能力が低い人の特徴と能力の低い自分から脱するための方法

この記事では、能力が低い人に多い特徴を紹介します。環境によって能力が低いと勘違いしている可能性についても解説していきますので、参考にしてください。

目次

能力の低い人に共通する特徴

ここでは、能力が低い人が共通して持っている特徴を6つ紹介します。

知識量が少ないのに気づいていない

能力がない人は、自分は知識量が豊富だと思っているフシがあります。しかし、実際には、聞きかじったようなごく一部の情報しか持ち合わせていません。特定の分野について話していても話に広がりがなく、少し内容を掘り下げて質問しようものなら怒り出す人もいるほどです。知識に広さも深さもない、それでも本人は知識が豊富だと思っているので、勉強をする熱心さもなく成長が見られないのです。

実体験が少ない

能力の低い人はチャレンジ精神が少なく、実体験が少ない傾向にあります。そのため知識も浅く、広がりを見せないのです。自分の能力を伸ばす・世界を広げるといったことに消極的であると言えます。

プライドが高く、逆ギレしやすい

能力の低い人は、プライドが高く、人に教えを請うことができません。だからといって、知識のない自分が悪いとは思いません。自分のプライドを踏みにじる他人が悪いのです。自分で調べることも相手に尋ねることもしないので、知識は広がらないままです。

ストレスの多さを有能さと勘違いしている

能力の低い人の特徴として、ストレスに対する考え方が歪んでいることが挙げられます。ストレスが多いことを、美徳・有能の証として捉えていて、ストレスが多いことを解決しようとしません。ストレスが仕事の効率を下げることに気づいていないのです。

怒りっぽい・余裕がないことは、抱えているストレスからきていることも多いです。しかし、本人は「自分は有能だから、こんなにたくさんの仕事が回ってくる。仕事が多いからストレスが溜まる」と考えている傾向があります。

仕事量が多いことを有能さと勘違いしている

能力のない人の仕事に対する考え方は、質よりも量です。たくさんのタスクを抱えているほど有能だと信じています。効率よく仕事をさばくこと・ときには他人に頼ることが大切だとは思っていません。忙しさこそ、自分の有能さを示す手段なのです。仕事内容にも興味を示さないため、実際には不要な手順が多すぎる・雑用ばかり任されているという現実も珍しくありません。

失敗を次に生かすことをしない

能力が低い人は、反省する習慣がありません。失敗したら、周りの人のせい・環境のせいです。「今回の失敗の原因はなにか、次はどうしたら良いのか」と内省しないため、成長しません。

環境のせいで能力が低くなっていることもある

能力の低さは、自分の責任ももちろん大きいですが、能力の低い人を作り出してしまう環境があることも事実です。人には向き不向きもあり、モチベーションや自己評価によっても行動は変化します。ここでは、能力の低い人を生み出してしまう環境についてお伝えします。

否定的な発言が多い

洗脳にも近いのですが、「お前は仕事ができない」「うちの会社以外ではやっていけない」「仕事をもらえるだけありがたいと思え」など、否定的な発言が多い環境では、成長できません。自己評価はどんどん低くなり、チャレンジ精神や向上心が削られていきます。

直接自分を否定されるだけでなく、悪口や妬みが多い環境もよくありません。自分が成長することではなく、周りを蹴落とすことに意識が向いているからです。このような環境では、自分の能力を活かすことも成長することもできません。

部下を育てる力や能力を見抜く力が乏しい

「部下が使えない」が口癖の上司がいる環境は要注意です。部下が使えないのではなく、部下を育てる力がないのです。

よく、指示待ち人間、1から10まで教えないとやってくれない、などと表現しますが、責任は部下と上司両方にあります。無能だと判断している社員も、教育さえできればちゃんと育つのです。

理解度や自発性は人それぞれです。よく教えもしないまま、自分で考えて行動してくれ・経営者になったつもりで動いてくれと言っても無理でしょう。

そもそも、目の前にいるのは部下であって雇われの社員です。立場が違うので、同じ目線でモノを見ろと言っても難しいです。

こういった上司は、もともと有能な人・もともと経営者目線を持っている人しか扱うことができません。そして有能な人は、上司が使えないと判断したら転職なり独立なりをして巣立ってしまいます。そして、本来長く会社に勤めてくれるはずの”教育すれば使える社員”は無能のまま育たず、能力の低いチームが出来上がってしまうのです。

物事を捻じ曲げて受けとり、悪意のある評価を下す人が多い

否定的な発言が多い環境に通じるところがありますが、人の言葉をまっすぐ受け取ることができない人がいる環境では、まともに能力を発揮することはできません。

たとえば、

    • わからないことを尋ねれば、「自分で調べることができない無能」

      • 自分で調べていれば「調べている時間が無駄、無能」

      • 定時で上がれば「やる気がない」

      • 残業していれば「時間内に仕事を終わらせられない」

    など、何をしても無能だと決めつけて、その人の本質や価値観を受け入れない環境です。

    こういった環境では、成長はありませんし、何をしても否定されるので自信を喪失していきます。

    自分に合わない業種・上司のもとで働いている

    人には向き不向きがあります。自分の持っている強みを生かせない職場では、能力を生かすことができず、周りから評価されることもありませんし、自分に自信を持つこともできません。

    また、上司との相性も大切です。たとえば、自分で考えて動くことが得意な部下がいたとしても、上司が「指示は自分がする、部下はいうとおりに動いていれば良い」という考えの人であれば、長所が短所として評価されてしまいます。転職サイトのミイダスでも、上司と部下には相性があるとして、相性表が提示されています。

    周りとのレベルが合っていない

    環境に問題があるわけではないのですが、自分と周りのレベルがあまりにかけ離れていることも問題になります。周りが優秀すぎて自分が無能に感じられる・チームの足を引っ張っている気がするという場合には、自分のレベルを引き上げるか、自分に合うレベルの転職先を探しましょう。

    どちらにせよ、周りになんの悪意も欠点もなく、ただ自分の能力の低さが目立つというのは非常にストレスです。自己肯定感やモチベーションにも直結してくるので、すぐに対策を取りましょう。少し環境のレベルを落とすことで自分に自信がつき、結果能力が上がることも十分に考えられます。

    能力の低い人は「自分は能力が低い」と感じない

    実は、能力が低いほど自分に自信を持っているという特徴があります。ここでは、能力が低い人が自信を持っている理由・能力の低さに気づかない理由について解説します。

    能力が低い人ほど自己評価が高い

    デイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーによる実験で証明された事柄に、「能力が高い人は自分を過小評価し、能力が低い人は自分を過大評価する」というものがあります。

    この実験は、あるテストを受けさせた後に自分の順位を予測するというものでした。実際の成績が優秀だった者は実際の順位より下を予測し、成績が低いものほど順位を上だと予測したのです。

    能力が低い人は自身の能力の低さに気づく能力も低い

    ダニングとクルーガーは、能力が低い人が自信を過大評価する理由について、以下のように述べています。

    • 自身の能力が低いことに気づけていない

      • 自身の能力の程度を正しく認識できない

      • 他者の能力を正しく認識できない

    つまり、自覚能力も低いことで、自分の能力の低さにすら気づけないというのです。

    反対に、能力の高い人が自信を過小評価をすることに関しては、「自分が簡単に解けた問題は、他者にとっても簡単だったはず」という考え方に起因しています。

    能力が低い人ほど自身を過大評価する傾向とその問題点

    ここでは、能力が低い人が自身を過大評価してしまう理由と、自己評価が高い人に出会ったときの注意点を紹介します。

    能力が低い人ほど自身を過大評価するわけ

    能力の低い人は、物事を遂行するための能力だけではなく、事実を正しく理解する能力まで低いということが、実験によって証明されています。そのときに行なった実験では、テストの成績をもとに被験者を4つのグループに分けました。実力が高い人から順に、A・B・C・Dです。

    そして、テストの成績を開示する前に、自身のレベルがA~Dのどのグループに属していると思うか尋ねたところ、Dグループの被験者は「Bグループに属している」という自己評価を下したのです。この実験から、能力の低い人は、実際の成績より2段階も上だと勘違いしているという認知のゆがみがわかりました。

    自己評価だけでは本来の能力値は見えてこない

    能力の低い人は、自身を過大評価してしまいます。つまり、謙虚さがないのです。そのため、上司が丁寧に教育をしたとしても「そんな事は言われなくてもできる」と、話を聞かなかったり勝手な行動をとったりすることがあります。

    また、採用試験での落とし穴として人事担当に知っておいてもらいたいことは、自己評価だけでは本来の能力値は測れないということです。面接で、「自分はこんなことを成し遂げてきた」「こんな素晴らしい能力を持っている」と自信満々に話す姿からは、能力の高さが伺えます。

    しかし、実務につかせてみたら物事を知らなすぎる・全く使えないということが多々あるのです。そして、自己評価が高いというのは、プライドが高いことに直結します。矯正したくても聞く耳を持たず扱いづらい、という特徴も持ち合わせているため、本人の評価だけを鵜呑みにはしないほうが良いでしょう。

    仕事への”慣れ”を能力と勘違いしている社員にも注意が必要

    新入社員だけではなく、ある程度立場を持った中堅社員にも、能力を過大評価している人がいます。会社ではある程度勤務年数を重ねると、任される仕事も増えますし、部下もできます。そういった、経験や勤務年数に準ずる変化や仕事への慣れを「自分は有能だから仕事を任せてもらっている」と勘違いしてしまうと厄介です。

    過大評価の一番の問題は、向上心を忘れることです。自分は人よりできると思っているので、失敗を反省しなく、周りの優秀な人から学ぼうともしません。

    能力の低さに気づけなければ仕事がなくなる

    終身雇用制度は終わりを告げ、年金受給年齢も上がってきています。能力が低いことに気づかないままでは、途中で仕事がなくなりかねません。これからの時代には、成長が必要不可欠です。

    自己評価をした時に、自分なら大丈夫・どんな環境でも食べていける・大きな成果をあげられると根拠もなく考えている人は、少し立ち止まって考えてみましょう。能力が低い人ほど過大評価する傾向があるということを意識し、謙虚に学ぶ姿勢・成長する姿勢を取り入れることが大切です。

    能力やスキルの不足の年代別対処法

    能力不足を改善する方法は年代によって違います。ここからは20代の対処法と30~40代の対処法をそれぞれ分けて見ていきましょう。

    20代の若手社員が能力不足を改善する方法

    20代の若手社員の能力不足を改善する方法は3つです。

    1. 優先度をつけて仕事をする
    2. メモの習慣をつける
    3. 上司や先輩に教えてもらう

    1つずつ詳しく見ていきましょう。

    1. 優先度をつけて仕事をする
    仕事に優先度をつけて仕事をすると、効率よく仕事ができるようになります。難しそうに思えますが、仕事によって緊急性と重要性で分けると、自ずと優先度が付けられます。

    緊急性高 重要性高ーーーA
    緊急性低 重要性高ーーーB
    緊急性高 重要性低ーーーC
    緊急性低 重要性低ーーーD

    このように分類をし、Aから順に仕事をこなすと良いです。

    2. メモの習慣をつける
    仕事ができる人の多くはメモを取る習慣があります。人の脳はそこまで優秀ではありません。そう多くのことは覚えられず、すぐに忘れるようにできています。

    だからこそ、メモで忘れても思い出せるようにしておきましょう。メモを取るのも得手不得手がありますが、まずは下手でも習慣をつけるところから始めればいいのです。

    3. 上司や先輩に教えてもらう
    仕事は習うより慣れろとは言いますが、聞いたほうがいい場合もあります。

    自分ができていないことを上司が把握できていればまだいいのですが、把握できていなければ、その部分について教えてもらえません。

    部下のできていない部分によって当然上司のマネジメントは変わってきます。できていない部分がわからなければ、仕事全体の失敗にも繋がる可能性すらあります。

    わからないことをわからないというのは恥ずかしいことではありません。わからないことを素直に聞けば、上司や先輩も丁寧に教えてくれるはずです。

    30~40代の中堅社員が能力不足を改善する方法

    30~40代の社員が能力不足を改善する方法は以下の2つです。

    1. PDCAサイクルを意識する
    2. インプットとアウトプットを高速化する

    1. PDCAサイクルを意識する
    まずPDCAサイクルを意識してみましょう。PDCAとは、

    P:計画(plan)
    D:行動(do)
    C:確認(check)
    A:改善(action)

    の頭文字です。計画をしたあとそれを行動に移し、確認と改善をしてまた新たな計画を立てるというサイクルを繰り返していきます。何のためにそれをして、結果どうしたいのかを明確にしましょう。

    2. インプットとアウトプットを高速化する
    インプットとアウトプットはセットで行いましょう。勉強をして知識を得るのは大切なことですが、それを実践しなければ意味がありません。インプットしたことをアウトプットして、初めて知識は定着します。

    社会人の勉強時間は平均して1日6分と言われています。そんな中で毎日15分勉強をすれば、能力不足を解消するのは難しいことではないでしょう。

    「自分は能力が低い」と思う人が取るべき行動

    本当に能力が低い人は、自分の能力の低さに気づきません。つまり、自分は能力が低いと感じている人の多くは、環境が悪いことが原因です。ここでは、環境の判断基準と自分は能力が低いと悩んでいる人が取るべき行動を3つお伝えします。

    逃げたほうがいい環境とは

    • 理不尽な理由で怒られる

      • 能力云々ではなく人格を否定される

      • 自分の苦手な業種で働いている

      • 精神がやられている

      • 仕事に行くのが嫌で体調を崩している

      • 仕事に一切のやりがい、楽しさを感じない

    否定ばかりの職場・精神衛生上良くない職場からは、逃げたほうが良いです。能力や成長の前に、激しく消耗してしまいます。

    どの会社に行っても同じ事が起きているというのなら自分に原因がないか考えることも大切ですが、環境が悪くて能力が発揮できないというのは往々にしてありえます。今の自分を受け入れてくれる環境・成長させてくれる環境に移動するほうが建設的です。

    気分転換に旅に出るのもあり

    今の環境から逃げたい・精神的に疲弊していてまだ転職に着手できないというのであれば、旅に出るのもアリです。家に引きこもっていても気が滅入りますし、何かしなくてはと焦る原因になります。焦って次の手を決めても良いことはありません。

    旅をしていると、気分転換にもなりますし視野も広がります。また、「旅をするために休んでいるんだ」という理由付けも時には必要です。まずは自分を許し、癒やすことからはじめてみましょう。

    異動を考える

    退職や転職だけでなく、異動も環境を変えるいい手です。

    いくら環境が悪くとも現実問題として、退職も転職もできない場合も少なくないでしょう。だからといって悪い環境にしがみ付く必要はありません。部署や上司が悪いだけで他の部署で能力を発揮できる可能性もあります。

    会社によってはジョブリクエストや、社内フリーエージェントの制度が用意されている場合があるので、自分の会社の制度を確認してみましょう。

    退職して職業訓練に通うのもあり

    今の職場環境が良くないのなら、思い切って退職してしまうのもありです。失業保険がもらえるか・しばらくの生活費はまかなえるかといったことを考えることは大切ですが、転職先を決めてから退職する必要はありません。

    職業訓練でお金をもらいつつ新しいことを学び、未経験の業種に転職するという道もあります。年齢が上がるほど転職が難しくなるのは事実ですが、良くない環境に身を置き続けて倒れてしまったら元も子もありません。進むべき道を1つに絞るのではなく、視野を広くして、逃げ道をできるだけ多く探してみましょう。

    興味がある分野があるなら思い切って転職

    すでに興味がある分野があるのなら、思い切って転職しましょう。興味があるということは、自分にとって心地よい環境・頑張れる分野ということです。我慢して自分に合わない環境で頑張るより、自分が頑張りたいと思える環境に身を置きましょう。

    1社受けて駄目でも、10社受ければ受かるかもしれません。10社受けて駄目でも、50社受ければ受かるかもしれません。未経験や能力不足を理由に、挑戦する前から諦めるのはもったいないです。

    能力がないと思っている人がとるべき行動まとめ

    能力の低い人は、自分の能力の低さに気づかずに過大評価をする傾向がある・自分はデキる人だと勘違いしているからこそプライドが高くて向上心がないという特徴があります。反対に言えば、自分の能力が低いと自覚できている人は、能力が低いのではなく生かせる環境に身を置いていない可能性があるということです。

    過大評価は問題ですが、自分を過小評価して良くない環境に居続けてしまうのも問題です。環境に問題を感じたら転職も視野に入れて行動していきましょう。

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    この記事を監修した人

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