革の仕入れで失敗しないコツ!おすすめ販売業者もご紹介

ヌメ革を仕入れるときの注意点や価格、おすすめの仕入れ業者をご紹介します。

目次

レザークラフトはどんな革材料を仕入れたらよいか?

レザークラフトを始めたばかりの人は、まず端切れのような小さなサイズから購入しようと思いますよね。端切れを買って小物サイズのクラフトを作るならそれで事足りるのですが、長財布程の大きさのものを作ろうとする場合、思い切って初めから半裁で買うことをおすすめします。

レザークラフトでいう半裁とは、一頭分の牛の皮を背中で切り分けたもの。おおよそ縦が1m、横が2mにもなるビッグサイズですが、長財布を作ったあとも他のクラフトを作ることができます。

半裁の革を仕入れる時の注意ポイント

四角形にカットされた小さなサイズの皮と違い、半裁の場合は以下の画像のように形が整っていません。

半裁とは半頭ぶんの皮なので、牛の個体差によって大きさは多少変わってきます。

そして育った環境によりキズのつき方や量もばらばらです。当然ながら背中部分と足の付け根部分では、皮質が同じではありません。革ならではの味があるクラフトを作ることができるというメリットと、思ったような皮質とは限らないというデメリットを前もって把握しておく必要があります。

どうしても使い切れない端の部分がでてくるので、全体の70%を使うというイメージを持っておくと良いでしょう。

半裁の革の特徴や仕入れ時の注意ポイント

半裁の革は場所毎に、伸びやすさや伸びる方向が違います。背中にいくほど質が良くて丈夫です。そして背中部分の革は伸びにくく、この性質を利用して耐久性が求められる部位に利用すると良いでしょう。

半裁の革を購入したとき、バッグだったらこの部分、財布だったらこの部分と、あらかじめ使用部位を決めておくのがおすすめです。

半裁の革の仕入れ価格

革の半裁は形が定まっていないので、大方の面積で価格が決定するということを前提にしてください。

革の面積はDS(デシ)という単位で測られます。1DSは10cm×10cmです。動物の種類によって半裁の大きさが違い、牛は200~300DS、豚は100~150DS、鹿は110~150DSの大きさになります。

牛革の場合1DSが100~200円が普通の価格帯、200円以上だと高いということになります。牛革1DSで150円のものを250DS(半裁)買うとすると37,500円になりますね。この価格を基準にすると良いでしょう。

クロムなめしは、比較的簡単な工程でできるので安いです。けれども柔らかくて縫うのが大変なので、初心者はタンニンなめしがおすすめです。

極上の革質はどのように作られているの?

クラフトを作るなら革質にもこだわりたいもの。極上の革質を表現するためには、どのように作られているのか見ていきましょう。

タンニンエキスでのなめし(ヌメ革)

汚れを落とし皮を柔らかくする技術を「なめし」といいます。なめしに使われる原料は様々ですが、植物に含まれるタンニンを使った革は使い込むごとに柔らかく味がでてきます。年月を経る毎に醸し出される風合いが楽しめるのです。

日本では主にミモザの木のタンニンがなめしに使われます。通常は1種類の植物が使われますが、ミモザの他にケブラチョのタンニンが使われていると、さらに高級感が増した革ができあがります。約2ヶ月の長い時をかけて、じっくりなめされ多くの手間がかかっているのです。

このように植物のタンニンでなめされたものを「ヌメ革」といいます。

動物オイルを革にたっぷり含ませる

なめしの工程の次は、馴染みのいい動物オイルやタンニンオイルをたっぷり含ませ、革に柔軟性をもたせます。艶のある極上の革を表現できます。

革にさらに艶がでるグレージング加工

前項の工程で終了する革もありますが、グレージング加工を施すとさらに艶が増します。グレージングとはグレージングマシーンという専用の機械で革を擦る方法。摩擦熱により鮮やかな発色と光沢のある革に仕上がります。ワニや蛇などにも、グレージング加工はよく行われます。

押さえるべき革の仕上げ方法とおすすめ仕入れ店

これまで「なめし」と「グレージング加工」について説明してきましたが、革は最後の仕上げの工程でも価格が違ってきます。そこでどのような仕上げ方法があるのか、またおすすめショップについてもご紹介します。

革をコーティングする顔料仕上げ

顔料で革の表面をコーティングする方法です。皮のキズを隠すことができるので、キズが多いランクが低めの皮も綺麗に仕上がります。そして経年によって革の風合いが変わることがありません。革独特の質感を楽しみたいという人には不向きであるといえるでしょう。

しかし色移りせずメンテナンスも楽という長所があります。さらに顔料仕上げは量産できるので染料仕上げより安価です。味がある染料仕上げか、扱いやすい顔料仕上げが良いかは、人によって意見が分かれるところです。

革の風合いがでる染料仕上げ・アニリン仕上げ

染料仕上げとは染料を皮に浸み込ませて色をつける方法です(染料仕上げとアニリン仕上げは同じ方法)。キズはそのまま残り、生き物としての皮の表情を損なうことなく、独特の風合いや経年による革の変化を感じることができます。

そのため、キズが少ない高い品の革は染料仕上げが行われます。反対にキズが多い皮は、顔料仕上げになります。

染料仕上げは顔料仕上げより高価になりますが、革の風合いや成長を楽しむことができます。レザークラフトの意義はここにあるといえます。

半裁の革を仕入れる場合のおすすめショップ

間違いのないおすすめのショップは、「和乃革」。国産のヌメ革を販売しています。染め方は染料仕上げなので高品質。半裁サイズの他、A3サイズやA4サイズなどから選べます。

参考:和乃革

そのほかのおすすめは、楽天出店の「Good Leather」と「ぱれっと」。これらの店舗は、半裁の革だけでなく工具も充実しています。

参考:Good Leather

参考:ぱれっと

(1)おすすめのヌメ革仕入れ先

ヌメ皮のおすすめ仕入れ先としてまずは、「フジトウ商事」、「中村千之助商店」、「AFULLY」の3店をご紹介します。

老舗で仕入れ・革専門店「フジトウ商事」

参考:フジトウ商事

創業は大正十年という長い歴史のある老舗革専門店。ヌメ皮の品ぞろえが豊富で良い品を安く売ることがモットーとされています。素材は牛の他に鹿・豚・ワニ・蛇などと幅広いのが特徴。こちらのネットサイトにない商品も取り寄せが可能なので、気になった方は問い合わせてみてください。

革の可能性を引き出す「中村千之助商店」

参考:中村千之助商店

革の新しい可能性を見つけ出す」をコンセプトに、1920年の創業以来、現在に至るまでも日々開発が行われています。

植物性タンニンでなめしたヌメ皮をはじめ、多くの素材がラインナップされています。サンプル帳の販売があるので好みの皮革選びに便利です。楽天やAmazonにも出店しています。

世界の革を仕入れる「AFULLY(アフリー)」

参考:AFULLY(アフリー)

世界から厳選した革を取り寄せ、小売りや卸しに対応しています。

(2)おすすめのヌメ革仕入れ先

ヌメ皮のおすすめ仕入れ先第二弾は「NETSEA」、「久保柳商店」、「Craft Shop AISAN」をご紹介します。

ヌメ革商品の仕入れは「NETSEA」

参考:NETSEA(ネッシー)

サプライヤーとバイヤーのマッチングサイトです。財布やペンケースなどヌメ皮でできた商品を購入することができます。

仕入れには会員登録が必要ですが無料で登録可能。個人事業主でも利用可能です。

浅草での仕入れは革専門店「久保柳商店」

参考:久保柳商店

こちらは昭和17年に浅草で創業した老舗卸問屋です。自然の刻印といわれる血管や毛穴が豊かな表情をみせるヌメ革が販売されています。

そして半裁皮革、端切れの他、レザー小物もオンラインショップから購入できます。ちょっとしたキズや色むらがある革は、アウトレット価格になっています。

革手芸材料の仕入れ先「Craft Shop AISAN」

参考:Craft Shop AISAN

創業は昭和25年、名古屋市の皮革専門店です。牛ヌメ革の他、豚・羊・馬の革を扱っています。革の加工は天然・人工と幅広く、金具や革手芸材料全般の商品を購入することができます。

一日アトリエを貸し出す、レンタルルームも用意されています。気の合う仲間同士で、レザークラフトを楽しみたい方は、お問い合わせしてみるとよいですね。

(3)おすすめのヌメ革仕入れ先

ヌメ皮のおすすめ仕入れ先第三弾は「レザーマニア」、「三昌」、「MIYATSUGU」をご紹介します。

珍しい革を仕入れられる「レザーマニア」

参考:レザーマニア

大きな革を程よいサイズにカットし必要な人に必要なだけ届けるをモットーに、多彩な種類の革が販売されています。取り扱っている革は貴重な天然素材。エキゾチックレザー(トカゲ、ヘビ、ゾウなど)はレザーマニア東京で販売しています。

革業界での発注ミス・色ブレなどで、行き場を失った革の現金買取も行っています。

仕入れはヌメ革が人気の「三昌」

参考:三昌

昭和46年創業の兵庫県姫路市の会社です。皮革や皮革製品の製造を一貫して行い、販売しています。レザークラフトに使用する個人や革製品の開発を行う法人を顧客とします。

有名ブランドの製品にもここの皮革が使われています。なめし剤にタンニンしか使わないヌメ革は、その個性や風合いの豊かさで多くのファンを引き付けてやみません。

幅広い革の仕入れは「MIYATSUGU」

参考:MIYATSUGU

1951年創業の大阪にあるショップです。様々な使い道に対応した革を、個人や法人向けに販売しています。

定番のヌメ革はオーストラリアの高品質な原皮を使用。純粋な植物性のタンニンをじっくりと浸み込ませ、見事な風合いを醸し出しています。色は9種類から選べます。

ヌメ革の仕入れまとめ

ヌメ革は高級素材なので、専門業者による取り扱いが多いです。ヌメ皮に興味がある方は、一度業者に問い合わせてみるとよいでしょう。素材の扱い方も教えてもらえます。そして可能ならば実際に間近で実物を確認することをお勧めします。

これまで紹介した仕入れ業者も是非参考にしてくださいね。

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この記事を監修した人

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