Facebook広告は、ユーザー情報を用いる事で可能となる精密なターゲティングや、費用対効果が高いことから多くの企業が利用しているSNS広告です。効率よく自社のサービスや商品を宣伝したいと思ったとき、一度はFacebook広告の導入を検討するかと思います。しかしながら、設定方法が複雑に思えるなどして導入に踏み切れない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Facebook広告の始め方にフォーカスを当てて掘り下げていきます。Facebook広告について確認しておくべき特徴や注意点なども併せてご紹介します。
Facebook広告の始め方|出稿するために覚えておきたい用語
はじめに、Facebook広告を運用するにあたって覚えておきたい用語について説明します。Facebook広告の始め方について紹介する際は、Facebook広告の用語を交えて説明することになりますので、用語の意味についてもあらかじめ知っておくと話がスムーズに理解できることでしょう。
覚えておきたい4つの用語
Metaビジネスマネージャ(Facebookビジネスマネージャー)
Metaビジネスマネージャ(Facebookビジネスマネージャー)は、自社の広告アカウントやFacebookページの管理をまとめておこなうことのできるツールです。また、運用の代行を任せる広告代理店や、管理を任されている担当者以外の従業員もアクセスできるので、ビジネスマネージャを介して共同でFacebookの広告アカウントなどの管理をすることもできます。また、FacebookだけでなくInstagramの管理も行えます。
広告アカウント
Facebook広告を出稿するために必要となるのが、広告アカウントです。このアカウントを利用してFacebookで配信する広告の作成や配信の管理をおこないます。Facebookの広告アカウントでは、Instagramへの配信も管理することが可能です。
Facebookページ
Facebookページとは、Facebook上で自社の商品や企業に関する情報などを発信するページのことです。facebookページは、企業名だけでなく、商品名やブランド別に作成することも可能となっています。
Facebookユーザー
ビジネスとは無関係に個人で作成したアカウントでFacebookを利用しているユーザーを指します。facebookは実名登録が原則となっているほか、プロフィールには生年月日を含めたあらゆる情報を記載することができます。Facebook広告では、この情報を元に広告配信のターゲットを絞り込みます。
Facebook広告の特徴
続いて、Facebook広告の特徴について説明します。他のWEB広告やSNS広告と比較して、Facebook広告だけが持つ特徴とは何なのか、Facebook広告だけが持つ強みとはどういった部分にあるのかも併せてご覧ください。
Facebookユーザーの年齢層
Facebookを利用しているユーザーの年齢層は、30代・40代から上の世代に多い傾向にあります。10代や20代は、InstagramやTikTokを多く利用していて、Facebookにアカウントを持っている人の割合は少なめです。したがって、Facebook広告はミドル層よりも上の年齢層に対して高い効果が得られるということになります。
この年齢層は、20代や10代と比較して、商品やサービスへの購買意欲が高く、経済的余裕もある程度見込める世代でもあります。そのため、企業側としては、ある程度高額の商品やビジネス色が強いサービスの宣伝もfacebookでおこないやすいと言えるでしょう。
Facebook広告の掲載費用
Facebook広告の料金は、一定の期間内に定めた予算から広告のアクションによって課金される方式が採られています。この課金方式が、費用対効果が高いという評判を呼ぶ理由とされています。課金方式は以下の2種類が存在します。
インプレッション課金
インプレッション課金は、広告の表示回数によって課金額が決まる方式で、費用の相場としては1,000回表示毎に100円から500円とされています。1,000人の目に留まる広告にかかる費用としては安価であるのが特徴です。
クリック課金
クリック課金は、広告に対してランディングページへのアクセスや投稿への「いいね!」などのアクションが起きると課金される方式です。1回のアクションに対して100円から500円程度が相場となっています。WEBサイトへの集客のためにかかる広告費用としては、安いと言えるでしょう。
Facebook広告のターゲティング
冒頭でも述べたように、Facebook広告の最大の特徴は、ユーザーのプロフィールを用いた正確なターゲティングにあります。Facebookのプロフィールには生年月日や性別だけでなく、学歴や勤務先、自分の趣味も登録が可能となっています。
広告の出稿にあたっては、これらの情報とマッチングするユーザーに対して表示されるように設定することも可能なので、アクションを起こしてくれる可能性が高いユーザーに対してダイレクトにアプローチできます。
Facebook広告の始め方|出稿前に準備しておくこと
では、実際に広告を出稿するまでの流れを見ていきましょう。まずは、Facebookアカウントの作成にあたって必要な作業や、あらかじめ決めておきたい項目について説明します。
広告出稿の目的を明確にする
Facebook広告を出稿するにあたっては、その目的を明確にさせておく必要があります。ですので、まずはFacebook広告を出す目的を決めましょう。目的によって広告の作り方や配信方法が変わります。また、設定を最適化する際の方針も左右されるので、特に大事な項目であることを覚えておきましょう。
Facebook広告の出稿における目的は、大きく分けて以下の6つです。
売上
商品やサービスの購入する可能性の高い利用者を見つけることを目的とします。
リード
ビジネスやブランドのリード獲得することを目的とします。
エンゲージメント
動画の再生や投稿への「いいね!」、イベントへの参加者を増やすことを目的とします。
認知度
商品やサービスを知ってもらい、関心を寄せてもらうことを目的とします。
アプリの宣伝
アプリをインストール及び長期的に使用し続けてくれる新規利用者を見つけることを目的とします。
クリエイティブとランディングページを用意する
目的を設定したら、それを達成させるために準備するものを確認しておきましょう。ここでは広告に使用する動画や画像などのクリエイティブと、広告をクリックしたユーザーに訪問してもらうランディングページを用意しましょう。
クリエイティブやランディングページの内容によっては、ポリシー違反に抵触する可能性もありますので、用意する作業と並行してFacebook広告のポリシーについても調べておくことをおすすめします。
予算とターゲット・配信期間を決めておく
Facebook広告を出稿するにあたって決めておきたい項目としては、広告を配信する期間とターゲット、そして予算が挙げられます。目的を達成するためには、期間やターゲットをどう設定し、どの程度の予算が必要になるのかを考えておく必要があります。
逆に、限られた予算の中で目標を達成するためにはどうアプローチしていけば良いかという観点から、設定を熟慮してもよいでしょう。
Facebook広告の決済方法の確認
Facebook広告を出稿するにあたっては、支払いの方法もあらかじめ決めておくと良いでしょう。2023年10月現在、日本国内で利用可能なFacebook広告への支払い方法は、クレジットカードまたはデビットカード決済とPayPal、PayPayなどがあります。支払い方法による有意差は特にないので、利用しやすい支払い方法を選択しましょう。
アカウントの取得
ここまでの内容を全てきちんと決めることができれば、いよいよFacebook上での設定となります。Facebookのアカウントを作成し、Facebookページ、ビジネスマネージャ、広告アカウントを作成していきましょう。
Facebook広告の始め方|ビジネスマネージャの設定
ビジネスマネージャは、企業のFacebookページや広告アカウントの作成・管理が一元的におこなえるので、使い方をマスターしておきたいツールです。この項目では、ビジネスマネージャの使用方法に焦点を当てて説明します。
ビジネスマネージャのアカウント登録
まずは、ビジネスマネージャの開設方法について説明します。以下のページからアカウント作成に進んでください。
はじめに、ビジネスマネージャに表示される名前と作成者の氏名、ビジネスで使用しているメールアドレスを入力しましょう。入力が完了したら、「送信」をクリックしてください。
以下の画面が表示されたら、ビジネスマネージャのアカウント開設は完了です。メールアドレスの確認が終了すれば、Facebookビジネスマネージャが利用できるようになります。
参考:Meta Business SuiteとMetaビジネスマネージャへのログインとアクセス
Facebookページとビジネスマネージャの連携
ビジネスマネージャが使えるようになったら、自社のFacebookページとビジネスマネージャから連携しましょう。まず、ビジネスマネージャを開き、「すべてのツール」から「ビジネス設定」を選択します。
次に、画面左側の「ページ」をクリックします。
続いて、「追加」という項目が表示されるのでクリックし、「ページを追加」を選択してください。
「Facebookページを追加」というダイアログが表示されるので、「FacebookページまたはURL」の欄にビジネスマネージャに登録するFacebookページを入力してください。最後に「ページを追加」をクリックすれば、Facebookページの追加が終わります。
広告アカウント作成
ビジネスマネージャから広告アカウントを作成しましょう。こちらもまずはビジネス設定の画面に移ってからおこないます。画面左側に「広告アカウント」という項目があるので、こちらをクリックしてください。
すると、以下のような画面が表示されるので、「追加」をクリックし、「新しい広告アカウントを作成」を選択します。
新しい広告アカウント作成に必要な項目のダイアログが表示されるので、内容に従って入力していきましょう。なお、広告アカウント名はビジネスマネージャと同様である必要はありません。自身が分かりやすい名前で設定しましょう。
Facebook広告の始め方|広告を配信するまでの設定
広告アカウントの作成が終わったら、広告を配信していきましょう。Facebook広告は次の3段階を踏んで作成します。
- 目的を設定するキャンペーン
- 配信のターゲットや期間を設定する広告セット
- クリエイティブなどを作成する広告
これらの設定は、ビジネスマネージャから広告マネージャを開いておこないます。
キャンペーン作成
キャンペーンの設定は、広告マネージャの「キャンペーン」タブを開き、「+ 作成」をクリックして開始します。
まずは、キャンペーンの目的を設定します。広告を出す目的を選択したら、次へ進みましょう。
次にキャンペーンの名前と予算を選択します。キャンペーンの名前は分かりやすいもので構いません。予算はまず最適化を「オン」にして、1日の予算か通算予算かを選択して金額を設定します。
通算予算にした場合、「その他のオプション」から広告を配信する期間などを設定できます。
広告セットの設定
キャンペーンの作成が終わったら、広告セットの設定に移りましょう。広告セットでは、配信するオーディエンスの条件と広告の位置などを決めます。
まずは、広告セットの名前などを設定します。このページでは特に「予算と掲載期間」の設定にミスがないかどうか注意しましょう。
次に、オーディエンスや広告の配置を設定します。年齢や性別、一致する条件などを決めることが可能です。配置に関しては、初めての場合は自動配置で問題ありません。
広告の配信まで
続いて、広告のクリエイティブを作成していきましょう。まず広告の名前を決めて、表示させるFacebookページを設定します。自社で使用しているInstagramのアカウントがある場合は、ここで連携の設定が可能です。
次に、クリエイティブソースを設定します。
広告で使用する画像や動画を手動でアップロードする場合は「手動アップロード」を選択、カタログから自動で選択する場合は「カタログ」を選択します。
次に、Facebook広告のフォーマットを何にするかを決めます。
広告フォーマットが決まったら、それに合わせて広告のクリエイティブを決めていきます。画像や動画のほか、広告としての投稿の本文やランディングページのURLもここで設定します。
このほか、任意で設定可能な項目については必要に応じて設定してください。設定が完了したら、「公開する」をクリックしましょう。作成・設定した広告は配信のための審査に送られて、通過した後に配信が始まります。
Facebook広告の始め方|広告配信の注意点
この項目では、広告の設定や作成の際の注意点をいくつかご紹介します。
Facebook広告ポリシー違反に注意する
作成した広告を審査に出す前に、Facebook広告のポリシーに違反していないかどうかをセルフチェックしておきましょう。ポリシー違反に該当すると判断された広告は審査に通らず、配信ができません。また、ポリシー違反による審査落ちを繰り返してしまうと、広告アカウントの停止に至る可能性もあります。
ターゲット設定の確認
広告を配信するターゲットをきちんと設定できているかを確認しましょう。例えば、男性向けの商品やサービスの広告は、女性に配信しても効果が現れません。商品やサービスを売り込むターゲット層が明確になっているのなら、そのターゲット層に的確にアプローチできるように設定しましょう。
アカウントの確認
Facebookで広告配信の設定をする前に、ログインしているアカウントが広告主のアカウントであるかどうかを確かめるようにしましょう。同じデバイスで複数のアカウントにログインしているときに起きがちなミスです。
Facebook広告は目的などを決めればすぐ始められる
今回の記事では、Facebook広告の始め方について解説してきました。配信する目的や予算などが明確になってさえいれば、さほど難しくはないはずです。配信期間やターゲット設定のノウハウなどは、経験を重ねなければ得られません。まずは広告を配信するための一歩を踏みだしてみてください。