せどりを副業で行う場合の確定申告のやり方は?基礎から丁寧に解説します!

せどりは副業としても人気のあるビジネスで、多くのユーザーが取り組んでいます。個人事業として扱われ、収入によっては所得税の申告が必要になるのが特徴です。しかし、中には申告の手続きの方法がよく分からないという人が多いのではないでしょうか?

この記事では、確定申告について基本的なことから丁寧に解説しています。手続きに関して不安がある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

そもそも確定申告とは?

そもそも確定申告とは?

「確定申告」という制度がそもそも何であるのか、いまひとつピンと来ないという人がいるのではないでしょうか?

ここからは所得税の申告について学ぶために、まず知っておくべき基礎知識について解説していきます。

制度の概要

「確定申告」とは、その年に支払うべき所得税を計算し、申告して納税する制度です。手続きに際してはさまざまな作業が必要で、所得や経費の計算、書類の作成などを行わなければなりません。作業には時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで行いましょう。大変だと感じたら、外部に委託するのも選択肢の一つです。

せどりでの収入も対象となる

せどりは、品物を安く買って適正価格で売るビジネスです。中にはちょっとした小遣い稼ぎの感覚で行う人がいるものの、一般的には個人事業として扱われます。収入次第では当然、所得税を申告する義務が生じます。

なお、個人事業を行っている人は、申告の手続きを自分で行わなければなりません。正しい方法で書類を作成し、適切な手続きを行いましょう。

「所得」と「収入」を混同しやすいので注意

所得税はビジネスを行った際の所得に対して発生するものです。では、「所得」とは具体的に何を指すのでしょうか?

「所得」とは、ビジネスの収益から経費を差し引いた金額です。収入と混同されることがありますが、別の意味なので注意してください。「収入」は、取り引きで得た収益そのものを表す言葉です。

例えば、1度の取り引きで得た収入が10,000円で、諸経費が1,000円かかったとします。このケースでは、取り引きで得た所得は「10,000円-1,000円=9,000円」となります。

所得の計算が正しくできないと、余分に税金を払うことになりかねません。手続きを行う際は、正確に作業を行いましょう。そのためには、日頃から計算に必要な書類、例えば、領収書などを適切に保管しておかなければなりません。

申告をしなければならない場合とは?

申告をしなければならない場合とは?

所得税の申告は、必ずしも全てのケースで行わなければならないわけではありません。ある一定の条件を満たした時にのみ、義務が生じます。申告の義務があるのにもかかわらず手続きを行わなかった際は、罰則の対象となるので気を付けてください。

では、具体的にどんなケースで所得税の申告の義務が生じるのでしょうか?ここからは、その条件について詳しく説明していきます。

本業として営むケース

本業としてせどりを行っている人は、その年の所得が48万円を超えたら所得税の申告を行わなければなりません。逆に、所得が48万円に満たないケースでは、申告をしなかったとしても罰則の対象にはなりません。ただ、義務の対象外のユーザーでも、申告自体は行うことが可能です。事業が赤字になった場合などは、翌年以降に損失額を繰り越せるため、念のため手続きを行うことをおすすめします。なお、損失額の繰り越しができるのは青色申告のみに限られます。

また、青色申告を行えば、さらに控除額が増えます。受けられる控除の金額は条件によって異なりますが、最大で65万円までが適用されます。

副業として営むケース

本業で給与所得を得ており、せどりを副業として行っているケースでは、せどりで得た所得が20万円を超えると、申告の義務が生じます。手続きを忘れずに行いましょう。

また、所得税の申告をすると、その分だけ住民税が課されます。もし、勤めている企業の規則に反して副業を行っていたとしたら、支払うべき住民税との矛盾が生じ、事実が発覚する可能性があります。トラブルを避けるためにも、副業を始める際には本業の規則を確認しましょう。

不用品をフリマアプリに出品したケースはどうなる?

せどりのような物販を行っていても、所得税が課されないケースがあります。例えば、不用品の処分を目的としてフリマアプリなどに品物を売りに出したケースでは、その収益に所得税が発生することはありません。あくまでもビジネス目的で品物の売買を行った時にのみ、申告の義務が生じます。

ただし、ひとつもしくは1組の値段が30万円を超える際は、その限りではありません。高価な品の取り引きは、不用品の処分が主目的でも課税対象となるので注意が必要です。

申告の種類

申告の種類

所得税の申告の種類は、大きく分けて2種類あります。ここからは、その二つの特徴の違いについて解説していきます。

白色申告

白色申告は、青色申告に比べて手続きが単純で手軽なのが特徴です。作業をシンプルに済ませたいという人がよく利用します。

ただし、青色申告で受けられる控除や赤字の繰り越しなどの制度が受けられなくなり、経費として計上できる項目も減ります。つまり、手続きの手間は削減できるものの、十分な恩恵が得られません。どちらを優先するのかは自由ですが、内容をよく理解した上で決めたほうが賢明です。

青色申告

青色申告は、手続きが複雑になりますが、その代わりにさまざまなメリットが得られます。例えば、所得税が控除される金額が増えたり、赤字の繰り越しができたりなどの恩恵が得られます。

上記のことからも分かる通り、節税を考慮すれば青色申告の方が圧倒的に有利です。現在では、書類作成をサポートするさまざまなツールがあり、それらを活用しながら手続きの方法について学ぶのも一案です。また、ハードルが高すぎると感じる人は、外注をするのも一つの手です。多少人件費がかさみますが、手間を大きく削減できます。ひとつの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?

なお、青色申告を行うには、あらかじめ別途、事前の手続きを行わなければなりません。税務署に申請書を提出しなければ、手続きが行えないので注意してください。忘れた時には、諦めて白色申告を選択するしかありません。

青色申告のメリット

青色申告のメリット

青色申告にはさまざまなメリットがあることは知っていても、具体的にどのような点が有利なのかは知らないという人もいるのではないでしょうか?

ここからは、青色申告のメリットについて詳しく解説していきます。

最大で65万円が控除される

青色申告を行う場合、基礎控除額に加えて最大で65万円の控除が受けられます。白色申告に比べて控除される税額が大きく、結果的に得をすることになります。

ただし、控除の対象額は申告の方法や帳簿の付け方によって変わります。具体的な条件は以下の通りです。

「10万円控除を受けるための条件」

・記帳に基づいた申告を行うこと

・手続きの際に青色申告決算書を添付すること

「55万円控除を受けるための条件」

・正規の簿記の原則にのっとって帳簿を付けていること

・手続きの際に青色申告決算書を添付すること

・現金主義による所得計算の特例を利用していないこと

・事業所得または事業的規模の不動産所得があること

・期限内に申告と納税をすること

・申告書に控除金額を明記して手続きを行うこと

「65万円控除を受けるための条件」

・55万円控除の条件に加え、さらにe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行っていること

親族に対して支払った給与が経費として換算される

青色申告なら、15歳以上の親族にビジネスを手伝ってもらっている場合、その給与を経費として計上できます。ただし、親族が他に本業を持っておらず、かつビジネスに6カ月以上従事した場合に限ります。

なお、労働に見合った金額であることが求められるため、多額の給与を家族に支給して税金をごまかすことはできません。あくまでも常識の範囲内で申請を行うことが重要です。

損失が出た場合、繰り越しができる

ビジネスで損失が出た場合、その損失分は3年間にわたって繰り越すことができます。一方、白色申告では損失の繰り越しができません。

例えば、10万円の損失が出た次の年に50万円の黒字が出た場合、白色申告の場合は50万円分の所得税が課されますが、青色申告の場合は前年の損失分を差し引いた40万円分の所得税を支払うだけで済みます。

せどりは品物を仕入れなければビジネスが成り立たないという特性があり、損失が出ることが考えられます。損失を繰り越せる制度が利用できれば、その分、リスクを軽減できます。

経費として換算できる上限額が増える

白色申告の場合、倉庫やパソコンなどをはじめとする10万円以上の固定資産にかかる経費は、数年に分けて計上しなければなりません。一方、青色申告の場合、30万円未満のものなら一括で経費として計上でき、手続きが容易になります。

青色申告の手順

青色申告の手順

青色申告の方が得であることは知っていても、手続きが複雑そうで、どのように行えばよいのかが分からないという人も多いのではないでしょうか?

ここからは、青色申告の手続きについて詳しく説明していきます。

必要な書類を税務署に提出する

青色申告をするには、あらかじめ税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」の2種類の書類を提出しなければなりません。ただし、後者には提出期限があり、期限を過ぎると青色申告ができないので注意が必要です。提出期限は、事業の開業日によって異なります。事業の開業日が1月1日から1月15日までの場合は3月15日まで、それ以外の場合は開業から2カ月以内に提出しなければなりません。

なお、上記の手続きは毎年行う必要はありません。一度手続きを行えば、次の年以降も継続して適用されます。

帳簿付けをする

確定申告を行うには、その年の事業の帳簿を付けておく必要があります。青色申告で最大限の控除を受けたい場合は、簡易簿記ではなく複式簿記で帳簿を付けなければなりません。正しい形式にのっとって書類を作りましょう。1年分を一度にこなすのは大変な作業となり、定期的に帳簿をつけることで負担を軽減することができます。帳簿付けを代わりに行なっているツールもあります。

また、書類を作る際には領収書やレシート、源泉徴収票などが必要です。これらの書類は事実を証明するために重要なもので、紛失しないよう管理する必要があります。

書類を作る

実際に青色申告を行う際には、以下の2種類の書類を提出する必要があります。

・確定申告書

・青色申告決算書

以前は確定申告書にはAとBの2種類が存在していましたが、現在では1種類に統一されています。書類は合計で第四表までありますが、必ずしも4枚とも提出しなければならないというわけではありません。申請内容によって提出すべきものが異なります。事前によく確認してください。

また、青色申告決算書も複数枚からなるものです。漏れがあると、申告が適切に行えない可能性があるため注意しましょう。書類の作り方に関して不安がある場合は、税理士に相談するか、初心者でも使いやすい専用ツールを利用することをおすすめします。

手続きを行う

書類が用意できたら、実際に手続きを行いましょう。手続きの方法にはいくつかの種類があり、自分の都合に合わせて好きな方法を選択できます。手続きの方法は、以下の3種類となっています。

・税務署に郵送で送る

・申告会場に出向いて手続きをする

・ネット上で手続きをする

この内、ネット上で手続きを行う場合は別途手続きが必要です。ただし、65万円の控除を受けたい場合は、この方法しかありません。控除を最大限受けたい場合は、事前に手続きしてからネット上で手続きを行いましょう。ネット上での手続きについてさらに詳しく知りたい方は、公式のページを参考にしてください。

参考:【e-Tax】ご利用の流れ

仕組みを理解して正しく手続きを行いましょう

仕組みを理解して正しく手続きを行いましょう

確定申告は、手続きが複雑で難しい印象を持つ人が少なからずいるでしょう。しかし、義務の対象となっている人は必ず行わなければならないものです。手続きの方法についてよく勉強し、適切な書類を提出しなければなりません。

手続きを適切に行うためには、時間に余裕を持って作業を行う必要があります。もし自分の手に負えないと思ったら、税理士に依頼するのも一案です。

なお、確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、後者にはさまざまなメリットがあります。その分手続きが複雑になりますが、節税したい人はぜひとも検討してみてください。

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この記事を監修した人

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