スマホを使って、誰でも簡単にフリーマーケットが楽しめる「メルカリ」。品ぞろえが豊富なうえ、他では手に入らないアイテムが格安で買えることもあり、大変な人気です。
しかし、その手軽さゆえに悪徳出品者による詐欺行為が横行しているのも事実です。「説明と違う商品が届いた」「購入したのに商品が届かない」「偽物を売りつけられた」など、内容は様々です。
そこで今回は、メルカリで商品を購入する際のよくある詐欺の手口やその予防対策について詳しく解説します。これからメルカリで安心してショッピングを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
どんな詐欺手口があるのか?
早速、メルカリでどの様な詐欺行為があるのか見ていきましょう。
詐欺のパターン1:商品説明と違うものが届く
メルカリでもっともよくある詐欺行為が、商品説明と実際に届く物が違うというケースです。
このパターンの多くは、偽物が届きます。出品画像には本物を掲載しておきながら、実際には、別のメーカーの類似品やレプリカ、偽のブランド品を送ってくるのです。
それ以外にも色違いや数不足、動作不良、付属品不足など、商品説明とは異なる状態で届くこともあります。
メルカリは、元はといえば、商品を手にとれるシチュエーションで、出品者と購入者が互いに顔を見合わせながら売り買いができるフリーマーケットが原点です。出品者の多くは、不要物を買ってくれる人がいるなら捨てるのはもったいない、という考えで売りに出します。購入者は、欲しいものがあれば、値段交渉をしたり、他の商品と抱き合わせたりして安く買える、というのがフリーマーケットの醍醐味です。
しかし、ネットでは直接のやり取りができないため、購入者にとっては、メルカリのサイト上にアップされている画像と商品説明が頼りです。疑問点は、出品者に尋ねることができますが、その返答はあくまでもメール限定です。購入者は、本当は手にとって確かめたいところを出品者を信じて買うと決めるわけですが、そこを逆手にとるのが、この詐欺のやり口です。
詐欺パターン2:「発送した」と偽る
まだ商品を発送していないのも関わらず、発送通知を送信する詐欺もあります。
メルカリでは、商品の購入が決まると、購入者が代金を支払い、一時的にメルカリが預かります。メルカリから代金が支払い済みとなった旨が通知されると、出品者は商品を発送して、購入者に発送通知を送ることになっています。
ところがこの詐欺は、商品を送らずに送ったと偽って、購入者に発送通知を行うのです。通常、実際に商品が届き、問題がなければ購入者が受取評価を行い、その後メルカリ経由で出品者に代金が振り込まれます。よって、発送通知が来ても商品が届かなければ、受取評価を行う必要はありません。
しかし、購入者の中には、商品を受け取っても受取評価を忘れてしまう人もいます。この場合、出品者への支払いが滞ってしまうため、メルカリでは「発送通知をした9日後の13時以降に代金を自動で振り込む」と規定しているのです。
多くの購入者は、商品が届かないと不審に思って出品者に問い合せます。しかし、それでも悪徳出品者の場合、「送ったのでもう少しお待ちください」などとはぐらかし、タイムリミットを迎えて自動振り込みされることを狙うわけです。
詐欺パターン3:受取評価を催促してくる
出品者から受取評価を急がされるという詐欺にも、注意が必要です。実際には商品を送っていないにも関わらず発送通知を行い、さらに受取評価をするように促してくるやり口です。
購入者は、商品の到着を確認してから受取評価を行えば良いことになっています。ところが、メルカリで大量に購入する人の中には、ごく稀に「受取評価をして欲しい」と催促されると、自分が忘れていたと思い込んで受取評価してしまう場合があります。結局、商品は届かず代金だけを支払うことになります。
詐偽パターン4:後払いサービスを使う
株式会社Paidyが提供している後払いサービス「Paidy」を不正利用した詐欺もあります。
「Paidy」は携帯電話番号とメールアドレスがあれば、クレジットカードなしで商品を購入し、代金を後払いできるというサービスです。
このサービス自体は非常に便利なのですが、悪徳出品者はメルカリで注文を受けた後に、Paidyを使って無在庫状態で他の店舗からその商品を購入します。メルカリから購入者による代金の支払いがあった旨の通知を受けると、出品者は購入者の氏名と住所を知ることができます。自分の携帯電話番号とメールアドレスで商品を買い、購入者の住所宛に送るようにすると、あたかも購入者が注文したように装うことができます。
購入者は、出品者(悪徳出品者のこと)と異なる業者から商品が届くと、戸惑う事でしょう。しかし、さらに購入者が驚くのは、後になって請求も自分宛に来ることがあるという点です。
Paidyは、本当の購入者から代金の支払いが行われない場合、その支払いを商品の受取人に請求します。本来は、購入者と受取人が同じはずですが、このケースの場合は違います。すると、購入者は、悪徳出品者に代金を支払ったうえ、Paidyにも2重で支払わなければならなくなるのです。
この点についてPaidyは、「加害者を見つけ次第損害賠償を請求し、被害者にむやみに代金を請求しない」といった方針を打ち出しています。しかし、そもそも被害に遭わないに越したことはありません。そのため、住所や名前といった個人情報を出品者に伝えずに済む、匿名配送(メルカリ便)を使用するといった対策をとるのが望ましいでしょう。
怪しい出品者の見分け方6選
メルカリには、数多くの出品者が存在します。その多くは、純粋に自分の売りたい商品を出品している人たちです。ただ、残念ながらその割合は100%ではないので、購入者は詐欺被害に遭わないためにも、自分で対策を講じる必要があります。
そこで、怪しい出品者を見分けるポイントを6つご紹介しましょう。
特徴1:同じ商品が出品されている
出品画面を見ていると、商品が売れているにもかかわらず、同じ画像を掲載し続けている場合があります。メルカリでは、商品が手元にないのに出品する無在庫販売は禁止のため、購入者に実際に送り届ける商品を出品画面にアップするのが原則です。しかし、同じ画像を使い回している場合は、その商品が送られてくるとは考えられず、ほぼ詐欺と考えて良いでしょう。
特徴2:価格が安すぎる
新品や未使用品を、格安で販売している出品者にも注意しましょう。中古品や開封済の商品ならまだしも、まったく使用していない商品があまりにも安いというのは、偽物の可能性が高く怪しいです。
結婚資金の引き出物やお歳暮などの贈答品という可能性もありますが、新品ならそれなりの価格で売るのが一般的です。迷う場合は、他にどの様な商品を出品しているかを確認しましょう。同じ様に格安商品ばかりを出品しているようなら、要注意です。
また、コメントへの対応も見る価値があります。丁寧に応対しているようなら信頼できますが、無視したり、雑でぞんざいなコメントしか返信していなかったりという場合は、安易に購入しない方がよいでしょう。
特徴3:言葉遣いがおかしい
商品説明の日本語に違和感がある場合も、警戒した方がよいでしょう。日本人でない可能性が高いからです。外国の出品者がすべて悪徳というわけでは、決してありません。しかし、とくに中国系の出品者に詐欺が多いのは事実です。
- 誤字が多い
- 敬語がおかしい
- 文法に誤りがある
- 各所に粗末な表現が混ざっている
以上の様な特徴が目につく場合は、気をつけてください。
どうしても欲しい商品の場合は、質問を送って返答を待ちましょう。的外れな答えや文章自体に不自然な点がある場合は、あまりおすすめしません。他のコメントや評価なども確認のうえで、総合的かつ慎重に判断してください。
特徴4:評価が低い
多くのブランド品を出品しているにもかかわらず、評価が低かったり少なかったりする場合は、詐欺の可能性があります。
普通、それ相当のブランド品をまとめて扱っていれば、それなりの高い評価と評価数があってしかるべきです。評価が低いか少ない場合は、過去に不正によりアカウントを停止された出品者が、別アカウントで再度出品している恐れがあります。
特徴5:追跡番号の連絡が来ない
良心的な出品者であれば、商品を発送した後に追跡番号を教えてくれます。購入者にとって、商品のステータスや届く日時は気になるものです。しかし、悪徳出品者の場合は、追跡番号を通知してこない場合があります。その際は、商品が届いても安易に受取評価をせず、入念に中身を確認してください。
なかなか到着しない場合は、そもそも商品が出荷されていない恐れもあるため、早めにメルカリ事務局に相談する方がよいでしょう。問い合わせは、以下の要領でアプリから簡単にできます。
アプリ画面の「マイページ」を選ぶ。
「お問い合わせ」→「お問い合わせ項目を選ぶ」→「取引中の商品について」をタップしてください。
商品の一覧から問い合わせをする商品をタップして、問い合わせをする項目を選んで、問い合わせ内容を入力しましょう。
特徴6:発送通知が早すぎる
商品が発送される前に、発送通知が来た場合は要注意です。
先述のように、メルカリの規約では、商品を発送してから発送通知を送ることになっています。発送通知の方が発送より早いという場合は、メルカリ規定による「発送通知から9日後の13時以降に行われる自動振り込み」を狙った詐欺の可能性があります。
ただし本当に何かの手違いで、発送通知が早くなってしまったとも考えられます。画像のクオリティや商品説明、また評価やコメント内容など、総合的に見て怪しくないか見極めましょう。
詐偽の予防策
メルカリで詐欺に遭わないための予防策について3点お伝えしましょう。
メルカリのシステムを正しく理解する
もっとも大切なのは、メルカリのシステムを正しく理解することです。
すでにご紹介した、商品の発送前に発送通知がきたり、商品が届いてないにも関わらず受取通知を催促されたりというケースは、メルカリの規約をしっかりと理解していれば、怪しいと気付くはずです。
商品が手元にない状態で売ろうとする無在庫販売や、商品に問題があっても返品に応じない旨を最初からうたっているケースは、明らかな規約違反です。外部サービスへの誘導、その他の勧誘活動も禁止されているので、それらに類する誘いには十分に気をつけましょう。
ブランド品はシリアルナンバーを確認する
高級ブランドの場合は、必ず出品者にシリアル番号を確認してください。詐欺の場合、この時点で音信不通となるケースがほとんどです。返答がないのはもちろんですが、何かと理由をつけて番号を教えようとしない場合も、絶対に購入しないでください。
ネットニュースでトラブルを確認する
出品者の様子が怪しかったり、やり取りをする中で不審に感じたりすることがあれば、ネットニュースや記事を検索するのもおすすめです。上述した「Paidy」を使った詐欺についても、ネット上で確認することができます。似たような詐欺行為についての記述が見つかった場合は、安易に購入しないようにしましょう。
ブランド品の鑑定手段
もしメルカリで怪しいブランド品を購入してしまった場合、真贋を鑑定してもらう方が望ましいでしょう。偽物だとすると、それを転売した場合は法に触れる恐れがあるからです。
そこで、ブランド品を鑑定してもらう方法について解説しましょう。
正規代理店に持ち込む
もっとも確かな方法は、そのブランドの正規代理店に鑑定してもらうことです。その製品を製造しているメーカーなら、本物かどうかを100%見極めることができるからです。
ただし、鑑定は修理が前提の場合が多いので、そのつもりで持ち込んでください。
ブランド品買取店に持ち込む
ブランド品専門の買取業者も、買取前提で鑑定してくれます。本物と分かった場合、査定額に満足ならその場で売ってしまう方法もありますが、満足できなければ、売らずに持ち帰ります。偽物の場合は、買取不可となります。
ただし、偽物と判明しても、再度メルカリで売ることは控えてください。偽造品やコピー品は、メルカリに関わらず、どんな手段で転売しても違法となるので注意しましょう。
本物でも買取不可の場合がある
メルカリで届いた商品が思った以上に傷んでいたり古かったりすると、そのまま売ってしまいたいと考えるケースもあるでしょう。しかし、ブランド買取業者やリサイクルショップなどに持ち込んで本物と判明しても、買取不可となることもあります。買い取っても、中古市場で売り物にならないと判断された場合です。
ただしその場合も、1か所でやめず何軒か回ると、買い取ってもらえることもあります。あきらめずにトライしてみてください。
メルカリへの報告・相談方法
メルカリで怪しい出品者を見つけたら、躊躇せずにメルカリ事務局に報告しましょう。メルカリの歴史は、悪徳業者との闘いの歴史でもあります。フリーマーケットをネット上で成立させるというのは、並大抵のことではありません。次々と新手の詐欺が登場するので、完璧な予防システムを構築するのは非常に難しいのです。
ただ、詐欺行為を封じ込めるには、ユーザーが現場の声をメルカリに届けることがとても重要です。自分の損失を回避するのはもちろん、より安心して快適に利用できるプラットフォームに育てるためにも、怪しい出品者については遠慮なく通報してください。
メルカリへの報告方法
メルカリへの報告や相談はスマホを使って行います。
報告したい商品を画面上で選び、「…」アイコンをタップしてください。
「この商品を事務局に報告する」をタップします。確認画面が表示されたら「OK」をタップします
次に報告したい理由を選択して、「事務局に報告する」をタップして終了です。選択肢に該当するものがなければ、「その他」を選んで詳細を直接入力してください。
報告できる禁止行為
メルカリ事務局に報告できる禁止行為は、偽ブランド品、権利侵害品の出品以外にも様々なものがあります。
- 医薬品や医療機器の出品
- 海外化粧品など薬事法に違反する商品の出品
- 危険物、銃刀法に違反する武器類の出品
などです。詳しくはメルカリガイドを参考にしてください。
まとめ
メルカリは、掘り出し物が数多く見つかる、大変魅力のあるフリマアプリです。しかしその反面、誰でも簡単に出品できるため、詐欺行為が絶えません。
メルカリで買い物をする場合は商品にばかり目を向けず、出品者がどの様な人物かを見極める目も常に持つことが、被害に遭わない何よりの対策となります。記事内でお伝えしたポイントを念頭において、ぜひメルカリでのショッピングをお楽しみください。
ところで、ビジネスで成功するためには独学よりも体系化された教材やサービスを活用して学ぶ方が結果が早く出ます。
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