ヤフオク!を利用する中で、複数の取引に対して個別に支払いや評価、受け取りをするのが面倒だと思ったことのある人はいませんか。この悩みを解決するのが、新しく利用できるようになった「まとめて取引」です。
このシステムには多くのメリットがある一方で、注意しなければいけない点もいくつか存在します。利便性ばかりに目を向けていると、利用したい時に使えなかったり使わないほうが得だったりするケースがあるので、利用の際は注意が必要です。
そこで今回は、ヤフオク!のまとめて取引の利点や注意点、利用する手順について解説していきます。使い方を間違えなければかなり便利なシステムなので、今回紹介する内容を参考に、ぜひ上手く活用していきましょう。
まとめて取引とはどんな機能?
特徴が分からなければ、どんな素晴らしいシステムも上手く使いこなすことはできません。メリットを最大限に享受するためには、そのシステムがどんな仕組みになっているのか理解することが必須です。まずは、まとめて取引の内容について見ていきましょう。
主な特徴
まとめて取引とは文字通り、たくさんの取引を1つにまとめて行うことです。出品者が同じであれば、複数のオークションで落札した商品の発送や支払い、受け取りを1度にまとめて行うことができます。まとめて発送してもらうことで送料を抑えたり、受け取りや評価を1回で済ませたりと、かかる手間を減らすことができるのです。
1度にたくさん取引する人ほど、手間や時間の節約効果が高いです。作業をひとまとめにすることで決済忘れといったミスも減らせるので、取引の度に決済や受け取りをしている人はぜひ利用してみましょう。
また、まとめることによって追加料金の発生や発送の遅れ、それに伴う評価の低下といったデメリットが一切ない点も大きな特徴です。メリットが大きい状況ならどんどん活用していった方がいいシステムと言えます。
同梱依頼との違い
まとめて取引は、以前存在していた同梱依頼のシステムに近いです。違いは落札者や商品に対して、いくつかの条件が設定されている点にあります。
そのため、場合によっては利用できない可能性があるのです。多くの商品をその都度受け取るのと、まとめて受け取るのではかかる手間が大きく違ってくるので、まとめて取引が利用できるのかどうかの条件は、必ず事前に確認しておいてください。
利用するための条件について
まとめて取引には細かく利用条件が設定されており、どれか1つでも条件を満たしていなければ、利用することができません。利用できない時には、そもそも画面にまとめて取引依頼の表示が出てこないので、条件を満たしていないのに間違って利用してしまうことはありません。
利用するための条件は具体的に明記されているので、どこを気を付ければいいかは明確に分かります。続いて利用条件を紹介するので、これらの条件を外れないようにしましょう。
落札者の条件
落札者に求められる条件はただ一つ、評価が6以上あることです。始めたばかりの人や普段の評価があまり良くない人など、評価が基準に満たない場合は利用することはできません。
取引の態度や対応が悪くなければ低い評価になる心配はあまりないので、普通に利用している分には問題ないと言えます。逆に評価の質によって利用できない人は、普段の取引姿勢に原因がある可能性が高いです。取引相手との細かいコミュニケーションや無理難題を押し付けていないかなど、取引姿勢を見直して高い評価が貰えるように努めましょう。
商品の条件
商品の条件は落札者とは違い、複数の条件を満たす必要があります。どれも最初から確認していればクリアできるものですが、条件の中には時間制限があるものもあるので、段取りを組んで商品の落札を行っていくことが大切となります。
- 落札してから3日(72時間)以内の商品
- まとめて取引で1度にまとめられる商品の上限は20点まで
- 過去にまとめて取引の依頼をだして拒否されていない商品
- 支払い方法が着払い以外
- 支払い方法、出品地域、送料が同一
- まとめて取引が出来ないカテゴリ(車、不動産など)以外
利用する前に、それぞれの商品がこれらの条件を満たしているかどうか確認しておきましょう。
利用の流れ
まとめて取引を利用する際の手順は以下の通りです。
1.落札した商品のページから取引ナビのページを開く。
2.まとめて取引を依頼できる商品の一覧を確認し、「まとめて取引をはじめる」をクリックする。
3.お届け地域を選択して「まとめて取引を依頼する」をクリックする。
4.出品者からまとめて取引に合意するメールが来たら、その後は通常通り取引を行う。
利用するための具体的な条件については、下記のページで確認できます。具体的な基準が全て明記されているので、取引前には必ず目を通しておきましょう。
配送方法と送料の統一(出品者の作業)
こちらは出品者が行う作業です。同じ出品者でも、商品ごとに配送方法や送料が異なるケースは多いです。しかし、まとめて取引の際はこれらを統一する必要があるので、出品者は設定の変更をしなければなりません。「別の配送方法を利用する」を選択して各種設定を変更した後、「まとめて取引に同意する」をクリックしてください。
新しく指定する配送方法は複数選択できないので、どれか1つに絞る必要があります。配送方法を選択する場合は独断で決めるのではなく、落札者の希望を確認しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。
送料については、ひとまとめにした商品にそれぞれかかっていた送料の合計の料金を設定してください。例えば送料300円の商品5つをまとめた場合、送料の欄には1,500円で設定しましょう。
商品によっては送料無料の設定を行っているものもあります。送料が変わることで採算が合わなくなるので有料に変更したいと思っても、1度承認すると後から有料に変更はできません。送料が変わってくる場合は注意してください。
アプリ版とブラウザ版では利用できる配送方法が異なります。具体的にはおてがる配送はブラウザ版でしか設定できません。アプリ版を利用する場合は、別の配送方法を選択してください。
詳しくは下記のページに記載されているので、特定の配送方法を利用したい場合は、設定前に一度確認しておきましょう。
出品者が落札者からの依頼後に行う作業について
出品者の主な作業は、落札者から依頼されたまとめて取引の各種設定をしてから承認をすることです。具体的には落札者から依頼がくると、確認ページが表示されます。
商品の一覧や配送方法と送料の設定を確認し、問題が無ければ「決定する」ボタンをクリックしてください。
落札者側に同意したことが通知されるため、後は落札者側からの入金や連絡などのアクションを待ちましょう。もし内容に疑問や不満があるなら、落札者に連絡を取って確認してください。
まとめて取引を依頼した後の流れ(落札者の作業)
まとめて取引が同意されたら、あとは通常の取引と同様の手順を踏み取引を完了させます。この時、取引完了後の評価もまとめて行えるので、作業の手間が省けるのです。
商品ごとに個別評価もできますが、総合評価には最後につけた評価のみが反映されるので注意しましょう。例えば良い評価の商品と悪い評価の商品があって個別に評価したい場合でも、片方しか総合評価には反映されません。
これは評価した数ではなく、評価した人数によって総合評価が決定されるからです。詳しくは下記のページを参照してください。
メリット2選
うまく使いこなせば、落札者は多くのメリットを享受できます。続いて紹介するメリットは、使い方を間違えなければ誰でも恩恵を受けられるのでぜひ利用してみましょう。
時間や手間を大きく削減できる
取引には支払いや取引連絡、受け取り評価など手間がかかります。特にたくさんの取引をしている落札者にとって、この作業は非常に面倒であり、数が増えると作業のミスや抜けにもつながるのです。
しかしまとめて取引を利用すれば、これらの煩わしい作業を一度にまとめて行うことができるので、それぞれの作業にかける時間や、毎回同じ内容を入力する手間を大きく削減できます。作業ミスも減らせるので、たくさん取引をする人ほど恩恵が高いシステムと言えるのです。
クーポンの恩恵が増える
まとめて取引は、クーポンの効果を最大限に高めたい際にも効果を発揮します。例えば、商品価格の合計から10%値引きのクーポンを利用する場合、1つの取引の小さな支払いに対して使うより、まとめて取引の大きな支払いに利用したほうが、結果として割引の効果が高くなります。
割引クーポンは支払い額が大きいほど割引額も増えるので、1度の支払い額を増やせるまとめて取引と相性がいいと言えます。割引率の高いクーポンを持っているなら、なるべくたくさんの取引をまとめて、大きな割引を狙いましょう。
デメリット2選
一見得しかないと思いがちですが、実はデメリットも存在します。デメリットは落札者と出品者双方に存在するので、どちらの立場で利用するにしても、自分の行う取引がまとめて取引を使った方が得なのかどうか、しっかり考えて利用しましょう。
同意後は落札者削除が行えなくなる
落札者からの依頼に同意してしまうと、出品者は落札者を削除できなくなります。つまり途中で何があっても、そのまま取引を続行するしかないのです。分かりやすい例としては、同意後に落札者と何らかのトラブルがあっても、取引を中止するといった対応が取れなくなる、ということがあります。
出品者はまとめて取引に同意する前に必ず落札者の情報を確認し、信用できる相手かどうか確認してください。評価や取引履歴から信用できそうにないと判断したのなら、拒否することも1つの選択肢です。
利用できないクーポンが増える
クーポンはまとめた内の最初に落札した商品に対して、条件を満たすものを利用することができます。利用したクーポンは他のまとめた商品にも適用されますが、他の商品に対して個別にクーポンを利用することはできません。そのため利用できるクーポンが複数ある場合には、まとめて取引をすると却って利用できないクーポンが増えてしまう結果となるのです。
複数クーポンを所持していて、尚且つなるべく損をしないように利用したいなら、クーポンが利用できる商品は個別に対応したほうが金額的に得な場合もあるので覚えておきましょう。
まとめる際の注意点
複数の商品をまとめられるのは非常に便利なシステムですが、決して万能ではありません。いくつか注意点もあるので、利用の際はこれらの点を頭に入れておきましょう。
出品者によって拒否されることもある
条件を満たしたとしても、必ず利用できるわけではありません。落札者に依頼する権利があるように、出品者にも応じない権利があります。まとめて取引は出品者に多少なりともリスクがあるため、依頼が拒否されるケースもあるのです。
出品者に1度拒否されると、その商品については2度と依頼を出すことができなくなります。毎回利用できるとは限らないので、まとめて取引を前提とした落札をしないように気を付けてください。
同意するとお互いに取引をキャンセルできない
同意後に出品者による落札者削除ができなくなる点は前述した通りですが、それに加えて取引のキャンセルに関しては双方ともできなくなります。都合が悪くなっても取引が中止できなくなるので、トラブルに発展する可能性が高くなるのです。例えばどちらかの連絡が滞った場合、取引の進行も中止もできなくなって立ち往生してしまいます。
万が一取引相手に連絡がつかなくなった場合は、下記のページから相談や報告を行ってください。手間や時間を浪費してしまうため、信頼できない相手との同意は控えましょう。
参考:ヤフオク!(利用規約)
必ずしも送料が安くなるとは限らない
複数の荷物の配送が1度で完了するため、一見配送料金も抑えられそうだと思いがちです。しかし必ずしも安くなるわけではなく、場合によっては高くなるケースもあります。
例えば「1つでは定型郵便物で84円で配送できたものを2つにまとめた結果、定形外郵便物での配送となり、送料が200円になる」といったケースが考えられます。商品サイズを考慮して、まとめて取引をすべき商品を見極めましょう。もちろん取引相手への相談も忘れないでください。
まとめ
まとめて取引は手間や時間を大きく軽減できるため、ヤフオク!をたくさん使う人ほど便利なシステムです。ただし商品や取引相手によっては断られることもあるため、落札者が毎回利用できるシステムではないことは覚えておきましょう。
また出品者にとっては、作業をまとめられるメリットの一方で、同意後は取引のキャンセル不可といった融通の利かない面もあります。取引商品によって配送方法や受け取り日時を変更したい場合は、面倒でも個別で取引を行ってください。
取引が増えると、その都度支払いや受け取りをすることになるので、とても面倒です。複数の商品を落札した際は、今回紹介した内容を参考に、必要に応じてまとめて取引を活用し、手間を減らしましょう。