海外のネットショップを使うと、日本で買うよりも安く商品が買えたり、日本未発売のアイテムが手に入ったりします。そこには日本のネットショップでは感じられない楽しさがあります。
しかし、海外のネットショップを利用するとなると、多くの日本人にとっては言葉がネックになります。例えば、追跡番号を教えてほしいときは、自分で英語の文章を書くことになるのでハードルが上がります。難しそうだと思う人もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、海外のネットショップを利用する際に使える英語について解説していきます。海外ネットショップの利用をお考えの方は、是非参考にしてください。
海外のネットショップを利用する際の配送方法について
英語に関する話題に入る前に、海外のネットショップを利用する際の配送方法について簡単に解説しておきます。
なお、この項では、eBayで商品を購入する場合を前提にお話していきます(eBayは、世界最大のオークションサイトです。オークションサイトとはいっても「Buy It Now」のボタンを押すだけで即購入することができるので、普通のネットショップと同じような買い方ができます)。
参考:eBay
日本に発送可能か確認しよう
まず、海外のネットショップを利用する際は、日本にも発送しているかを確認しなくてはいけません。International Shippingと表示されていれば、国際配送を行っているショッピングサイトであると確認できます。ただ、International Shippingと書かれていても、一部地域には配送を行っていない場合もあるので、日本へも配送しているかは個別に確認する必要があります。
eBayの場合はオークションサイトなので、出品者によって配送可能な国は変わります。配送可能な場合、アカウント登録した際の情報を基に日本への送料が自動的に表示されます。
配送方法と配送料金
多くのショッピングサイトでは、配送方法と配送料金を事前に確認できるようになっています(個別に日本への配送が可能かどうか、また配送料金はいくらかを問い合わせる必要がある場合もあります)。
eBayの場合は、商品ページをスクロールして「Shipping, returns & payments」のタグをクリックすれば、配送方法と配送料金が確認できるようになっています。
アメリカの国際郵便について
国際郵便にはいくつかの種類があります。日本郵便に相当するアメリカのUSPSだと、主に以下の4つの国際郵便サービスがあります。
(1)Global Express Guaranteed(GXG)
1~3営業日で到着する国際郵便サービスで、70ポンド(約31.8kg)までの荷物が送れます。最大100ドルの保険も付いています。
(2)Priority Mail Express International
3~5営業日で到着します。重さ70ポンドまで、100~200ドルの保険が付きます。無料の専用封筒を使えば、4ポンド(約1.8kg)まで定額で送れるサービスもあります。
(3)Priority Mail International
到着までの日数は6~10営業日。重さ70ポンドまで、100~200ドルの保険が付きます。専用の封筒やボックスを使った定額配送もあります。
(4)First-Class Mail International
15.994オンス(約453g)までの封筒が送れます。
それぞれのサービスの配送料金は大きさや重さ等によって変わりますが、上に書いたように定額サービスで送れる場合もあります。
詳細は、以下のページで確認してください。
参考:International Mail & Shipping Services(USPS)
ネットショッピングの場合、具体的にどの配送サービスを使うかはショップによって変わりますが、Priority Mail Internationalを使っているケースが多いようです。
到着予定日はサイトで確認できる場合も
Priority Mail Internationalの場合、6~10営業日が原則的な配送日数です。休日等は含みませんから、2週間くらい待てば大体は荷物が届くということです。ただし、現在はコロナウイルスの影響もあって平常通りには荷物が到着していません。余分に日数がかかると覚悟しておく必要があります。
eBayの場合は、到着予定日が商品ページに記載されています。必ずこの日に着くというものではありませんが、目安にはなります。
英語でメッセージを送る際のポイント
ここからは、英語でメッセージを送る際のポイントを解説します。
複雑な文章は避けて、短文で書くことを心がける
英語でメッセージを送る際は、上手な英語を書く必要はありません。要件が正確に伝わるよう、シンプルで分かりやすい文章を心がけましょう。
例えば、購入した商品の配送状況を知るために追跡番号を教えて欲しいとします。そうなると、通常は問い合わせの冒頭部分に「私は、この商品を購入した〇〇という者です。」といった内容のことを書くことになるでしょう。これを英語に直すときに日本語同様一文で書こうとすると、「I am 〇〇 who~」と関係代名詞「who」を使うことになります。しかし、このような書き方はおすすめしません。それよりも、「私は〇〇です。」「私はこの商品を買いました。」と2文で書いた方が、こちらの言いたいことが正確に伝わります。
自分の要求をストレートに書く
英語でメッセージを送る場合は、自分の要求をストレートに書くようにしましょう。日本人同士だと直接的な表現ははばかられますが、外国人は気にしません。
例えば、日本人同士なら、「先日注文した商品がまだ届いていないのですが」と書けば、相手のほうが察して、荷物の追跡番号を送ってくれたりするかもしれません。
しかし、英語のメッセージでは、ストレートに「追跡番号を教えてください」と書いた方が相手も分かりやすく誤解もありません。
相手に何をして欲しいのかをはっきり書くことを意識しましょう。
相手を必要以上に責めない
相手を非難することは、自分の要求を伝えることとイコールではありません。
「荷物が届かない」「追跡番号を教えて欲しい」というのは、事実と要求を述べているだけなので問題はありません。しかし、「なぜ早く荷物を送らないのか?」「早く荷物を送れ!」となってくると、相手を非難していることになります。
相手の態度によっては多少強い表現を使うべき場合もあるでしょうが、少なくとも最初に問い合わせを行う際は、相手を非難するような文章は送らないようにしましょう。
ポイントは、主語を「you」にするのではなく、「the goods」や「the item」にすることです。例えば、Have the goods been shipped?(商品は発送されましたか?)といった感じです。
日付を書く順序に注意
メッセージを書く際は、日付を入れる機会もあるでしょう。日付を入れる際は、日本とは書く順序が違うので注意してください。
例えば、2020年8月11日なら、英語では「August 11, 2020.」、あるいは月を短縮して「Aug. 11, 2020.」となります。月、日、年の順で、月は数字ではなく単語で書くのが一般的です。
メールでやり取りをする際は、前のメールを消さない
これは英語の場合に限りませんが、交渉ごとをメールでやり取りする際は、それまでの経緯が分かるように前のメールを消さずに返信するようにしましょう。
メールソフトの初期設定では「前のメールを残す形で返信する」になっている場合が多いはずです。
もし、前のメールを消してしまうと、それまでの交渉の経緯が分かりにくくなるため、速やかに返信してもらえなくなる恐れが生じます。
英語でメッセージを書く際のコツと便利なフレーズ
ここからは、英語でメッセージを書く際のコツと英語のフレーズを紹介します。それぞれの場面に合わせて使い分けてください。
メールの件名は短く、でも短すぎず
メールの件名は短く端的に書くことを心がけましょう。ただし、1~2個の単語だけで書かれた短すぎる件名だとシンプル過ぎてスパムメールか何かと勘違いされかねません。長すぎず短すぎずの適度な長さを意識してください。
便利なフレーズとしては、「Inquiry about ~」があります。「~についてのお問い合わせ」といった程度の意味で、何か質問したいときに広く使えます。
「Question about ~」でも構いませんが、こちらはどちらかと言うと簡単に回答できる内容(YESかNOで答えられるもの)を質問するときに使われます。
問い合わせの本文で使えるフレーズ
問い合わせる内容はそれぞれのケースごとに違うので、「このフレーズを知っていれば大丈夫」というものはありませんが、いくつか使えそうなものをご紹介しておきます。
Could I ask for a discount?(値引きをお願いできませんか?)
「Can I ask for ~」よりも丁寧な表現です。Can you give me a discount? と書くと、少しくだけた表現になります。
Do you accept credit cards?(クレジットカードは使えますか?)
大手のECサイトなら支払い手段は明確になっているでしょうが、現地の人の利用を想定した小規模なショップではクレジットカードが使えない場合もあるので、この表現は覚えておきましょう。
Can you ship to Japan?(日本に発送できますか?)
小規模なショップやオークションサイトに出品している個人出品者から買う場合は、そもそも日本に送ってもらえるのかを確認する必要があります。
商品発送後のトラブル時に使えるフレーズ
It appears that the item was damaged in transit.(輸送の途中で商品が破損したようです)
Please replace the item.(商品を交換してください)
Please refund the cost of the goods.(商品の代金を返金してください。)
これらのフレーズは、あくまでも一例に過ぎません。実際には色々なケースがありますから、上記の例文だけでは対応できない場合も当然あります。ただ、最近は翻訳サイトの精度が上がっているので、そちらを使えばほとんどの場合は問題ないでしょう。
追跡番号を問い合わせる際の注意点
追跡番号を問い合わせるにあたって最初に意識しておいて欲しいのは、「追跡番号」の問い合わせには2つの意味があることです。
商品を購入する前であれば、およそ追跡番号というものを教えてもらえるのか、つまり追跡可能な配送方法で送ってもらえるのかとほぼ同じ意味になります。
これに対して、商品を購入し発送してもらった後の問い合わせだと、自分が購入した商品の所在場所を確認するための追跡番号を教えて欲しいという意味になります。
先の意味での追跡番号は英語で「a tracking number」、後の意味では「the tracking number」となります。「a」と「the」の違いで意味が変わってくるわけです。
Can I get a tracking number? もCan I get the tracking number? も、「追跡番号を教えてもらえますか?」と日本語に訳せますが、意味が異なることは知っておくといいでしょう。
追跡番号を問い合わせる際に使えるフレーズ
商品が発送された後の「追跡番号を教えてください」を英語にする場合は、以下のようなフレーズが考えられます。
The item hasn’t arrived yet, please give me the tracking number.
「商品がまだ到着していません。追跡番号を教えてください。」
Please give me the tracking number as soon as you ship the item.
「商品を発送したら、すぐに追跡番号を教えてください。」
追跡番号による追跡サービスを利用する際の注意点
最後に、追跡サービスを利用する際の注意点についてお話しておきます。
まず一つ目は、追跡サービスに反映される荷物状況はリアルタイムのものではない可能性があることです。
以下のURLの日本郵便のホームページの「2 海外情報が検索できる国・地域」の「2-(2) 小包郵便物(航空便)」を見てください。配達情報が反映されるまでには短くても1週間、長ければ2週間前後かかることが分かります。
参考:国際郵便の郵便追跡サービスに関するお知らせ(日本郵便ホームページ)
もっとも、この表は日本から海外に荷物を送った場合のものなので、厳密には海外から発送される荷物の表ではありません。しかし、情報の反映には思った以上に時間がかかることはお分かりいただけるのではないでしょうか。
また、情報がどのように反映されるかは各国の郵便事情によっても異なってきます。
いずれにせよ、情報が反映されるまでにはタイムラグがあることを考慮に入れておきましょう。
追跡情報が反映されない場合も
先ほどご紹介した日本郵便のページの表に「海外情報が検索できる国・地域」、「海外情報の交換を試験的に行っている国・地域」とあるように、全ての国で追跡情報が反映されるわけではありません。
また、海外情報が検索できる国に含まれていても、事情によっては情報が反映されない場合もあります。例えば、以下の表では相手国に入ってからの情報更新がなされていませんが、荷物は到着しています。
追跡情報は万能ではありません。情報が反映されない場合もあることは、頭に入れておきましょう。
ミスが起こる場合も
例えば、郵便局の職員が追跡番号をスキャンし忘れるといった人為的なミスが起こる場合もあります。
また、海外からの荷物を受け取る場合であれば、送り主に教えてもらった番号自体が間違っていることもあり得ます。こういった場合は、当然ですが追跡はできません。
海外のネットショッピングを楽しもう!
海外通販の際に使える英語を中心に解説してきました。海外のネットショップを利用するとなると、英語を使わざるを得ない場合がどうしても出てきます。
しかし、いくつかのフレーズを知っていれば問い合わせが楽になりますし、翻訳サイトにも使いやすいものが増えていますから、英語が苦手な人でも何とかなります。
是非この記事を参考にして、海外のECサイトを利用したネットショッピングに挑戦してみてください。