eBayでセラーをしていると、「直接取引した方がもっと利益が出るのに」と思うことがよくあります。これはバイヤーの立場も同じことです。
しかし、eBayでは直接取引は禁止されているうえ、これをやってしまうと下手をすればアカウント凍結となるリスクもあります。
そこで今回は、eBayで直接取引に持ち込む方法やアカウント凍結の回避法、さらにはアカウント凍結の原因となる危険パターンについて解説します。
直接取引のメリット(セラー側)
eBayでダイレクトに取引すると、どの様な点がメリットとなるのでしょうか。セラー(売り手)とバイヤー(買い手)、それぞれのメリットについてまとめました。まずは、セラー側のメリットから解説していきます。
販売手数料が浮く
eBayで商品を販売している誰もが感じるのが、手数料の高さ(15%)ではないでしょうか。もし、10万円の商品が売れても1万5千円も手数料を引かれるとすると、かなり利益が圧迫されてしまいます。しかも、これに加えてPayoneerの手数料が2%上乗せされます。
ですが、もしeBayを介さずにダイレクトで取引できれば、この15%分の手数料が丸々浮くことになります。これは大きなメリットでしょう。
大量注文を獲得できる
eBayを介さずダイレクトに取引する場合、バイヤーとしても手数料がかからない分セラーが得するのがわかっていますから、当然いくらか安くして欲しいと値切ってくるでしょう。そして、その代わりに大量注文を持ちかけてくることが多いです。あるいは、セラー側から持ちかけることもあるでしょう。
まとまった注文が入れば売り上げの安定に繋がるので、メリットは大きいです。また、他の商品にも興味を持ってもらえれば、さらに売り上げを上乗せできるチャンスも広がります。加えて、「こんな商品を仕入れて売って欲しい」と持ちかけられたら、仕入れて売るだけになり在庫を抱えなくて済むので、楽して売上アップが期待できます。
直接取引のメリット(バイヤー側)
続いて、eBayを介さずダイレクトに取引した場合のバイヤー側のメリットについて見ていきましょう。
仕入れ値が安くなる
eBayを介さずにセラーとの間でダイレクトに取引すると、セラー側は本来eBayに支払うはずの手数料を削ることができます。そして、その分とまではいきませんが、いくらか対象商品の販売価格を安くできるはずです。もし、この辺りの値段交渉がうまく運べば、同じ商品でも仕入れ値が抑えられます。
例えば、eBayへの手数料を見越して、セラーが10万円の商品を12万円で売ってたとしましょう。この場合、セラーがeBayに支払う手数料は1万8千円です。しかし、直接取引ならこの額が浮くので、例えば、10万5千円まで売値を下げてもらえれば、バイヤーもセラーもそれぞれが得することになります。
掘り出し物が手に入る
セラーとの間でうまく直接取引の話が進めば、セラーのショップについても自ずと詳しくなります。そして、さらに仕入れたくなるような掘り出し物が見つかるかもしれません。しかも、正規の値段よりも安くしてもらえれば、一石二鳥です。
大量の仕入れが可能
先述したように、直接取引により正規の値段よりも安く仕入れられるようになれば、大量注文することも可能になります。まとめての注文を持ちかければ、セラー側にもメリットがあるので、喜んで受け入れてくれるはずです。安く大量に仕入れて、うまく転売できれば、当然売上高もアップするでしょう。
新たなビジネス展開ができる
新たな掘り出し物が複数見つかり、売上高も収益もアップすれば、品数は豊富になり、財務状態にも余裕が生まれるので、新たなビジネス展開も可能になります。
直接取引で注意すること
eBayを介さずにダイレクトに取引する行為は、それなりのリスクをともなうので十分に注意が必要です。この項目では、そのリスクについて具体的に説明していきます。
アカウントの凍結リスク
eBayでダイレクトに取引をする上でもっとも注意しなければならないのは、アカウントの凍結です。
eBayでは、eBayを介さないダイレクト取引を持ちかけた場合は、即刻アカウントが凍結されることがあります。それだけ直接取引はeBay内の規約では重大な禁止行為ということです。
また、直接の取引を持ちかけられて応じた側にも、厳しければアカウント停止処分、そうでなくともすぐにアカウント停止を匂わす厳しい警告がダイレクトメッセージで届くことが多いです。
アカウントが凍結されるとどうなる?
eBayでアカウントが凍結されると、eBayのサイトでは、セラーとしてもバイヤーとしても活動できなくなります。
ただし、ペナルティーの内容やプロセスによっては、例えばeBayからの請求に応えるかたちで、本人確認書類や領収書などの情報を提示することで、凍結が解除されるケースもあります。しかし、悪質と認められた場合は、永久凍結となるので注意が必要です。
こんなメッセージに注意
これまでの内容を考慮すると、セラーやバイヤーからダイレクト取引を求められたからといって、安易に受け入れるのも危険ということがお分かりいただけるでしょう。
よって、例えば、まだ取引実績がなかったり、少額の商品を少し売り買いしただけで、「安くするから」「安く買うから」「直接取引しよう!」と軽々に持ちかけてくる相手には十分な注意が必要です。うっかり話に乗って、その相手とともにアカウント凍結などということになれば、大きな損失となります。もちろんその相手が責任を取ってくれることはありません。
怪しい相手への返信方法
それでは、怪しい相手への対応方法について解説しましょう。
まず大切なことは、品よく、スマートに対応することです。相手をつき返すような雑な対応では、こちらの価値を下げる可能性があるので十分に気をつけてください。
次に、特別にオファーしてくれたことに感謝の意を述べましょう。そして、「せっかくですが、eBayの規約に反する可能性があり、かえってご迷惑となってもいけませんから、お断り申し上げます」といった内容の丁寧なメッセージを送りましょう。
セラー側から直接取引を持ちかける方法
以上のようなリスクがあることを承知の上でそれでも直接取引したいという方のために、ここからは直接取引を持ちかける方法を伝授します。この項目では、自分がセラー側である場合の方法について解説していきます。
PayPalのメールをチェック
バイヤーに直接取引を持ちかける方法は、メールがもっとも手っ取り早いです。その際は、バイヤーのメールアドレスを入手するのが必須となります。
かつては、バイヤーの履歴を見るとメールアドレスも簡単に確認できたのですが、最近はそれができなくなりました。そこでおすすめするのが、PayPalからのメールで確認する方法です。
バイヤーが商品を購入してくれた後に、必ずPayPalから入金があった旨を通知するメールが届きます。そこに、バイヤーのメールアドレスが記載されているので、そこから返信すると間違いなく相手にメッセージが届きます。
メッセージを同封する
メールで持ちかける方法は、手軽で時間もかからないのですが、いきなりeBay外での取引を持ちかけられると、普通のバイヤーは戸惑います。怪しまれれば、eBayに通報される恐れもあるでしょう。
そこで、より丁寧で怪しまれない方法として、商品の中にダイレクト取引を持ちかけるメッセージを忍ばせるのもおすすめです。できれば手書きのメッセージが望ましいです。なぜなら、パソコンで入力された文字より、手書きの方が相手の心にこちらの気持ちが強く届きやすいからです。これが難しければ、テンプレートの文章に一言を加えたものでも構わないので、直筆メッセージを添えると効果が期待できます。
また、内容も一辺倒のものより、購入してもらった商品のおすすめの使い方や楽しいエピソード、また詳しい自己紹介なども記入すると、警戒感がほぐれて交渉しやすくなるでしょう。
バイヤー側から直接取引を持ちかける方法
続いては、バイヤー側からセラーに直接取引を持ちかける方法を伝授します。
セラーについて詳しく調べる
セラーにダイレクト取引を持ちかける際は、まず事前にできるだけ詳しくセラーについて調べておくと良いでしょう。ショップのサイトを閲覧して、自分がすでに購入した商品や欲しいと思っている商品はもちろん、それ以外にどのような商品やサービスを提供しているのか、経営スタイルなどについても詳しく知っておくと交渉の際の参考になります。
詳しい感想を書く
続いて、購入した商品やショップの印象に対する感想をできるだけ丁寧につづってメッセージを送りましょう。通り一遍の内容よりも、買った商品のどこがどのように良かったのかについて踏み込んで書くことで、直接取引を持ちかけた際の本気度が伝わります。
メッセージフォームから送る
こちらが商品を購入した際に、相手がPayPalのメールからメールアドレスを確認して直接取引のメッセージを送ってくることがあります。確率としては低いですが、この場合は、そのまま交渉を続けるのが望ましいでしょう。eBayのメールを使うと監視にひっかかるうえ、最悪の場合、メッセージそのものが相手に届かない可能性が非常に高いです。
そのため、相手からのメールに上手く乗っかるか、セラーのサイトのメッセージフォームから先ほど述べた感想とともにダイレクト取引を持ちかけるのが無難な方法です。
アカウントが凍結される行為とは?
先ほど、ダイレクト取引がeBayに見つかると、アカウント凍結の恐れがあると述べましたが、eBayでは、それ以外にもアカウント凍結の原因となる行為がいくつかあります。この項目では、どのような行為が凍結の原因になり得るか、例を挙げてご紹介します。
出品禁止商品に手を出す
eBayでは、出品を禁止している品目が数多く存在します。eBayせどりで成功するセオリーとして他のセラーが扱わないレア商品を扱う、というものがあります。確かにこれは、基本中の基本でとても大切なセオリーですが、思い余って知らず知らずのうちにでも出品禁止品目に手を出してしまうと、eBayから厳しい制裁を受けます。くれぐれも注意しましょう。
大量出品してしまう
eBayでは、初心者は誰もが一つのアカウントにつき「10品or500ドルまで」という出品制限を受けます。それなりのキャリアを積んで市場でも評価が上がれば、取り扱える品数や予算も増えてきますが、最初から儲けたいがために大量出品してしまうと、即刻、eBayから警告を受ける羽目になるので気をつけましょう。
高額商品を出品してしまう
せどりをしていると、利益をあげるために、どうしても高級品に目が行きがちになります。しかし、あまりに早い段階で時計や貴金属類などの高級品を出品すると詐欺行為を疑われ、アカウントが凍結されることもあります。したがって、最初のうちは高くても5万円くらいまでの品に抑えるようにしましょう。
無在庫販売してしまう
早くに多くの商品を売ることで、売上金を少しでも早くに手にしたいと考えて無在庫転売をしてしまうケースがあります。eBayでは、必ずしも無在庫転売を禁止しているわけではありません。しかし、経験が浅く評価も低いうちから無在庫出品して、在庫切れや発送の遅延を頻繁に起こすとなると、アカウント停止の憂き目に遭うこともあります。
無理に複数アカウントを作成してしまう
eBayでは一人につき五つの複数アカウントの所持が認められています。しかし、複数アカウントの運営は、口で言うほど簡単ではありません。しかも、評価や実績が乏しいにもかかわらず、あまりに早い段階でアカウントを増やすと、eBayからは厳しい取り締まりを受けることになります。
そのため、最初のうちは一つのアカウントからコツコツと信頼を積み上げるように心がけましょう。
まとめ
今回の記事では、eBayを介さずにセラーやバイヤーに直接取引を持ちかける方法やそのメリット、さらにアカウント停止リスクについて詳しく解説してきました。
直接取引が叶えば、セラーなら余分な手数料を支払わずに済むうえ、まとまった注文を確保することも可能です。バイヤーも、仕入れる商品の品数や品目を増やすことができ、ショップのブランディングにも役立つでしょう。
ただし、eBayからの監視は年を追うごとに強化されているので、手順については十分に注意する必要があります。記事内でご紹介した方法を参考に、ぜひ直接取引を上手に行ってください。