ネットショップで商品を仕入れる際に使われる専門用語があるのをご存知ですか?今回の記事ではそんな専門用語について詳しくご紹介していきます。取引先とスムーズにやり取りするためにも、ぜひ最後までお読みください!
仕入れ業者にはどんな呼び方があるの?
専門用語は言葉だけ見るとなんとなく想像はつくけれど、詳しく意味を説明しようとすると難しいものが多くはないでしょうか。そんな数ある専門用語の中で、まずは仕入れ業者を選ぶ際に必要な用語をご紹介します。
供給するサプライヤーと仕入れるバイヤー
仕入れ業者を差す専門用語として「サプライヤー」と「バイヤー」というものがあります。
「サプライヤー」とは簡単に言うと、商品を供給する業者のことです。メーカーや卸会社、問屋などともよばれます。
「バイヤー」とは簡単に言うと、商品を仕入れる小売店のことです。仕入れや買いつけを担当する人のことをバイヤーと呼びます。
両者とも流通業界ではよく使われる言葉ですが、役割はそれぞれ全く別です。
流通業界において「サプライヤー」は売り手側、「バイヤー」は買い手側のことを指します。
バイヤーがサプライヤーから商品を買って、それが店舗に出されます。
企業や消費者はアルファベット表記
業界において「BtoB」や「C」といった言葉が多く使われますが、この「B」や「C」とは何なのでしょうか。
答えは、「B」が「Business」企業の略称、「C」が「Consumer」消費者の略称、「E」が「Employee」従業員の略称、「G」が「Goverment」行政の略称です。
「E」従業員と「G」行政は仕入れでは使用しませんが、よければ合わせて覚えてみてください。
「BtoB」とはつまり企業同士の取引のことを指します。
同じ要領で「BtoC」は企業と消費者間での取引のことを表します。
「CtoC」であれば消費者同士という具合です。
市場やイベントが盛りだくさん
仕入れを行う市場やイベントにもさまざまな名称があります。ここでは代表的な3つをご紹介します。
1つ目は「見本市」見本を展示して商談を行う期間限定の市場のことです。
2つ目は「展示会」展示物を見せることがメインのイベントのことです。
3つ目は「古物市場」中古品を売買する市場のことです。こちらは参加費用がかかることがあります。
見本市と展示会は一見すると似たような意味に見えますが、英語表記を見るとその違いが明らかです。
見本市の英語表記は「TradeShow」もしくは「TradeFair」で「Trade(売買)」という文字がつきます。
一方展示会の英語表記は「Exhibition」になります。よって展示会は「Exhibit(展示する)」つまり見せることがメインのイベントということです。
とは言っても「展示即売会」などといった売買取引の場として設けられるような展示会もありますので、この2つはたびたび「見本市・展示会」と並んで表記されることがあります。
この2つに対して「古物市場」は全く別物の市場です。
「古物市場」は古物商同士が在庫品を売買するための場所であり、売る側は在庫調整目的で参加します。
参加する際には「古物商許可証」が必ず必要で、一般の人は参加することができません。
仕入れ取引をするときにはどんな言葉を使うの?
ここからは実際に仕入れを行う際に必要な専門用語をご紹介します。
取引先とスムーズにやりとりするためにも、会話の中でよく登場する言葉を学んでおきましょう。
口座は銀行口座のことではない
「口座」とは、取引口座を開設すること。またはそれに関する手続きのことを指します。
メーカーや問屋などと取引が可能になった際に「口座を開設いたしますので○○をご用意ください」と言われることがあります。
ここで出てくる「口座」とは銀行口座のことではなく、「取引先としてデータを登録する」ことを「口座を開設する」といった言い回しをしています。
つまり「口座を開設しておりますので」と言われれば、それは「取引が可能です」ということです。
「口座を開設する」ということは、言い換えれば「取引契約する」とも言えます。
よって、場合においては住民票の提示や保証人の設定などが求められる場合もあります。
もし口座が開設できた場合は、会社名だけでツケで商品を仕入れることができます。
絶対避けたい!バッティング
「バッティング」とは、同じ商圏内に既に同じ商品を扱っている取引先が存在していることを指します。
よってこの「バッティング」を理由に取引を断られることがあります。
しかしバッティングしていたとしても、小売店の個性や販売力に一任されて取引が成立するという場合もあります。
バッティングを避けるためには、開業する際に同じ商圏内の店をきちんとリサーチして、取扱い商品が被らないようにするのが確実です。
お得なデポジット
「デポジット」とは、取引をはじめる前にあらかじめ預け入れる保証金のことを指します。
仕入れサイトによってはこの「デポジット」をあらかじめ入れておかなければならない場合もあります。
例えば事前入金を行っていれば、仕入れる際に毎回入金をする必要がなくなりその分手数料が不要になります。
サイトによって仕様が違いますので、うまく活用しましょう。
現金歩引きなど価格・数量・支払方法に関する特別な言い方
ここからは価格や数量、支払方法を表す際に使われる専門用語をご紹介します。
価格や数量、支払方法に関する言葉は取引の際に特によく使われますので、ひとつひとつしっかり確認していきましょう。
価格についての専門用語8つ
価格についての専門用語を8つご紹介します。
まず1つ目が「上代(じょうだい)」です。上代とは、定価や売り値、メーカー希望小売価格のことを指します。
2つ目は「プロパー」です。プロパーとは、正規品や定価のことを指します。英語の「proper」が由来です。
3つ目は「オープン価格」です。オープン価格とは、希望小売価格が定められていないものを指します。
4つ目は「下代(げだい)」です。下代とは、買う値段や仕入れる価格のことを指します。
5つ目は「掛け率(かけりつ)」です。掛け率とは、定価に対する仕入れ価格の割合のことを指します。
6つ目は「元払い(もとばらい)」です。元払いとは、仕入れ元が送料を負担することを指します。
7つ目は「卸価格(おろしかかく)」です。卸価格とは、卸業者が販売する価格のことを指します。下代と同じような意味ですが、厳密にいうと卸価格から諸経費を引いたものが下代になります。
8つ目は「歩引き(ぶびき)」です。歩引きとは、支払い期日より前に請求金額の支払いを要求し、その見返りとして行う割引の事です。早急に支払い金を受け取りたい企業が活用していたものですが、現在では公平な取引を推進する為、下請法で規制されています。
金額について話すときには上記のような専門用語が用いられることが日常茶飯事です。
ひとつひとつ意味をよく理解して、頭に入れておきましょう。
数量についての専門用語7つ
続いて数量についての専門用語を7つご紹介します。
まず1つ目が「発注単位」です。発注単位とは、メーカーや問屋が発注する際に定めた単位のことを指します。
2つ目は「ロット」です。ロットとは、仕入れや製造の単位のことを指します。英語の「lot」に由来した言葉です。
3つ目は「ミニマム」です。ミニマムとは、最小という意味です。英語の「minimum」が由来で、例えば「ミニマム6個」なら「最小6個」という意味なので6個以上の注文が必要という意味になります。
4つ目は「アソート」です。アソートとは、組み合わせるという意味です。英語の「assort」が由来で、何色か組み合わせて仕入れるなど在庫処分のときに使われることが多いです。
5つ目は「注残(ちゅうざん)」です。注残とは、発注残のことです。仕入れた商品で未納品のものを指します。
6つ目は「バックオーダー」です。バックオーダーとは、注残と同じ状況のことです。海外取引の場合においては「在庫切れにより入会次第発送」という意味で利用されます。
7つ目は「バルク」です。バルクとは、大量や一括といった意味です。主に家電やパソコン関連の商材に使われる言葉です。過剰在庫を一括購入した際にバルク品と呼ぶこともあります。
支払方法についての専門用語2つ
続いてお金の呼び方について2つご紹介します。
まず1つ目が「現金」です。現金とは、現金で仕入れる方法を指します。起業したばかりの頃や新規の仕入れ先相手など、信頼関係が希薄な場合においては現金払いが一般的です。
2つ目は「掛け」です。掛けとは、月ごとに仕入れ金額をまとめて支払う方法です。代金が後払いになりますので、ある程度取引先と信頼関係が結ばれている必要があります。
分かりやすく言うと「掛け払い」は「ツケ」のことです。信頼関係の無い相手にいきなりこの掛け払いを持ちかけても門前払いを食らいますので、注意が必要です。
仕入れ方法にはどんな用語があるの?
ここからは仕入れる方法についての専門用語をご紹介します。
取引先や商品の内容によって仕入れる方法が違ってきますので、効率よく取引するためにもしっかりと専門用語を覚えていきましょう。
ポピュラーな買取仕入
「買取仕入」とは文字通り買取して仕入れることです。一番一般的な仕入れ方法とされています。
特別な理由が無い限り返品ができないので、その分リスクを伴います。
現金で仕入れる場合も掛けで仕入れる場合も、どちらも買取仕入れになります。
処理のタイミングが違う委託仕入と消化仕入
「委託仕入」とは一定期間だけ商品を預かって販売することを言います。売れ残った物は返品が可能で、委託の際には所有権は一時的に小売店に移ります。
それに対して「消化仕入」とは商材の所有権は仕入元に残しておいて、店頭に陳列して販売することを言います。売れた場合だけ仕入れが発生するので売上仕入とも呼ばれます。
「委託仕入」は商品が納品されたときに仕入れ処理がされるのに対して、「消化仕入」は商品が消費者に販売されたときに仕入れ処理されます。
委託仕入と消化仕入は意味が似ているためややこしいですが、仕入れ処理のタイミングが違うと覚えれば違いが分かりやすいです。
メーカーから直接発送!ドロップシッピング
「ドロップシッピング」とは、注文を受けてから商品を発注し、メーカーなどの卸元から直接消費者へ配送することを言います。
家具などの大型商品の場合はこのドロップシッピングが良く使われます。
注文を受けてから発注するので在庫を抱える心配はありませんが、注文が入った後にメーカー欠品が発生したりなどといったトラブルもありますので注意が必要です。
そのためメーカーによっては「ドロップシッピング不可」という取引条件を提示している場合もありますのでよく確認しましょう。
商品の状態についても言い方があるの?
「新品」や「中古」という言葉はよく耳にしますが、仕入取引においても商品の状態を指す言葉があります。
ここからはそんな商品状態についての専門用語をご紹介していきます。
現在生産しているものは現行品
「現行品」とは、今現在においてメーカーのカタログなどに掲載されている商品のことです。
カタログに載っているので「今現在生産をしている商品」ということになります。
生産終了しているものは新品であったとしても売上が伸びにくい傾向にありますので、なるべく現行品を仕入れるのが理想的です。
新品だけどワケありなB品
「B品」とはいわゆるB級品の略で、品質が劣っているものやわけあり商品のことを指します。「アウトレット品」とも呼ばれます。
似たような言葉で「中古」というものがありますが、「B品」と「中古」は別物です。
「B品」は何らかの理由で正規の販売ルートから外れた新品の商品のことですが「中古品」はすでに使用されているものを指します。
生産終了しているものはキャリー品
「キャリー品」とは、前年度の売れ残りなどの型落ち品のことを指します。
「売れ残り」と言っても一概に「売れていない商品」であるとは限りません。
例えば、とてもヒットした商品が在庫切れで大量生産をしたとします。その商品が生産終了して売れ残った場合もこの「キャリー品」に該当します。
セールなどで季節外のものが売っていたりしますが、それも生産終了していればキャリー品であるということになります。
取引伝票はどんなものがあるの?
お店を運営するにあたって欠かせないのがお金の管理、そのお金の管理に欠かせないのが「伝票」です。
「伝票」にもさまざまな種類があります。
ここからはそんな伝票についての専門用語をご紹介していきます。
仕入処理されたときには本伝
「本伝(ほんでん)」とは本伝票の略称で、主に買取や委託仕入をした際に用いられる伝票のことです。
仕入れ処理がされる=本伝票が発行されるといったイメージを持っておきましょう。
仕入処理される前なら仮伝
「仮伝(かりでん)」とは仮伝票の略称で、消化仕入や見本品を預かる際に用いられる伝票のことです。
どちらも商品を預かった時点では仕入れ処理がされていないので、仮伝票となります。
消化仕入の商品は、消費者に販売されて初めて正式に本伝票が発行されます。
処理を取り消したいときには赤伝
「赤伝(あかでん)」とは赤伝票の略称で、返品する際に用いられる伝票のことです。
すでに処理済の伝票を取り消すために発行されます。
専門用語を正しく理解してスムーズな取引を!
仕入れに関する専門用語はこの他にもまだまだ沢山ありますが、ひとまず今回は代表的なものだけをご紹介させていただきました。
取引の最中で困惑することの無いように、これらの用語をしっかり理解して頭に入れておきましょう。