最近は、日本から海外のクラウドファンディングサービスを利用する方が増えています。その代表的なプラットフォームが「Indiegogo」(インディーゴーゴー)や「Kickstarter」(キックスターター)です。
注目されている理由は、その取引額の大きさにあります。
日本のクラウドファンディングとIndiegogoなどの海外クラウドファンディングの規模の違い
ここでは日本のクラウドファンディングと海外のクラウドファンディングの規模の違いについて触れてみます。
例えば購入型のクラウドファンディングを例にあげましょう。
日本国内全体におけるクラウドファンディングを利用して調達された金額は2020年12月までの累計で952億円だったのに対し、アメリカの購入型クラウドサイトの「Kickstarter」では、このサイトひとつだけで2016年までに2,567億円もの資金が動いています。
2020年までの段階で、日本国内の最大級クラウドファンディングサイト「CANPFIRE」の利用者は49万人だったのに対し、「Kickstarter」の利用者は1,700万人。両者を比較すると、34倍強の差があります。
利用者が多いということはそれだけ支援者の数も多いことを意味するので、集められる資金も必然的に多くなります。
単純に動いているお金やサイト利用者を比較しただけでも規模の違いが明らかですね。
このように国内のクラウドファンディングサービスと海外のクラウドファンディングサービスを比較してみると海外のほうが圧倒的にその市場規模が大きいため、日本でも注目されるようになっているのは納得です。
indiegogoなど日本から海外のクラウドファンディングサービスを利用するのに必要なものは何?
海外のクラウドファンディングサービスを利用すれば、資金調達の幅が広がることについてはおわかりいただけたと思います。
ではどうすれば海外のプラットフォームを利用できるでしょうか?
基本的に、審査の難易度は、日本国内のクラウドファンディングサービスと大差ありません。しかし、海外のクラウドファンディングサービスを利用するには、語学力が鍵になります。
申請をするにしても、プロモーションを行うにしても、最低限の英語力が必要になります。
「Indiegogo」(インディーゴーゴー)に注目
ここからは海外の大手クラウドファンディングサービス「Indiegogo」(インディーゴーゴー)について解説していきます。
Indiegogoとは?
「Indiegogo」はサンフランシスコに拠点を置く世界最大級のクラウドファンディングサービスを提供するサイトです。2008年に設立されました。
Indiegogoの利用者は膨大で、235の国と地域で月間約1,200万人が利用しています。これまでに約90万件を超えるプロジェクトが扱われており、調達された支援金の累計も2,200億円を超えます。
PanasonicやBOSE、P&Gなどの大企業からも利用される、非常に信頼度の高いプラットフォームです。
また「グローバルファーストトラックプログラム」という海外展開サポートを行うサービスを開始して以降、270億円の資金調達に成功しています。
Indiegogoを日本で利用するメリット
Indiegogoは、出資額が他のクラウドファンディングプラットフォームに比べて安いのがメリットです。
例えば、日本国内のクラウドファンディングサイトの「Makuake」と比較しても3割から4割安い出資額となっています。
もう一つのメリットは、すでに資金調達に成功したプロジェクトにも出資できることです。その際は、Indiegogoが提供する「In demand」を活用することになります。
通常の場合よりも出資額が割高になることもありますが、すでに成功しているプロジェクトに対して出資できるので確実に報酬を得ることができます。
Indiegogoを利用するデメリット
Indiegogoを利用するデメリットは、出資金をキャンセルできないことです。
他のクラウドファンディングサイトなら出資後でもキャンセルできることがありますが、Indiegogoは他のプラットフォームに比べて出資額が安く済む分、途中で出資を取りやめることができないように設定されています。
また、Indiegogoは他のプラットフォームに比べて新規プロジェクトに対する審査が甘いという側面もあります。そのため立案されたプロジェクトの成功率が他のプラットフォームに比べて低く、出資が無駄になる可能性が高くなっています。この点も、Indiegogoのデメリットといえるでしょう。
「Indiegogo」のTip(チップ)とは?メリットとデメリットを踏まえたうえで利用しよう
ここまでIndiegogoを利用するメリットとデメリットをお伝えしてきました。
海外のクラウドファンディングサイトなので抵抗感を覚えるかもしれませんが、国内サービスに比べて利用者が格段に多い点や、出資額を比較的安く抑えることができる点などを考えると、「Indiegogo」は海外のクラウドファンディングサイトを初めて利用する人に適したプラットフォームであることは間違いありません。
Indiegogoを利用した出資方法
それではIndiegogoで実際に出資する方法について見ていきましょう。
出資予定の製品と項目を選択
まずは、以下の参考リンク(Indiegogo)から出資を予定している製品のキャンペーンページ(開発プロジェクトページ)に移動します。
そして、製品ページから出資したいコースを選択しましょう。
参考:Indiegogo
必要な情報を登録
出資コースを選択すれば、次に必要情報を入力し登録を進めていきましょう。
登録内容はすべて英語表記となっています。一つずつ見ていきましょう。
名前・メールアドレスを入力
すでにIndiegogoの利用登録を済ませていて、ログインした状態でキャンペーンページに入った場合は、この項目には登録済みの情報が表示されますが、初めて利用する場合はGuest checkoutの画面になります。
その場合は、「Full Name」の欄にローマ字で氏名を、「Email address」の欄には任意のEメールアドレスを入力しましょう。
クレジットカード情報を入力
Indiegogoはクレジットカード決済なので、任意のクレジットカードの情報を入力していきましょう。
- カード番号
- 有効期限
- セキュリティーコード
- 国
IndiegogoのTipの額を選択
最後に、右側の「Indiegogo Tip」を選択します。これはIndiegogoにチップ(tip)を送る制度です。
チップ(tip)を送るか、送らないかは選択できます。送らない場合は「0」を入力しましょう。
このチップ制度は毎回出資に参加する際に尋ねられますので、応援したいチームに積極的に送ってみましょう。
IndiegogoでTipの選択の後「SUBMIT PAYMENT」をクリックで出資成功!
必要情報の入力や選択を終えれば、ページ右側にある「SUBMIT PAYMENT」をクリックしましょう。以上で無事にIndiegogoでの出資は完了です。
Indiegogoでの製品注文・購入を日本からする方法を解説
ここまではIndiegogoでの出資方法を説明してきました。
次にIndiegogoで製品を注文・購入する方法を解説していきましょう。
Indiegogoで日本から注文・購入する前にするべきことは?
まず、自分が欲しいと思える製品が見つかるまでじっくりとIndiegogoのサイト内を巡回しましょう。自分が欲しい、購入したいと思える製品が見つかれば、次にその製品のキャンペーンページへ移動します。
キャンペーンページへ移動したら、ページの右側に「InDemand」という表記があるかどうかをチェックしましょう。
Indiegogoで出資を行い、出資した製品を確実に手に入れる(購入)するためには「InDemand」という表記があるかどうかが大きく関係してきます。
この表記があれば、そのプロジェクトはすでに資金調達に成功していることを意味します。したがって、この製品を購入するということは、プロジェクトがすでに成功している製品に対して出資することになります。
キャンペーンページに移動した後は
購入したい製品のキャンペーンページに移動できたら、「¥~JPY by~backcrs(~円by~支援者)」にマウスを合わせると「Currency Conversion(通貨加算)」が表示されます。そこに目標金額数が到達されたかどうかの詳しい情報が載っています。
商品ページの下側にある「Select a perk(得点の選択)」に出資できるコースが表記されているので、出資金額とリターンされる報酬を確認して任意のコースを選択しましょう。
報酬内容の説明文(英文)の下に、セット内容、その製品の注文数、出荷予定日、出荷地域が記載されているので確認しましょう。
確認し終えて自分の希望と相違なければ「GET THIS PERK」をクリック。
以上でその製品に出資し、報酬を受け取ることに同意したことになります。商品を購入予約したのと同じですね。
発送先情報・クレジットカード情報を入力
「GET THIS PERK」をクリックし、次のページで選択したものに間違いがないことを確認して「PROCEED TO CHECK OUT」をクリックします。配送先情報と決済方法の情報を入力するページへ移動するので必要情報を入力していきましょう。
Indiegogoに会員登録をしていれば「Full Name:名前」と「Email Address:メールアドレス」に登録した内容が反映されます。
Shipping Address = 配送先住所には、ローマ字で任意の配送先を入力していきます。
上から順に、
- Full Nama:ローマ字で氏名を入力
- Country:「Japan」を選択 ※Japanを選択すればページ右側に「Shipping(送料)」が表示されるので一応金額をチェックしましょう。
- Street Address:ローマ字で番地と町名を入力
- Address Line2(optional):マンションやアパート住まいの場合、ローマ字で号室と建物名を入力
- City:ローマ字で市町村と都道府県を入力
- Postal Code:郵便番号を入力
- Phone Number:電話番号を入力
※住所の英語表記が分からない場合はインターネットで「住所 英語 変換」などと検索すればたくさん変換補助ツールが出てきますので活用してください。
配送先情報の入力後は、引き続き決済に用いるクレジットカード情報を入力していきましょう。
- Name on Card:クレジットカードに記載されている名前をその通りに入力
- Card Information:クレジットカード番号・有効期限(月/年)・クレジットカード裏面のセキュリティコードを入力
最後の「Add a tip to Indiegogo」の項目はIndiegogoにチップ(tip)を送るかどうかの選択です。送らない場合は「No Tip」を選択してください。チップ(tip)の詳しい仕組みは文書の最後にある「Learn more」をクリックすると見ることができます。
必要情報を入力し、選択を終えればページ右側に表示される「Total」=合計金額を確認しましょう。
確認内容に異常がなければ画面左側にある「SUBMIT PAYMENT」をクリック。以上で出資(購入)完了です。
製品キャンペーンページの「Backers」の項目にあなたの名前が表示されていれば、出資が成功していることの証拠なので確認しましょう。
出資(購入後)の経過
出資後、登録したメールアドレスに「サンキューメール」が届くのでこちらも確認してください。
もし購入した製品に色などを選択できる項目があれば、このメール上に記載されているリンクからアクセスした先で選択することが可能となっています。
オプション・各種選択・最終確認
出資したキャンペーンから送られてきたメールに記載されているリンクに移動すると、製品キャンペーンページに移動し、発送に関する情報などの確認画面が表示されます。
画面の下部に「Get Started!」というボタンがあるのでクリックしましょう。
移動したページで製品の色などの選択項目が表示されるので任意のものを選択していきます。
さらにオプションを加えることができる製品の場合、「Next:Add-ons」のボタンをクリックすれば選択ページへ移動できます。
オプションを選択するとページ画面右側に表示される金額が変更されるので一応確認しておきましょう。
オプションの選択が終われば「Shipping」の項目で配送先の再確認を行います。
登録した住所が反映されているはずなので、間違いがないか確認してください。
間違いがなければ「NEXT」をクリックしましょう。最終の確認画面に移動するので問題がなければ「Confirm」をクリックして完了です。
すべての入力が終わりConfirmすれば、登録したメールアドレス宛に確認メールが届くのでこれもチェックしておきましょう。
以上で完全にIndiegogoでの出資(購入)作業は完了です。
後は気長に製品が届くのを待ちましょう。
海外のクラウドファンディングIndiegogoを日本で始めてみよう!Tipの送り方も
今回は海外の最大手クラウドファンディングサービス「Indiegogo」を利用するメリットやデメリット、実際に出資する方法などについて解説しました。
海外のクラウドファンディングサービスなので少し抵抗があるかもしれませんが、今回まとめた情報を参考に手続きを行えば、日本からでも問題なく「Indiegogo」を使って出資を行うことができます。
「Indiegogo」は、なんといっても出資額が安いのが魅力。またサイト利用者も多いため、支援金がより多く貯まりやすいのもメリットです。
ぜひ、この記事を参考に、「Indiegogo」で海外のクラウドファンディングを始めてみてください。