この記事では、人生の無駄な時間について考えます。生きていくなかで、とくに意識せずに浪費している時間は、かなりの量になります。
仮に人生を80年として、1年を365日で計算すると、29,200日です。時間に直すと、大体70万時間になります。もっとも、この数字には、睡眠時間も含まれているので、1日8時間寝たとすれば、実際に活動するのに使える時間は、3分の2ということになります。
もちろん、この記事を読んでくれている人は今生まれたわけではありませんから、残りの人生と考えると、もし40歳の人ならあと半分です。ざっくり計算すると、活動できる時間は、23万時間弱にまで減ります。
もし、残り40年のうち、1日に2時間の無駄な時間を過ごしたとすると、2時間×356日×40年=29200時間です。23万時間しか残されていないのに、3万時間近くが無駄になるわけです。
残されたわずかな時間を、有意義に過ごすためには、無駄な時間をなくすことが一番の早道です。時間の浪費をしないために、無駄な時間について考えてみましょう。
時間を無駄にする生活習慣や思考方法を見直そう
無駄な時間を減らすために必要なのは、普段の生活習慣や思考方法を見直すことです。日常の習慣になっているものが、無駄の原因となっていることは多々あります。以下にいくつかの例を挙げるので、自分に当てはまるものがないか、考えてみてください。
他人と比べて、自分を卑下する
他人と比べることで、自分の評価を下げることは無駄な行為です。他人をうらやんで、劣等感にさいなまれることは誰にでもあることですが、自分を卑下していても何の進歩もありません。「他人と比較することで、気分が落ち込んで、何も手に付かない」そのような時間は、まったくの無駄といえるでしょう。
他人からどう思われるかを、自分の行動基準にしている
人間、「人から好かれたい」と思うのは、自然な感情です。「人から嫌われたくない」というのも同じです。
しかし、他人の目線ばかりが気になって、本来の自分のやりたいことが出来なくなっている、言いたいことも言えなくなっているのなら、それは不幸です。周囲の反応を気にする余り、他人に嫌われないための行動にばかり時間を使っている人は、限られた時間を無駄に使っているといえます。
行動をするのではなく、ただ心配している
将来のことが見えにくい時代です。先のことを考えると、色々と不安になることも多いでしょう。
しかし、不安に思っているだけの時間、心配しているだけの時間は、それだけでは意味がありません。心配していることが実際に起こるとは限らず、心配しているだけでは、現状は何も変わらないからです。不安なこと、心配なことがあったら、それを少しでも解消するための行動を起こしましょう。
やりたくないことを、ひらすら続ける
生きていく上で、「やりたいことだけをやる」のは無理でしょう。「やりたくなくても、やらなければならない」ことは必ずあります。
しかし、それだけをやり続けることは、不幸です。不幸になるために時間を使っているのなら、それは無駄な時間と言えるのではないでしょうか。
もし、やりたくないことを無理に続けて、心や体を病んでしまったのなら、無理をする意味がありません。「やりたくないこと」は止める、少なくとも減らすことが、人生を充実させるためには必要です。
スマホを頻繁にチェックする
最近ではスマホを一時でも手放せない人が増えています。数分に1度のレベルで、LINEやTwitterなどのSNSのチェックに追われている人も多いのではないでしょうか。
もちろん、友人とコミュニケーションを取ることは無駄とは言い切れません。しかし、毎日何度もSNSをチェックする必要があるでしょうか。
緊急の用事はめったにありません。単なる暇つぶしになっていないか、SNSの使い方を考え直してみてください。
目覚まし時計のスヌーズ機能
二度寝防止のために目覚まし時計に付いているスヌーズという機能があります。一度アラームを止めても、数分すればまた鳴り出すというものです。
このスヌーズ機能を使うのは、オススメできません。経験された方も多いはずですが、スヌーズを使って寝たり起きたりを繰り返すと、目覚めた後も疲労感が残ります。
起きるときは、スッと起きた方が一日の体調も良くなります。スヌーズを使って寝たり起きたりしている時間は間違いなく無駄な時間で、疲労感が残った一日は、他にも多くの時間を無駄にしているはずです。
やたらに写真を撮りまくる
最近は、旅先だけでなく、日常のちょっとした光景でも写真に収める人が増えました。
写真を撮ることが全て悪いとは言いませんが、その多くが無駄になってはいないでしょうか。後で見直すこともない写真を撮りまくることは、時間も無駄にしています。
写真を撮るのは、本当に後に残したい光景だけにして自分の眼で実際に見ることを大事にした方が、時間を無駄にすることもなく、より人生を楽しめるのではないでしょうか。
ダラダラと食べ続ける
「食べる」という行為には、栄養を補給する以外の効果もあります。食べる楽しさがストレスを解消してくれたり、親しい友人や家族と楽しむ時間を提供してくれたりもします。
しかし、ついついダラダラと食べ続けることは、時間の無駄です。もちろん、無駄に多く摂取したカロリーは、健康にも悪影響を与えます。
無駄に食べることを止めて、決まった時間にしっかり食事を取ることは、無駄な時間をなくし、健康にも良いものなのです。
受動的に生きている
生きていく上で、タイミングが大事なときは必ずあります。やりたいことがあっても機会に恵まれない、そんなことも多いでしょう。
しかし、こんなときに、ただチャンスを待っているだけでは、その時間が無駄になります。タイミングを計ることも必要ですが、その時間は何もせずに待っているのではなく、「もしチャンスが巡ってきたら、必ずものにできる」ように、準備をする時間にすべきです。
じっと待っていることに時間を費やせるほど、人生は長くありません。
愚痴や不平不満を言い続ける
愚痴を言ったり、不平不満を言ったりすることは、基本的に生産的ではありません。それで気分が晴れて、その後はスッキリした気分で生きられるというのなら、意味がないとは言い切れませんが、愚痴や不平不満はそのときだけに留めるべきです。
普段から愚痴ばかりを言っている人は、本人もマイナス思考に陥りがちですし、聞かされる周りの人も不愉快になります。愚痴や不平不満を言っている時間があれば、もっと前向きなことに時間を使いましょう。
昔の恨みをいつまでも忘れない
「あいつのことは、一生許せない」そんな思いを抱き続けることは、多くの場合は無駄でしかありません。
誰かのことを恨み続けることが自分にとっての推進力に転化できるのであれば、恨みを忘れないというのも悪いことばかりではないかもしれませんが、多くの場合は無駄な時間とエネルギーを費やして終わります。
人のことを恨むよりも、恨みは忘れて前向きに生きていくことが、時間を無駄にしないことになります。
朝の貴重な時間を無駄に過ごす
この記事を読んでいる人の中には、「朝起きても、しばらくは頭がボーっとして何もできない」という人がいるはずです。
しかし、これは非常にもったいないことです。朝起きたばかりの時間は、頭がリフレッシュされていて、勉強などをするのに一番適した時間です。ゴールデンタイムと呼ばれます。
この貴重な時間をボーっとして過ごしているのは、他の時間帯以上に無駄に時間を使っていると言えるでしょう。朝起きたら、顔を洗ったりシャワーを浴びたり、軽い運動をしたりして、早く頭をスッキリさせてゴールデンタイムを有効に使いましょう。
見直して欲しい無駄な時間と、その解消方法
ここまでは、やや抽象的な生活習慣や思考方法といったものを取り上げましたが、ここからは、もっと具体的な無駄に過ごしている時間について、その解消方法とともにお伝えします。
もっとも、無駄な時間というのは人それぞれです。そのため、以下の内容が当てはまらない人もいると思いますが、これから挙げるものを例として、自分の生活を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
ゲームなどでスマホをいじって過ごす時間
スマホというのは、便利な機械です。携帯電話が出始めたころは、「外でも電話がかけられて、いつでも連絡が取れて便利」というだけのものでした。しかし、技術が進歩して、ゲームができたり、ネットが見られたり、SNSができたりするものに変わりました。
便利であることの反面、スマホさえあれば時間をいくらでも潰せる環境が生まれてしまっています。
特に、ゲームにはまってしまうと、抜け出せなくなります。昔は、ゲームといえば、家庭のテレビに繋いで遊ぶものでした。どれほど夢中になっても、家に帰らなければ遊べないという大きな制限があったわけです。
しかし、スマホゲームは、どこにいても遊べてしまいます。ゲームを開発している企業も商売でやっていますから、できるだけ長時間遊びたくなるような仕掛けを準備しています。一度、夢中になってしまったら、費やす時間は膨大なものになりかねません。
そして、スマホゲームを通じて得たものが人生において役に立つことはほとんどありません。
この無駄な時間をなくすためには、人生に役立つ経験を与えてくれるような趣味を他に持つことです。
そういった趣味を持つことがすぐには難しいなら、スマホを持たずに出かけるのも方法の一つです。しばらくは、手元にスマホがないと不安になりますが、慣れれば、特に問題を感じなくなります。
パチンコ、競馬などギャンブルに費やす時間
ギャンブルも一度はまってしまうと、止められなくなるものの一つです。
時間も無駄になりますし、お金も無駄になります。働いて稼いだお金をギャンブルですってしまった場合、働いていた時間も無駄になったと言えるでしょう。
そもそもギャンブルというのは、運営する側が儲かるように出来ています。その仕組みからして、ギャンブルをする人が儲かるようにはできていないのです。理性的な判断ができれば、ギャンブルにかける時間が無駄であることは分かるはずです。
ギャンブルが止められない場合、ギャンブルにかかった時間とお金を正確にメモしてみてください。どれだけ無駄に時間とお金を費やしているかが数字として目に見える形になれば、「もう止めよう」と思えるはずです。
YouTubeなどの動画を視聴する時間
YouTubeなどで動画を視聴する時間も無駄といえる場合が多いでしょう。ただ、人生には娯楽も必要ですから、動画視聴を一切やってはいけないとは言いません。
無駄なのは、YouTubeをついダラダラと長時間見てしまうことです。YouTubeのテレビとの違いは、いつでも好きなときに見ることができることです。
最近はテレビ番組もネット配信されることが増えて、ネット動画との境目がなくなってきましたが、一応、テレビ番組は番組表のスケジュールに従って放送されています。一つの番組の放送時間も決まっていますから、1本見終わったら1時間といった感覚が把握しやすくなっています。
これに対して、YouTubeは、つい切れ目なくダラダラと視聴しがちです。いつの間にか、結構な時間を視聴していたということになりやすいのです。
この無駄を解消する方法としては、子供にお説教をしているようですが、1日1時間といったように視聴する時間を区切ることです。視聴している間は、ストップウォッチなどを傍らにおいて、正確な時間を把握することをおすすめします。
会社の無駄な飲み会に参加している時間
会社勤めの人であれば、社内の人との飲み会も、ある程度は必要でしょう。しかし、参加しても特に楽しいわけでもなく、何の実りもないような飲み会なら、そこに割く時間は無駄な時間です。
飲み会は、全てに参加する必要はありません。自分にとって参加することに意味がある飲み会に絞りましょう。大事なのは、惰性で飲み会への参加を続けないことです。
参加すべき飲み会もあります。例えば、普段は会話する機会がない異業種の人も交えた飲み会であれば、そこで有意義な話が聞けるかもしれません。また、個人的にお世話になった人の送別会といったものには、参加しておくべきでしょう。
「何となく参加する飲み会」は減らし、有意義な飲み会を選んで参加するようにすれば、時間を無駄にすることを防げます。
コンビニやスーパーでレジを待っている時間
これは細かい話なので、あえて気にしなくても構いませんが、改めて考えてみると、レジ待ちの時間は無駄な時間です。
レジ待ちの時間を失くすことは難しいかもしれませんが、ネットで注文した方が便利という場合もあります。また、レジが混んでいる時間を避けたり、買い物に行く回数を減らしたりすれば、レジ待ちの時間を減らすことができます。
キャッシュレスで支払いをすれば、財布から小銭を出したり受け取ったりする手間が省けます。
時間を気にして生活するようになると、ちょっとした無駄な時間も気になるようになります。あまり神経質になり過ぎるのも問題ですが、日ごろの生活の中に無駄な時間はないか、その無駄は解消できないかを各自考えみるものいいでしょう。
他人との揉め事
時間を無駄しないためには、他人との揉め事はできる限り避けましょう。他人と揉めるには、エネルギーも使いますし、イライラして他のことが手に付かない状態になると、時間も浪費します。
もちろん、自分の意見をしっかり主張すべき場面もあります。何でも「他人の言うがまま」になっておけと言っているわけではありません。ただ、自分の意見を言うにしろ、他人の意見を聞くにしろ、冷静な判断ができる状態で行いたいものです。
冷静な判断をするためのコツとしては、時間を空けることがあります。他人と揉めそうになったときは、一旦その場を離れて、自分も相手もクールダウンすることができる時間を取りましょう。なお、自分に非があって他人と揉めた場合には、さっさと謝ってしまうことが揉め事を早く解決させて、無駄な時間を費やさずに済むコツです。
まとめ
「人生における無駄な時間」について考えてきました。思い当たる点も多かったのではないでしょうか。
無駄な時間を過ごしてしまう大きな原因は、無駄であることを意識していないことです。自分の時間の使い方に無駄があることを自覚して、有意義な時間を過ごすことができるように自分を変えていってください。