並行輸入品の意味とは?正規輸入品との違いや信頼できる並行輸入店の選び方をご紹介!

みなさんは、「並行輸入」という言葉をご存じですか?

並行輸入は1960年代から行われていましたが、当時は一般の方にはあまり馴染みがありませんでした。

しかし、インターネットが普及し、ネットショッピングの需要が高まってくるうちにだんだんと周知されるようになり、正規輸入と肩を並べるまでになってきました。

そこで今回は、並行輸入の基礎知識をはじめ、並行輸入品と正規輸入品の違いなどについて詳しくご紹介します。

目次

海外輸入の種類

並行輸入について説明する前に、まずは海外輸入の種類について解説しましょう。

海外の商品を輸入する場合の主な流通経路には、「正規輸入」「並行輸入」「個人輸入」の3種類があります。まずは、これらの種類の違いを確認しておきましょう。

正規輸入

正規輸入とは、海外メーカー・ブランドの日本支社や日本代理店によって輸入される経路です。主な流れは以下の通りです。

海外メーカー・ブランド

日本支社や日本代理店

日本の小売店・販売店

消費者

並行輸入

並行輸入とは、日本の代理店などを利用しない流通経路です。海外メーカーやブランドと契約を交わしていない個人や会社が輸入・販売を行います。

正規のルートとは異なる経路で輸入するため、「並行輸入」と呼ばれているのです。並行輸入の主な流れは以下の通りです。

海外メーカー・ブランド

海外の小売店・販売店

海外メーカー・ブランドと無関係の個人や会社

日本の小売店・販売店(または消費者)

消費者

個人輸入

個人輸入は、海外から個人で輸入する経路です。個人輸入には「個人利用を目的とする場合」と「国内販売を目的とする場合」の2種類があります。

「国内販売を目的とする場合」の個人輸入は、個人で行う並行輸入と同じとも言えますね。

個人輸入では、基本的に個人ですべての輸入業務を行わなければならず、トラブルやリスクにも一人で対応しなければなりません。そのため、業務を効率化するために輸入代行業者を利用する方もいます。

並行輸入品の特徴

並行輸入品の最大の特徴は、正規輸入品に比べて価格が安いということです。

正規輸入の場合だと、海外メーカーなどによって商品価格が定められているため、勝手に値引きをすることができません。

しかし、並行輸入品であれば海外メーカーによる規制もなく、価格を自由に設定できるため、正規輸入品に比べて安値で販売できるのです。

並行輸入の歴史(昭和編)

並行輸入は昭和40年代(1960年代)から行われており、様々な変遷を辿っています。ここでは、昭和における並行輸入の歴史を紹介します。

昭和40年(1965年)頃

並行輸入が行われるようになったものの、内国の商標権を侵害する存在として認識される。

昭和45年(1970年)

海外ブランド品の並行輸入に関する判決(パーカー事件判決)において、「並行輸入は実質的違法性がない」という司法判断がなされる。

昭和47年(1972年)

大蔵省より「真正品の並行輸入は商標権の侵害には当たらない」とする通達が出される。

昭和60年(1985年)

急激な円高ドル安が始まり、輸入品が急増する。

並行輸入の歴史(平成編)

平成元年(1989年)

消費税の導入と物品税の廃止により、内外価格差が縮小され、並行輸入の主流商品が衣服やバッグなどに移行を始める。

平成10年(1998年)

プラダの偽造品が市場に多く出回り始めたことから、並行輸入市場の適正化のニーズが高まり、日本流通自主管理協会が発足する。

平成12年(2000年)頃

日本で海外ブランドブームが再燃し、正規輸入店や並行輸入店、リサイクルショップなどで多くのブランド品が販売される。

平成15年(2003年)

最高裁(フレッドペリー事件)において、「商標の同一性」「出所の同一性」「品質の同一性」を満たす並行輸入は商標権を侵害しないとする判決が出される。

このように、最初は商標権を侵害するものとして扱われていた並行輸入品ですが、条件付きながらも最高裁で商標権を侵害しないとする判決が出されるまでになり、輸入形態の一つとして認められるようになったのです。

並行輸入品は安心?

輸入形態の一つとして市民権を得た並行輸入ですが、実はまだまだ安心とは言えない部分を持ち合わせています。

並行輸入品は、海外メーカーとは無関係の個人や会社が輸入しているため、正規輸入品に比べて安全性が劣る場合があるのです。中には、偽物を輸入販売している悪質な並行輸入業者も存在します。

購入前に偽物の判別はできる?

ネットで購入する前に、並行輸入品が偽物であるかを判別できるのでしょうか?

残念ながら、購入前の判別はほぼ不可能です。

偽物商品のクオリティは年々上がっており、見ただけでは判断がつかないほど精巧につくられています。そのため、ネット上で偽物と判断するのはかなり難しいと言えるでしょう。

並行輸入品のメリットとは?

それでは、並行輸入品の主なメリットを3つ紹介しましょう。並行輸入に興味がある方はぜひ参考にしてください。

正規輸入品に比べてとにかく安い

先ほども説明しましたが、並行輸入品は正規品輸入品に比べてかなり価格が安い傾向にあります。

正規輸入品は、海外メーカーやブランドに初めから価格を設定されているだけでなく、ブランドイメージを大切にするあまり、値下げセールなどを大々的に行えない傾向があるのです。

その点、並行輸入品にはそのような価格設定やブランドイメージを守る必要がないため、正規輸入品に比べて安く販売できます。中には正規品の半額近くで販売されることもあり、かなりお得に購入することが可能です。

日本未入荷のアイテムが手に入りやすい

第2のメリットは、日本未入荷のアイテムが手に入りやすいことです。

正規輸入では、メーカーによって国ごとの販売商品が設定されているため、他の国では販売されているのに、日本では購入できない商品などもあります。

しかし、並行輸入であれば販売の規制がないので、メーカーが「日本向けではない」と判断した商品でも自由に輸入できます。そのため、日本未入荷のレアな商品を購入するチャンスがあるのです。

人気商品が手に入る可能性もある

海外ブランドの人気商品は、正規輸入店でもなかなか購入できないことがあります。

その点、並行輸入店であれば、独自の仕入れルートを開拓している場合が多く、人気商品をしっかり確保している可能性も高いのです。

並行輸入品は消費者にやさしい

並行輸入品のメリットは、低価格で購入できたり、日本未入荷アイテムがゲットできたりするだけではありません。その他にも、消費者にやさしいメリットをたくさん備えています。具体的に説明しましょう。

様々な場所で販売されている

正規輸入品は、日本の代理店や、ブランドと契約を交わした店舗からしか購入できません。また、ネット販売を行っていないブランドだと、欲しい商品がなかなか手に入らないということもあるでしょう。

しかし、並行輸入品であれば、近所のデパートやショッピングモール、家電量販店などでも販売されていることが多く、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどの大手ネットショップでも購入可能です。

これなら欲しい商品が手に入る可能性も高まります。

メンテナンス費用を安く抑えられる

正規輸入品の販売店では、そのメンテナンスを日本では受け付けておらず、本国のみで行うとしているところもあります。このような場合、メンテナンス費用がかなり高くついてしまうことになります。

しかし、民間の修理業者と提携するなどアフターサービスがしっかりしている並行輸入店であれば、正規輸入店よりもメンテナンス費用をかなり安く抑えることができるので、商品に不具合が生じたときでも安心です。

とは言え、すべての並行輸入店のアフターサービスが充実しているわけではないので、購入する際は必ずチェックしましょう。

並行輸入品のデメリットとは?

次に、並行輸入品の主なデメリットを2つ紹介します。

偽物を輸入する場合がある

並行輸入品は海外ブランドやメーカーと全く関係のない個人や会社によって行われるため、初めからコピー商品を取り扱う悪質な業者がいることは先ほども説明しました。

しかし、悪質業者だけではなく一般の並行輸入店でも、ブランドやメーカーのチェックが入らないことから、まれに偽物が混じった状態で輸入してしまうこともあるのです。

商品説明が外国語でわかりにくい

並行輸入品の場合、説明書や注意書きが外国語表記のみで、日本語に対応していない場合があります。

世界共通表示が採用されている洗濯方法に関する記載等であればなんとかわかりますが、取り扱いに関する細かい情報が全て外国語で書かれていると、なかなか理解するのが難しいでしょう。

どうしてもわからない場合は、「Google翻‪訳」などの翻訳アプリや、外国語で書かれた内容を撮影するだけで翻訳できる「翻訳カメラアプリ」などを利用することをおすすめします。‬‬‬

購入した並行輸入品が本物かどうか確かめるには?

並行輸入で購入した商品が本物かどうか判別するにはどうすれば良いのでしょうか?

ここでは、その方法をご紹介します。

質屋や買取専門店に持ち込む

まず、質屋や買取専門店に持ち込む方法があります。本物と偽物を毎日見分けているこれらの店舗で買い取ってもらえれば、本物の可能性がかなり高いと言えるでしょう。

ただし、絶対に本物とは言い切れません。なぜなら、本物であると判断できるのは、商品のメーカーやブランドだけだからです。

そのため、これらの店舗の買取価格などを参考にした上で、本物であるかどうかは自己判断するしかありません。

ブランドのアフターサービスに出す

商品のメーカーやブランドのアフターサービスに依頼するという方法もあります。

なぜなら、メーカーなどのアフターサービスは、本物の商品しか対応しないからです。そのため、断られたら偽物であることがわかります。

ただし、本来アフターサービスは、商品のメンテナンスなどを受け付けるサービスであるため、本物か偽物かを確かめる目的で何度も利用することはやめましょう。

信頼できる並行輸入店の選び方

正規品よりも安いうえに、人気アイテムも手に入りやすい並行輸入。とは言え、中には偽物が混じっている場合もあるなど、商品の質に関しては不安を感じることもあります。

安心して商品を購入するためには、信頼できる並行輸入店を選ぶことが大切です。

ここでは、信頼できる並行輸入店の選び方を詳しく解説します。

口コミ・創業年・立地・顧客への対応をチェックする

並行輸入店を選ぶ際には、「口コミ」「創業年」「立地」「顧客への対応」の4つをチェックしましょう。

口コミ

ネット上などの口コミは、実際に利用した方のリアルな意見が反映されているため、店舗の実態を知ることができます。

創業年と立地

「創業年数が長い」または「ライバル店が多い場所に店を構えている」という並行輸入店は、優良店である可能性があります。競合が激しい状況の中でも経営を続けられるということは、消費者が信頼できる環境を整えているからこそです。これは実店舗だけでなく、ネット上の並行輸入店にもあてはまります。

顧客への対応

メールや電話等で問い合わせた場合、商品知識に関する的確な受け答えや、顧客に対する丁寧・親切な対応などが見られる場合は、信頼できる店舗である可能性が高いと言えるでしょう。

大手ショッピングモールに出店している店舗を選ぶ

ECサイトの並行輸入店の場合は、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどの大手ショッピングモールに出店している店舗を選びましょう。

なぜなら、これらの大手ショッピングモールは出店に厳格な審査があり、偽造品販売などの規約違反に対する厳罰化を推進しているからです。

また、利用者数も非常に多いため、ユーザーが安心して購入できる体制がしっかり整っていることも大きな理由のひとつです。

独自のアフターサービスやメンテナンス制度を備えた店舗を選ぶ

独自のアフターサービスやメンテナンス制度がある並行輸入店であれば、顧客が安心して商品を購入できますし、購入後も長く愛用できます。

特に高級ブランドの時計やバッグ、ジュエリーなどを購入する際には、購入後のメンテナンスが重要になってくるので、しっかり確認しましょう。

商品のコンディションやスペックをしっかり確認する

偽物を販売するような並行輸入店に遭遇しないためにも、商品のコンディションやスペックをしっかり確認しておきましょう。

ネット上で購入する場合は、画像だけではわからない部分も多いため、メールや電話などでサイズや形状、色などの他にも、気になったり不安に感じたりする点をどんどん質問しましょう。このとき、誠意のある対応を見せない店舗は避けることをおすすめします。

購入前に商品の相場を確認する

並行輸入品の価格は正規品よりも安く設定されることが多いですが、反面マーケットの相場に左右されやすく、定価を上回ることもあります。

中には定価よりも不当に高く販売する悪質な店舗もあるため、購入前に商品の相場価格を必ずチェックしておきましょう。

並行輸入品は信頼のおける店舗から購入することが重要

今回は、並行輸入品の基礎知識やメリット・デメリットなどについて詳しくご紹介してきました。

並行輸入品は、海外メーカーやブランドと契約を交わしていない個人や会社が輸入・販売を行う商品です。正規輸入品よりも価格が安く、日本未発売モデルなども手に入る可能性があるなど非常に魅力があります。

しかし、まれに偽物が紛れ込んでいる可能性があるなど正規輸入品に比べ安全性が劣ることがあるため、信頼のおける並行輸入店から購入することが重要です。

今回ご紹介した情報を参考にして、ぜひ安心・安全に並行輸入品を手に入れてください。

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この記事を監修した人

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