転売と販売の違いは何?法律から見た転売についても解説

この記事では、転売と販売の違いを法律的な側面から見たときに発生する転売の違法性、販売・物販・転売・せどりといった似た言葉の意味、そして転売が嫌われる理由について解説します。

目次

転売と販売は何が違うの?違法な転売と合法な転売の違いを解説

世の中では悪と捉えられがちで、度々「転売なんてするな」と言われますが、転売は違法行為なのでしょうか。ここでは、転売の意味と違法性について解説していきます。販売と転売は何が違うのかについても説明しますので参考にしてください。

転売とは消費者として買ったものをさらに人に売ること

転売とは、他者から買ったものをさらに別の者へ売ることを指します。具体的にいうと以下のようなものが挙げられ、すべて「転売」です。

・人気アイドルのコンサートチケットを購入し、定価の数倍の価格で売る
・新発売のゲーム機を定価購入し、定価の数倍の価格で売る
・有名ブランドの模倣品を安く仕入れ、本物と偽ってブランドの定価で売る

ちなみに、言葉の意味だけでいうと定価で買って定価で売ることも転売ですが、それでは転売する側が損して購入側やメーカーは損をしないので、あまり話題になることはありません。

転売という行為自体に違法性はない

転売で逮捕される人がいたり、転売ヤーを悪とする世間の声があることから勘違いされがちですが、転売という行為自体に違法性はありません。しかし、実際に逮捕される人がいるということから見ても、転売によって法律を破ってしまうと問題があるということです。違法な転売と違法ではない転売について、次項から詳しく説明していきます。

チケット転売は違法

アイドルやアーティストのコンサート、スポーツ観戦などのチケットを転売することは法律で禁止されています。以前より迷惑防止条例でダフ屋行為が禁止されていましたが、2019年6月からは「チケット不正転売禁止法」が成立したため、法律としてもチケット転売が厳しく取り締まられるようになりました。

転売目的での購入が禁止されているということなので、行くつもりで買っていたけれど急に都合が悪くなっていけなくなった・行きたい人に定価で譲りたいという場合は違反にはなりません。また、チケット販売サイトでも急に都合が悪くなった場合は払い戻し+購入者の紹介に協力してくれる体制があるので、転売目的と見られたらどうしようという不安がある人も安心です。

チケット転売で儲けようと思っている人は、逮捕に繋がる行為なので今すぐに思いとどまりましょう。「チケット転売は違法」です。

正規品を定価以上の価格で売るのは違法ではない

数量限定アイテムや新発売のゲーム機など、正規品を定価で購入し、利益分を上乗せして転売することは実は違法ではありません。本当に買いたい人が買えない・販売元に得もないという、転売ヤーだけが儲ける構図なので、モラル面でいうとあまり良いとは言えないのが現状です。

・買いたい人が少ない状態で販売元から買い占め→販売元は即売上が手に入る→手間賃を上乗せして転売ヤーが自分の顧客に売っていく→そのものの魅力を知らなかった人が買う

・買いたい人が他にもいるのに買い占めをおこなう→販売元はもともと即売上が手に入るはずだったので得も損もない→手間賃を上乗せして転売ヤーが本来買う予定だった人に売っていく→もっと安く買えるはずだったのに無駄にお金を取られる

どちらも「転売」で違法性はないですが、後者のような転売ヤーが世間で問題になっていることは間違いないです。販売元が販売台数を増やして転売屋から買わないよう促したり、限定品は抽選方式にして買い占めを防いだりといった対策がとられています。

模倣品を転売するのは違法

模倣品、つまり偽物を転売するのは個人だろうが業者だろうが違法です。偽物と知らずに販売した場合でも違法になるため、本物かどうかの区別がつかないもの・偽物が出回っているようなものは下手に売らないほうが賢明です。

ちなみに偽物を販売・転売するのは違法ですが、購入することは違法ではありません。間違えて購入した人は訴える権利こそあれ罪に問われることはない、ということです。

販売と転売の違いは間に消費者を挟むかどうか

販売とは、モノを売ることですので、広い意味で言えば販売も転売も同じです。どこかから仕入れた商品を販売することを転売と定義するのであれば、コンビニで売られているものも転売となります。コンビニの商品はそのコンビニが作っているのではなく、メーカーから購入しているわけなので、仕組みとしては転売なわけです。

ただ、一般的に販売と言われるものは消費者としての購入ではなく、企業として購入したものを売っています。

具体的には、「メーカー」→「小売店(卸し価格で購入)」→「消費者(小売価格で販売)」という流れです。

反対に、世の中で転売と言われているものは、消費者として購入したものをほかの消費者へ売ることを指しています。

具体的には、「メーカー」→「小売店(卸し価格で購入)」→「消費者(小売価格で購入)」→「消費者(転売価格で販売)」という流れです。

販売と転売の違いを挙げるとすれば、間に消費者を挟むかどうかという点になるでしょう。

転売ヤーが嫌われる理由と悪質転売ヤーを撲滅する方法

ここでは、転売ヤーが嫌われる理由と転売ヤーを撲滅する方法をお伝えします。転売ヤー全般が悪なのか?といった観点からも解説していくので参考にしてください。

転売ヤーはなぜ商品を高く売れるのか

まずはじめに、転売ヤーが価格を上乗せすることは本当に悪なのか、ということについて考えてみましょう。

たとえば、次の様に困っている人がいたとします。

・限定販売の商品が平日の朝から販売される
・仕事があって買いに行けないけれど、どうしてもその商品がほしい

転売ヤーが商品を買って、自分に売ってくれたとすれば、「本来手に入るはずのなかったものを転売ヤーのおかげで入手することができた」となるのです。定価より高い金額を払ったとしても、「買いたい」という気持ちのほうが強ければ、むしろ感謝する局面でしょう。実際に自分には成し遂げられなかったことをしてくれたわけですので、手間賃として上乗せして払うことは当然ともいえます。

感覚でいうと、「人を雇って自分の代わりに買ってもらった」というイメージです。需要と供給が成り立つ限り、高額転売はなくならないといえます。

転売ヤーが嫌われる2つの理由

転売ヤーが嫌われる1つ目の理由は「本当にほしい人が商品を買えなくなっている」からです。

例えば、次の様な場合はどうなるでしょうか。

・限定販売の商品が平日の朝から販売される
・どうしてもその商品がほしいので仕事を休んで買いに行った
・目の前で転売ヤーが買い占めをおこない、商品が売り切れてしまったために自分は買うことができなかった

この商品を買いに行った人にとって転売ヤーは悪でしかありません。しかも、転売ヤーから買い取ろうとすると定価の何倍にも価格が跳ね上がってしまうこともあります。

こういった悪質転売ヤーの買い占め行為で問題になったのが、スターバックスの福袋事件です。本来であれば自分の手で・定価で購入できたはずの人が買えなくなるから、転売ヤーは嫌われてしまうのです。

転売ヤーが嫌われる2つ目の理由は、「日本人はお金を儲ける行為に対してマイナスに捉える傾向があるから」と言えます。

本来どの仕事もお金を稼ぐ行為に違いないのですが、奉仕を美徳とするあまり目立ったお金稼ぎは嫌われがちです。

販売だと一般の消費者に仕入れ値と利益率は見えにくいものですが、転売の場合、定価がわかりやすく、転売ヤーの仕入れ値と利益率が見えやすいため目の敵にされてしまいます。

悪質転売ヤーを撲滅する方法

モラルに欠けた買い占めをおこない定価の数倍の値段で売るような悪質転売ヤーを撲滅するために消費者ができることは、「転売ヤーから商品を買わないこと」です。

転売ヤーが商売として転売をおこなっている以上、仕入れても商品が売れなければ転売を続ける意味がありません。そして仕入れ分の赤字を取り戻そうとすれば、徐々に値下げをしていくほかないのです。定価か、定価以下に落ち着いたタイミングで買えば、消費者に金銭的な損はありません。

チケット転売に関するあれこれ

転売という行為自体は違法ではありませんが、中には転売が禁止されている商材もあります。その中のひとつ、チケット転売の違法性について解説していきます。

転売目的でのチケット購入は違法

人気アーティストのコンサートやスポーツ観戦などのチケットを転売屋が買った場合、人気があるチケットほど、買えなかった人たちは高額でもいいからと転売屋からチケットを購入します。定価の数倍の値段で売れれば、その差額分転売屋は儲けることができるのです。

しかし、どんなに高額を払ってもおおもとのアーティストにはチケット定価分以上のお金は入りませんし、高額でチケットを買った人はその分使えるお金が減ってしまいます。するとどんな事が起きるかというと、今まで年に10回コンサート通いしていた人が5回に減る・コンサートグッズを買っていた分がチケット代に消えて買えなくなるという現象です。

そうなると、ゆくゆくは公式にお金が足りなくなってコンサートなどのイベントを続行できなくなってしまいます。こういった面から、アーティスト直々に転売屋からチケットを買わないよう促す・本人確認などでチケット購入者しか入場できなくするなどの対策がとられてきました。

以前からチケット転売は「条例」で禁止されていた

以前から、チケットの転売は自治体の迷惑防止条例で禁止されていました。会場周辺で高額転売すること=ダフ屋の取り締まりです。しかし、条例レベルではチケット転売を撲滅することができませんでした。そこで生まれたのが、「チケット不正転売禁止法」という法律です。

2019年にチケット転売を禁止する「法律」が制定された

2019年6月に、法律としてチケット転売が禁止されました。これが「チケット不正転売禁止法」です。芸術・芸能・スポーツといったあらゆるイベントが対象で、転売目的のチケット購入とチケットの転売が規制の対象になっています。

チケット不正転売禁止法に違反したときの処罰

チケット不正転売禁止法に違反すると、以下のような罰則が課せられます。

・1年以下の懲役
・100万円以下の罰金
・上記の罰則両方

物販と転売の違い

ここでは、物販と転売の違いについて解説していきます。

物販とは

物販とは、ものを販売することです。そして、物販と呼ばれるものの流れは以下のとおりです。

1.メーカーが製品を作る
2.商社や卸問屋が商品を仕入れる
3.商社や卸問屋から小売店が商品を仕入れる
4.消費者が買う

一般的に消費者が商社や卸問屋から直接商品を購入することは難しいので、小売店を間に挟むことで「手軽に変える」という価値が生まれています。

転売と物販の違い

続いて転売の仕組みですが、流れは以下のとおりです。

1.メーカーが製品を作る
2.商社や卸問屋が商品を仕入れる
3.商社や卸問屋から小売店が商品を仕入れる
4.小売店で売っているものを転売屋が買う
5.転売屋から消費者が買う

小売店からという、他の消費者でも買えるものを転売屋が買ってしまうので、問題になるわけです。転売屋が大量買いしてしまえば小売店からは商品がなくなってしまうので、本来小売店に出向いて買う予定だった消費者は商品を手にできません。

また、小売店は売り切れ状態のままにもしておけないので追加で卸問屋から商品を買いますが、その間に消費者が転売屋から商品を買ってしまえば、仕入れ損になる可能性まで秘めています。悪質な転売は、本来の流通を歪め、実際の需要を見えにくくしてしまうのです。

悪質転売がしにくい時代になっている

最近では、メーカーや小売店が悪質転売を防ぐために動き出しています。

メーカーは「追加生産するので転売屋から買わないように」と呼びかけているところもあり、小売店もオンラインストアを充実させる・一人あたりの購入数に制限を設けるなどして「先頭に並べば大量に買える」という風習をなくしているのです。

今まで悪質転売で儲けていた人たちは、シフトチェンジを余儀なくされていると言えます。

転売とせどりの違いはあるの?

ここでは、転売とせどりの違いはあるのか、それぞれの言葉がもつ意味とは何なのかについて解説していきます。

転売という言葉の意味

転売とは、「人から買ったものをさらに人に売ること」を意味する言葉です。値段や商品の新品・中古品については関係ありません。つまり、定価で買って定価で売っても、定価で買って高値で売っても、中古品を買い取ってさらに人に売っても、すべて「転売」と呼ばれるのです。

転売は昔からある商売

実は、転売で儲けるという手法は江戸時代にはもう存在していました。その頃の転売がどのようなものかというと、以下のとおりです。

・紀州でみかんが豊作な年があり、紀州ではみかんの価値が下がって安く売られていた
・しかし、嵐の影響で江戸にみかんを運ぶ流通が止まってしまった
・江戸ではみかんの価値が上がり、高額で取引されるようになった
・それに目をつけた商売人が自分の足で江戸にみかんを運び、差額で大儲けした

確かに嵐の中自分の身を削ってみかんを運んだことはすごいですが、紀州のみかん農家は儲けていないですし、江戸の人も高額で買い取っているので儲けになったのは商売人だけです。こうしてみると、今の転売と変わらないと言えます。

転売屋しか得しない転売は嫌われている

転売が悪としてみなされる場面では、メーカーも消費者も損しているという現実があります。たとえば、SwitchやPSVR、最近でいうとマスクの高額転売も問題になっています。

小売店で転売ヤーが買い占めをおこなったことによって、本来買えるはずだった人が買えなくなり、品薄が続くことでさらに価値が高まる=高額で取引されるようになるという流れです。転売ヤーだけが得する転売は嫌われていますし、法規制も始まっています。

転売とせどりに大きな違いはない

一般的に浸透しているイメージで言うと、せどり=中古品を扱う・転売=新品を使うとなっていますが、あまり大きな違いはありません。せどりの語源は古書の背表紙を見て価値を見定めて仕入れる様子から来ているのでこのような位置づけになっていますが、実際にはせどりも転売です。販売という大きなくくりのなかに転売があり、転売という大きなくくりの中にせどりがある、というイメージです。

転売と物販の違いは仕入先

転売と物販の違いは、仕入先です。小売店という、一般の消費者が買える市場で商品を仕入れて販売するのが転売で、卸問屋という一般の消費者には買えない市場で仕入れて販売するのが物販となります。

物販は卸問屋との取引があって販売をおこなうので流通が乱れることがありませんが、転売はいち消費者が流通に加わってしまうために商品価値・商品価格の変動が起きてしまいます。

転売をするときに古物商許可が必要になる場合

お酒やペット、薬品など販売に許可や資格がいる商品はありますが、基本的には新品の商品を販売することに関していうと特別な許可は必要ありません。誰もが好きなものを自由に販売することが可能です。

しかし、中古品を購入して転売する場合には古物商許可が必要になります。新品を転売する場合は許可の必要はありませんが、中古品の転売は許可がなければできません。つまり、古物商許可を取得しなければ、中古品を転売してお金を稼ぐことはできません。

古物商許可を持たずに中古品を転売すると、警察に逮捕されてしまう恐れがありますから絶対にしないようにしましょう。

中古品の転売には古物商許可が必要

中古品を売って転売でビジネスをしようと思うなら、「古物商許可」が必要になります。ただし、法律上でいう中古品とは、一般的な中古品とは意味が違ってきます。法律上の中古品とは未使用かどうかで決まるのではなく「未使用の新品だとしても、一度でも消費者の手に渡ったものは中古品とみなす」という定義があるため注意が必要です。

新品の商品をメーカーや直営店などから仕入れて販売する場合は古物商許可はいりません。しかしヤフオクやメルカリなどで個人から仕入れた商品に関しては、未開封の新品だったとしても中古品として扱われますから転売する場合は古物商許可が必要になることが多いです。これは、出品者=消費者であるため、消費者の手に渡った商品ということになるからです。

ネット上では取引相手がメーカーか個人か分かりにくい場合がありますから、万が一を考えて古物商許可を取っておくのが良いでしょう。

中古品の転売に古物商許可が必要な理由

なぜメーカーや直営店からの新品の転売には許可はいらず、中古品の転売に古物商許可が必要かというと、「盗品の防止や盗品の速やかな発見を図り、窃盗その他の犯罪の防止を図ること」が古物営業法の目的だからです。

中古品でも許可なく自由に転売ができると、窃盗や強盗などで手に入れた物品も自由に売却することができます。そしてその物品は泥棒から消費者の手へ渡り、また次の消費者へと流れて市場で流通してしまいます。消費者は盗品を買ってしまう恐れがあり、泥棒は盗んだ物品を簡単に現金に換えることができます。

それを防止するために、警察は中古品の転売を許可制にすることで、誰がその物品を売ったかわかるように管理して盗品が市場に出回らないようにしているのです。もし盗品が市場に出回ってしまったとしても、古物商許可の記録をさかのぼることができます。そのため「盗品や泥棒の速やかな発見が可能となり、窃盗その他の犯罪の防止」という本来の目的にもつながるのです。

無許可で中古品を転売してしまった場合の処罰

古物商許可を取らずに中古品を転売したことが発覚すると、古物商営業法上で罰則の対象となる無許可営業という違反行為になり罰則を科される可能性があります。

この場合、「最大3年の懲役」または「100万円以下の罰金」もしくはその両方という重い罰則を科せられることになります。

転売に関して買い占めなどの悪質な行為が横行し話題になり、転売ヤーという言葉は悪い意味で使われることが多くなっています。そのため転売に対する一般人の目も厳しく警察の取り締まりも強化されています。

無許可での中古品の転売は罰則が重く非常にリスクが高いため、転売ビジネスをする場合は必ず古物商許可を取得するようにして下さい。

まとめ

転売と販売は非常によく似ていますが、あえて分類分けするのならば、消費者として仕入れをおこなって販売すれば「転売」という扱いになります。転売自体は違法ではありませんが、チケット転売や模倣品転売のように違法のものもあるため注意が必要です。

ひとくちに転売と言っても、消費者の役に立つ転売もありますし、モラルを疑うような悪質な転売もあります。悪質な転売はしない、悪質な転売屋からは買わないことが大切です。

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この記事を書いた人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

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