個人輸入で消費税がかからなかった条件を解説

日本国内での買い物には消費税がかかることはご存知だと思いますが、海外から商品を輸入する時も消費税がかかることがあります。

この記事では、輸入の際の消費税について解説します。

目次

消費税とは

まずは、消費税がなぜ運用されているのか解説します。

商品やサービスにかかる税金

消費税は、私たちが商品やサービスを購入した場合に課される税金です。消費税の徴収は平成元年から始まり、最初は3%でした。2019年10月より8%から10%に増税しました。

消費税は、消費者である私たちが商品購入時に支払い、納税義務者が国へ納める仕組みになっています。

消費税がかかる場合・かからない場合

消費税は商品やサービスの販売だけでなく、商品の運搬費用や広告など、金銭のやり取りが発生する取引の多くに課されます。海外から輸入する商品に対しても課税されることが多いです。

消費税の対象となる取引は以下の4種類です。

・日本国内で行う取引
・個人事業主や法人などの事業者が行う取引
・代金を支払うなど、対価を伴う取引
・不動産などの資産を他人に貸し付ける取引

消費税のかからない取引もあります。例えば、市役所で住民票や戸籍謄本の写しを発行してもらっても消費税はかかりません。またあまり知られていませんが、埋葬や火葬の対価も消費税の対象外です。

消費税は何に使われるのか

消費税は主に年金や医療、介護などの社会福祉事業の財源に割り当てられています。最近では、少子化対策に消費税が活用されているとニュースで報じられました。

地方消費税について

消費税は10%のうち2.2%が地方消費税です。地方消費税は国ではなく各自治体に還元され、地域の活性化にも役立っています。

個人輸入の場合の消費税について

個人で海外製品を輸入する際の消費税について解説します。

消費税の内訳

海外商品を個人輸入すると、原則消費税が課税されます。税率は日本国内と同じく10%で、内訳も内国消費税7.8%、地方消費税2.2%です。

消費税納付のタイミング

輸入した商品を引き取る際は輸入申告を行いますが、この時に関税と併せて消費税を支払います。商品の輸入を認定通関業者に委託している場合は、納付タイミングを商品引取後にすることができます。

輸入ビジネス以外にも、商品やサービス提供事業を展開している場合は、年に1回まとめて納付します。

個人事業主や法人などの事業者が消費税を納付する場合は、複数の納付方法が選べます。銀行口座払いやネット上からの電子納税だけでなく、クレジットカードでも納税できるようになっています。

海外製品を輸入する際の消費税の納付

海外製品を輸入する際には、関税や消費税の手続きを行う必要があります。個人輸入でも同じように手続きが必要です。

しかし、国際輸送を行う業者が消費税の納付を代理で行ってくれる事がほとんどのため、消費税の計算を個人的に行う必要はなく自宅に商品が届いた時に払うだけで消費税の納付は完了になります。

消費税納付の延長

消費税の納付期限は延長できます。申請書を税関長に提出し、許可されれば最長3ヶ月間納付期限を延長してもらえます。

免税の条件

課税金額が1万円以下の商品は免税となり、かからなかった場合があります。

ただし免税対象にならない物品もあるので、事前に消費税がかからなかった商品の調査は必須です。具体的な免税対象商品は税関のホームページで確認してください。

参考:税関

輸入にかかる税金

商品の輸入にかかる税金について解説します。海外から商品を購入する予定のある方は、確認しておいてください。

従価税とは

従価税は、輸入品の価格を標準として課される税金です。

輸入する商品の価格によって課税率が変わります。例えば、日本円で1万円のコートを購入した場合に5%の関税がかかるとすると従価税は500円です。

しかし、円高で1万2千円で購入することになった場合、従価税は600円に増えてしまいます。このように、円安・円高といった為替の変動に左右されるのが従価税の特徴です。

従量税とは

従量税は、関税の中でも商品の重さや容量を基準に課される税金です。

為替の変動に税額が左右されることはありませんが、重さや容量のある商品を輸入すると税金が高くなってしまいます。例として、酒類やジュースなどを輸入する際は従量税に注意が必要です。

混合税とは

混合税は、従価税と従量税のうちどちらかが適用される関税です。

混合税についても必ず税関のホームページで確認しておきましょう。インターネット上で公開されている混合税の計算ツールを利用すれば、簡単に税額が計算できます。

参考:混合税の計算ツール

簡易税率とは

輸入する物品の課税価格(関税の対象となる価格)の総額が20万円以下の場合は、簡易税率が適用されます。簡易税率は一般の関税率とは異なります。

例えば、トマトソースの関税率は20%で、ゴムや紙製品に関しては無税になります。具体的な税率は以下のサイトでチェックしてください。

参考:少額輸入貨物の簡易税率

個人輸入で消費税がかかった場合とかからなかった場合

個人輸入において海外で購入した商品に消費税がかかるケースと、かからないケースの違いを解説します。

1万円以下なら免税対象

個人で商品を輸入する場合は、貨物内の商品の合計金額が1万円以下なら免税対象となり消費税はかかりません。

注意点として、正確には海外での購入金額に0.6をかけた金額が1万円以下なら免税対象になります。

例えば、4,000円・5,000円・3,000円の商品を購入したとします。合計すると1万2千円で1万円をオーバーしますが、0.6をかけると「12,000×0.6=7,200円」となり免税対象になります。

免税の手続き方法

免税を受けるには、海外で商品を購入する際にパスポートを見せて免税書類を発行してもらいます。出国時に税関でパスポート・免税書類・購入した商品を見せましょう。

払い戻し方法は数種類ありますので便利です。

個人輸入で私的使用の場合のみ消費税がかからなかった

海外での購入金額に0.6をかけた金額が1万円以下なら免税対象というルールは、個人使用目的の場合の個人輸入のみに適用されます。

海外の製品を国内で転売する目的がある個人輸入の場合は免税対象となりません。

事業として輸入する場合

事業として輸入する場合では、「CIF価格」と「関税」を足した合計が課税価格となり、この金額が1万円以下であれば個人輸入と同様に免税対象となります。

「CIF価格」とは商品の価格に加え、運賃や保険料といった輸送に関わる費用も含めたものです。

事業で輸入した場合の消費税の計算

消費税は「(CIF価格+関税額)x0.1」で求めることができ、関税額は「CIF価格x関税率」で求めることが可能です。例えば以下のような条件で消費税を計算してみましょう。

・商品価格:4,000円

・国際配送料:1,000円

・海上保険:3,000円

・関税率:2%

まず商品価格と配送料・保険料を足してCIF価格を出すので「4,000円+1,000円+3,000円=8,000円」となります。

課税価格が分かったら次に関税額を求めるので「8,000円x2%=160円」となります。関税額が分かったら「(8,000円+160円)x0.1=816円」が消費税ということになります。

ここまで計算の例をご紹介しましたが、実際に消費税を計算するのは業者が行ってくれるので輸入者は大体の価格だけ把握しておけば問題ありません。また端数を切り下げたり、地方消費税によって、額が変わる可能性があります。

輸入する際の注意点

商品やサービスを海外から購入する時の注意点を解説します。

インターネット上のサービスは非課税

平成29年より、インターネット上のサービスは非課税になりました。

音楽や映画を気軽に購入できるようになりましたが、インターネット上のサービスに関しては法改正がたびたび行われるので、定期的にチェックしておきましょう。

輸入した商品を返品した場合

輸入した商品を返品する場合は、支払い済みの関税と消費税を還付してもらえます。ただし、関税や消費税を支払ってから5年以内に請求しなければなりません。商品を返品した場合は、ただちに手続きしましょう。

関税と消費税の支払いに注意

転売初心者の場合、商品を大量に購入しすぎて関税と消費税が払えなくなるミスを犯しがちです。商品金額の30%に関税が課されるケースもあるため、資金が十分にないうちは購入しすぎに注意しましょう。

輸入する時期に注意

年末年始は海外から日本へ入ってくる商品の量が増えます。そのため、通常よりも通関業務に時間がかかります。輸入するなら、年末年始は避けたほうが無難です。

消費税がかからないように工夫しよう

個人使用目的で商品を輸入する場合だと、商品の金額が1万円以下なら消費税はかかりません。

関税や消費税の支払いを回避したい場合は、1回の購入金額が1万円以下になるように調整しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

目次