AliExpressの注文が「原産国を出発しました」で止まった場合の対処法

AliExpressは、中国最大のIT企業である阿里巴巴(アリババ)グループが運営している、巨大ECサイトです。数多くのショップが出店しており、無数の商品が販売されています。日本でいうところの楽天に近い存在です。

中国の安い物価にもとづいた価格で商品を購入できるのが魅力で、仕入れの際にはとてもありがたいサイトですが、問題もあります。海外からの輸入という形になるため、日本国内のサイトを利用するのと比べて、どうしてもトラブルが多くなりがちです。

中でもいちばん多いのは、「注文した商品が届かない」というものです。もともと発送から到着までに時間がかかるため、なかなか届かないのが正常なのかどうかを判断するのも難しく、どうしたらいいのかわからなくなってしまうこともあります。

本記事では、そのような場合にどう判断すればよいのか、問題解決に向けてどのように動けばよいのかといったことについて、詳細に解説していきます。

目次

AliExpressで注文した商品を追跡する

AliExpressで注文した商品は、現在どこでどうなっているのかを追跡することができるようになっています。もっとも基本的なやり方は、AliExpressのアプリ内で見られる追跡情報を確認する方法です。

大抵の場合は、ここをチェックすれば商品の発送から到着までの流れを知ることができます。とりあえず荷物が正しいルートに乗っていることがわかればよい、という方は、これさえ確認しておけば大丈夫でしょう。

【AliExpress Shopping App】

参考:iOS版

参考:Android版

追跡情報を見る方法

「アカウント→ マイ注文(すべて表示)」で該当する商品をタップすると注文品の追跡情報が確認できます。

AliExpress Standard Shippingで注文した場合

また、「AliExpress Standard Shipping」で注文した場合は、Singapore Postというアプリをインストールしておくことで、より詳細に荷物の追跡をすることが可能になります。ただし、すべての荷物に適用されるわけではないことに注意してください。

【SingPost Mobile】

参考:iOS版

参考:Android版

日本郵便のアプリでも荷物の追跡が可能

そして、日本郵便のアプリでも荷物の追跡をすることが可能です。こちらは日本語で利用することのできる日本製のアプリなので、日本国内の詳細な情報を得ることができます。上記2つの方法と併用するのがオススメです。

【日本郵便】

参考:iOS版

参考:Android版

日本と海外(中国)では通販の常識が違う

日本の通販システムにおいては、注文された商品が発送されたら、それを購入者に通知し、追跡番号を伝えることが当たり前のサービスとして定着しています。発送された荷物が各郵便局や宅配便の拠点を通過するたびに、情報はしっかりと更新され、ほぼリアルタイムで荷物の現在位置を知ることができます。

中国においては、注文された商品の梱包をし、配送先の伝票を打ち込んだ時点で追跡番号が発行される仕組みになっています。これが発送通知の役割を果たしており、日本のシステムと比べて少しタイミングが早いことになります。これはつまり、梱包をした時点で、もはや注文のキャンセルはできないということを意味しています。

発送通知が購入者に届いても、実際には配送業者が集荷に来るまで、荷物は発送元である出品者が保持しています。また、民間の配送業者である場合には、複数の民間業者が絡んでくる事情もあり、追跡情報の更新が数日遅れることもあります。さらに、日本で注文した商品は大抵の場合、最短の日程で発送されることになりますが、AliExpressではそうではなく、期限ぎりぎりまで発送しない出品者も多く見られます。

以上のことから、AliExpressで注文した商品は、日本の感覚で待っていると焦らされたり、非常識に感じられるような動きをすることもありますので、その点は注意しておきましょう。この辺りは文化や習慣の違いとも言えるもので、仕方のないところです。

「原産国を出発しました」で止まっている場合

追跡情報には、日本の通販システムと同様に、何段階かの通過ポイントがあり、到着までにはそのすべてを越える必要があります。日本国内の場合は、途中で停滞してしまう心配をする必要はほとんどありませんが、AliExpressなどの海外から輸入する場合には、そのようなこともしばしば起きるので、あらかじめ意識しておくべきです。

例としては、「原産国を出発しました」で止まってしまうことが挙げられます。
これは「航空会社によって荷物が受け入れられました」の次の段階ですが、ここからが荷物にとっては長い旅となることが多く、通常で1ヶ月から2ヶ月、伸びに伸びた場合だと3ヶ月近くも待たされることがあります。

本当に追跡情報の通りに、原産国(中国)を出発したのかどうかも疑ってしまうところです。出品者も、こちらの問い合わせに対し「発送したから待て」という主旨の返信を返してきたにもかかわらず、数日後にAliExpressからキャンセルの通知が来てしまうことなどもあります。

そのような場合には、再度発送してくれるようメッセージを送りましょう。黙っていたらそのまま注文がなかったことになってしまいます。また、偽ブランド品が見つかった場合や、インボイスに不備があった場合などは、「通関手続き中」「通関保留中」などの表示になることもあります。

AliExpressの商品が届いたらチェックすること

無事にAliExpressから商品が届いたら、まずは一安心したいところですが、この段階でも油断はできません。
商品が本当にまともな状態で届いたのかをきちんとチェックし、もし破損していたり、注文したものとは異なる商品だったりした場合には、クレームをつける必要があるからです。
どちらの可能性も、AliExpressでの買い物においては、ある程度覚悟しておかなければならないものです。

梱包の状態

まずは梱包の状態ですが、これに関しては、日本人の基準であまり細かいことに目くじらを立てないほうがよいでしょう。商品の梱包に関する日本人の感覚は、世界的に見てかなり神経質なほうであり、その感覚で海外の商品を輸入していたら、そのたびに怒らなくてはならなくなるからです。

たとえば、段ボール箱ではなくビニール袋に商品が入った状態で送られてくることなどもあります。日本ではAmazonなどが過剰なまでの厳重な梱包をして送ってくれるので、それに慣れてしまっていると、初めてAliExpressを利用する人は驚くことでしょう。

しかしそれでも、中身さえ問題なければ、深く考えないのが重要です。この点にクレームをつけても、まともに相手をしてもらえることはありません。

発送業者

確認しなくても問題はありませんが、発送業者も見ておきましょう。代表的な業者としては「中国郵政」などが挙げられます。中国の国営企業で、郵便事業だけでなく、金融事業なども手掛けている大手です。

送料の表示

あなたが送料無料で商品を購入した場合でも、明細には送料が記載されていることがあります。これは別段おかしなことではありませんので、気にする必要はありません。知らないうちに余計な費用を支払ってしまった、というわけではないので、ご安心ください。

商品の状態

そして肝心なのが商品の状態です。先述したとおり、AliExpressで注文する場合には、破損していたり、異なる商品が届いてしまったりといった可能性が少なくありませんので、商品が到着した旨を伝える前に、きちんとチェックするようにしましょう。

個人使用を目的として輸入したのであれば、あなたが品質に納得できればそれで構いませんが、日本での販売を目的とした仕入れである場合には、そこで妥協をするわけにはいきません。「これを商品として国内販売するわけにはいかない」と感じた場合には、きちんとその旨を出品者に伝えるようにしましょう。揉め事の仲介は、AliExpressの運営が担ってくれます。

AliExpressの商品が届かず不安なときは

初めてAliExpressで注文をしたときには、多くの方が不安を感じることになります。あなたが考えている以上に、なかなか荷物が到着しないからです。

実際、「1ヶ月経っても届かない。出品者は発送をしていないのではないか?」「『原産国を出発しました』から状態がまったく変わらないのはトラブルではないか?」といった心配を、有識者に相談する方も多いようです。

中国という国のイメージも手伝って、自分は騙されたのではないか、と疑心暗鬼に陥ってしまうのは、無理もないことです。この項では、そんなときにどのような思考を持てばよいのか、といった観点で、解説をしていきます。

AliExpressの商品が届かないということはほぼない

結論から言うと、AliExpressで注文をした商品が発送されないということは「ほぼ」ありません。「ほぼ」と書いたのは、その可能性もゼロではないからですが、おおよそのパーセンテージにして、2%起こり得るかどうかというところです。

もちろん、2%でも発送されない可能性があるというのは困ったことではあります。日本の通販で2%もそのようなことがあったら、そのようなサイトはとっくに潰れていることでしょう。ですが、海外の、特に中国の通販サイトであるAliExpressにおいて、100回注文して発送されないことが1回か2回だけというのは、あなたが漠然と抱いている不信感よりは、ずっと健全な数字です。

しかも、その2%のすべてが詐欺というわけではありません。その多くは、出品者がなかなか商品を確保することができず、とりあえず偽の番号を通知してきたため、追跡情報が得られない、というパターンなのです。その場合、代金はすべて返金されるため、詐欺とはまったく性質の異なる現象です。

もちろん時間は貴重な資源ですから、無駄足を踏んだ時点で損害を被ってはいるわけですが、商品が発送されない可能性とその内情について、正しく理解しておくことが大切です。

AliExpressの商品が届くのは、発送から1ヶ月から2ヶ月

商品が無事に出荷され、追跡情報も更新されたものの、一向に日本に届かない、と不安になることもあります。しかし現状、AliExpressの商品が発送されてから購入者のもとに届くまでは、1ヶ月から2ヶ月ほどかかるというのが常識になっています。中国の輸送システムもだいぶ優秀になってはきていますが、それでもそのくらいはかかってしまいます。

理由としては、そもそも中国国内が広大であることなどが挙げられますが、いずれにせよ「忘れた頃にやって来る」くらいに考えておくことが必要になります。最初にAliExpressを利用したときに、2週間ほどで商品が到着した方が、次の注文では1ヶ月経っても届かずに焦ってしまうこともあるようですが、それは最初の注文がラッキーだったというだけです。AliExpressの時間感覚というものを、正確に意識するようにしましょう。

商品到着までの日数はバラバラ

上記で「発送から到着まで1ヶ月から2ヶ月」と書きましたが、これは目安であり、実際にかかる日数はもっとバラけています。4日ほどで届くこともあれば、2ヶ月をオーバーすることもあり、これを事前に把握することはできません。

AliExpressの無料配送の場合、荷物が輸送コンテナいっぱいになったところで日本に向けて出発するので、あなたの注文のタイミングが偶然それを待たずに済むものであった場合は、早めに届くことになります。そして当然、その逆もあり得るわけです。

仕入れとして商品を購入する場合は、最も遅くなった場合のことを考えて行動するのが好ましいでしょう。2ヶ月かかっても問題のないかたちで、他の物事に備えておくべきです。

長い期間待てない場合

何とかして商品到着までの期間を縮めたいという場合には、有料の配送方法を選択するのがもっとも早いです。いずれにせよ、AliExpressを利用する以上は、到着までに時間がかかってしまうことはあらかじめ計算に入れておくのが基本です。とくに、「独身の日」などのセールが中国国内で行われる場合、どうしても日本に商品が到着するまでの時間は長くなってしまうので、余裕を持ってスケジュールを組んでおくことこそが最良の対策となります。

商品が届かないときの対策

1ヶ月、2ヶ月と待ったのに、それでも商品が届かない場合は、どうすればよいのでしょうか。この項では、そのような状態に陥ったときに取るべき行動について解説していきます。

基本情報を確認する

まずは落ち着くことが大切です。商品が届かないからといって、それが即、詐欺に遭ったことを意味するわけではなく、あなたにできることはいくつもあるのです。
パニックに陥って、不適切な行動を取ってしまうと、むしろ余計なトラブルを増やしてしまうことになるので、決してするべきではありません。

商品についての事実関係を、もう一度チェックしてみましょう。

  • 荷物は現在どこにあるのか?
  • 注文するときに、追跡情報をチェックできる配送方法を選んだか?
  • 禁制品や規制品を注文しなかったか?
  • 保障期間を延長することはできるか?

発送の通知が来たら、簡単にキャンセルや紛争はできない

AliExpressのルールとして、いったん発送された商品は、買い手の側から一方的にキャンセルすることはできません。出品者が承諾をする必要があります。あなたがキャンセルを申し込んだとしても、出品者がそれを無視して発送をしたならば、売買取引はまともに成立したものとみなされます。

「なかなか商品が届かない」というだけでキャンセルをしたり、紛争をしたりするのは不可能です。それができるのは、追跡情報をチェックすることができる状況下で、配送先住所と異なる住所に荷物が届いたことを確認できたときだけです。

なかなか商品が届かない場合にすべきことは、Buyer Protection(購入者保護)の期間延長です。まずはこれをきちんとやっておいた上で、たとえば3ヶ月が経過しても商品が届かないのであれば、そのときは紛争をしても問題ないでしょう。ただし、何らかの非常事態が起きている時期であれば、通常より遅れてしまうのも仕方がないため、その限りではありません。

自分のお金は自分で守る

トラブルに巻き込まれた場合に重要なのは、すでに言及したBuyer Protection(購入者保護)です。これにより、購入者であるあなたが支払う代金は保護され、商品が正式に到着しない限りは、出品者に振り込まれないようになります。

荷物がなかなか届かない場合には、このBuyer Protectionの期間延長を申請しましょう。それによって、予想以上の遅れが出たとしても、AliExpress運営はそれに対応してくれるようになります。返金や紛争をするよりもまず、このような対策をとるべきです。

もちろん、延長申請はあくまでも申請であり、これを承諾するか否かは出品者の判断となります。しかし、まともな出品者であれば、商品が届いていない場合に承諾しない理由はないので、まず問題はないでしょう。

出品者の立場からすると、商品を発送したのに返金を要求されたり、紛争を起こされたりするのは理不尽な出来事ですが、Buyer Protectionの延長は中立的なものであり、通常は拒否する理由がありません。そこで承諾してくれないのは、最初から商品を送るつもりのない悪質な出品者です。Buyer Protectionは上手に利用していきましょう。

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まとめ

今回の記事ではAliExpressで注文した商品が、なかなか届かない場合について解説しました。AliExpressはきちんとした企業が運営しているまともなECサイトですが、出品者のすべてが良心的とは限らず、正しく発送された商品が輸送の段階でトラブルに見舞われることもなくはありません。

そのようなときには、まず落ち着いて、あなたがチェックできるものをチェックし、行使することのできる権利を適切に行使することが大切です。そういった対策をきちんと頭に入れたうえで、価格面などのメリットを上手に利用するようにしてください。

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この記事を監修した人

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