料理撮影用のライトって、なにがオススメなのかよくわからないですよね。ライトを使って料理を美味しそうに撮るにはどうしたらいいのか、ライトの他にも必要な機材はあるのかなど、ライティングについて不安を感じることも多いのではないでしょうか。
料理撮影をするライトのおすすめは、自然な光を表現できるタイプです。料理の撮影は明るい時間帯だけでなく、夜の室内で行うこともあります。夜の室内でも自然な光を演出できれば、写真を見る人に料理の美味しさを伝えやすくなります。
そこでここでは、美味しそうに撮るためのライティングについてお伝えします。自分で撮るだけでなくプロカメラマンに依頼することもできますので、その点についてもお伝えしますね。
美味しそうに見せる基本のライティング
まずは簡単な方法で、料理を美味しそうに見せるライティングのコツを2つお伝えします。
光の角度を意識する
料理の写真は、逆光や半逆光で撮ると美味しそうに見せることができます。光にはそれぞれ特徴があるため、被写体によって使い分けることが必要です。
【光の特徴】
・順光:被写体の正面から当たる光。被写体がはっきり、くっきりと見える。
・サイド光:被写体の横から当たる光。立体感が出る。
・逆光:被写体の背後から当たる光。輪郭やツヤが出る。
料理は立体感やツヤを出すことで、美味しさを表現できます。そのため、横からと背後からの中間くらい、角度でいえば約45度で撮ると料理の美味しさが伝わりやすくなります。
フラッシュを使わない
正面からフラッシュの光が当たる順光は、料理が平面的になりがちです。順光は光が強すぎると白飛びしたり、光が弱すぎると立体感が出なかったりと料理を撮るには向かない角度なんです。
ただ、夜の暗い室内でフラッシュを使わずに撮ると、なんだか暗い印象を受ける場合もありますよね。そんなときはカメラのISO感度を上げてみるといいでしょう。スマホで撮影する場合は、露出補正で明るさを調整することができます。
美味しさを表現するのは「シズル感」
肉料理のジューシーさや生野菜のみずみずしさ、よく冷えた飲み物の様子など食欲をそそるように表現することを「シズル感を出す」といいます。光を上手く使ってシズル感を出してみましょう。
ライティングでシズル感を出す
自然光を利用できる時間帯なら、太陽の光を利用しましょう。直射日光ではなく、光が差し込む窓辺での撮影がおすすめです。
太陽の光は季節や時間、天気によってさまざまなバリエーションがあります。自然光を利用すれば、ライティング機材を使わなくても光の効果を得ることができます。
自然光を利用できない時間帯、例えば夜の室内などは人工光が必要です。ストロボやLEDライトを使って撮影を行いましょう。
料理に光が当たる角度を調整しながら撮影を行うことが大切です。湯気や鍋料理の沸き立つあぶくなど、光の効果を最大限に活かして料理の温度まで表現できるといいですね。より料理の美味しさが伝わりやすくなります。
ライティングに必要な機材
ライティングは、料理の写真を見たときの第一印象を左右する重要なポイントです。ここでは料理を美味しそうに見せるために、プロにもよく使われるライティング機材についてお伝えします。
ストロボやLEDライト
明るさを出すために欠かせないのがライトです。ストロボはパッと発光した瞬間に明るくなるタイプ、LEDライトは常に光を放つ(定常光)タイプです。
料理の撮影に慣れていない初心者は、LEDライトを使うと良いでしょう。定常光のため、光の当たり具合を確認したり調整したりしながら撮影できるという利点があります。
ライトは、光を被写体に直接向けるのではなく、白い壁や天井に向けて使用します。壁や天井が白くなければレフ板などを使って光をそこに当て、反射させた光を利用するバウンス撮影を行うと良いでしょう。
レフ板
レフ板には、メインの光を反射させる役割があります。レフ板に光が当たることによって、被写体の影になっているところを明るくすることができます。
料理の影になっている箇所に向けてレフ板を置いてみましょう。
レフ板なし
レフ版あり
レフ板を使うことで影が薄くなり、料理にまんべんなく光が当たるようになりました。
また、被写体に当てる光を弱めたい場合にもレフ板が役に立ちます。光をレフ板に当て反射した光が被写体に当たるようにすると、やわらかい光が被写体を照らしてくれます。レフ板は画用紙や厚紙などでも代用することができますよ。
トレーシングペーパー
光が強すぎるときはトレーシングペーパーを使いましょう。トレーシングペーパーは光を均一に抑え、やわらかい光を演出することができます。
レースのカーテンなどでも光を弱めることはできますが、カーテンだと柄が写ったり、光の抑え方が均一でなかったりすることがあります。トレーシングペーパーだとそのような心配をする必要がないため、安心して使用することができます。
三脚
三脚を使えば安定した構図で写真を撮ることができます。
カメラの位置が少しずれただけで光の当たり具合も変わるため、気に入った構図を保つためには必要なアイテムです。三脚を使えば手ブレの心配もありません。
写真の構図とアングル
料理の撮影をするときには構図やアングルを意識すると、さらに美味しそうな写真を撮ることができます。ここでは料理撮影におすすめの構図やアングルについてお伝えします。
よく使われる3つの構図
【対角線構図】
料理に奥行きを出したいときにおすすめの構図です。画角に対して斜めのラインに料理を配置します。メインになる料理を手前に置いて、ピントを合わせます。すると背景がぼかされ、よりメインの料理を引き立たせることができます。
【日の丸構図】
料理を写真のど真ん中に配置する構図です。メニューに載せる写真によく使われていますね。写真を撮るときに一般的に使われる構図のため簡単そうですが、案外テクニックが必要です。料理が強調されるため、素人っぽさが出やすい点に注意が必要な構図でもあります。
【アルファベット構図】
アルファベットの「C」や「S」の形になるように料理を配置する構図です。
C字構図は器の一部が写真からはみ出すように撮ることで、料理を大きく撮ることができます。レシピ本などによく使われる構図ですね。
S字構図は料理を斜めに配置することで曲線ができ、動きがでやすい構図です。やわらかい印象や、優雅な印象を出したいときに使ってみてください。
よく使われる3つのアングル
【真俯瞰】
スマホで撮る場合は料理を真上から撮る、真俯瞰もおすすめです。インスタなどにアップする場合によく使われるアングルです。
シズル感を出すのではなく、料理の全体像を伝えるのに適しています。
【ローアングル】
料理とほぼ同じ高さで撮ります。料理に立体感を出したいときにはおすすめです。
カメラをテーブルにつくくらいに構えます。スマホで撮る場合は、スマホを逆さまに持ってみてください。普通に撮るより、さらに料理に迫った写真を撮ることができますよ。
【接写】
可能な限り料理に寄って撮ります。画角からはみ出した料理はディティールがより鮮明になり、シズル感が強調されます。接写で撮ることで立体感が生まれ、迫力のある料理の写真を撮ることができます。
おすすめのライト
おすすめのポイントは、演色性の高さを示すCRIが95以上であること。数値が100に近いほど自然光に近い明かりを再現できます。
ここでは、おすすめの料理撮影用ライトを2つ紹介します。
Neewer スタジオ撮影用ライト
Neewerのスタジオ撮影用ライトです。
LEDライトのため、消費電力も小さく長寿命です。
白と黄色、それぞれ240個のLED電球が電球色から太陽色まで調光を可能にします。演色性(CRI)も約96と高く、太陽光に近い色が表現できます。付属のホワイトディフューザーを使えば、やわらかい光を演出することもできますよ。
収納ケースがついているのも嬉しいですね。
MOMAN ML8ADC(ポケットサイズソフトカバー付き)
MOMANの撮影用ライトです。
コンパクトなため、持ち歩きやすいサイズです。スマホの充電器としても使えるので、外出先でスマホを使って料理を撮影するときにも便利ですよね。
CRIは98+と演色性も高く、2色の温度調光可能なLEDライトが搭載されています。
参考:MOMAN撮影用ライト
ライト・照明はレンタルもできる
・購入する前にライトを試してみたい
・一度しか使わないから買うのはもったいない
という場合は、ライトのレンタルを検討するという方法もあります。
ここでは2つのレンタルサービスをお伝えしますね。
APEXレンタル
取り扱う商品が多く、業界トップクラスの商品数です。ライトは、ストロボもLEDライトも取り扱っています。
レフ板や三脚なども取り扱っていますので、購入前にレンタルして試してみるのもいいですね。東京、大阪、名古屋には実店舗もあり、店頭でも引取り&返却が可能です。
レンタルの手順はこちらです。
1.ネット予約をする
2.在庫確認後、予約確定メールがくる
3.支払いをする(初回の場合、本人確認書類を提出)
4.商品到着後レンタル開始
5.使用後、コンビニや宅配業者で返却する
【借りられる期間・送料】
借りられる期間:2日~(店頭受け取りの場合1泊~)
空きがあれば延長可能
送料:2泊3日以上、3000円以上で送料無料
参考:APEXレンタル
シェアカメ
カメラのレンタル専門サイトのシェアカメは、カメラだけでなくライトのレンタルも行っています。
レンタルの手順はこちらです。
1.ネット申込をする
2.最短、翌日に届く
3.使用後、コンビニで返送する
【借りられる期間・送料】
期間:2泊3日~(在庫状況確認後、延長可能)
送料:3000円以上で往復無料
参考:シェアカメ
プロのカメラマンに依頼する
お店で出すメニュー表やホームページ用の料理写真など、集客に必要な写真なら思い切ってプロに依頼してしまう方法もあります。
料理の写真はお店の第一印象を決める重要なアイテムです。撮影は回数をこなしていくうちに上達していくものですが、写真が必要な期限までにシズル感たっぷりの写真が撮れないこともあります。自分で撮ることにこだわりがない場合は、プロのカメラマンに依頼する方法も検討してください。
ここでは2つの撮影サービスを紹介します。
ミツモア
「撮影を頼んだらいくらかかるのか不安」という場合には、まず「ミツモア」で見積もりを依頼してみましょう。
料理の写真だけでなく、店舗の内観、外観もOK!というカメラマンが多数見つかります。経験豊かなプロカメラマンならではのアイディアを拝借することができますよ。
【料理撮影・食品撮影の料金相場】
料理写真撮影(スタジオ撮影):20,000円~40,000円
料理写真撮影(出張撮影):20,000円~50,000円
フードコーディネーターの手配:20,000円~50,000円
(+食材費・資材費・諸経費)
撮影する料理の品数、撮影カット数や必要な時間、また加工の有無などによって価格は変動します。
参考:ミツモア
おいしいフォト
4つの撮影プランから選択することができます。
アングルを変えたり、カトラリーを添えたりしてバリエーションを増やした撮影を行います。
【お試し撮影プラン】
カット数:3~5カット
バリエーションを含めたカット数:6~10カット
通常価格:33,000円
【お手軽撮影プラン】
カット数:5~10カット
バリエーションを含めたカット数:12~25カット
通常価格:44,000円
【充実撮影プラン】
カット数:15~20カット
バリエーションを含めたカット数:35~50カット
通常価格:55,000円
【たっぷり撮影プラン】
カット数:25~30カット
バリエーションを含めたカット数:60~75カット
通常価格:66,000円
参考:おいしいフォト
まとめ
料理を美味しそうに撮るために必要なのはライティングの技術です。角度を変えたり、アングルを変えたりしてシズル感をだす工夫をしましょう。
場合によってはライティング機材も必要です。購入するだけでなく、レンタルする方法もありますのでぜひ試してみてください。
料理の撮影は奥が深く、楽しくてどんどん撮りたくなるという一面もありますが、撮影が負担になるという一面もあります。自分は撮ることにこだわりがないという場合は、経験豊かなプロカメラマンにお願いすることもできますよ。
料理の美味しさが伝わる写真は、見る人をワクワクさせることができます。友人や知人に出来上がった写真を見せて、「美味しそう!」といわせてみせましょうね!