Amazon FBAの在庫の返送と所有権放棄の手数料は?依頼の方法やタイミング・注意すべき落とし穴も伝授!

Amazon FBAは、梱包や発送、顧客対応などの一連の作業をAmazonに任せられるので、セラーにとっては大変便利なシステムです。しかしその反面、在庫保管にかかるコストが思いのほか負担になることがあるため、要注意です。

そこでAmazon FBAには、購入者から返されたり、長い間売れずに残ったりした商品、コンディションの変更が必要なアイテムなどについて、返品や所有権放棄を依頼できるシステムがあります。これを上手く活かせば、余分な支出が減らせて利益を確保できるのでおすすめです。

今回は、Amazon FBAで返送や所有権放棄を依頼する方法や手数料、また注意すべき落とし穴とその回避法について詳しく解説します。これからAmazonでせどりを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

Amazon FBAでの返送と所有権放棄の依頼方法

まず最初に、Amazon FBAで出品した商品を返送または所有権放棄する方法をお伝えしましょう。返送も所有権放棄も同じ画面から依頼することができます。

返送・所有権放棄の依頼方法

Amazonセラーセントラルの「FBA在庫管理」にて、返送または所有権放棄を考えている商品を選択します。

「選択中の○商品を一括変更」を押すと、遷移画面で「Amazonから出荷」の下にメニューが表示されます。
「返送/所有権の放棄依頼を作成」を選びます。

返送先の住所と名前、電話番号を書き込みます。所有権放棄を希望する場合は、ここで「廃棄」ボタンを選択します。

販売可能かそうでないかを選び、返送希望する数を入力して「続ける」をクリックしてください。


入力した情報が表示されるので、間違いがないことを確認したら「内容を確定」を選びましょう。

返送依頼が断られることもある

上記の方法で返送依頼をしてもAmazonから断られるケースがあります。

具体的には、
・Amazon側で返送や所有権放棄依頼を処理する前に、該当商品への注文依頼が入ってしまった
・該当商品が危険物扱いのため、テクニカルサポートに別枠で返品・放棄依頼しなければならない

というパターンです。

なお、販売できない理由が、FBA倉庫内における破損などのケースも商品は返送されませんが、Amazonからの補償対象になるため、その分のお金は戻ってきます。

返送・所有権放棄依頼後にキャンセルする方法

いったん、Amazon FBAに商品の返送や所有権放棄を依頼した後に、どうしても依頼をキャンセルしたいケースもあるでしょう。その場合は、Amazon側で返送や所有権放棄手続きが済む前であれば可能です。

注文管理画面の検索ドロップダウンリストから該当商品の注文番号を選びます。返送または所有権放棄依頼をした際に発行される「返送/所有権依頼番号」を入力して検索しましょう。

遷移画面で、該当商品が「計画中」または「保留中」となっていればキャンセル可能です。

キャンセル可能な場合は、アクションで「この注文をキャンセルする」を押せばキャンセル手続き終了です。

Amazon FBAの返送・所有権放棄の手数料は?

次に、Amazon FBAで返送または所有権放棄を依頼する際に、いくらかかるかを見ていきます。また、FBA在庫保管手数料についてもチェックしておきましょう。

Amazon FBAの返送・所有権放棄手数料

Amazon FBAで商品の返品と所有権放棄を依頼する際の手数料は以下のページにある通りです。返品も所有権放棄も同じ料金です。

料金の設定基準は「小型・標準サイズ」「大型・特大サイズ」の2つの区分からなります。具体的な基準は以下のページをご参照ください。

※縦・横・高さの合計が260㎝を超えるか、重さが50kgを超える場合は、FBAそのものを利用できないので注意しましょう。

参考:FBA返送/所有権の放棄手数料

参考:商品のサイズ区分

Amazon FBAの在庫保管手数料を確認

Amazon FBAでは、各商品の在庫保管に手数料が必要となります。しかも、商品の種類やサイズ、保管期間や時期によって異なるので注意しましょう。

商品の種類については「服・ファッション小物・靴・鞄」とそれ以外で計算方法が異なります。また、いずれも「1~9月」と「10~12月」で計算方法が違います。とくに「10~12月」は料金がグンと跳ね上がるので注意が必要です。

在庫保管手数料は、毎月7~15日の間に前月分の料金が確定します。たとえば、5月分の料金なら、6月の7日~15日の間、という具合です。

参考:在庫保管手数料

返送依頼のタイミングや目安

上記のように、商品サイズや個数、保管依頼時期によっては、かなりの経費がかかります。あまりに長い期間売れないようであれば、適切な時期をみはからって返送を依頼した方がよいでしょう。

具体的には、Amazon FBAに在庫管理を依頼してから半年過ぎても売れない商品は、返送対象として考えるのがおすすめです。また、後述しますが、それ以上の期間保管し続ける場合でも、1年経つと長期保管に対する手数料が別途請求されるようになるので、要注意です。

加えて、売れるスピードが想定より遅い場合も方針転換が必要です。例えば、月に80個は売れると期待したアイテムが、5個しか売れない場合、少なくとも半分の40個は一旦引き揚げることを検討しましょう。

在庫の返送と所有権放棄は一括でも可能

Amazon FBAでは、在庫の返送や所有権放棄を一度にまとめて依頼することもできます。数十、数百個単位で返品して欲しい場合に、いちいち一つずつ依頼するのは大変です。そこで一括依頼すれば、手間も時間もかからないのでおすすめです。

専用ファイルで依頼書を作成する

一括して返送や所有権放棄を依頼する場合は、専用のファイルを作成します。

セラーセントラルの「在庫」から「FBA在庫管理」に進みましょう。

遷移画面で「返送/所有権の放棄依頼を新規作成」をクリックして右の「Go」を押します。

次に右上部の「ファイルをアップロードする」を選んでください。

「テンプレートをダウンロード」を押します。

エクセル画面が出るので、下のタブから「返送・所有権の放棄依頼を作成」を選びます。

遷移画面で必要な情報を入力します。

入力する情報について上から順に解説しましょう。

・Merchant Removal Order ID
10文字以下の英数字を自由に決めて入力してください。

・Removal Disposition
返送なら「RETURN」と、放棄なら「DISPOSAL」と入力します。

・Address Name
返送してもらう際のあて名を書きます。

・Address Field One
町名と番地を書きます。

・Address Field Two
建物(マンションやアパート)の名前と号室を書きます。

・Address Field Three
住所でさらに追加したい情報があれば記入します。ない場合は空欄で大丈夫です。

・Address City
市と区を書きます。

・Address Country Code
国の名前です。日本の場合は、「JP」と記入してください。

・Address State Or Region
都道府県名を記入します。

・Address Postal Code
郵便番号を書きます。

・Contact Phone Number
電話番号です。

・Shipping Notes
空欄で結構です。

・Merchant SKU
該当商品のSKUを縦に記入します。

・Sellable Quantity
それぞれのSKUについて、販売ができる在庫の数を記入します。

・Unsellable Quantity
それぞれのSKUについて、販売ができない在庫の数を記入します。

入力は以上です。

完成したファイルは、保存します。

「名前をつけて保存」を押し、「テキスト(タブ区切り)(*.txt)」を選んで、テキストファイルで保存しましょう。

専用ファイルをアップロードする

次は、作成したファイルをアップロードします。

先ほどと同じく、セラーセントラルで「返送/所有権の放棄依頼を新規作成」を選びます。

遷移画面で「ファイルをアップロードする」を選びましょう。

「今すぐアップロード」を選びます。

これで作業は終了となります。

長期在庫保管手数料も要注意

Amazon FBAで注意すべき落とし穴ともいえるコストが、在庫を長期保管する場合の手数料です。具体的には、保管し始めて1年(365日)を超えた場合は、通常の保管手数料とは別に、長期保管手数料を支払うことになります。

長期在庫保管手数料の計算方法

Amazon FBAでは、必ず毎月全ての在庫の状況の確認が行われます。そこで、365日を超えたと分かると、長期保管手数料が請求されます。

具体的な金額は、

縦・横・高さがそれぞれ10cmにつき17,773円(消費税込み)となります。

また、メディア商品については、1点につき、10円(消費税込み)ですが、上記の料金と比較して高い方の額が請求されます。

ただし、365日を超えても、その次の在庫状況確認日(毎月15日)までに販売された商品には、長期在庫保管手数料はかかりません。また、同在庫状況確認日までに、返送か所有権放棄の依頼をした場合も請求されません。

在庫の自動返送システムを使うと安心!

Amazon FBAでは、販売不可となった場合や長期在庫の対象となる前に、フルオートで返送依頼できるシステムがあります。特に、長期在庫保管手数料は非常に高額になるので、うっかり忘れてしまうと大変ですが、このシステムを使うと自動的に返送を頼むことができるので、そのようなミスは100%防ぐことができます。

販売不可在庫の自動返送または所有権放棄

セラーセントラルで「FBAの設定」を選ぶ
→「フルフィルメントbyAmazonの設定」ページに進む
→「販売不可在庫の自動返送/所有権の放棄」をみつける

次に「編集」を選びます。

遷移画面の「販売不可在庫の自動返送/所有権の放棄」で「有効」を選び、「返送」か「所有権の放棄」を選びます。

「週に1回」「月に2回」「月に1回」の中から希望するスケジュールを選んでください。

メールアドレスを入力してください。

返送を希望した場合は、その住所と電話番号を入力して、更新を押したら終了です。

長期保管在庫の自動返送または所有権放棄

「フルフィルメントbyAmazonの設定」ページの「長期保管在庫の自動返送/所有権の放棄の設定」で「編集」を選びます。

「長期保管在庫の自動返送/所有権の放棄の設定」のページで、
1.在庫をすべて廃棄
2.すべて返送
3.返送、または廃棄する在庫のしきい値となる価格を設定

の中からいずれか一つを選びます。

1を選択→メールアドレスを入力して「更新」を押す。
2を選択→メールアドレスと返送先住所を入力して「更新」を押す。
3を選択→メールアドレスを入力して、必要に応じて、所有権放棄と返送の対象となる商品の最低価格と最高価格を決めて入力する。返送を選んだ場合は、その送り先を入力してから「更新」を押す。

Amazon FBAの返送・所有権放棄についてのQ&A

最後にAmazon FBAの返送と所有権放棄についてのいくつかの疑問にお答えしましょう。

返送・所有権放棄依頼はすぐに対応してもらえるの?

Amazon FBAで出品した商品の返品と所有権放棄依頼には、原則として10~14営業日以内に対応することになっています。ただし、10~12月の期間や依頼が集中した場合は、その限りでがありません。長い場合は30日以上かかることもあるので、早めの依頼を意識しておく方がよいでしょう。

返送品が壊れていた場合は補償されるの?

Amazon FBAで返送を依頼した商品が、紛失したり、壊れたりした場合は、Amazonが新しい商品と交換するか、代金を出品者に返します。ただし、これは商品がAmazon FBA倉庫から出荷された後の紛失や破損に限ります。

補償金額の計算方法は?

紛失などが原因の補償額は、出品者が出品している今の価格や他の出品者が出品している同じ商品の平均の値段、また他の出品者がそれまでの365日間で売った同じ商品の平均の値段などを比べて決定されます。ただし、1ユニットに対する最大の補償額は、675,000円までとなっています。それ以上になる場合、Amazonは外部の保険サービスの利用を推奨しています。

まとめ

Amazonでは、必ずしもすべての商品が思い通りに売れるわけではありません。多くの場合、販売不可となったり、長期間売れなかったりすることがあります。しかし、そのまま放置するといたずらに在庫保管手数料がかかってしまうことがあります。

そこで、返送・所有権放棄システムを使うと、上手く経費削減ができるので安心でしょう。Amazonせどりでは、売上を伸ばすのも大切ですが、余分なコストを抑えるのも経営上とても大切なポイントです。ぜひ在庫量を適切に調整して利益の最大化を目指してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

目次