どんな商品なら売れるのか。これから流行るものは何なのか。どんなサービスを扱えば集客できるのか。
ビジネスを行うにあたっては、このようなテーマと常に向き合っていく必要があります。
その解決法の一つが、世の中のトレンドを追うことです。
トレンドには今の世の中で人々が求めているものが反映されているからです。
そこで今回の記事では、2022・2023年のトレンドを振り返りつつ、2024年のトレンド(流行り)を予想していこうと思います。
人々のニーズを捉えたビジネスを手掛けるためのヒントとしていただければ幸いです。
2023年の流行とこれからの流行りは?2022年〜2023年話題の各ジャンル別トレンドワード3選
新型コロナウイルスの影響で人々の生活様式が大きく変わった2022年~2023年は、新しい習慣に合わせた商品やサービスが数多く誕生しました。
ここでは2022年~2023年の話題を振り返るべく、人物・言葉・アプリ・モノとジャンルを分け、各ジャンルのトレンドワードを3つずつご紹介します。
【2023年の流行りとこれから流行るもの】人物編
・村上宗隆
2000年生まれ、熊本県出身のプロ野球選手で現在東京ヤクルトスワローズに所属しています。2004年の松中信彦さん以来18年ぶり・通算8人目(12度)の打撃三冠王のタイトルを史上最年少で獲得し、王貞治さんを抜く日本人登録選手・左打者によるシーズン最多記録を更新する56本のホームランを放つなど大活躍を遂げました。
・錦鯉(長谷川雅紀,渡辺隆)
お笑いコンビ・錦鯉は2021年12月19日に行われたM-1グランプリで優勝しました。長谷川雅紀さん(当時50歳)と渡辺隆さん(当時43歳)のコンビは史上最年長の優勝者として注目を集め、独特のキャラと面白さが人気を博し、バラエティ番組でも引っ張りだこでした。
・伊藤沙莉
伊藤さんは、1994年生まれの女優で2003年に子役として芸能界デビューを果たしました。2018年にお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介さんの妹であることを明かし、2022年2月には兄妹で共演して話題を集めました。また、18歳年上である演出家の蓬莱竜太さんとの交際を明かしたり、誤解を生むような表現で読者を釣ろうとしている自身に関する芸能記事に対してキッパリと自分の意見を述べるなど、X(旧Twitter)上で64.8万人ものフォロワーを集める人気の存在となっています。勿論、本業でも以前に増して注目され、「SSFF & ASIA 2022 オフィシャルコンペティション supported by SONY ジャパン部門 ベストアクターアワード」を獲得しています。
【2023年の流行りとこれから流行るもの】言葉編
・村神様
東京ヤクルトスワローズ所属の村上宗隆選手が、史上最年少の打撃三冠王タイトルの獲得、日本人および左打者としてのシーズン最多本塁打記録更新、チームとして2年連続のリーグ首位及び日本シリーズ進出に大きく貢献するなどしたことで、名字である「村上」とかけた「村神様」が話題になり、2022年の流行語大賞に選ばれました。
・キーウ
ロシアがウクライナに侵略戦争を仕掛けたことを受け、ウクライナの首都はロシア語の「キエフ」と表記されていましたが、ウクライナ語読みの「キーウ」という表記に代わりました。同じく、「チェルノブイリ」は「チョルノービリ」となりました。
・タイパ
タイムパフォーマンスの略で、時間的効率のことをいいます。時間の浪費を嫌い、動画の倍速再生や違法ファスト映画が流行しました。「タイパ」は主に若者言葉と思われていましたが、三省堂「今年の新語 2022」において、上の世代からの「評論用語」「上から目線」の言葉という指摘があり、幅広い世代に使われていることがわかりました。
【2023年の流行り】アプリ編
・TikTok
短尺の動画を投稿・閲覧することができるアプリで、2024年現在、主に若者の間で大流行しています。なかにはTikTokインフルエンサーとして、絶大な人気と多大な影響力を誇る人も存在し、多くの人からあこがれの的になっています。
・勝利の女神:NIKKE(ゲーム)
2022年11月にスマホ向けにリリースされたガンガールRPGです。
舞台は遥か未来の地球を舞台で、突如出現した謎の機械生命体「ラプチャー」に占拠された地上を奪還するため、人類最後の希望としてラプチャーに立ち向かう少女型のヒューマノイド「NIKKE(ニケ)」 たちの戦いが描かれています。
・マイナポイントアプリ
「マイナポイント」アプリは2020年9月にリリースされ、マイナポイントの予約、登録を行うために必要なアプリです。アプリを使用するにあたってマイナンバーカードが必要になりますが、2022年にマイナンバーカードを発行する人が増えたことも有り、それに伴ってマイナポイントアプリも全世代で幅広く使用されていました。
【2023年の流行り】もの編
・ヤクルト1000
しゃべくり007に出演したマツコ・デラックスさんが「最近さぁ、ヤクルト1000……あれ飲んでからすごく眠りが良くなった」「(1日)1本でいいって言われてるんだけど念のため2本飲んでる」などと発言したことで、その効果に期待した人たちの間で大流行。2023年、各地で売り切れが続出する事態を引き起こしました。
・SPY×FAMILY
『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中の漫画で、2022年中に、4月から6月までを第1クール、10月から12月までを第2クールとして放送されましたが、2023年にはアニメ第二期の公開が発表されています。2022年12月末においても、コンビニやスーパーマーケットでも多数のグッズを見かける程で、一種の社会現象ともいえるでしょう。
・スプラトゥーン3
2022年9月に発売された任天堂switchソフト「スプラトゥーン3」は、インクを撃ち合うアクションシューティングゲーム「スプラトゥーンシリーズ」の最新作として発売されました。その人気は絶大で「SNS流行語大賞2022」のゲーム部門でも圧倒的1位を獲得しました。
2023年の流行は?これから流行るものと、2023年各ジャンルのトレンド
2022年のトレンドを振り返ったところで、次は2023年のトレンドを振り返ってみます。
ここでは、2023年の流行において、「人物編」「言葉編」「食べ物編」「もの・こと編」の4つのジャンルに分けてご紹介します。
【話題になったもの】人物編
・藤井聡太
2023年10月に将棋のタイトル「王座」を獲得し、日本将棋連盟の羽生善治会長の7冠を更新し、21歳で将棋界史上初となる8大タイトルを独占しました。2016年に14歳でプロ入りし、29連勝の連勝記録を打ち立てたことでも知られています。本人は「(8冠独占に)見合った力があるかといえばまだまだなので」とコメントしておりますが、これからも活躍も期待されます。
・YOASOBI
2019年に結成された音楽ユニットYOASOBIは、小説をトレースした楽曲を発表する活動を続けてきましたが、2023年アニメ「推しの子」のオープニング曲として発表した「アイドル」が瞬く間に大ヒットし、ストリーミングでも史上初となるオリコン登場5週目で再生回数1億回を突破するなど話題となりました。日本だけでなく海外でも話題となり、ビルボードの「Global Excl. U.S.」でも1位を獲得しています。今も様々な楽曲を提供している彼らにますます期待がかかるところです。
・あの
アイドルユニットからデビューしたあと、バンド活動やファッションセンス、何より独特の喋り方でファンからの熱烈な支持を受けているあの(愛称はあのちゃん)。捉え所のない個性は今やテレビでも話題となっております。今年は様々なメディアに出てきましたが、これからの活躍も期待されます。
【話題になったもの】言葉編
・「アレ」
2023年、18年ぶりにセリーグ優勝を果たした阪神タイガース。今年監督に復帰した岡田監督がスローガンとしてあげたのが、「アレ」という言葉です。選手が意識しないように、あえて優勝という言葉を出さずに「アレ」で表現しましたが、見事に結果を残しました。日本シリーズの対戦相手はパリーグ覇者のオリックスバファローズ。56年ぶりの関西対決となりました。
・「蛙化現象」
最近若い女性の間で、片想いの相手がこちらに好意を表すのを見て、気持ちが冷めることを蛙化現象と呼ぶことが増えました。もとはグリム童話の「カエルの王様」でこちらはカエルが人間の王様に変わり、ハッピーエンドとなりますが、こちらはバッドエンドのようです。原因は恋愛に高い理想やこだわりを持つこととのことですが、恋愛がからむと人の心は難しくなるようです。
・「ひき肉です!」
中学生のYouTubeグループ「ちょんまげ小僧」のメンバー「ひき肉くん」のあいさつで「ひき肉です!」が、その独特の動きとともに、若い人に流行しました。カメラに向かって「ひき肉です!」をする芸能人や、男子バレーボール日本代表の高橋藍選手が試合後のインタビューで披露したり、様々な場面で見られます。
【話題になったもの】食べ物編
・「おにぎり専門店」
最近、高級食パン店が次々と閉店しているようですが、それと入れ替わるようにおにぎりの専門店が増えています。ここ1、2年でじわじわ増えていましたが、数十種類の具材を使うことからおにぎりの人気がさらに高まってきました。人気グループ「嵐」の相葉雅紀さんが、おにぎり専門店を舞台にしたドラマに主演するなど、メディアでも注目されていて流行りになっているようです。
・「プヂン」
ブラジル発祥のスイーツで、ここ数年、マリトッツォやフランスのカヌレが大ブームを巻き起こした流れに沿って、新たな海外のスイーツとして流行るのではないかと言われています。
ブラジルの伝統的スイーツで、西洋から伝わったプリンが独自に進化したもので、英語の「プディング(pudding)」のポルトガル語表記なのだそうです。
・「ボトルスイーツ」
近年流行したマリトッツォやカヌレといったような、SNS映えをするスイーツとして今年急上昇しそうなのがこのボトルスイーツです。瓶や缶といった容器に入ったスイーツやお土産が徐々に増えてきており、今年はそれらを手作りしてSNSにアップする人たちも増えそうです。
【2023年話題のもの】もの・こと編
・「コンビニジム」
「コンビ二(convenience)便利」と「ジム(GYM)」を合わせた言葉で、簡単、便利を売りにしたジムのことです。コンビニジムのはしりはライザップで、短時間でみっちりやって効果を出す事をコンセプトと真逆の形態で、筋トレブームが来ている今世間で注目を集めています。
・「ステルス家電」
「ステルス家電」とは「家具と家電が一体化したもの」で、その存在がわからないモノのことをいいます。たとえば、新しい家電や家具を買いたいけれど置き場がないといった問題も、2つ以上の物が一体化したことで使うスペースが減るので解決することができます。
・「カスタムビール」
日本初の炭酸割を前提としたビールが2022年11月にサントリーから発売されました。商品名は「ビアボール」といい、アルコール度数16%と高濃度のビールを好きな量の炭酸で割ることで様々な味が楽しめ、若者のビール離れに歯止めをかけることが期待されています。
日本のこれから流行るもの!2023年トレンドをもとにした2024年流行必至の話題3選
ここまで、2022年・2023年と話題の中心となったものを振り返りましたが、来たる2024年にはどんな流行の動きがあるでしょうか。
ここでは、2024年に日本で流行りそうな話題を3つ紹介していきます。
ハローキティ
サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」が誕生して2023年で50周年となりました。これからサンリオ関連のテーマパークで記念イベントが行われるそうです。また、ハローキティの声を担当していた声優さんが降板するなど、様々な変更もあるようです。これからどう変わっていくのか、注目されます。
監獄ホテル
リゾート開発を手がける星野リゾートが、日本初の監獄ホテルを2026年春にオープン予定と発表しました。国の重要文化財の旧奈良監獄をホテルに改修するとのことです。独居房と呼ばれる一人だけ入る監獄部屋を改修するなど本格的ですが、どういうホテルになるのか、監獄の外観はそのままなのか、注目されます。
パリオリンピック
東京オリンピックはコロナ禍のため2020年から2021年に延期されましたが、パリオリンピックは予定どおり2024年に開催されるようです。バレーボールも日本代表が出場を決めるなど、話題が盛り上がっていますが、今回のオリンピックは日本選手はどこまで活躍できるのでしょうか。楽しみです。
トレンド・今年の流行・最近の流行り物には世相が反映されている
以上、今回の記事では2022年の流行を振り返るとともに2023年のトレンド、これから流行るものを予想してきました。
傾向として顕著だったのが、やはり新型コロナウイルスの影響です。
2024年、未だ収束の見えぬ状況の中、今後も新しい生活様式に着目した商品やサービスが注目を集める傾向が続くと予想されます。
このように、トレンドには世相が色濃く反映されているため、より正確にトレンド(流行り)を捉えるためには世の中の動きに敏感である必要があります。
人々のニーズを捉えてビジネスを円滑に進めていくためにも、世の中の出来事・流行に常に目を光らせておきましょう。