JANコードの取得方法と費用を徹底解説!ECビジネスの強い味方に!

今や商品についているバーコードを見かけない日はないでしょう。バーコードは日本の規格で「JANコード」とも呼ばれます。実は、このJANコードは個人でも取得することができます

本記事では、JANコードの取得をどのように行うのか、かかる費用はどれくらいなのか、取得した後どう使っていけばよいのかといったことを詳しく解説していきます。もし、あなたが自分のビジネスで商品の販売を考えているならJANコードは必須の知識となるでしょう。ぜひ参考にしてください。

目次

JANコードとは?取得にかかる費用は?

JAN(Japanese Article Number)コードとは、「どの事業者(ブランド)の、何の商品か」を表す世界共通の商品識別番号のことです。ストライプ模様で、一般的には黒色バーと白いバーの組み合わせで表現されたシンボルである「JANシンボル」と、その下に記載された13桁または8桁の数字で構成されています。

また、JANコードは世界の100カ国が加盟する共通商品コード「EAN(European Article Number)コード」の日本での呼称です。JANコードは商品を管理するだけでなく、越境ECでの販売においても大きなメリットがあります。内容をしっかり理解していきましょう。

JANコードの表示義務はない

実は、JANコードの表示について法的な義務はありません。例えば、Amazonでは「ASIN(Amazon Standard Identification Number)」という、Amazonグループが取り扱う書籍以外の商品を識別する10桁の番号があります。このため、必ずしも販売にあたりJANコードが必要であるというわけではありません。

ただし、厚生労働省でJANコードの表示の推進されていたり、国内の多くの事業者が使用したりしています。そのため、JANコードを使用しないことで「信頼性に欠ける」と捉えられてしまう可能性も考えると、積極的に使用した方が良いと言えるでしょう。

個人でもJANコードは取得できる

意外かもしれませんが、JANコードは個人でも取得できます。一般的には法人が使用している印象があるJANコードですが、商品のブランドを持つ事業者(個人事業主)であれば取得可能です。具体的には商品のブランドを持つ事業者が一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)より貸与された「GS1事業者コード」を使用し、JANコードを各商品ごとに設定していきます。GS1事業者コードやJANコードの取得方法については後ほど詳しく説明していきます。

JANコードは費用がかかるがOEM製品やノーブランド商品を自社ブランド化できる

JANコードはOEMで製造された商品やノーブランドの商品においても付与することが可能です。ただし、JANコードを取得することにより、他社も同一の商品または類似する商品を売りやすくなる状況を作ってしまうこともあります。このような出品している他社に売上を持っていかれてしまう、いわゆる「相乗り」を防ぐためにも、販売する商品が「自社ブランドのもの」として権利を侵害されないようにしておくことが重要です。では、権利の侵害を防ぐためには、どのような方法があるのでしょうか。

その1つの方法として商標登録を行い、「商標権」を得る必要があります。商標権とは、類似品を含む商品やサービスに与えられる独占排他権です。商標権を得るためには、事業者が取り扱う商品やサービスを他社のものと区別するために使用するロゴなどの「商標」を「商標登録出願」として特許長官に提出します。これが認められて商標登録を受けられると、商標権が付与されます。

登録は無料ではなく費用が掛かりますが、自社(自者)の商品が先に商標登録を受けている場合、他社の類似商品に対して販売の差止請求や損害賠償請求ができます。こうして法的根拠のある権利を有することで、あなたの販売する商品と権利を守っていきましょう。

JANコードの取得は無料でできない。気になる登録申請料や費用はいくら?

JANコードを取得するためにはGS1 Japanに登録し、事業者コードを貸与してもらう必要があります。登録申請料は無料ではなく、定められた事業区分や年商によって、下記のように幅があります。自分の業態が一体どの区分に当てはまるのか、ぜひご確認ください。

ECサイトでの販売など、年商の50%以上が「卸売事業」や「小売事業」または「サービス等事業」に該当する事業者の場合、「区分Ⅱ」となります。例えば、区分Ⅱにあたる事業者で、全くの初心者、あるいはビジネスを開始したばかりの場合は、多くの場合「F」の年収ランクに該当するでしょう。表の該当箇所を見ると、必要な費用(登録申請料)は3年間分で16,500円であることがわかります。

JANコードのスキャンの仕組み

実際、どのようにしてバーコードスキャナがJANコードを読み取っているのでしょうか。バーコードスキャナは、バーに光を当てることで得られる反射光を2値のデジタル信号に置き換えることでデータを取り出せる仕組みとなっています。白色の部分は光の反射が強く、反対に黒色の部分は光の反射が弱くなります。この反射光の強弱の違いで認識するため、白色と黒色のコントラストが大きいほどバーコードスキャナが読み取りやすい、ということになります。

これら以外の色のJANコードが禁止されているわけではありませんが、読み取れない可能性があります。例えば、スキャナの光は赤色であるため、バーが赤色の場合は読み取れません。そのため、赤色のJANコードは特に避けた方が良いでしょう。

Amazonでの出品をシミュレーション

それでは個人での物販ビジネスの代表的なプラットフォームであるAmazonの利用を想定して、実際の使用の際における注意点を確認していきましょう。実はAmazonではJANコードのない商品を出品することは可能です。これは「製品コード免除申請」を行うことで実施できるため、中国からの工場直輸入商品など製品コードを取得していない商品を販売したい場合に検討したい方法です。

ただし、この場合はあくまで「ノーブランド品」扱いとなるため、先述した「相乗り」の発生のほか、ユーザーに対し価値の訴求が難しいといったことが懸念されます。これに対し、あらかじめ作成した商標で登録自体は無料でできる「Amazonブランド登録」を行っておけば、自分のブランドをAmazonのカタログに表示することもできるため、この懸念を払拭できる可能性があります。

つまり、JANコードを取得しないで出品するなら商品をきちんとブランド化していることが条件ということでもあります。もしブランド化せずに製品コードの免除だけを行っている場合は、自分の販売している商品が他のブランドの権利を侵害してしまっている可能性も考えられます。そうなると、出品者であるあなたのアカウントを停止されるペナルティが課されてしまうかもしれません。十分注意しましょう。

このため、製品コードの免除はあくまで例外的なものとして理解する必要があります。何度も仕入れを行い継続的に販売できる商品を出品する場合は、JANコードを取得して新規登録を行うことが結果的にリスクの回避やあなたの商品の販売に役立つでしょう。

JANコードを取得する際の注意点として、一番くじやUFOキャッチャーの景品などはJANコードを取得するとメーカー側からのクレームの対象となる可能性があります。仕入れた商品がJANコードを付与して良いものかどうかも含め調べ、しっかりと自分の商品をリスクから守り、販売していきましょう

インターネットで申請しよう

それでは、まずJANコード作成に必須であるGS1事業者コードの取得方法について見ていきましょう。これまでは郵送での申請もできましたが、現在はインターネット申請が主流となっています。

GS1 Japanにアクセス

まず、GS1 Japanの公式サイトにアクセスしてください。

次に、トップページ上部にある「各種コード登録・概要」からプルダウンメニューを表示させ、その中にある「GS1事業者コード・JANコード」という項目を選択します。すると登録のための案内ページに進みます。

参考:GS1 Japan (一般財団法人流通システム開発センター)

新規登録の方法を確認

各種メニューバーの下に「GS1事業者コード・JANコード」という表記があります。その下に、「各種コードの問い合わせ」と、新型コロナウイルス感染症対策としてGS1 Japanがインターネット申請の処理を優先している旨が説明されています。

上記の見出しの下にある「はじめての方 新規登録はこちら」というボタンを押下します。

その後は、以下の4つのステップで申請は完了します。

  1. メールアドレスを登録する
  2. 申請フォームに入力する
  3. 登録申請料を支払う
  4. 登録通知書を受け取る(登録完了)

順に見ていきましょう。

メールアドレスを登録する

「メールアドレスを登録」のボタンを押下して、メールアドレスの登録画面に移動しましょう。メールアドレスを確認用と合わせて2回入力し、ロボット入力防止用に表示されている画像に表示された英字、数字、または仮名やそれらを組み合わせた文字を入力します。

入力が完了したら、オレンジの枠で囲まれた「メールアドレスを登録する」というボタンを押下します。

届いたメールのリンク先を確認する

メールアドレスの登録後、数分以内にGS1 Japanより、登録情報を入力するページへの案内メールが届きます。このメールが届いたら、24時間以内にリンク用のURLをクリックし、登録作業を進めましょう。24時間の期限付きリンクとなっているため、この期間を過ぎると最初からやり直しとなってしまうのでご注意ください。

申請フォームに入力する

メールに記載されたリンクを開くと、以下の画面に移動します。運用上の重要事項の説明がありますので、しっかりと読み込んで理解しましょう。

その他、必要な情報の入力を求められます。画面の指示に従い、間違いのないよう入力していきましょう。

JANコードの登録申請料や費用を支払う

入力を進めていくと、最後に支払い方法を選択するように求められます。支払い方法は「コンビニ決済」「Pay-easy」「銀行振り込み」と大きく分けて3種類あります。クレジット払いには対応していませんのでご注意ください。

どの方法でも問題はありませんが、大手コンビニは全てこのコンビニ支払いに対応しています。そのため、「コンビニ支払い」を選択しておけばすぐに支払うことができます。

登録通知書を受け取る

支払いが無事に処理されたら、GS1 Japanから登録完了通知が届きます。この書類は住所の転送不要扱いとなっているため、住所変更をする直前などは申請フォームの入力時に入力内容にミスがないかしっかり確認しましょう。

届いた封筒の中に、「45」または「49」で始まる9桁のGS1事業者コードが印字された書類が入っています。こちらの確認が無事に済むと、GS1事業者コードの取得が完了したことになります。

通常、申請から約2週間ほどで届きます。また、GS1事業者コードの有効期限は3年間です。有効期限後も使い続ける場合は3年ごと更新手続きが必要です。しっかりとタイムスケジュールを押さえておきましょう。

JANコードを作ってみよう

GS1事業者コードを取得したことで、JANコード作成の下準備が整いました。この項目では、実際にJANコードを作っていくステップを紹介していきます。

最初は戸惑うかもしれませんが、JANコード作成はそこまで難しくはありません。JANコードの作成方法を見てぜひ挑戦してみてください。

JANコードの作成方法

JANシンボルの下部にある「アイテムコード」を設定

左から始まる9桁または8桁の数字はGS1事業者コードです。そして、GS1事業者コードと最後の桁との間にある数字がアイテムコードになります。このコードは、001から999の範囲で設定することができます。

「商品名が異なる」「色が異なる」「容量が異なる」「素材が異なる」「包装サイズが異なる」「香りが異なる」「味が異なる」「販売単位が異なる」といったことに該当する場合は、それぞれ異なるJANコードを設定し、数字の重複がないよう正確に管理しましょう。なお、GS1 Japanが運営するデータベースサービス「GS1 Japan Data Bank(GJDB)」へ商品情報を登録することにより、JANコードを自動的に設定することもできます。

チェックデジットを計算

JANコードの作成には、チェックデジットが必要で、GS1 Japanの公式サイトで計算ツールが提供されています。

あなたのGS1事業者コードが491356789だった場合は、491356789+001(任意の商品コード)の12桁の数字を入力し計算ボタンを押せばチェックデジットが分かります。

これで13桁のJANコードが完成します。

チェックデジットの計算方法の詳細については、下記のURLをご参照ください。

参考:チェックデジットの計算方法- GS1Japan

JANシンボルの印刷

JANシンボルの印刷は一般的に印刷業者に依頼をして行います。あなた自身でバーコード作成に対応したプリンター・ソフトを用意して印刷することも可能です。ただし、印刷したJANシンボルがJIS規格(規格番号X0507)に定められているサイズ・品質に適合していることがJANシンボルとして認められる条件です。適合していない場合はそのJANシンボルを読み取れない可能性があります。印刷したJANシンボルがJIS規格を満たしているかを確認するには、バーコード検証サービスを実施している会社に相談するのが良いでしょう。

JANコードは何個まで持てる?

9桁のGIS事業者コード1つにつき、1,000種類のJANコードが設定できます。000〜999までの1000通りです。1,001以上のアイテムがある場合は、登録申請書にその旨を記入することで、2以上ののGIS事業者コードを貸与してもらうことができます。

その他、GIS事業者コードに登録後に商品アイテム数が1,001以上となった場合は、追加申請手続きをとり、追加でGIS事業者コードの貸与をうけることも可能です。あなたのビジネスが軌道に乗り、アイテム数が増えてきた時はGIS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)に相談しましょう。

JANコードの取得方法と費用についてまとめ

JANコードには国内での販売のみならず、越境ECを通じて海外に販売していく際にもメリットがあります。なぜなら、JANコードはアメリカ・カナダのUPCコードやヨーロッパのEANコードと互換性のある、全世界で利用できる共通コードだからです。また、Googleによると、JANコードの有無で商品購入の割合が20%も異なっているとのことです。JANコードは日本のブランドであることを保証するものでもあり、商品のブランド価値を高めていると言われます。

JANコードを取得するために多少の時間とコストは必要ですが、どちらも比較的取り組みやすく、かつ個人でも取得できるのは大きな魅力と言えるでしょう。JANコードは、Amazonなどにおけるあなたの通販ビジネスで、今までよりも多くの商品を流通させられる可能性を秘めています。ぜひ、JANコードを取得してみてください。

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この記事を監修した人

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