古い貨幣の中には、希少価値のあるレア貨幣もいくつかあります。貴重なものなら実際の貨幣としての価値よりも高値で売れるケースもあるため、古い貨幣をすぐに手放してしまうのはもったいないです。
しかし、貨幣を買い取ってもらえる場所は限られるため、売る場所は吟味する必要があります。売り方や場所によって売値が変わることも多いため、売り方は重要です。
今回の記事では、レア貨幣を売る場所や高く買い取ってもらうための売り方などについて紹介します。コレクションなどで古い貨幣をたくさん持っている方は、ぜひ目を通してください。
貨幣を買い取ってもらう手順
この項目では、貨幣を買い取ってもらう細かい手順について解説介します。
貨幣の買取は、買取店舗で査定を受け、結果に納得できれば売却して現金を受け取るというのが一般的な流れです。基本的に、買取手順は他の買取と変わりません。
ただし、貨幣を買い取ってもらえる場所が限られるため、店舗探しは他の買取より苦労する可能性があります。
買取可能な店舗に貨幣を持っていく
貨幣の買取は、専門店へ持ち込む必要があります。事前に最寄りに買取可能な店舗があるか確認しておきましょう。近くに店舗がない場合は、出張買取に頼る方法もあります。
他の買取と同様、身分証明証が必要なので忘れずに用意してください。運転免許証か健康保険証なら、ほとんどの人が持っているのですぐ用意できるでしょう。
店舗で査定を受ける
持ち込んだ貨幣は、その場で査定を受けられます。査定は混雑していない限りすぐに完了するため、基本的に待つ必要はありません。
店舗によって混雑する時間外が異なります。土日やお昼時には比較的込みやすいため、時間に余裕があれば空いている時間を狙ったほうが良いでしょう。
査定結果を確認する
査定が完了したら、内容を確認します。査定金額はもちろん、査定理由や貨幣ごとの扱いなども細かくチェックしましょう。
店舗によっては貨幣にプレミアがつかなかったり、店舗側の査定ミスがあったりするケースもあります。必ず自分で内容を確認し、疑問点や主張があれば直接伝えましょう。
査定結果についての質問はいくらでもおこなって良いので、自分が納得できるまで確認を徹底してください。
貨幣を売却する
査定内容に納得出来たら、売却手続きに進みます。一度現金を受け取ったら、基本的に買取のキャンセルはできないため、決断は慎重におこないましょう。
査定結果に納得できない場合は、買取をキャンセルできます。キャンセル料などはかからないケースが多いので、少しでの納得できない場合はキャンセルしたほうが後悔せずに済みます。
売却によって得られる現金は、直接受け取るか銀行振込に対応している場合が多いです。金額が多く持ち運ぶのが不安な場合は、振込を利用しましょう。
買取の選択肢
この項目では、買取の選択肢についてご紹介します。現在はインターネットの普及によって、店舗に直接持っていく以外の買取方法も増えてきました。
付近に店舗がなかったり、直接店舗に行くのが不都合だったりする場合は、他の方法で買い取ってもらう方法もあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分に適した買取方法を選びましょう。
店頭買取
店舗に直接持って行き、査定を受ける方法が店頭買取です。最も一般的な方法で、近くにお店がある方にとっては手軽に取れる選択肢です。
事前予約などの手間が不要なので、すぐに買い取ってもらえる点がメリットです。即日買取も可能なので、現金化までの時間が短い点もメリットでしょう。
一方、店舗まで持っていく必要があるため多少手間はかかります。また、近くに店舗がない可能性もあるため、誰でも実践できるとは限らない点も難点です。
出張買取
買取業者に直接自宅まで来てもらい、査定してもらう方法が出張買取です。自宅にいながら買取ができるため、時間のない方におすすめの買取方法です。
出張費用は基本的にかからないケースが多いため、コストを心配する必要はありません。日程や時間は自由に調整できるため、隙間時間での買取も可能です。
ただし、自宅に人を招くことになるため、知らない人を家に入れることに抵抗のある方にとっては、選びにくい買取方法と言えるでしょう。
宅配買取
貨幣を店舗に直接郵送し、査定をおこなってもらう方法が宅配買取です。店舗に直接持ち込む必要がなく、出張買取のように自宅に人を入れることもないのが特徴です。
梱包用の道具は依頼時に店舗から送られてくる場合が多いため、自分で用意しなくてもいい点は利点ですが、梱包は自分でおこなう必要があるため、多少手間がかかる点には注意が必要となります。
また、怪しい店舗に郵送すると送った貨幣が返ってこないトラブルが発生するため、必ず信頼できる店舗に依頼することが大切です。
ネットオークションは避ける
商品を売却する際、自力で売れるネットオークションはよく選択肢に挙げられます。しかし、貨幣に限っては利用すべきではありません。
貨幣は古いものでも現金としての価値を持っているため、発送時などに郵便法に抵触する可能性があります。法律違反のリスクが高いため、ネットオークションやフリマアプリなどの利用は避けるべきです。
価値のある貨幣の条件
この項目では、プレミア貨幣の条件についてご紹介します。古い貨幣が無条件で価値を持つわけではありません。基本的には、古くても額面以上の価値がつかない貨幣がほとんどです。
しかし、中には額面以上の価値を持つプレミア貨幣も存在します。貨幣の価値を正確に測るのは困難なので、価値が高くなる条件をある程度知っておくことが大切です。
発行数が少ない
同じ貨幣でも、発行枚数は毎年異なります。発行枚数が少なければそれだけ希少価値が高まるため、プレミアもつきやすいです。
極端に発行枚数が少ない場合、価格が元の10倍以上になるケースも少なくありません。どの年代のどの貨幣が該当するのか、あらかじめ調べておきましょう。
エラー貨幣
貨幣の中には、製造過程でミスが発生したエラー貨幣が存在します。貨幣としては問題なく利用できるほか、類似品が少ないことからプレミアがつきやすい点が特徴です。
たとえば5円玉や50円玉の穴がなかったり、印字した絵柄の角度がズレていたりといったものが該当します。エラー貨幣は希少価値が非常に高く、一部では非常に高価買取をおこなっています。所持している場合は慎重に売り先を吟味しましょう。
記念硬貨などの限定貨幣
記念硬貨をはじめとした特定のタイミングでしか手に入らないものは、希少価値が高くプレミアがつきやすいです。
ただし、すべての記念硬貨がプレミアになるわけではありません。発行枚数が多かったり、定期的に発行していたりするものも多いからです。
記念硬貨のプレミアは鑑定士も勘違いしやすい項目なので、必ず自分で下調べしておきましょう。
素材自体が貴重な貨幣
硬貨を製造する場合、基本的に毎回同じ素材が使われます。しかし、記念硬貨などの場合は特別な素材が使われるケースもあり、希少性に加えて素材自体が高価であることから、プレミア価格がつきやすいです。
金で作られた記念硬貨などは分かりやすく高価であり、高い売値が期待できます。素材の判別は素人だと難しいので、査定時に確認してもらう方法が有効です。
硬貨別のプレミア貨幣の見分け方
現在日本には、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉の6種類の硬貨が存在します。硬貨ごとにプレミアがついている条件や見分け方が異なるため、ある程度高い硬貨の特徴を把握しておくことが大切です。
硬貨は数が多いため、しっかりチェックしないとプレミアの特徴を見落としがちです。ここでご紹介する見分け方を参考に、ひとつずつ丁寧に確認してください。
1円玉
1円玉は年々発行枚数が少なくなっており、全体的な流通量の低下から価値が高くなっている傾向があります。たかが1円と思われがちですが、発行枚数の少ない年代の1円玉であれば、数千倍の価値を持つため侮れません。
中でも平成23年、24年、25年、29年、30年は発行数が極端に少ないため、1円玉1枚で数千円もの価値を持ちます。うっかり1円として使ってしまわないよう注意してください。
一方で、1円玉のエラー硬貨はほとんど出回っていません。現時点でプレミアはついていませんが、万が一エラー硬貨の1円玉が発見された場合、高く買い取ってもらえる可能性が高いです。
5円玉
5円玉も発行枚数が年々減っているため、少しずつ希少価値が高まっています。年代別に見ると、平成22年、23年、24年、25年の5円玉は特に数が少ないため、1枚で数千円の価値を持ちます。
エラー硬貨については、中央に穴があるため比較的見つけやすいです。穴がズレていたり穴がなかったりするエラー硬貨は、発見が容易なうえに人気も高いため、初心者にもやさしいエラー硬貨と言えるでしょう。
10円玉
10円玉は発行枚数が多いですが、少ない年代のものはその分価値が高くなりがちです。中でも昭和32年、33年、61年の10円玉は価値が高く、特に昭和61年の10円玉はエラー硬貨の存在から、プレミアがつきやすくなっています。
10円玉はデザインが複雑なため、エラー硬貨の種類が多い点が特徴です。エラーの種類によっては1万円を超える価値を持つものもあるため、デザインをよく確認してみましょう。
50円玉
50円玉は発行枚数が年々減っており、プレミアがつきやすい硬貨となっています。50円硬貨は昭和62円、平成22年、23年、24年、25年、31年のものが比較的価値が高い傾向があります。
また、5円玉と同様穴の存在からエラー硬貨が発生しやすく、プレミア硬貨を見つけやすく発見しやすい点が特徴です。エラー硬貨の中でも、絵柄と穴の両方にエラーがある硬貨は数十万円の価値を持つケースもあるため、夢のある硬貨とも言えます。
100円玉
100円玉は記念硬貨に指定されることも多く、貴重な素材を使われるケースもあることからプレミア貨幣の絶対数が多い点が特徴です。年代別に見ると、昭和39年、平成13年、14年の100円玉は発行枚数が少なく、プレミアがつきやすい傾向にあります。
エラー硬貨についても、絶対数の多さやデザインの複雑さから、比較的数が多いです。供給が多い分価値は若干下がりがちですが、それでも元値以上の価値にはなります。
500円玉
500円玉も記念硬貨が多いですが、100円玉に比べるとプレミアがつきにくい傾向があります。昭和62年、64年と比較的古い年代がプレミアがつきやすいです。相場としては1枚2,000円程度になりますが、硬貨自体の金額から考えると、他の貨幣ほど伸び率が高いとは言えません。
500円玉は毎年安定した発行数があることから、年代によるプレミアがつきにくい特徴があります。一方で、エラー硬貨は元値の高さもあって高く買い取ってもらいやすいため、希少価値が非常に高いです。
1,000円などの紙幣
紙幣にも貨幣同様、プレミアのつくものが存在します。ただし、紙幣は貨幣よりさらに種類が多く、買取業者によっても買取価格が大きく変動しがちです。
そのため、紙幣の買取を依頼する場合は必ず複数の業者から見積もりを取り、高値で買い取ってくれる買取先を探すことが大切です。
高値で買い取ってもらうためのポイント
同じプレミア貨幣でも、売り方次第で買取価格が大きく前後するケースが多々あります。少しでも高く買い取ってもらうためには、事前の準備や下調べが欠かせません。
この項目では、買取価格を上げるためのポイントについてご紹介します。貨幣を査定に出す前に、一度目を通してください。
記念硬貨が発行されるイベントに合わせて売却する
新しい記念硬貨が発行されると、その都度市場が活発に動きます。過去の記念硬貨やエラー貨幣も普段より需要が高まることから、高く買い取ってもらいやすいです。
記念硬貨が発行されるタイミングは調べれば簡単に分かるため、今すぐ売りたいのでなければ市場が活発になるタイミングまで温存するのが得策でしょう。
素材が貴重な硬貨は、素材の相場を確認する
金や銀、プラチナなどを使っている記念硬貨を売却する場合は、素材ごとの相場を確認することも重要です。金などは毎日相場が変動し、それに合わせて売値も前後します。
特に、金は安全資産として扱われる傾向があり、有事の際や経済が不安定なときは価格が上昇するケースが多いです。相場の大きな変動に合わせるためには年単位で待つ必要がありますが、少しでも硬貨の希少性を高めたい場合は、気長に売却タイミングを計ることも大切です。
まとめ
古い硬貨やエラー硬貨、発行枚数の少ない硬貨は額面以上の金額で取引されます。そのため、昔の古い貨幣が溜まっている場合は銀行で両替するよりも、買取査定にだしたほうが儲けられる可能性が高いです。
高く売れる硬貨は、発行枚数が少ない年代のものだったり、デザインや穴が普通の硬貨と違うものだったりする特徴があります。硬貨ごとに該当する年代やエラーの内容は異なるため、どの硬貨のどの年代が高く売れるのかは事前に調べておきましょう。
また、発行枚数が極端に少なかったり、貴重な素材を使ったりしている記念硬貨は比較的高値で売れる傾向にあります。金などを使っている場合は素材の相場変動なども関連してくるため、多角的に相場をチェックすることが重要となります。