AliExpress(アリエクスプレス)は中国の大手企業「アリババ」が経営する、大型ECサイトです。価格が安いのが魅力的ですが、個人輸入のためトラブル対処法を知っておくと役に立つので、対処法を理解しておくことをオススメします。今回は、AliExpressでトラブルを解決するために使う「チャット機能」について解説します。
AliExpressは大型のモール型ECサイト
AliExpressは大きなショッピングサイトの中に多数のショップが出店する「モール型」のショッピングサイトです。日本では楽天市場やYahoo!ショッピングも同様のモール型となっています。AliExpressでは商品を販売するショップのことを「セラー」、購入する顧客のことを「バイヤー」と表現しています。
楽天市場との違い
楽天市場は、ショップ内にある商品を顧客が選んで注文するシステムです。商品の管理や発送などは全てショップが行い取引をします。万が一商品に不備があった場合などは、ショップのメールアドレスか電話番号を使って直接連絡をしてやり取りするのが一般的です。
AliExpressでは発送までの手順は同じですが、万が一の返金保証が違います。「商品が届かない」「説明と異なる商品が届いた」といったトラブルでは、AliExpressを通して返金対応してもらえます。商品の不備で泣き寝入りする心配がないので、非常に便利なシステムです。
悪質なセラーを避けるにはどうすればいい?
残念ながら、AliExpressにも悪質なセラーが存在しています。トラブルに巻き込まれないためには、他店と比べてあまりに安い商品を購入しないようにしましょう。安さをエサにしている、悪質なセラーがいる為です。
ここからは、悪質なセラーやトラブルに合わないためのポイントを説明します。
専門店で購入する
商品が早く欲しい場合は、欲しい商品を専門に扱っているセラーから購入しましょう。専門店でない場合は、在庫を持っていない可能性が高いです。セラーによっては出品しているのに、受注してから商品を準備する場合もあります。
専門店であれば、在庫がそろっている可能性が高いです。購入したいジャンルが決まっている場合は、専門のセラーを見つけておくと便利でしょう。
写真付きのレビューが投稿されている
AliExpressでは、購入した商品のレビューを写真付きで投稿する良心的なバイヤーが多いです。一方で、悪質やセラーや出品したばかりの商品は写真の投稿がなく、レビュー内容も簡素な内容が多い傾向にあります。「good」などの簡単すぎるコメントや、出品して間もないのに大量の高評価を得ている商品は様子を見ましょう。
価格が安いからといってすぐに購入するのではなく、レビュー内容を確認してからがオススメです。
商品説明はしっかりと読む
商品の説明欄は、何度も読み直してください。不明な点があった状態で購入してしまうと、後から問題が出てくることもあります。商品に疑問点がある・詳しい説明が欲しいという場合は、セラーに問い合わせてから購入するのがオススメです。
良心的なセラーは、注意書きが赤字で読みやすくなっていたり、万が一の対処法が書かれていたりします。あまりに簡単な説明欄は、トラブルの可能性があるので気をつけましょう。
AliExpressではどのようなトラブルがあるの?
海外のセラーとの取引では、日本国内での取引よりもトラブルが発生しやすくなります。未然に防ぐため、AliExpressでよくあるトラブル事例をみていきましょう。
セラーの間違いによるトラブルが多い
AliExpressのトラブルは、セラーによるミスが報告されています。一番多いのは、「商品が送られてこない」ことです。
AliExpressは大手のECサイトですが、基本的に個人のセラーとの取引になります。セラーが悪質だったりいい加減だったりすると、このようなトラブルが起こります。もちろん、大半は良いセラーなので安心してください。
AliExpressでは商品が届かない場合、代金が返金されるシステムが整っています。金銭面の心配はありませんが、返金手続きは自分でしなければなりません。
商品が届かない場合は、どうしても欲しい商品を探して購入し直します。一度失敗すると商品を探すのにも神経質になりがちです。上で解説したように、説明文や画像を参考にしましょう。
さらに、「届いた商品が間違っている」、というトラブルもたまに起こります。余程のことがない限りはありませんが、セラーの間違いや勘違い・郵便事情のトラブルで起こりうるので気を付けましょう。こちらも返金は可能ですが、日本のECサイトのように迅速な対応は望めません。注文するときは時間に余裕をもっておこないましょう。
AliExpressでの返金方法とは?
万が一トラブルに巻き込まれても、AliExpressなら代金を返金してもらえます。ここからはAliExpressの基本的な返金方法や注意点をみていきましょう。
2種類の交渉方法がある
AliExpressの返金を交渉する方法は2種類です。一つは、セラーと直接やり取りをして交渉する方法、もう一つはAliExpressを通して間接的に返金する方法です。
セラーと直接交渉すると早く返金されますが、セラーが返金に応じてくれない場合もあります。返金が見込めない場合は、AliExpressを通して返金してもらいましょう。
返金依頼は商品の受取確認前にする
AliExpressで返金依頼をする際には、大切な注意点が一つあります。必ず「商品の受取確認をする前に手続きをおこなう」ということです。受取を確認した後は「商品に問題がない」と認めたことになり、セラー側も返金する義務がなくなります。
必ず、受取確認は「商品に問題がないと確定」してからにしてください。
返金依頼は早めにする
AliExpressの返金依頼は、早めに開始してください。バイヤープロテクション期間から15日を過ぎると返金できなくなるからです。届いた商品に不備があったり届かなかったりした場合は、一度セラーに連絡をしましょう。
セラーが対応してくれれば解決しますが、対応が見込めない場合は3日以内に返金手続きを開始するのを目安にしましょう。
セラーへの連絡方法
AliExpressでトラブルに巻き込まれたら、チャットを使って連絡をするシステムになっています。チャット機能の基本と、使い方をみていきましょう。
セラーとの連絡手段はチャットのみ
以前は「チャット機能」と「メッセージ機能」がありましたが、現在はチャット機能のみとなっています。使い方がシンプルで分かりやすくなりました。
AliExpressへの問い合わせ方
チャットを開始するには、簡単な作業が必要です。最初からAliExpress担当者とチャットができるわけではありません。ここではチャットができるようになるまでの方法を解説していきます。
まずは自分のアカウントを開き、ヘルプセンターを表示させましょう。ページ内にある「Online Service」を選択します。
いくつかの選択肢が表示されるので「Refund issues(返金の問題)」を選択してください。
返金したい商品を聞かれるので、返金したい注文履歴を選択して、「Confirm(確認)」を選択します。
セラーとの現状を聞かれます。「May I know if you have received the order?(あなたは注文したものを受け取っていますか?)」と質問されるので、「No, I have not received my order(いいえ、まだ受け取っていません)」を選択しましょう。
すると質問したい内容がいくつか選択できるようになります。返金の場合は選択肢の中から「Is it safe to receive package from China(中国からの荷物は安全ですか?)」を選択してください。
「Chat with an agent now(担当とチャットをしますか?)」と表示されるので、ここを選択するとAliExpressの担当者とチャットを開始することができます。
この方法で直接担当者と話すことができます。
また、質問を日本語で質問を入力することは可能ですが、担当者は翻訳機能を介して話を進めていくため、意味が伝わらないこともあります。注意してください。
自動翻訳がされず英語表記のままであれば、カスタマーサービスの下にある「言語切り替え」のボタンを押してください。日本語に切り替えることができます。
担当者に直接質問しなくても解決できる場合は、AIのロボットチャットで進められます。AIのロボットチャットでは日本語入力では対応していない為、事前に翻訳機能で英文に翻訳しておきましょう。
あくまで複雑な対応のみ担当者と連絡できるようになっているので、チャットにたどり着くまでが少し手間がかかります。慣れてしまえば簡単なので、覚えておいてください。
「Open Dispute」機能とは?
AliExpressでトラブルにあった場合、「Open Dispute(紛争)」をして解決できます。紛争と聞くと怖いイメージがありますが、AliExpressではセラーとの問題やトラブルを解決するための交渉(手続き)をすることをいいます。
ここからはOpen Disputeの注意点や方法などを詳しく解説していきます。Open Disputeがどんな感じなのかを見ていきましょう。
証拠を残しておく
Open Disputeを利用するためには、きちんとした証拠が必要です。もし商品に不備があると感じた場合は、写真に残しておいてください。配達トラブルにあった場合は、やり取りをスクリーンショットに残しておきましょう。
とくにブランド品や家電といった高額商品の購入の際には、トラブルが多い傾向にあります。開封したらすぐに状態をチェックしてください。
セラーとのメッセージも保存しておく
セラーとのメッセージのやり取りもOpen Disputeには立派な証拠として役立ちます。セラーの対応に疑問を感じたら、念のためスクリーンショットをとっておきましょう。
怪しいと感じてもすぐにOpen Disputeをにおわせる内容は送らずに、あくまでもこちらは普通に対応してください。バイヤーのメッセージ内容にも問題があるとみなされると不利になりますし、セラーによっては脅迫されるなどの恐れもあるからです。あまりにしつこくメッセージを送るのではなく、数日間は様子をみるようにします。
トラブルにあっても慌てないでください。最終的にセラーから「返金します」というメッセージをもらえれば良しです。商品が届かない・不備があるというケースはこちらに落ち度がないので、解決まで冷静に対応しましょう。
返金方法は全額と部分の2種類
AliExpressでは2つの方法で返金をしてもらえます。「全額返金」と「部分返金」です。
全額返金はその名のとおり、購入金額の全てを返金してもらうシステムです。セラーの売上金が全て返金されるため、セラーから返金に応じてもらうには少々時間がかかることがあります。スムーズに全額返金してもらうためには、それなりの理由や証拠がなくてはなりません。
部分返金は購入金額の一部を返金してもらうシステムで、全額返金に比べて要望が通りやすいです。商品に問題があったものの、返品するまではいかないといったケースで利用できます。
部分的に返してもらえるのはありがたいシステムといえます。泣き寝入りせず、まずはセラーに交渉してみましょう。
Open Disputeの後の流れと注意点
Open Disputeが一通り終わったら、5日間の裁定期間が設けられます。セラーによっては裁定期間中に「返金する」「要望に応じる」と態度をひるがえしてくることがありますが、決して応じないようにしましょう。本当に要望通りの対応をしてくれるか分からないので、AliExpressの判断を待ってください。
裁定期間は5日設けられていますが、大体2~3日程度でAliExpressから裁定の結果が通知されます。返金はクレジットカード会社によって異なるので、詳しく知りたい場合はAliExpressではなくクレジットカード会社に問い合わせてください。
まとめ
AliExpressのチャット機能は、セラーと直接やり取りができます。セラーの中にはあまり良心的でないセラーもいるので、素早く連絡がとれるチャット機能はたいへん便利です。
中国との取引がメインになる中で、トラブルが出てくるかもしれません。しかし、チャット機能やOpen Disputeを利用すれば大半が解決できます。便利なチャット機能を利用してトラブルを解決できるようにしておきましょう。