Facebookには、利用者に向けてオンライン広告を配信できる機能があり、その機能を活用することによって自分が売り出している商品やサービスを紹介できます。
利用者が多いFacebookに広告を掲載することは高い効果が期待できるため、費用をかけて活用するメリットは十分にあると言えます。
今回は、Facebook広告の基本的な知識から費用の相場、効果的な活用方法などを紹介していきます。興味がある人は、ぜひ目を通してください。
Facebook広告の基礎知識
まずは、Facebook広告の基礎的な内容から解説していきます。前提を知っておくことで、これから紹介する相場や活用方法についてもより理解が深まるため、ひと通り頭に入れておきましょう。
Facebook広告の概要
Facebook広告とは、文字通りFacebook上に広告を配信できるサービスです。アプリ、ブラウザ共に利用できます。
広告は、Facebookユーザーが利用する中で自然に目に留まるため、多くの人に見てもらえる点がメリットです。
広告は掲載場所やフォーマットなどを選ぶだけで、簡単に作成できます。加えてフォーマットも豊富なので、自分好みの広告を簡単に掲載可能です。
Facebook広告の料金
Facebook広告の最低料金は100円です。広告費は作成時に予算を設定するため、想定以上に費用がかかることはありません。
ただし、成果を出したいならある程度の費用は必要です。例えばクリック単価50円で、1,000人の集客を目指すなら5万円程度必要になります。事前にどの程度の集客を目標とするのか、あらかじめ決めてから予算の設定をしましょう。
Facebook広告で費用が発生する仕組み
Facebook広告には、主に2種類の課金方式があります。広告を掲載する目的によって選べる方式が異なるため、事前に双方のメリットとデメリットを把握しておきましょう。
インプレッション課金(CPM配信)
インプレッション課金は、広告が表示されるたびに料金が発生する仕組みです。表示回数が1,000回に達するたびに課金が発生します。
例えば単価100円の広告が10,000回表示された場合、かかる料金は1,000円といった具合です。広告の表示だけが課金の条件なので、広告に対してアクションがあった場合でも料金は発生しない点がメリットと言えます。
一方で、表示された広告に誰もアクションを起こさなかった場合でも、料金が発生してしまう点はデメリットです。基本的には、多くの人に見てもらいたい広告に対して効果的な方式と言えます。
クリック課金(CPC配信)
クリック課金は、表示された広告がクリックされる度に料金が発生する仕組みです。1クリック当たりの相場は100~300円程度で、こちらは1クリック毎に単価を決めて課金する形式となっています。
クリックしなければ費用は発生しないため、広告をクリックした人(=興味がある人)がアクションを起こした場合のみ費用が発生する点がメリットです。
一方で、想定以上にクリック数が少ない場合に予算が余ってしまうケースが考えられます。
配信形式の最適化
広告の配信形式は、こちらで考える必要がありません。最初のキャンペーン(目的)設定の際に選んだキャンペーンに応じて、最適な配信形式をFacebook広告側が自動で決定してくれます。
広告掲載の初心者はどちらの形式で配信しようか迷ってしまうケースが多いので、自動で決めてくれるのは非常にありがたいです。最初の内は、決定された方式に従って広告の配信をしてみましょう。
適切な広告費の考え方
広告を配信するうえで、広告費とのバランスを考えることは重要です。たくさん広告を配信しても、使った費用に見合う収益を出せなければ結果を出せたとは言えません。
続いては、適切な広告費を決める際の考え方について紹介していきます。広告にいくら使ったらいいか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
費用と効果のシミュレート
Facebook広告では、独自のシミュレーションから広告のコストパフォーマンスを分析できます。広告を作成する際にターゲットの設定を行うことで、Facebook全体の利用者情報から大まかな広告の効果を判断可能です。
もちろんあくまで参考データなので、結果を保証するものではありません。しかし、Facebookのデータベースを用いて分析したデータなので、ある程度の判断基準として利用できると言えます。
配信中の広告から相場を考える
Facebook広告には、「広告ライブラリ」という実際に配信されている広告を検索、表示してくれるサービスがあります。
複数の広告を一度に閲覧できるため、広告作成や費用決定の参考になります。キーワードを入力するだけで簡単に競合他社の広告を検索できるため、どのレベルの広告を作成するかの参考にしてください。
参考:広告ライブラリ
広告代理店を活用する
多少費用がかかっても、広告作成の手間や分析の時間を減らしたいなら、広告代理店の活用がおすすめです。通常の広告費に加えて代理店への手数料が必要ですが、広告配信に関する作業を全て代理店が肩代わりしてくれます。
広告代理店への相場は3~5万円程と、決して安くはない出費です。しかし、広告作成のプロに作業を一任できれば、その間に商品の仕入れや販売戦略など他の作業に時間を使えるため、広告に割く時間を惜しむ人は活用を検討してみましょう。
Facebook広告費用の設定方法
Facebook広告の運用は、「広告マネージャ」を使います。このツールを利用すると、新しい広告の作成から予算やターゲットの設定、キャンペーン毎の効果テストなどが可能です。
Facebookの場合、ビジネス向けのページである「Facebookページ」で広告を出すこともできます。通常の広告作成に比べて手間がかかりませんが、自由度が低い点がデメリットです。費用上限を設定できる点からも、広告マネージャの利用をおすすめします。
続いては、広告マネージャでの予算上限の設定について紹介します。余計な広告費を支払いたくない人や、広告費を最適化したい人は、ぜひ頭に入れておきましょう。
参考:広告マネージャ
アカウント毎の予算上限
広告マネージャでは、アカウントを1つ作成するだけで複数の広告を同時に配信可能です。広告費の膨れ上がりに気を付けたい場合は、アカウント毎に予算の上限を決めておきましょう。
配信する広告全体としての予算をあらかじめ決めておくことで、それ以上広告費がかかることはなくなります。広告を多く配信すると想定以上の費用になってしまっているケースも少なくないため、全体の上限予算を決めることはとても重要です。
また、キャンペーン作成時には「キャンペーン予算の最適化」と「広告セット予算」のどちらかを選んで運用を行います。併せて解説するので、参考にしてください。
キャンペーン予算の最適化
「キャンペーン予算の最適化」を利用すると、キャンペーン全体で予算を設定し、それぞれのキャンペーンに個別で予算が振り分けられます。設定した予算の割合はリアルタイムで最適化され自動的に変動していくため、自分で予算の管理に時間を掛ける必要がありません。
キャンペーン設定を簡略化しつつ、最低限の費用で最大限の効果を上げたい場合に役立ちます。特に、キャンペーンの種類が多く管理が複雑だと思っている人は、ぜひ利用してみましょう。
広告セット予算
「広告セット予算」では、キャンペーン全体ではなく個別の広告に対してそれぞれ予算を設定します。どの広告に力を入れるのかを、自分で決定できる点がメリットです。
タイミングに応じて効果がありそうな広告に予算を多く設定したり、必要性の少ない広告の予算を減らしたりと、柔軟な対応ができるようになります。自動化されていないため広告戦略に作業リソースを割く必要がありますが、より高い効果を狙いたい人にはおすすめの方法です。
入札金額の設定
広告における入札とは、1クリック当たりの金額をいくらにするかを表します。主にインプレッション課金の方式で用いられ、入札金額の上限を決めておくことで広告費の設定が可能です。
入札設定には、個別で価格を設定する「入札価格上限」と、毎回一定に保つ「ターゲット単価」の2つを設定できます。難しければ「自動」を選べばFacebook側で最適化してくれるため、広告費に拘らない人は活用してみましょう。
費用対効果を高めるためのポイント
広告を配信する際は、広告の費用対効果を常に上げていくことを考えましょう。費用を抑えつつ効果を高めていく方法を模索することで、広告の質をより高めていくことが可能です。
続いては、広告の費用対効果を高めるためのポイントについて紹介します。最初から100点を目指す必要はないので、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ実践していきましょう。
オーディエンスの調整
広告は、どのオーディエンス(受け手)に向けて配信するかで効果が大きく異なります。広告のメインターゲットとなるユーザーに広告が届かなければ、広告で成果を出すことは難しいです。
最適なオーディエンスが分からない場合は、実際に広告を配信してみましょう。様々なオーディエンス向けに広告を配信しながら反応やアクセス数などのデータを取り、最適なオーディエンスを見つけていくことが地道ながら最も効果的な方法です。
類似オーディエンスへの配信を行う
類似オーディエンスとは、広告効果が最も高かったオーディエンスに類似した属性を持つユーザーを表します。例えば筋トレグッズの広告が、メインオーディエンスである体を鍛えたい人だけでなく、運動不足に悩んでいる人や健康志向な人にも興味を持たれるといった具合です。
ユーザーの悩みやニーズがメインオーディエンスと似ているため、広告に反応してくれる確率が一般のオーディエンスより高いと言えます。広告のパフォーマンスを向上させるためには類似オーディエンスへのアプローチは欠かせないため、積極的に配信をしていきましょう。
広告内容の見直し
メインオーディエンスに対して配信しているにもかかわらずアクセス率が低い場合は、広告そのものに原因がある可能性があります。広告文やレイアウト、アピールポイントなどを改善し、より興味を持ってもらえるような広告に改善していきましょう。
見た目のインパクトはもちろん、単純で分かりやすい説明や動画によるパフォーマンスも効果的です。広告対象の商品やユーザーが求めるものによってアピールポイントは変わってくるため、どんな広告がユーザーの興味を惹くことができるのかを考えながら、広告をカスタマイズしてください。
Facebook広告の料金を支払う時の注意点
広告は長く配信を続けるケースも多いため、支払い方法についてもしっかり覚えておきましょう。うっかり支払いが滞ってしまったばかりに広告が停止されてしまうと、ビジネスに与える影響も大きいです。
支払い方法や支払いができなかった場合の対策などを紹介するので、設定忘れのないように気を付けてください。
支払い方法
Facebook広告の支払いに利用できる方法は、以下の通りです。
- クレジットカードもしくはデビットカード(American Express、Mastercard、Visa、JCB)
- PayPal
- オンライン銀行振込
支払い方法を設定する際に自動決済を選択していれば、請求タイミングに自動で支払われます。支払い忘れを防止するためにも、可能な限り自動決済を選択しておきましょう。ちなみにオンライン銀行振込は、自動決済できないので注意してください。
支払いができなかった際の対策
なんらかの理由で支払いができなかった場合、広告が停止してしまいます。支払いができない原因は、設定したカードや銀行口座の情報が間違っているか、限度額までカードを利用していたケースが多いです。
特に最初の支払い前には、登録情報やカード利用限度額などを確認し、支払いが可能になっているか必ず確かめましょう。それでもエラーが起きて支払いができなかった場合は、Facebookのお問い合わせフォームか支払い方法のプロバイダーに問い合わせてください。
まとめ
Facebook広告を利用すれば、多くの利用者を持つFacebook内で広告を配信できます。適切な利用者層に向けて広告を配信できれば、ビジネスの利益を大きく伸ばすことが可能です。
適切な広告の配信方法は、扱う商品やターゲットのニーズによって異なります。とにかくたくさん配信して多くのユーザーに認知してもらうのか、それとも特定のユーザーに絞ってアクションが返ってくる確率を上げるのか、広告に応じた判断が重要です。
最初から最適な広告配信をすることは難しいので、まずは様々なオーディエンスに向けて色々な種類の広告を配信する方法をおすすめします。返ってきた反応から広告の良し悪しを判断し、試行錯誤をしながら広告の費用対効果を高めていきましょう。