商売をしている人であれば、一度は「販売促進」を意識したことがあるでしょう。売り上げや利益を伸ばすための戦略は欠かせないものですが、いざ実行するときに何から手をつけていいか迷うこともあります。
この記事では、手順を追って、マーケティングや販売促進のイロハを解説していきます。何から始めるべきか、具体的な方法はどういったものかを知りたいという人におすすめです。
細やかな戦略の大切さと、成功のポイントを紹介
顧客に商品を購入してもらい、一定の利益を得ることが商売のゴールです。ただし、ものがあふれている現代、顧客の興味を惹きつける販促戦略なしには、どれだけ素晴らしい商品でも簡単には売れません。
また、主観的な魅力を押しつけるだけでは、販売促進はうまくいきません。顧客にもその商品が欲しいと思わせることが大切です。売り上げ目標を達成するために、まずは販促戦略を立てたいものです。
販売促進戦略は、「リサーチ・マーケティング戦略」と「販売戦略」の2つに分けられます。次のように順序立てて取り組みましょう。
1.商品の顧客層やニーズをリサーチ
自社製品がどんな顧客層をターゲットにしているのか、明確にする必要があります。その上で、実際にターゲット層に受け入れられる商品なのかリサーチ。そして、顧客からの細かいニーズを拾い上げていきましょう。顧客が求めているものを把握できていないと、その後のマーケティングや販売の戦略にズレが生じてしまいます。
2.潜在的なニーズに訴えるマーケティング
続いて、ターゲットとなる層に商品の存在を知ってもらう必要があります。潜在的な顧客にうまく情報が届き、購買意欲をくすぐるようなマーケティングを展開できれば、売り上げアップにつながるでしょう。
3.需要に見合った販売経路を開拓する
売り上げ規模に応じた販売経路が作られていないと、せっかく掘り起こした需要を効果的に生かせません。テナント出店やWeb販売などを利用して、顧客が便利だと感じる販売方法を積極的に取り入れましょう。そうすれば需要を幅広くカバーでき、リピーターの獲得にもつながります。
販売促進戦略は具体的にどう作る?有名な思考法を紹介
では、販売促進戦略を組み立てるには、どのようにアプローチしていけばいいのでしょうか?
この項では3つの思考法を見ていきます。
1.ペルソナ分析(リサーチ・マーケティング戦略)
自社商品のターゲットとなる顧客層を、より具体的に想定する方法を「ペルソナ分析」と言います。ペルソナとは「仮面」という意味を持ちますが、マーケティングでは「架空の顧客像」を指します。
ペルソナを紡ぐ上では理想像ではなく、「平均的な顧客像」を作り出すことが大切になります。一番規模の大きい客層を意識することで、バランスの取れた販売戦略につなげることができます。
アンケートやクレーム、サイトに訪れる顧客層を分析し、より具体的なペルソナを想定していきましょう。年齢や性別、住所などの基本情報はもちろん、仕事先や趣味、特技、目標など、内面的な情報も取り入れていくと有効です。ペルソナが明確になるほど、その視点に沿った考え方ができ、細やかなニーズに対応した戦略を立てられます。
2.カスタマージャーニーマップ(リサーチ・マーケティング戦略)
「カスタマージャーニーマップ」とは、顧客の意識の移り変わりを時間の経過に即して示したものを指します。
<カスタマージャーニーマップの一例>
このマップを利用すれば、ペルソナに対してどのタイミングでどんなアプローチを仕掛けると有効なのか一目瞭然です。自社商品の特色とペルソナの心理状態をすり合わせることで、効果的なマーケティングや販促につなげることができます。
3.SWOT分析(マーケティング・販売戦略)
自社商品の現時点での課題や今後の伸びしろを考える上で有効なのが、「SWOT(スウォット)分析」という手法です。SWOTは以下の4つの単語の頭文字をつなげたものです。
- S⇒他社商品に比べて秀でている強み(Strength)
- W⇒他社商品に対して負けている部分(Weakness)
- O⇒今後売り上げを伸ばしていける機会や可能性(Opportunity)
- T⇒今後売り上げが低迷するリスクや脅威(Threat)
なお、SWは内的要因の分析に、OTは外的要因の分析に効果的です。
内的要因を掘り下げることで、強みを生かしたらよいのか、逆に、弱点を克服したらよいのか選べるようになります。一方、外的要因を分析することで、販売規模がどれくらい発展できるか、強力な競合他社が参入してくるかなどを検証できるでしょう。この4つの要素を織り交ぜて分析すれば、より効果的な販売戦略を作り上げることが可能です。
リサーチ・マーケティング戦略の具体的なやり方を紹介
この項ではリサーチ・マーケティング戦略のやり方を、7つの具体例を挙げて見ていきます。
このとき、新規商品を一から売り込むケースと、既存商品の売り上げを伸ばすケースではアプローチが異なります。ここでは主に、既存商品寄りのマーケティング戦略について掘り下げていきます。
宣伝文や広告のレイアウトを見直す
魅力的なキャッチコピーや、インパクトのあるビジュアルを作り出せるかが広告作りでは大切です。商品力が前提になりますが、見せ方を工夫することで、顧客の反応がガラッと変わることはよくあります。
具体的には、商品写真を見栄えよく撮る、顧客の視点に寄り添った紹介文にするなどがポイントです。ただし、言い方が過激になりすぎたり、誇大広告になったりするのはよくありません。一度うさん臭いイメージが定着すると、かえってマイナスになることもあるので、オーバーな表現になり過ぎないよう注意しましょう。
宣伝・広告を掲載する媒体を見極める
当たり前ですが、宣伝には費用がかかります。体力のない中小企業だと、広告費を捻出するのが難しいケースがあるかもしれません。また、広告は媒体が大きければいいというわけではありません。自社商品を売り込みたいターゲット層に、いかに効果的に届くかが重要です。
高い費用を払って広告を出しても手応えがあまり感じられないなら、掲載する媒体を代えることを検討してみましょう。
最近では、専門的なジャンルを扱う媒体も増えています。ターゲット層を絞り、その分広告の回数を増やすのです。過去に利用したことのある顧客から、今までより前向きな反応が得られるかもしれません。
個人向けのマーケティングを充実させる
Amazonなどの大手企業はAIを利用して、個人の好みに合わせた販促戦略を組み立てています。自分だけにカスタマイズされた情報は、顧客にとってとても価値があるものです。ただ、こうしたやり方をそのまま真似るのは無理があります。
しかし、リピーターを獲得していく上で、小規模でも個人に寄り添ったマーケティングを工夫するのは意味のある試みでしょう。具体的には、過去のデータから顧客をランク付けして、得意客にはそれに応じたアクションを仕掛けていくなどがおすすめです。
テストマーケティングを継続的に実施する
本格的な売り込みをする前に限定的に品物を投入して、市場の反応を確かめる試みがあります。その分の費用も掛かりますし、二の足を踏む企業も多いでしょう。しかし、やり方を工夫すれば、最低限の費用で大きな効果を上げることも可能です。
テストマーケティングで重要なのは、一度の規模は大きくなくていいので、定期的・継続的に実行することです。その上でそれぞれのマーケティングに対する反応をしっかり調査・分析しましょう。反応が悪く、費用対効果が見合わないなら、やり方を少しずつ修正していきます。
手応えを得られたところで本格的なマーケティングに移行すれば、失敗する確率を減らせます。
顧客に対して継続的なコミュニケーションを仕掛ける
会員報などはありますが、今は圧倒的にWebを利用してのアプローチが有効でしょう。定期的に顧客にアピールすることで、リピーターになってもらえる確率が高まります。
ただし、商品を露骨に宣伝すると、敬遠されてしまう場合もあります。「ニュースレター」のような形で、さまざまなトピックの中にさりげなく宣伝を折り込んでおくくらいが望ましいでしょう。「また利用してみようかな」と思わせるくらいがベストです。
他にも、「礼状」「誕生日おめでとうレター」「会員登録○ヶ月記念」など、アプローチする方法は色々あります。重要なのは単発ではなく継続的に、そして、押しつけがましくならないように実行することです。
Webでシステムを確立させれば、長い目で見ると初期投資の回収は難しくないでしょう。一方、紙の広告やレターを利用すると、継続的な経費や手間の問題が出てきます。ただし、特別感を出したいなら、取り組んでみる価値はあります。
顧客からの反響を利用する
顧客の商品に対する反応はよいものばかりではないでしょう。悪い意見から目を背けず、どのように対処したかを率直に見せていくことで、顧客の信頼を得ることができます。
広告についても絶賛ばかりではオーバーな印象を与え、信憑性が薄まります。不満の声も適度なバランスで掲載していく必要があります。
その上で、不満に対して具体的にどう対処したのかを紹介するといいでしょう。対応が透明でかつ誠実であれば、ピンチをチャンスに変えることができます。その際、ネガティヴイメージを持たれないよう、プラスの言葉に変える工夫は必要です。
業務提携を模索する、広告塔を利用する
両社の利益が一致する相手と業務提携し、共同で販促戦略を進めていくのも有効です。この場合、取り扱う商品だけでなく、顧客層も似通っているのが理想的です。特に、中小企業の場合は意見や方向性をまとめやすく、スピード感を持って取り組めるメリットもあります。
また、ターゲット層を絞った上での広告塔の活用も有効です。商品のイメージに沿い、顧客層によく知られる人を起用できれば、十分に効果を見込めるでしょう。
販売戦略の具体的なやり方を紹介
この項では具体的な販売戦略を4つ解説していきます。
ランチェスター戦略
「ランチェスター戦略」とは、もともとは戦争用語です。販促戦略で用いる場合は、「どのようにして販促を有利に進めるか模索する」という意味になります。そして、絶対的強者の取るべき戦略と弱者の選ぶべき戦略の2つがあります。
強者であれば、王道の戦いを選ぶべきでしょう。商品の競争力や資金力が上回っているなら、現時点での優位を手放さず、正攻法で取り組むのがもっとも効果的です。より幅広いマーケティング戦略を用いて、現状のシェアをさらに広げていきつつ、コストの削減に取り組むのが理想です。
一方、総合力ではトップになれない場合、ゲリラ戦を挑むか、直接対決を避けるといった戦略が求められます。この場合のゲリラ戦とは、自社商品の武器をとことん磨くということです。限定的なシェアで突き抜けるのです。
また、直接対決を避けるというのは、強者があまり興味を示さない顧客層を選んで、そこに地盤を作る方法です。場合によっては自社商品のコンセプトを改良することが必要となりますが、将来的には安定したニーズを獲得することができます。
コスト・リーダーシップ戦略
売買に取り組むなら、商品が売れ、利益が出ないと意味がありません。「コスト・リーダーシップ戦略」は、その土壌となるコストの削減に取り組み、シェアを拡大することが目標です。コストの削減は簡単ではありませんが、実現できれば戦略の幅が非常に広がります。
例えば、500円の原価の商品を1000円で売っていたと仮定します。この場合の利益率は50%、利益は500円です。ここからコストの削減がうまくでき、原価を400円まで下げられたとします。そうすると売値を800円に下げても、利益率は50%を維持することができます。商品ひとつあたりの利益は400円に下がりますが、値下げによって市場におけるシェアが広がれば、むしろプラスになります。
逆にそのまま1000円で売り続ければ、利益率は60%で利益は600円です。コストの削減がうまくいけば、価格を下げても利益率を保てるので、競合他社との競争において有利になるのです。一方、競合と同水準の価格帯を維持すれば、利益率がよくなります。そのプラス分の資金を次の販促戦略に投入できます。
コストを削減するには、生産性を高める必要があります。大規模生産ができる大企業が優位なのは間違いありません。ですが、ランチェスター戦略と組み合わせて、限られた商品に決め打ちした生産ラインを作る戦略などは有効でしょう。
サンドイッチ戦略
「サンドイッチ戦略」とは、複数の選択肢を作り、その中からもっとも利益率の高い商品を選ばせるというものです。とりわけ日本人には、ほどほどを好むという特性があります。いくつかの選択肢の真ん中に目的の商品を置くと効果的です。
例えばランチメニューで、「Aコース980円」「Bコース1280円」「Cコース1780円」と設定されているとします。このとき、真ん中のBコースが選ばれやすいでしょう。Cコースと比べたときのお得感と、ちょっと贅沢した感がバランスよく提供できているからです。
同時に、真ん中の商品のクオリティの高さと、利益率のよさを保つ工夫も大切です。サンドイッチ戦略では3つの選択肢の比率が1:7:2のようになれば大成功と言えるでしょう。売り込みたい真ん中の商品に、いかに人気が集中する形を作れるかが鍵です。
バンドル戦略
「バンドル戦略」とは、いわゆる抱き合わせ商法です。いつくかの商品を扱っている場合、利益率が高いものと低いものが出てきます。それらを組み合わせて平均化し、売り上げを伸ばしつつ利益も確保するのが狙いです。
バンドル戦略は、組み合わせる商品でプラスアルファを生み出せているかが肝です。そのセットを入手することで、顧客に満足感とお得感を味わってもらえれば成功と言えます。
喫茶店のモーニングセットを例にとって考えてみましょう。トーストとサラダ、コーヒーをそれぞれ単品で頼むより、セットで頼む方が格安であれば、顧客は当然そちらを選択します。
店の立場で言えば、一番利益率が高いコーヒーを単体で売るのがベストです。ですが、現実的にそう上手くはいきません。売り上げと利益のバランスを保ちつつ、いかに満足感を落とさない組み合わせを作れるかが、バンドル戦略の鍵です。
購買心をくすぐる具体的な販促のやり方を紹介
顧客の購買意欲をもう一押しするにはどうしたらいいのでしょう?この項では、そのための販促のしかたを具体的に4つ見ていきます。
サンプリングで商品価値を確かめてもらう
誰しもはじめて購入するものに対しては、少なからず不安を抱くものです。それを和らげるのに有効なのがサンプリングです。
具体的には、試食や試飲、はじめて購入する際の割引、期間限定のお試し利用などが挙げられます。顧客側はリスクを最小限に留める形で、商品を試すことができます。結果、購入につながる可能性も大きいでしょう。
この場合、サンプリングの分のコストがかかるのがデメリットです。しかし、商品に自信があれば、非常に効果的な一押しになるはずです。
定価より安い値段で売り込む
少しでも安く、得な買い物をしたいという欲求を持つ人は大多数でしょう。「値引き」や「期間限定」という言葉はとても有効です。特に、「今だけしかこの値段で買えない」という特別感をアピールできれば、強力な武器になります。
注意点もあります。値引きは購買意欲に訴えかけやすい方法ですが、反面、利益率が下がるなどのデメリットもあります。もとの利益率が高い商品であればいいのですが、原価ギリギリの特売を続けるのは得策ではありません。また、顧客が安さに慣れると、定価で買ってもらえなくなります。結果的に商品価値を下げる可能性もあるのです。
特別なサービスを用意する
「来場者○名様限定!」や「先着○名様まで!」といった、購入や来店に対してプラスアルファの特典をつける方法もあります。特典の内容や商品価値によって効果に幅がありますが、それでも有効な方法です。
ただし、本来の商品力で勝負していない点は注意しましょう。瞬間的な効果しか得られない可能性が高いので、むやみやたらと利用するのは避けたいものです。
人材教育に力を入れる
商売において、売り込む人材の質はとても大切です。昨今はネットビジネスが盛んで、顔を合わせずに売買を済ませられる場面も増えてきました。ですが、対面販売の重要度も下がってはいません。どういう場面であっても、人材教育をコツコツ続けていくことは、大きな効果を得られる可能性を秘めています。
人材育成においては、ある程度確立したマニュアルも大切ですが、同時にそれぞれの個性を見極めてのアプローチが欠かせません。このとき、与えられた仕事に対しての意義を理解させた上で、やりがいを持たせることがポイントです。特に若い人材は大きく羽ばたく可能性があります。
実際の対面販売でもWeb上でも、顧客対応とその際の言葉遣いは何より大切です。顧客を嫌な気持ちにさせない応対ができるよう、注意深く教育を続けていきましょう。対応がよければ、その後リピーターになってくれる顧客も増えます。
リピーターを増やすための販促戦略を紹介
商売において安定した利益をもたらしてくれるのは、リピーターの顧客です。この項では、どのようにリピーターを確保していくかを、掘り下げて解説していきます。
リピーターの獲得は売り上げの上昇につながりやすい
「パレートの法則」という用語をご存じでしょうか?マーケティングでよく使われるこの法則は、「すべての顧客の中にいる20パーセントのリピーターが、全体の80パーセントの売り上げを作っている」という考え方です。つまり、「リピーターが10パーセント減れば売り上げが40パーセント下がり、10パーセント増えれば40パーセント上がる」と考えることもできます。
この法則を踏まえれば、新規顧客の獲得以上に、繰り返し購入してくれるリピーターを作ることが重要と言えます。商品を売り込むだけでなく、改良やアフターサービスを強化して、どれだけ優良客を増やせるかが鍵です。
自社商品を忘れさせない、また利用したいと思わせる工夫とは
思うようにリピーターが増えない場合、多くは明確な欠点があるわけではありません。ただ、インパクトや強みのない商品は、すぐに忘れられてしまいます。
リピーターを増やすには、悪い点をなくすことはもちろん、この商品でしか得られない強みを開発していかなければなりません。例えば、回数券やクーポン券、ポイントカードなど、複数回の来店を前提にしたサービスなどです。
それ以外にも、Webでのニュースレターなど、顧客とのコミュニケーションをこまめに続けていくことです。商品を思い出してもらえる仕組みを作れるのです。新規客は一時的な販促が当たって伸びることもありますが、リピーター獲得はそうはいきません。地道な努力を面倒と思わず取り組んでいきましょう。
顧客の細かいデータ管理は絶対条件
目的に沿った顧客リストを作成し、効率的に用いることができれば、リピーターを獲得するための大きな武器になります。特に、ペルソナターゲットを絞ったデータ収集が明確にされれば、適切な販促戦略を仕掛けることができるでしょう。
パレートの法則で見てきたように、全体の顧客の中からほんの数パーセントでもリピーターを増やすことができれば、その価値は非常に大きくなります。顧客データの管理に力を注ぐことは、決して費用対効果でマイナスにはなりません。
販促戦略の効果を調べるやり方を紹介
ここまでは主にプランニングと具体的な販促活動について見てきました。最後にその効果を調べる方法をいくつか紹介します。
チャレンジしたことにどれだけ効果があったか、検証はとても大切です。その結果を踏まえて次のステップに進み、新たなプランニングへと循環していくといいでしょう。
MAツールを活用して、販売経路をわかりやすくする
MAは「マーケティングオートメーション」の略で、マーケティングのさまざまな情報を自動的に管理するツールです。中でも「流入チャネル管理」と「アクセス解析」の項目が有効に活用できます。
前半で、多くの販売経路がないと需要を拾い切れないと説明しました。この場合、最終的にどの経路からどれだけ流入があり、いくらの売り上げにつながったか把握しにくいといったデメリットもあります。販売経路が複雑な分、正確なデータを集めるのが難しいのです。
一方、MAツールはその点、アナログ・デジタル両面でのアクセス経路を、かなり細かい部分まで分析できるようになっています。どの経路からの流入が多いか、結果的に購入につながったのか、それらをはっきり検証できます。
SFAやCRMを使って販促戦略の効果を確かめる
売り上げを整理する上では、「SFA(営業支援ツール)」や「CRM(顧客管理システム)」を用いるとよいでしょう。顧客データに紐づけして、過去の購入実績や応対の履歴などをまとめて管理できる点が特に便利です。どちらも購入時期や数量、購入商品などの実績を管理してくれ、グラフでわかりやすく確かめることができます。
SFAやCRMをMAツールと組み合わせて利用することで、より精密な販促戦略の検証ができます。しかも、わかりやすいデータにまとまっているので、作業効率がよくなります。さらに、改善プランを考えていく上でも有効と言えます。
販促戦略の基本を学んで、それを土台に応用力を身につけよう
この記事ではざっくりと、販売促進戦略の基礎的な知識を解説してきました。しかし、扱う商品の内容や質によってベストな方法は異なります。すべてを網羅する絶対の正解はないのです。
それでも基礎を固めておけば、大きな失敗をする可能性は低くなるでしょう。応用力は基礎の上に成り立ちます。まずはこの記事をしっかり噛み砕いて、販促戦略の流れをつかんでいきましょう。