物販で起業するために必要なものは?準備する手順や内容を徹底解説!

物販は、多くの人が営んでいるビジネスモデルです。副業としてだけでなく、起業して専業として取り組むことも不可能ではありません。

とはいえ、起業して本格的に物販をおこなうのであれば、副業のときとは用意するものも大きく変わってきます。起業する前に、必要なものは一通り揃えておきましょう。

今回は、物販で起業する際に必要なものや、準備の内容についてご紹介します。物販での起業を検討している方は、ぜひ目を通してください。

目次

物販での起業前に決めておくこと

まずは、起業前に決めておくべき内容について解説いたします。起業後の方針を決める重要なものなので、必ず方向性を定めてから起業しましょう。

取り扱う商品

物販において、何を売るのかは非常に重要です。売る商品の内容次第で、売上や利益が大きく変わってきます。

副業であれば、手当たり次第に試してみるのもありです。しかし、起業するなら少なくない初期投資が必要なので、最初からある程度の結果を出さなければいけません。

多少なりとも結果を出さなければ、資金繰りが悪化して事業を継続できなくなってしまいます。最初は売りたいものよりも、売れるものに絞って取り扱う商品を決めましょう

商品の売り方

取り扱う商品が決まったら、続いては販売方法を検討していきます。 現在はオンラインショップが主流であり、基本的にはインターネットを通じて販売したほうが、より多くの商品を販売可能です。

販売方法には、Amazonなどの既存プラットフォームを利用するほかにも、自分でネットショップを運営して販売する方法もあります。どちらにも良い点、悪い点があるため、取り扱う商品によって最適な売り方を検討しましょう。

起業するにあたって必要なもの

副業の物販と違い、起業する際には必要になってくるものがたくさんあります。特に起業経験のない方にとっては、馴染みのないものも多いため、漏れのないように準備しましょう。

この項目では、起業に必要なものについて紹介します。いずれも重要なものなので、必ずすべて準備することが大切です。

運営資金

起業自体は、資金がなくても可能です。しかし、商品を仕入れ代金や送料、梱包費に広告費など、起業後には何かと資金が必要なので、無一文での起業は推奨できません。

取り扱う商品や、販売方法などによって、必要な運営資金は大きく変わってきます。起業したてのときは収入も安定しないので、最低でも収入なしで3~6ヵ月程度事業が継続できるだけの資金は、あらかじめ用意しておきましょう。

開業届

起業する際は、開業届を税務署に提出する必要があります。起業自体は届け出を出さなくても可能ですが、青色申告を始めとした優遇制度を受けられなくなってしまうため、必ず開業届は提出してください。

開業届は税務署に直接提出するほか、インターネット上からも提出できます。税務署に行く時間がないのであれば、Webサイトから届け出を済ませておきましょう。

パソコンとサブモニター

多くの人が最初から持っているパソコンですが、起業するのであればこれは必須です。 パソコンの有無は事業の効率に直結するため、あらゆる事業において必需品と言っても過言ではありません。

物販であれば最高品質のものでなくても問題ないため、最初は中古の物でも大丈夫です。また、サブモニターがあるとデータの比較や入力などに便利なので、余裕があれば併せて用意してください。

事業用クレジットカード

クレジットカードは、事業においても必需品です。ほとんどの人は既にクレジットカードを持っていますが、事業用に新しく作ることをおすすめします。

個人の出費と事業の出費を同じクレジットカードで支払ってしまうと、経費や利益の計算が複雑になってしまうため、業務に支障をきたしてしまいます。クレジットカードは、プライベート用と事業用で必ず分けて使いましょう

事業用の銀行口座

銀行口座もクレジットカードと同様、事業用に新しく開設しましょう。新しい口座には、ネットバンクがおすすめです。24時間確認やアクセスができるうえ、アプリから遠隔での操作も可能です。

口座の開設も比較的容易なので、特別な事情がない限りはネットバンクを利用することをおすすめします。

事業用のアカウント

ネットショップで商品を販売するなら、アカウントの新規作成も必要です。こちらも個人で使っているものとは別に、事業用として新しく用意しましょう。

利用するオンラインショップは、必ずしも1つに絞る必要はありません。実店舗と違ってコストを抑えられるので、複数のショップを掛け持ちで利用するのもありです。

事業用のSNSアカウント

多くの人が利用しているSNSは、無料で使える広告先としてうってつけです。起業したてのときは特に広告力が求められるため、SNSも活用して商品を認知させることが重要となります。アカウントは、個人用とは別のものを作成してください。

また、運営中に個人と事業のアカウントを間違えて利用してしまう失敗は少なくありません。投稿した内容によっては、炎上して事業に悪影響を及ぼす可能性があるため、十分に注意してください。

梱包用の資材

商品を発送するために、梱包用の資材をあらかじめ用意しておきましょう。必要なのは、外箱だけではありません。商品を衝撃から守る緩衝材や、小物を入れる袋、テープやカッターなども必要です。

ネットショップによっては、専用の梱包資材を用意してあるところもあります。準備するのが大変なら活用を検討してください。

物販での起業に必要な人材

起業の規模によっては、人材の確保も非常に重要です。一人でも起業は可能ですが、複数人で協力することでより多くの結果を出せる可能性があります。

この項目では、企業の際に必要になる可能性がある人材について紹介します。個人でのビジネスに固執しないのであれば、ぜひ頭に入れておきましょう。

スタッフ、従業員

個人での作業には、どうしても限界があります。作業を分担する従業員がいれば、自分の時間を増やせるのでその分自分にしかできない作業が可能です。

例えば、誰でもできる梱包や発送の作業を任せて、自分は仕入れ商品の選定やデータの分析をおこなったり、苦手な顧客との対応を得意な人に任せたりといった具合です。

任せる仕事やその人の適正次第では、単純に人を増やした以上の成果が見込めることもあります。ただし、やみくもに人数を増やしても人件費がかさむだけなので、良い塩梅を見極めることが大切です。

税理士

事業が軌道に乗ってきたら、税理士に確定申告を任せるのもひとつの方法です。確定申告は数字が複雑であり、個人が事業の方手間でおこなうには手間がかかりすぎます。

多少費用をかけてでも税理士に代行してもらうことで、手間も省けるうえ、より正確な確定申告が可能です。

物販で起業する際の行動順序

起業を躊躇ってしまう原因の多くは、どんな順序で行動したらいいかわからないことです。何をしたらいいか迷ってしまうため、起業に消極的になってしまう人は少なくありません。

そこで、この項目では物販を始めてから起業に至るまでの具体的な行動順序をご紹介します。何から手を付けたらいいか分からないという方は、ひとまずこの順序で行動してみましょう。

副業として物販を始める

事業をおこなう際は、失敗の損失を減らすために小さく始めるのが基本です。物販で稼ぎたいなら、まずは副業から始めてみましょう

副業であれば、起業と違い特別な準備がなくてもすぐ始められます。年間の収入が20万円を超えるまでは、確定申告も不要です。

また、物販をやってみた結果、自分には向いていないと分かったり、思ったよりモチベーションが続かなかったりする可能性もあります。そうなった場合にすぐ撤退できるようにするためにも、副業で小さく始めることは大切です。

起業可能か収支の計算をおこなう

副業である程度安定した稼ぎが狙えるようになってきたら、続いては現状で起業が可能かシミュレーションしてみましょう。

シミュレーション内容は、シンプルに利益で生活が可能かどうかです。現在の売上と費用を計算して、残った利益で生活が成り立つかを確認してください。

不足している場合は、不足分をベースに目標となる金額を設定します。ギリギリに設定すると予期せぬ事態で生活が破綻する可能性があるため、ある程度余裕を持った金額設定を心がけてください。

開業届を提出して起業する

シミュレーションの結果、物販だけで生活を成り立たせられることが分かったら、いよいよ起業に踏み切ります。開業届を提出して、本格的に物販での事業をスタートしましょう。

起業後も、基本的に物販の内容は変わりません。しかし、より多くの利益を得るために事業規模を拡大したり、人を雇って作業効率を高めたりするなど、副業時代よりもやるべきことはたくさん増えます。

注意点として、起業後の収入が安定するまでは、コストカットを最優先に考えるようにしてください。起業から半年~1年以内に資金が尽きるケースは少なくないので、スタート時こそ計画的な資金運用が求められます。

物販で起業するメリット

物販自体は、起業しなくてもそれなりに稼げます。しかし、起業することによるメリットも多いため、事業規模を拡大したいなら起業するのは非常に有用な選択肢です。

この項目では、物販で起業するメリットについてご紹介します。起業に二の足を踏んでしまう人は、ぜひ参考にして起業への一歩を踏み出してください。

青色申告による税金の控除

起業する最大のメリットは、やはり青色申告を活用できることです。青色申告により、最大で65万円分の控除を受けられたり、損失繰越が可能だったりと、とにかく税制面で有利なことがたくさんあります。

特に物販を始めたての頃は、事業が軌道に乗らず初年度の利益が赤字に終わってしまうことも珍しくありません。青色申告をしていれば、来年度の利益と相殺して支払う税金を減らせるので、非常にお得です。

個人でも低コストで始められる

物販はオンラインショップなどで販売する場合、実店舗を所有する必要がありません。これは起業しても同じことで、個人であってもコストを抑えての起業ができます。

起業にかかる金額が少ないので、起業後の資金繰りもいくらか融通が利きやすいです。起業することへのリスクが少ないため、メリット部分をより一層享受できると言えるでしょう。

人を雇わず企業も可能

物販は起業したからと言って、必ずしも人を雇う必要はありません。基本的には商品を仕入れて売る仕事なので、商品の内容と仕入れかた次第では、自分一人でも十分に対応可能です。

物販はノウハウが知れ渡っていることから独学での勉強も容易であり、起業後も自分一人でどんどん実績を伸ばせるビジネスモデルと言えます。

副業時代とおこなうことが大きく変わらないため、起業へのハードルが低くなる点も、物販ならではと言えるでしょう。

物販で起業する際の注意点

物販は初心者でも始めやすいため、企業のハードルも比較的低いです。とはいえ、安易な起業が失敗の原因になってしまう可能性があることも、また事実です。

この項目では、物販で起業する際に注意すべき点をご紹介します。これから起業を検討している方は、起業前にこれらの内容を頭に入れておきましょう。

初年度は赤字を覚悟する

起業したてのときは、ノウハウや実績が不足しているため、思ったように稼げないケースも多いです。

特に初年度は、トータルで赤字になってしまうケースも少なくありません。そのため、ある程度資金に余裕をもって起業しないと、起業後に資金が不足してしまいます。

特に物販は、仕入れにも資金が必要なので、資金繰りの悪化が致命傷になりかねません。最初の年は赤字になることを覚悟したうえで、なるべく多めに資金を用意してからの起業を心がけてください

競争に勝つためには差別化が必要

物販の市場は誰でも気軽に参入できる分、競合も多いため競争が激化しています。開業したてで実績のないうちから商品を売ろうと思っても、思うように売れません。

競争に勝つためには、他者との差別化が重要です。価格やセット内容、サービスなどで差別化を図り、購入者が購入したくなる理由を考えてください。

ただ漫然と商品を売っても、競合相手に顧客を取られてしまうだけです。物販で生き残るためにも、商品を売るための工夫を常に考え続けましょう。

青色申告のためには複式簿記のマスターが必須

前述した青色申告は、起業する最大のメリットと言っても過言ではありません。しかし、青色申告による控除を受けるためには、複式簿記による正確な記帳が求められます。

複式簿記は非常に複雑であり、最低でも日商簿記3級程度の知識が必要です。また、勘定科目が多いため、記帳するだけでも手間がかかってしまいます。

とはいえ、最初から税理士に任せていると、利益を大きく削られてしまいます。最初は自分でおこなうためにも、起業前に複式簿記の勉強をしておきましょう

まとめ

物販は起業するのにかかるコストが少なく、事業内容も大きく変化しないため、起業することによるメリットを享受しやすいビジネスモデルです。

これから物販を始める方は、まず副業として始めて適性や感覚を掴むことから始めるべきです。副業であれば、万が一物販を途中でやめようと思っても、損失を軽減できます。

起業すれば、青色申告で税金を安くできたり、昨年の赤字を繰り越せたりと、メリットが盛りだくさんです。起業自体は誰でもできるため、物販で稼ぐなら起業を視野に入れましょう。

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この記事を監修した人

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