中国を始めとした海外輸入は敷居が高いと思われがちですが、中国のネットショップであるアリエクスプレスは海外向けに展開したサイトであり、日本語に対応していることから国内のサイト感覚で商品を仕入れることができる利点があります。中国輸入は品質の問題点はありますが、商品が安く利益を得やすいです。さらに無在庫転売は不良在庫を抱える問題がないので、非常に利益が出しやすいビジネススタイルです。
しかし、無在庫転売を禁じているプラットフォームは多く、アカウント停止のリスクも生じます。ここではアリエクスプレスを活用した無在庫転売の注意事項と、アリエクスプレスの使い方を紹介します。
中国輸入の無在庫転売はどういう流れでやるのか?
無在庫転売とは、注文を受けてから商品を仕入れてお客に発送する販売形式のことです。中国輸入から無在庫転売を行う場合、仕入れ先が中国となります。
仕入れ先が中国となるだけで、無在庫転売のスタイルはほとんど変わりません。仕入れ先は、以下の中国サイトを活用します。
参考:タオバオ
参考:アリババ
参考:天猫
参考:AliExpress
また、現地で仕入れる手もありますが、無在庫転売においては敷居が高くなります。
中国輸入にかかる手数料について
中国輸入では以下の手数料がかかります。
・中国から日本までの送料
・販売手数料(各種プラットフォームに依存)
上記の手数料が発生することに留意しましょう。
AliExpressから仕入れる商品はどんなジャンルが良いのか?
取り扱う商品のジャンルは、体積が小さいサイズから選びます。大きい物を取り扱うと送料が高くなる問題もありますが、一度検品も行うので、家で商品管理することを考慮して小さめのサイズを推奨します。詳しい商品のジャンルがあれば、その商品を中心的に取り扱うのがオススメですが、とくに商品知識がない場合は衣服から着手するといいでしょう。
Tシャツや靴下などといった衣服は生活必需品であり、需要が高いうえにサイズも大きくありません。初心者はまずここから始めましょう。
初心者でも利益を出しやすいジャンルを紹介
まずは販売プラットフォームを決めましょう。販売先によって輸入すべき商品が変わるためです。
たとえば、メルカリです。メルカリの利用者の年齢層等のデータは、公式には公開されておりません。そのため、直近の利用動向から確認してみましょう。
参考:「2021年版 日本の家庭に眠る“かくれ資産”調査」 国民一人あたり“かくれ資産”は平均約34.5万円
不要品の処分方法の調査結果を見ると、10~30代では3位までに「フリマアプリ等での販売」が入っていることから、若年層ユーザーの多さがうかがえます。そのため、メルカリでは10~40代くらい向けをターゲットとした商品を販売するとよく売れるでしょう。とくに若者は資金が少ないこともあり、安い商品を求める傾向にあります。
これらを元にAliExpress(アリエクスプレス)で仕入れることを前提にオススメのジャンルを紹介します。
参考:Tシャツやパーカー
Tシャツやパーカーは種類が豊富で500円以内で買えるものが多いです。4月~9月はTシャツ、10月~3月はパーカーが売れやすい傾向にあります。可愛らしいデザインから特殊なデザインまで幅広く売れますので、初心者にはオススメです。
・化粧品などの美容グッズ
化粧品や美容グッズもよく売れます。ライバルも比較的少ないので、女性にターゲット層を置く場合は最適です。
・季節物
クリスマス時期といった季節のイベントシーズンは、関連商品がよく売れます。ビジネス的にはビッグチャンスではあるので、初心者でも大きなイベントが控えてる時は関連グッズを取り扱ってみましょう。しかし、時期が過ぎると一気に売り上げが落ちてしまう点は要注意です。
AliExpressの活用方法
中国輸入を行う際はAliExpress(アリエクスプレス)が使いやすくオススメです。ここではAliExpressの基本情報解説と、使い方から注意点までわかりやすくまとめました。
AliExpressを使うメリット
AliExpressはさまざまな言語の検索に対応します。英語はもちろんのこと、日本語にも対応しているので、中国サイトでありながらも日本のサイトのように利用可能です。AliExpressが海外向けのサイトであるため、幅広い言語で対応していることが理由です。
また、AliExpressは輸入代行業者を通すことなく出品セラーと直接取引可能な点もメリットです。価格交渉をしやすい他にも、直接家に届けてもらえるので余計な手数料もかかりません。
AliExpressは少量からの購入に対応しているので、試しに購入してみる用途にも最適です。また、タオバオやアリババで出品されていない商品がAliExpressで出品されていることもあります。これは海外ユーザー向けにAliExpressだけで出品しているケースがあるためです。そのため、商品リサーチ先のサイトとしても優秀です。
AliExpressのデメリット
中国大手サイトの「タオバオ」や「アリババ」に比べて、商品価格が高い傾向にあります。そのため、大量仕入れであれば他サイトのほうが向いています。
また、セラーと直接やり取りをする関係でトラブルに発展しやすい難点もあります。しかし、AliExpressは消費者の保護を優先しているので、トラブルが起きても運営にサポートしてもらえるので安心です。
販売先にAmazonを採用する場合、FBA(Amazonの貸倉庫)に直接発送してもらえない難点もあります。あくまでAliExpressは消費者向けの販売スタイルなので、FBA利用の場合は別サイトを利用しましょう。
AliExpressの使い方解説
まずはTOPページを開きましょう。
参考:トップページ
検索窓にはキーワードを入れます。日本語名で検索可能なので、調べたい商品のキーワードを入れましょう。
カテゴリはカテゴリから商品を探す場合に活用します。マウスを合わせると小カテゴリがでてきますので、更なる絞り込みも可能です。
試しに「Tシャツ」と検索してみましょう。
このような形で商品ページ一覧が出てきます。下の方へスクロールを進めると、ページタブが出てきます。
商品の数が多い場合はここから次のページへと進みます。2ページ、3ページ先なども選択可能です。
気になる商品を見つけたらクリックします。
商品ページには商品名、価格、商品のカラー・サイズ・数量、発送と発送予定期間、返金オプションから支払い方法までの情報が1ページにまとまっています。
Aliexpressの無在庫転売における注意事項
中国輸入無在庫転売をおこなう上で、注意事項がいくつかあります。中国輸入無在庫転売は利益を大きく稼ぐことは十分可能ですが、注意事項に気をつけなければ短期的な収益となってしまうので、しっかりと注意点を抑えましょう。
悪評をもらわないための迅速かつ丁寧な顧客対応
無在庫転売はビジネススタイルの関係上、どうしても配送に時間がかかります。中国輸入となれば仕入れ先が中国となるので更に時間を要します。
そうなるとお客さまからの問い合わせが増加するので、慎重に対応しなければなりません。もし、いい加減な対応を行っていると低評価をつけられる要因となります。
各種プラットフォームにより制御は異なりますが、低評価が蓄積されるとお客さまへの印象を悪くするだけではなく、プラットフォーム側でも不利となる制約を受けてしまうことになります。たとえばAmazonの場合、「注文不良率」の項目の中に低評価率がどの程度かというものがあります。低評価が多く、注文不良率が1%を超えると、アカウント停止になる可能性もあります。
低評価を避けるには、素早く対応することを心がけましょう。お客さまの立場になって考えてみるとわかりますが、問い合わせの回答までに2、3日もかかってたら不信感が高まります。とくに商品がいつまでたっても届かず、音信不通ともなれば不安感を抱いてしまいます。
なるべく素早く対応することで、信用を得ることができます。また、万が一商品に不良があって返品が必要になったとしても、丁寧に応じれば、低評価をつけられないこともあります。
対応に手間がかかるかもしれませんが、迅速に対応してアカウントの評価を下げないことが最優先です。アカウントの評価が下がってしまえば、商品がまったく売れなくなってしまい死活問題となります。ぜひ、早めの対応を意識しましょう。
偽物に要注意
中国は偽物商品が多く出回っているので、より慎重にならなければなりません。偽物は法律で販売禁止にされており、意図的でなければ刑罰とはなりませんが、プラットフォームによってはペナルティが課せられることもあります。
無在庫転売のスタイルは数多くの商品を取り扱うので、在庫管理がしきれないケースもあります。その際に偽物をうっかり仕入れてしまうことがあるので、厳重に注意しましょう。キャラクターものやハイブランド商品はとくに偽物の傾向が強いので、怪しいジャンルには一切手を出さないことも大切です。
中国商品は品質が悪い
中国の商品は日本国内と異なり、不良品率が高いです。注文したカラーやサイズの違いは当然のようにあったり、明らかに売り物にならなそうな傷だらけの商品だったり、動作不良の商品もよくあります。その為、必ず自分の自宅に取り寄せて検品してからお客さんの元へお届けしましょう。
もし、お客さまへ直送した場合、不良品が届いてしまったら出品者の評価が下がってしまいます。非があるのは仕入れ先の中国サイトではありますが、お客さまはあくまで出品者が管理している商品が送られてきたと認識します。仕入れ先へ返品してもらうにしても、お客さまに手間をかけさせてしまうので心象が悪くなる一方です。
また、自宅へ届けた場合にはもう一つメリットがあり、万が一故障が見つかった場合にお客さまへの説明がしやすくなります。たとえば配送中に故障が発覚したなどと伝えれば、たいていの人が返金してもらえれば問題ないと納得してくれます。悪い評価も付けられることはなくなるので、自宅検品はぜひしましょう。
返品時はAliExpressのバイヤープロテクションの保護期間に注意
Aliexpressでは返品にも対応しており、万が一購入した商品が不良品だった場合にはセラーに商品を返すことで返金がされる流れとなります。そのため、基本返品されるまでは返金がされることはありません。
Aliexpressには80日間のバイヤープロテクションの保護期間があります。セラーは購入者からの申し立ての手続き終了後15日以内に返金をしなくてはなりません。
もし、返品となったらまずお客さまから出品者に返品してもらい、出品者からAliexpressのセラーへ返品を行います。これは非常に時間がかかるため、15日以内に完了しない可能性もあります。とくにお客さまからの返品は、都合もあり返品が中々されない事態も考えられます。
保護期間は延長することもできますが、間に合わないといったこともあるので注意しましょう。もし過ぎてしまえば返金がされないので、大きなマイナスを生み出してしまいます。
梱包が雑なので梱包し直しが必要
海外から送られるダンボールは梱包が雑であり、梱包材も汚れておりかなり臭います。お客さまにその状態で商品を送ってしまえば、梱包が雑で臭いが不快という理由で悪い評価をつけられてしまうこともあります。このような事態を防ぐためには、一度自宅に送って梱包材を新しくしてからお客さんの元へ届けましょう。
いくら商品が綺麗でも、汚い状態のダンボールが送られてくると不安になります。このような心遣いが低評価をもらわないコツでもあります。
自宅検品は必ず行おう
お客さまへ直送することは送料の節約につながるメリットはあります。しかし、多くの場合はクレーム問題に発展するので、推奨できません。
小さな商品であればクリックポストやレターパックなど、比較的安い送料で送ることもできます。梱包のせいで悪い評価をつけられてしまうのは非常に勿体ないので、面倒でもやりましょう。
中国の大型連休には気をつけよう
中国には大型連休が2回あります。旧正月と言われている2月上旬と、中国の建国記念日にあたる10月です。暦によって何連休になるのかは変わりますが、その期間は中国の経済活動が止まってしまいます。そうなると、商品の仕入れができないという大きな問題も発生します。
仕入れ先とも連絡が取れなくなってしまうので、配送が完全に止まってしまい、お客さまの不満も高まります。これを防ぐには、事前に該当期間は配送が遅くなる旨を伝えるなりしましょう。
無在庫転売に向いているプラットフォームは?
中国商品の無在庫転売をするにあたり、さまざまな販売先のプラットフォームがあります。それぞれのプラットフォーム利用時には注意事項がありますので、よく確認しましょう。
Amazonはチェックが厳しく手数料も高い
Amazonは、無在庫転売にはあまり向かないプラットフォームです。FBAを利用することができますが、月額料金が発生する他、販売手数料も発生します。また、AliexpressではFBAの配送もできない問題もあります。
Amazonは無在庫転売を禁止しているので、アカウント停止のリスクも高いです。よほどAmazonを利用したい理由がない限りは避けたほうが無難です。
Yahooショッピングは低評価に要注意
Yahooショッピングは低評価がつけられてしまうと検索順位が下がってしまう大きな問題があります。しかし、お客さまとの対応さえしっかりしていれば問題はないので、丁寧に対応することを心がけましょう。また、無在庫転売を禁止しているのでばれたらアカウント停止となるリスクも生じます。
ヤフオクは初心者におすすめではあるが、規制が厳しくなりつつある
ヤフオク自体は初心者に使いやすくおすすめできますが、最近はツールなどの規制も入り、無在庫転売に対する取り締まりが厳しくなっています。
個人で出品している場合、売上金は振込依頼をしたあと基本的に1~2日で口座に振り込まれます。
楽天は敷居が高く個人向けではない
楽天は無在庫転売に対する取り締まりが厳しく、出店までのハードルも高いです。開店には30万~60万の費用が必要なので、初心者は避けるべきでしょう。
唯一無在庫転売容認のBUYMA
BUYMAは無在庫転売を容認しているプラットフォームです。ただ、ユーザー層がハイブランド商品を求める人が多く、中国商品がよく売れるわけではありません。無在庫転売を行うのであれば、中国ではなく欧米などからハイブランド商品を輸入するほうがいいでしょう。
メルカリでの無在庫転売例
メルカリでは無在庫転売がされている例があります。たとえば次の商品をご覧ください。
・メルカリの例
説明文を見ると中国の製品を取り扱っていると記載があります。また、注文後に取り寄せるという一言も記載されているので、無在庫転売である可能性が高いです。
評価数が少ないのに対し、多くの商品が出品されています。また、すべてモデルの画像が使われており、個人で撮影したものではありません。これは無在庫転売にある特徴そのものです。
Google画像検索の結果
中国から販売されているかは確認が取れていませんが、同じ画像で他のショップでも取り扱いがあります。
無在庫転売は基本各種プラットフォームでは禁じられているので、堂々と無在庫転売と記載する例はありません。もちろん、ばれてしまえばアカウント停止となる可能性もあるので要注意です。
ネットショップを立ち上げて客層を広げよう
基本フリマアプリやオークションサイトを活用することがほとんとですが、プラットフォームごとに客層が違うこともあります。そこでオススメしたいのがネットショップを開設することです。
下記サイトは簡単にネットショップを無料で開設することができます。ネットショップを持って見たい方はぜひ使ってみましょう。
参考:BASE(ベイス)
アリエクスプレスの無在庫転売では確定申告が必要か?
転売ビジネス全般に言えることですが、「少々の利益ならバレない」「オンライン仕入れの場合はバレない」と思われがちです。しかし、実際には「オンラインだからこそバレる可能性が高い」と言われています。
ここでは、確定申告の必要性やオンライン取引による利益がどうしてバレやすいのかを解説していきます。
年間の所得が48万円を超えると確定申告が必要
個人事業主やフリーランスの場合、年間の所得が48万円を超える人は確定申告が必要です。所得とは、転売による売上から商品の仕入れ代・梱包費用などの経費を差し引いた利益のことです。
アリエクスプレスの無在庫転売においても同様で、月に約4万円以上の利益があれば、確定申告をしなければいけません。
確定申告をしないと、無申告課税や延滞税など後から余分に税金を徴収されることになります。さらに、悪質な場合は罰金や懲役の対象となるケースもあるので、所得をしっかりと計算して必要があれば確定申告を行いましょう。
電子商取引専門調査チームがある
国税局では、平成13年1月より「電子商取引専門調査チーム」を全国に設置しました。これは、電子商取引の拡大に伴い、「電子商取引による利益が無申告になっている」という事実に対応するためです。
実際に「少々の利益ならバレない」と思っている人が多く、きちんと確定申告をしないケースが増えています。
すでに、この状況を察知して国税局が目をつけているので、下手に隠すのではなく、毎年確定申告を行い、正々堂々と転売ビジネスをしましょう。
電子商取引専門調査チームが行っていることは?
電子商取引専門調査チームとは、電子商取引事業者などに対する情報収集や税務調査を担当するチームです。電子商取引事業者には、法人ではなく個人も含まれます。
電子商取引とは、主にヤフオクやメルカリなどのフリマアプリでの取引やアフィリエイト・仮想通貨なども含まれます。個人事業主として登録していなくても、雑所得の申告義務がありながら無申告になっている場合も調査の対象となります。
ちなみに、雑所得が年間で20万円を超える場合は確定申告が必要です。
また、電子商取引専門調査チームの調査官は、ヤフオクやAmazonなどの各ASPや業者に対して「顧客がどれくらいの収入を得ているのか」などの資料提供を求めることができます。
要するに、ヤフオクやAmazonなどで取引をして収入を得ている場合、その情報は税務署に筒抜けということです。
実際に「何年も取引しているけど、税務署からの問い合わせがないから大丈夫」という声もあります。しかし、税務調査はあえて数年間泳がせて情報を得ている可能性が高く、数年分の資料を集めて、まとめて調査を行うケースが多いです。
このように「オンライン取引だからバレない」という安易な考えはやめて、確定申告が必要となる利益を得た場合は、しっかりと申告を行うようにしましょう。
無在庫転売はリスクは生じるが稼げるスタイルではある
中国輸入の無在庫転売は、利益を大きく伸ばすことはできます。しかし、最近はプラットフォーム各種の取り締まりも厳しいので、もし発覚してしまったらアカウント停止につながります。やるのであればリスクを承知の上で、上手く運用するしか現状はありません。
aliexpressは使いやすいサイトではあるので、無在庫販売でなくとも活用できるサイトです。ぜひ、上手く活用しましょう。