仕入れ伝票とは?伝票制の必要性と効率化を徹底解説!

仕入れ伝票とは、商品の仕入取引を記入するための伝票です。

仕入れ伝票は、

  • 売上の原価管理
  • 取引先との信頼関係に大切な支払の管理
  • ご商売にとって重要な資金繰りの管理

につながります。

今回は店舗経営に欠かせない仕入れ伝票・売上伝票など、伝票制の必要性と効率化について解説します。

目次

仕入伝票の特徴

仕入伝票は、仕入取引を記入するための伝票です。

伝票式会計には、

  • 一伝票制
  • 三伝票制
  • 五伝票制

があります。

そのうち、五伝票制を採用している場合に仕入伝票が使用されます。

仕入取引で使用される伝票になりますので、借方の勘定科目は仕入です。

仕入の支払いは、現金や掛、支払手形がありますが、仕入伝票の場合は必ず買掛金で処理するのが特徴です。

例1)商品を3,000円で仕入れ、代金を掛けとした。

この場合、仕入伝票には下記のように記載します。

[仕入伝票]
商品名3,000円

<仕訳>

借方金額貸方金額
仕入3,000買掛金3,000
例2)

・「仕入先から商品を現金で購入し、5,000円を支払った。」この場合、五伝票制を採用している場合は、仕入伝票に買掛金に対する仕入金額を記載し、出金伝票に買掛金を現金で支払ったことを記載します。

[仕入伝票]
商品名5,000円
[出金伝票]
買掛金5,000円

<仕訳>

・仕入伝票

借方金額貸方金額
仕入5,000買掛金5,000

・出金伝票

借方金額貸方金額
買掛金5,000現金5,000

五伝票制を採用し、仕入伝票を使用する場合は次の流れになります。

仕入先から購入した商品の支払い方法が現金や支払手形であっても仕入伝票に記載し、いったん買掛金として処理してください。その後、すぐに現金または支払手形で支払いを済ませたものとして伝票を起票します。

仕入伝票とは?

仕入伝票は、取引先から商品を仕入れた時に記入する伝票です。

五伝票制で使用する伝票の一つになります。

伝票と請求書の違いとは?

伝票と請求書はよく間違えられることがあります。

伝票は、商品の販売やサービスの提供により、取引先から入金された際に発行します。入金や出金により、実際の資産が増減した時点で起票します。

一方、請求書は、商品やサービスを提供した後に、まだ入金が完了していない段階で発行します。伝票とは異なり、発行されたときには、必ずしも金銭のやり取りは発生していません。また、請求書は手元に保管するのではなく、取引相手に送付するという点も伝票と異なります。

伝票を使用するメリット

伝票を使用するメリットとして、次のような点が挙げられます。

・簿記の知識は必要ない

伝票は、用意されてある簡単なフォーマットにしたがって、必要な項目を記入するだけで、取引を記録することができます。簿記の専門的な知識を持っていない人でも、正確な処理をすることができます。

・作業を分担することができる

伝票では、それぞれの担当者が起票し、経理担当がまとめて総勘定元帳に転記します。したがって、仕分け作業を分担することができます。

・照合や集計などの作業負担が減る

伝票を勘定科目ごとに分類することで、照合や集計の作業負担を軽くすることができます。

・修正が容易である

伝票は、各取引ごとに分かれて記載されているため、調整や書き直しをすることが容易です。

・効率よく決算書を作成することができる

伝票は、勘定科目ごとに総勘定元帳に転記されます。したがって、効率よく決算書を作成することができます。

仕入伝票の使用に向いている商売とは?

五伝票制で使用する五つの伝票は、下記の通りです。

  • 入金伝票
  • 出金伝票
  • 振替伝票
  • 仕入伝票
  • 売上伝票

三伝票制は、入金伝票、出金伝票、振替伝票を使用します。

五伝票制では、三伝票制で使用する伝票に、仕入伝票と売上伝票が加わっています。

五伝票制は、三伝票制にくらべて使用する伝票の種類が多い分、総勘定元帳に転記する手間を減らすことができます。

転記の手間が減る分、効率的に経理業務を進められますので、

  • 掛け売りや掛け仕入の多いご商売
  • 仕入取引の多いご商売

に向いています。

仕入伝票の書式

仕入伝票の記載方法は次の通りです。

  • 日付:仕入取引をした日付
  • ________様:仕入先の会社名または商店名
  • 品名:仕入れた商品
  • 数量:仕入れた商品の個数
  • 単価:仕入れた商品の単価
  • 金額:数量×単価
  • 摘要:仕入取引で記載すべき事項があれば記入

仕入伝票の基本的な形式は上記のようになります。

仕入伝票で起票した仕訳の方法

先にも述べましたが、仕入伝票は借方を買掛金で処理します。

現金決済の仕入取引でも、いったん買掛金で仕入伝票を起票するようにしてください。

仕訳は次のようになります。

[仕入伝票を起票した時]
借方科目金額貸方科目金額
仕入***買掛金***
[現金で支払いをし、出金伝票を起票した時]
借方科目金額貸方科目金額
買掛金***現金***

伝票の役割を理解することは取引実務の基本

伝票には様々な種類があり、役割があります。

ご商売の特徴によって、採用する伝票制にも違いがありますし、使用する伝票の種類も異なります。

伝票の起票は、日々の実務の流れの中で欠かすことができません。

各伝票の役割をしっかり理解し、効率よく処理して経営に活かしていきましょう。

伝票制の利点

伝票は、取引の証拠となる大切な書類の一つで、必要最低限の取引内容が記載されています。

重要な取引情報が記載されているので大切に保管されます。

伝票を日付順に並べれば仕訳帳になります。さらに伝票を勘定科目ごと、日付順に並べれば総勘定元帳と同様の役割を持つことになります。

さらに、伝票の便利な点として、取引先別に管理することができます。

なので、取引先の伝票の管理および総勘定元帳への転記を各取引担当者が行うことが可能になります。

なぜ、総勘定元帳への記帳が必要なのか?

税務上、業務に関わる金銭の取引は全て帳簿に記載し、一定期間の保存が義務付けられています。その帳簿が、総勘定元帳です。

総勘定元帳は、金銭の取引を日付順に記載した仕訳帳が元になります。

仕訳帳に記載された内容を勘定科目別・日付順に記帳したものが総勘定元帳として保管されます。

ここで問題点が生じます。

仕訳帳は一冊しかない上、時系列で記載することが原則のため、記載順が前後した場合の調整や修正で手間がかかってしまいます。事業の規模が大きくなれば取引件数も多くなりますので、なおさら不具合が生じます。

そのため、仕訳帳から総勘定元帳へ転記するという流れは、実務ではほとんど採用されません。伝票制を採用するほうが、効率的だからです。

伝票の種類を把握しておきましょう

伝票には5種類あります。

  1. 入金伝票
  2. 出金伝票
  3. 振替伝票
  4. 仕入伝票
  5. 売上伝票

大まかに分類してみましょう。

◆現金の増減に関わる伝票

これは、実際に商品の売買があって現金の出し入れがあった、または予約などで商品の出荷は先だが前受金として現金を受け取ったなど、現金の出し入れが行われた際に起票される伝票で、入金伝票と出金伝票があります。

1)入金伝票

商品を現金で売った時など、会社に現金が入ってきた時に起票される伝票です。

2)出金伝票

仕入商品や消耗品などを買って会社から現金が出ていった時に起票される伝票です。銀行に現金を預け入れした時にも出金伝票を起票します。

◆現金が関わらない取引に関わる伝票

振替伝票がこれに含まれ、借方・貸方・取引内容・金額の全てが記載されます。

3)振替伝票

手形や掛け仕入、掛け売上なと、現金が関わらない取引が発生した時に起票される伝票です。

注)
一伝票制では、一般的な振替伝票とは区別して「仕訳伝票」と呼ばれています。

現金取引も含めた全ての取引について振替伝票を起票するためです。

◆五伝票制で使用される伝票

仕入伝票と売上伝票は五伝票制で使用される、仕入と売上の増加を起票する伝票です。

仕入や売上の取引が現金のみではなく掛仕入や掛売上が定期的または頻繁に行われている場合は、決済が翌月以降になることが多々あります。

このような場合は、振替伝票を使用すると伝票処理が煩雑になります。

日常的に行われる取引を買掛金または売掛金として処理する、つまり仕入伝票と売上伝票を起票することで経理業務を効率よく進めるために使用します。

4)仕入伝票

商品を仕入れた時に起票します。相手の勘定科目は買掛金になります。

5)売上伝票

商品を売り上げた時に起票します。相手の勘定科目は売掛金になります。

3種類ある伝票制

伝票制には、

  • 一伝票制
  • 三伝票制
  • 五伝票制

の3種類があります。

企業には、商品の売買取引が多い企業、商品の売買取引でほとんど現金を取り扱わない企業など様々な形態があります。

取引の形態によって、使用する伝票の種類も異なるため、伝票制も3種類に分かれます。

[一伝票制]

「仕訳伝票」を使用する方法です。

全ての取引を仕訳伝票に記入し、仕訳伝票のみから総勘定元帳に転記するのが一伝票制です。

仕訳伝票作成時には仕訳を記入するため、振替伝票とほぼ同じ役割をもっています。

利点は、仕訳帳を記入する手間を大きく省くことができる点です。

[三伝票制]

  1. 入金伝票
  2. 出金伝票
  3. 振替伝票

の3種類の伝票を使用する方法です。

これら3種類の伝票から総勘定元帳に転記をします。

「入金伝票」「出金伝票」には現金で入出金があった取引を記入し、その他の取引は「振替伝票」に記入します。

利点は、現金での入出金を「入金伝票」と「出金伝票」に分けて記入するので、一伝票制よりも総勘定元帳に転記する際の手間を減らすことができる点です。

[五伝票制]

  1. 入金伝票
  2. 出金伝票
  3. 振替伝票
  4. 仕入伝票
  5. 売上伝票

の5種類の伝票を使用する方法です。

これら5種類の伝票から総勘定元帳に転記をします。

三伝票制に含まれている商品仕入と商品売上を「仕入伝票」「売上伝票」に細分化して伝票記入を行います。

商品売買のうち、掛売上・掛仕入での取引が多い企業、小売業など日々の仕入取引が多い企業に向いています。

利点は、三伝票制よりも伝票が細分化されることで、総勘定元帳に転記する際の手間も減らすことができる点にあります。

会計伝票の基本を身につければ、日常業務も効率よく進む

昨今では、会計ソフトを導入している企業が多くなりました。

会計ソフトは便利ですが、仕訳を自動入力するわけではありません。

仕訳入力された数値を、計算し集計をするのが主な役割です。

入力した仕訳が間違っていれば、間違ったまま計算され、集計されます。

会計の法則を理解すれば、仕訳入力の間違いも無くなり、入力もスピーディになりますので、会計ソフトがより経営に役立ちます。

会計伝票の基本はシンプルなものです。

ぜひ会計伝票の基本を身につけて日々の業務に活かしてください。

現金の増減があったら必ず起票する[入金伝票と出金伝票]

[入金伝票の基本]

商品の販売やサービスの提供による売上など、現金が増えたときに使用します。

また、予約などで前受金を現金で預かった場合も入金伝票を起票します。

例)○○会社に2,000円の商品Aを現金で販売した。

●入金伝票の記載事項

日付入金先相手勘定科目摘要金額
__月__日○○会社様売上商品A2,000円

●入金伝票の仕訳(*現金が必ず借方になります。)

借方金額貸方金額摘要
現金2,000円売上2,000円○○会社 商品A

[出金伝票の基本]

仕入や経費の支払など、現金が減ったときの全ての取引で起票します。

例)○○会社から文房具Bを購入し、3,000円を現金で支払った。

●出金伝票の記載事項

日付入金先相手勘定科目摘要金額
__月__日○○会社様消耗品費文房具 3,000円

●入金伝票の仕訳(*現金が必ず貸方になります。)

借方金額貸方金額摘要
消耗品費3,000円現金3,000円○○会社 文房具B

現金取引以外の掛仕入・掛売上が多い会社におすすめの[仕入伝票と売上伝票]

[仕入伝票の基本]

仕入取引で掛けが多い場合は五伝票制を取り入れ、仕入伝票の利用をおすすめします。

仕入伝票の相手勘定科目は必ず買掛金になりますので、現金で仕入取引があった場合は、いったん買掛金で計上してからすぐに現金で支払いをしたとして処理をしてください。

例)○○会社から20,000円の商品Aを掛けで仕入れた。

●仕入伝票の記載事項

日付入金先品名数量単価金額摘要
__月__日○○会社様商品A 120,000円20,000円

●仕入伝票の仕訳(*相手勘定科目は必ず買掛金になります。)

借方金額貸方金額
仕入20,000円買掛金20,000円○○会社 商品A

[売上伝票の基本]

売上取引で掛けが多い場合は五伝票制を取り入れ、売上伝票の利用をおすすめします。

売上伝票の相手勘定科目は必ず売掛金になりますので、現金で売上取引があった場合は、いったん売掛金で計上してから、すぐに現金で入金があったとして処理をしてください。

例)○○会社に商品Aを30,000円で販売した。入金予定日は翌月の15日となった。

●売上伝票の記載事項

日付入金先品名数量単価金額摘要
__月__日○○会社様商品A 130,000円30,000円翌月15日入金予定

●売上伝票の仕訳(*相手勘定科目は必ず売掛金になります。)

借方金額貸方金額
売掛金30,000円売上30,000円○○会社 商品A

左右の合計金額が必ず同額になる[振替伝票]

[振替伝票の基本]

現金の収支を伴わない取引があった時に振替伝票を起票します。

仕入伝票と売上伝票を使用しない三伝票制を採用した場合に、掛け取引を記入するために使われます。伝票の書式にもよりますが、振替伝票は仕訳伝票(仕訳帳)とほぼ同じ構成となります。

例)先月、○○会社から商品A20,000円を掛けで仕入れた。今月、預金から買掛金20,000円を支払い、振込手数料が648円かかった。

●振替伝票の記載事項(*消費税処理は除いています)

【仕入をした時】

日付金額借方科目摘要貸方科目金額
__月__日20,000円仕入○○会社 商品A買掛金20,000円
----------------------------------------------------------------------------------------
20,000円合計20,000円

【買掛金を支払った時】

日付金額借方科目摘要貸方科目金額
__月__日20,000円買掛金○○会社 商品A普通預金20,000円
648円支払手数料振込手数料普通預金648円
----------------------------------------------------------------------------------------
20,648円合計20,648円

伝票の記載内容は、2W2Hを必須としましょう。

伝票には5種類ありますが、どの伝票にも最低限書き込む内容があります。2W2Hです。

  • When いつ(日付)
  • What なにを(仕入伝票の起票は「仕入」、出金伝票の場合は「現金」など)
  • How much いくら(金額)
  • How どうした(仕入伝票の場合は「掛け(買掛)で仕入れた」、出金伝票の場合は「支払った」など)

取引情報を記入する際に、内容をルール化することはとても大事です。

内容をルール化しておくことは、伝票の起票から仕訳までの流れの中で発生しがちな間違いを最低限に抑えることができます。

最終的に総勘定元帳への転記がスムーズに行われ、業務の効率化につながります。

振替伝票の効率的な利用方法

事業主は忙しい毎日を送る中、日々の取引状況を把握するため、帳簿に記録する必要があります。その帳簿が仕訳帳です。

仕訳帳は、会社の経営に関わる取引を仕訳して日付順に記録してくため、現金収支・掛仕入・掛売上などの全ての取引が一つにまとまってしまい、修正や調整が困難です。

取引が多くなっていけば、仕訳帳一つでの管理は難しくなり、間違いを招くことにもつながります。

そうならないために、様々な取引について、伝票を使用して管理することをおすすめします。

伝票を使えば、取引ごとの記録を管理しやすくなりますし、伝票の順番の入替等が発生した際もスムーズに入れ替えができるようになります。多くの事業所が、日々の取引を伝票で管理しながら、最終的に総勘定元帳へ転記する際に伝票から転記するという方法をとっています。

取引によって、使用する伝票は様々ですが、ここでは振替伝票について解説します。

振替伝票の基本

振替伝票は、仕訳帳を伝票に効率的に置き換えたものです。

仕訳帳をバラバラにしたものが仕訳伝票になりますが、同じ状態に近いものが振替伝票です。

振替伝票には、借方と貸方の勘定科目を自由に記入できるという利点があります。

振替伝票の記入方法

振替伝票に記入する項目は次の通りです。

・日付

取引が行われた日付を記入します。

・金額

取引の金額を記入します。

・借方科目

仕入や人件費・経費など、仕訳で左側に記入される勘定科目です。

・貸方科目

売上や営業外収支など、仕訳で右側に記入される勘定科目です。

・摘要

取引の内容や相手先、品名などの詳細を記入する箇所です。

*振替伝票では、借方の合計金額と貸方の合計金額は同額であることがルールです。

振替伝票は効率よく起票しましょう

振替伝票は手書きにこだわる必要はありません。

取引内容が正しく記録されていることが重要です。

パソコンを利用したほうが間違いが無いようであれば、パソコンを使用してください。

データベースを作成して入力をしたり、毎月必ず発生する取引に対しては定型書式を作成して起票するなど、業務を効率よく進めることができます。

振替伝票は本当に必要か?

振替伝票は、必ず起票しなければいけないということはありません。

日常業務において、振替伝票の起票が必要ないのは次のような場合です。

・仕訳帳だけで日常業務に問題がない

仕訳帳に日常取引をしっかり記入し、総勘定元帳に転記できているのであれば、振替伝票の起票は必要ありません。

・会計ソフトを導入している

日常業務を仕訳入力できていれば仕訳帳に集計されますし、総勘定元帳への集計もされていますので、振替伝票の起票は必要ありません。

手書きで仕訳帳を記入していても、取引が多くなり総勘定元帳への転記が困難になった場合は、振替伝票を使用して管理することをおすすめします。

正確な伝票処理は店舗運営の基本

店舗を開業したばかりの頃は、「事務作業が多すぎて大事なお店の運営に手が回らない」ことがあったり、「接客に1日のほとんどを費やし、事務作業に手が回らない」という状況になることがあります。

事務作業の大半は「伝票処理」です。伝票処理を効率的に行うことができれば、決められた時間内で事務処理を終えることができるようになります。

伝票処理の効率化を通して店舗運営にとって重要な資金繰りを正確に把握し、今後の経営に役立てていきましょう。

店舗運営の経理業務で採用される伝票制とは?

伝票処理とは、日常行われる取引情報をメモする事務作業です。メモする紙が伝票です。

伝票には、店舗運営で発生した取引を記入します。

大まかに分けると、下記の4点です。

  1. 現金・預金の入出金
  2. 商品の増減
  3. 仕入・売上などの取引
  4. 経費の支払い

伝票の記入には、取引が発生した関係者間での責任の所在や、連絡を明確にする目的もあります。

伝票を記入するための方法は、三伝票制と五伝票制のどちらかを採用することがほとんどです。

・三伝票制

  1. 入金(入金伝票)
  2. 出金(出金伝票)
  3. それ以外(振替伝票)

・五伝票制

  1. 入金(入金伝票)
  2. 出金(出金伝票)
  3. 仕入(仕入伝票)
  4. 売上(売上伝票)
  5. それ以外(振替伝票)

現金での取引が多い業種は三伝票制掛け取引が多い業種五伝票制を採用することをおすすめします。

伝票の種類を把握して正しく使い分けましょう

取引の内容によって使用する伝票は異なります。

1)現金の増減を記入する伝票

  • 入金伝票
  • 出金伝票

2)売上・仕入の増減を記入する伝票

  • 売上伝票
  • 仕入伝票

3)仕訳帳のような記入ができる伝票

  • 振替伝票

*三伝票制では1)以外の取引を記入します。

*五伝票制では、1)と2)以外の取引を記入します。

現金の増減・入出金があった時に使用する伝票

◯入金伝票

現金が増加した時に記入する伝票です。

仕訳では、右側の借方科目が必ず現金になります。

例)

・売上:商品が売れた時、サービスを販売した時に現金で入金があった時

・前受金:商品やサービスの予約で事前に現金で入金があった時

など。

◯出金伝票

仕入や経費の支払いなど、事業に関して現金が支出された時に記入する伝票です。仕訳では、左側の貸方科目が必ず現金になります。

例)

・仕入:現金で仕入商品を購入した時

・消耗品費:事務作業に必要な文房具を購入した時

など。

掛け売上・掛け仕入れが多くなってきたら使用する売上伝票・仕入伝票

日々の店舗運営では、現金取引が行われないケースもあります。掛け売上や掛け仕入です。

現金で取引がされないので、入金伝票や出金伝票は使用できません。こういった取引に使用されるのが「売上伝票」と「仕入伝票」です。

・売上伝票

売上の入金が翌月になるなど、売掛金で取引する場合、伝票に科目を記入する箇所はありません。相手科目が必ず売掛金になるため、仕訳では右側の借方科目が売掛金になります。

・仕入伝票

仕入の支払いを翌月にするなど、買掛金で取引した場合、伝票に勘定科目を記入する箇所はありません。相手科目が必ず買掛金になるため、仕訳では左側の貸方科目が買掛金になります。

振替伝票は科目の設定が自由

振替伝票は、科目を自由に設定できます。

三伝票制では現金の入出金以外の全ての取引、五伝票制では現金の入出金・掛け仕入・掛け売上以外の全ての取引を起票することができます。

まとめ

店舗運営をより良く展開することは、顧客満足度にも繋がり、売り上げアップにも繋がります。そのためには、経理業務を効率良くこなし、日々の経営に役立つ数値を正確に捉えることが重要になってきます。

これを機会に、ぜひ経理の基本について見直していただき、次なるステップにつなげてください。

もし、店舗運営が忙しく、社内で伝票整理など事務作業の時間を取るのが難しい場合は、税理士に相談することも検討してください。

税理士の中には、税務申告の他、経理業務の効率化に関わる記帳代行などを行なっている人もいます。

また、記帳代行などに関して具体的な提案をしてくれる税理士事務所もあります。

御社にとって、一番有益な方法を選んで利益アップにお役立てください。

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この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
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